見てきました
根津美術館
会期は2014年1月9日から2014年2月16日。
2月8日、東京は記録的な大雪になりました。
朝、雪の積もる外を見たときにも驚きましたが、時々吹き荒ぶ風の強さにも驚きました。
そして、出かけました。笑
だって、せっかくの休日だし!!!
すいていると思ったんだもん。
きれいだー。
思ったほど空いていませんでした。
「いやっほ~、展示室独占!!」と思っていたらほかに10名ほど。
みなさん、あの雪の中来るんですね。。。
お疲れ様です。
さて、今回は「和歌を愛でる。」
季節の移ろいや心の微妙なありようを、31文字に託して詠んだ和歌。
日本美術と密接なかかわりを持ち、様々なジャンルで題材とされてきました。
古筆、屏風、蒔絵の硯箱、茶道具、、、
そういった和歌にちなんだ名品、30件余の展示です。
飛鳥井雅経筆「熊野類懐紙」
後鳥羽上皇が熊野詣の道すがら各宿所で催した歌会で参加者が詠んだ歌をしたためたものが「熊野懐紙」
和歌や書についていえることってないのですが。。
比較的大きな紙に自由に書いている印象です。
左に大きく空白がありますが、それもまたよし。
なお、後鳥羽上皇は生涯で27回も熊野詣をしているとか。。。
冷泉為秀筆「和歌短冊」
こちらは短冊に書かれたもの。
題が上に書かれ、これは「月」
その下に和歌が書かれています。
「月」の題からはイメージ離れた力強く癖のある字です。
足利義政筆「和歌短冊」
室町幕府八代将軍。
唐物を愛する一方で飛鳥井雅親を推して勅撰集を企画するほど日本文化も愛していました。
この勅撰集、結局は戦乱で実現されませんでしたが。。
東山文化を形成した文化人の直筆、よいうことでも興味をひきます。
題の「鳥」が上に書かれ、その下に和歌が。
鳥という字が小さいような。。
将軍のイメージからは少し遠い、細い線です。
伝 藤原公任筆「下絵朗詠集切(和歌朗詠集断簡)」
まず、紙がきれい。
料紙には金銀の小さな切箔や銀の砂子がまかれ、きらきらしています。
銀泥で菊なども描かれ優美です。
伝 藤原公任筆「尾形切(業平集断簡)」
尾形光琳の家に伝来したもの。
こちらも料紙がとにかく美しい。
流水のような紋が見えます。
胡粉を塗り、雲母で文様を摺り出したもの。
書も細く薄く、料紙と合っています。
「扇面歌意画巻」
和歌100首とその各歌を連想させる扇面画を100図、巻物に仕立てたもの。
なんと雅なことか。
"扇の草紙"とも呼ばれるそう。
描かれているのは、月、山、桜、滝、、といった自然が多いかな。
歌は読めないものが多いのですが、「から衣、、」など知っているものも。
「駒とめて 袖打ち払う 影もなし。。。」が今日の天気にはぴったりでしょう。笑
「鏡山図」
和歌に詠まれた近江の名所"鏡山"
その名から鏡のイメージを重ねられ、読まれてきました。
夜の情景に和歌が書かれているのですが、月には銀泥、山や木、葉には金泥を使われています。
金銀と聞くと煌びやかな印象ですが、大人しい色使いで静寂響く夜となっています。
「吉野龍田図屏風」
六曲一双の屏風です。
桜は春の吉野、紅葉は秋の龍田川。
古来より和歌に詠まれた名所です。
右隻に吉野、左隻に竜田川となっています。
枝には短冊が結ばれ、それぞれ吉野と龍田川、桜と紅葉にちなんだ和歌が書かれています。
桜の花びらは少し盛り上がっていました。
桜も紅葉も画面いっぱいに埋め尽くされ、華やかです。
あるだけでそこが明るく感じられます。
「武蔵野図屏風」
こちらも六曲一双の屏風。
右隻に真っ赤な太陽。
左隻に月。
そこに桔梗などの秋草が描かれています。
空が大きくとられ、平坦で広大な景色が描かれていました。
「鼠志野茶碗 銘 山の端」
花園院の和歌にちなんだ茶碗です。
箱の蓋に「五月雨は晴れんとやする山端に かゝれる雲のうすくなりゆく」と。
ねずみ色に白い釉薬がかかっています。
これが、薄い雲を見立てているためこの銘となったのでしょう。
柔らかな色合いです。
「春日山蒔絵硯箱」
蓋の表には月に照らされた秋の山野に佇む3匹の鹿。
蓋の裏には山中で鹿の声に耳を傾ける男。
壬生忠岑の「山里は秋こそことにわびしけれ鹿の鳴く音に目をさましつつ」という古今和歌集の歌の情景となっています。
少し寂しい秋の情景が男の表情と相俟って表現されています。
隣の部屋では小袖が展示されていました。
華やかで可愛らしいものばかり。
こういったものもいいですね。
さて。
根津美術館といえばお庭ですが。
こりゃ、歩けないな。。。
撮影のため、一瞬だけ出て断念です。
根津美術館行く途中で。
寒そうです。。
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根津美術館
会期は2014年1月9日から2014年2月16日。
2月8日、東京は記録的な大雪になりました。
朝、雪の積もる外を見たときにも驚きましたが、時々吹き荒ぶ風の強さにも驚きました。
そして、出かけました。笑
だって、せっかくの休日だし!!!
すいていると思ったんだもん。
きれいだー。
思ったほど空いていませんでした。
「いやっほ~、展示室独占!!」と思っていたらほかに10名ほど。
みなさん、あの雪の中来るんですね。。。
お疲れ様です。
さて、今回は「和歌を愛でる。」
季節の移ろいや心の微妙なありようを、31文字に託して詠んだ和歌。
日本美術と密接なかかわりを持ち、様々なジャンルで題材とされてきました。
古筆、屏風、蒔絵の硯箱、茶道具、、、
そういった和歌にちなんだ名品、30件余の展示です。
飛鳥井雅経筆「熊野類懐紙」
後鳥羽上皇が熊野詣の道すがら各宿所で催した歌会で参加者が詠んだ歌をしたためたものが「熊野懐紙」
和歌や書についていえることってないのですが。。
比較的大きな紙に自由に書いている印象です。
左に大きく空白がありますが、それもまたよし。
なお、後鳥羽上皇は生涯で27回も熊野詣をしているとか。。。
冷泉為秀筆「和歌短冊」
こちらは短冊に書かれたもの。
題が上に書かれ、これは「月」
その下に和歌が書かれています。
「月」の題からはイメージ離れた力強く癖のある字です。
足利義政筆「和歌短冊」
室町幕府八代将軍。
唐物を愛する一方で飛鳥井雅親を推して勅撰集を企画するほど日本文化も愛していました。
この勅撰集、結局は戦乱で実現されませんでしたが。。
東山文化を形成した文化人の直筆、よいうことでも興味をひきます。
題の「鳥」が上に書かれ、その下に和歌が。
鳥という字が小さいような。。
将軍のイメージからは少し遠い、細い線です。
伝 藤原公任筆「下絵朗詠集切(和歌朗詠集断簡)」
まず、紙がきれい。
料紙には金銀の小さな切箔や銀の砂子がまかれ、きらきらしています。
銀泥で菊なども描かれ優美です。
伝 藤原公任筆「尾形切(業平集断簡)」
尾形光琳の家に伝来したもの。
こちらも料紙がとにかく美しい。
流水のような紋が見えます。
胡粉を塗り、雲母で文様を摺り出したもの。
書も細く薄く、料紙と合っています。
「扇面歌意画巻」
和歌100首とその各歌を連想させる扇面画を100図、巻物に仕立てたもの。
なんと雅なことか。
"扇の草紙"とも呼ばれるそう。
描かれているのは、月、山、桜、滝、、といった自然が多いかな。
歌は読めないものが多いのですが、「から衣、、」など知っているものも。
「駒とめて 袖打ち払う 影もなし。。。」が今日の天気にはぴったりでしょう。笑
「鏡山図」
和歌に詠まれた近江の名所"鏡山"
その名から鏡のイメージを重ねられ、読まれてきました。
夜の情景に和歌が書かれているのですが、月には銀泥、山や木、葉には金泥を使われています。
金銀と聞くと煌びやかな印象ですが、大人しい色使いで静寂響く夜となっています。
「吉野龍田図屏風」
六曲一双の屏風です。
桜は春の吉野、紅葉は秋の龍田川。
古来より和歌に詠まれた名所です。
右隻に吉野、左隻に竜田川となっています。
枝には短冊が結ばれ、それぞれ吉野と龍田川、桜と紅葉にちなんだ和歌が書かれています。
桜の花びらは少し盛り上がっていました。
桜も紅葉も画面いっぱいに埋め尽くされ、華やかです。
あるだけでそこが明るく感じられます。
「武蔵野図屏風」
こちらも六曲一双の屏風。
右隻に真っ赤な太陽。
左隻に月。
そこに桔梗などの秋草が描かれています。
空が大きくとられ、平坦で広大な景色が描かれていました。
「鼠志野茶碗 銘 山の端」
花園院の和歌にちなんだ茶碗です。
箱の蓋に「五月雨は晴れんとやする山端に かゝれる雲のうすくなりゆく」と。
ねずみ色に白い釉薬がかかっています。
これが、薄い雲を見立てているためこの銘となったのでしょう。
柔らかな色合いです。
「春日山蒔絵硯箱」
蓋の表には月に照らされた秋の山野に佇む3匹の鹿。
蓋の裏には山中で鹿の声に耳を傾ける男。
壬生忠岑の「山里は秋こそことにわびしけれ鹿の鳴く音に目をさましつつ」という古今和歌集の歌の情景となっています。
少し寂しい秋の情景が男の表情と相俟って表現されています。
隣の部屋では小袖が展示されていました。
華やかで可愛らしいものばかり。
こういったものもいいですね。
さて。
根津美術館といえばお庭ですが。
こりゃ、歩けないな。。。
撮影のため、一瞬だけ出て断念です。
根津美術館行く途中で。
寒そうです。。
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