ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

正義で地球は救えない 書評その5 進歩のない池田氏2

2009-01-18 15:31:39 | 池田清彦
 さて、だいぶ間が空きましたが続きです。しかし言ってることが数年前とほぼ同じことのループ・ループ。なんだかなあ。

P98>繰り返すがアライグマにせよブラックバスにせよ、それによって滅ぼされた在来種はいない。

だから絶滅だけが問題視されるべきかのように書くのはあんたの開発などへの批判と整合性が取れなくなるって。絶滅させなきゃ何やってもいいの?違うでしょ?

同ページ>祖先が「外来」の出自であることを理由に差別をするのは悪しき国粋主義ではないのか。

はいはい、「差別」に「国粋主義」ね。なんたらの一つ覚えのごとく使ってくださるおかげで耳にタコができましたよ。具体的にどういったことをするのが「差別」に当たるんですかね。この文章の前後から推測すると外来種の影響を憂慮して駆除などをすることのようですが。仮にそうであるなら池田氏も「差別」をしていることになりませんか?確かに池田氏は駆除に賛成はしていませんが外来種の影響には憂慮しているようです。たとえば氏はP95で以下の主張をしています。

>自然は複雑系だから、それまでにないものが新たに加わったらどういう影響がでるかはわからない。だから私は外来種を日本に持ち込むことに関しては現行のやり方よりももっと厳しく規制したほうがいいと考えている。その上で、日本に居ついてしまった外来種に関しては、過剰な対応をする必要はないと言っているのだ。

この違いって定着した外来種に対してどう対応するかですよね。少なくとも外来種の影響について憂慮している点は共通しています。それで思うんですが憂慮して行動するのを「差別」と呼んで憂慮すること自体は何で「差別」にならないんでしょうね。池田氏の言葉を借りるなら外来種を持ち込むことに関して規制することの根拠だってその生物の出自が「外来」だからです。「外来」であることを理由に憂慮することが「差別」にあたるならほかならぬ池田氏自身がその「差別」を実行していませんか?ぜひとも池田氏にどうやって線引きしているのか理由を説明していただきたいものです。

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