RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

和歌を愛でる

2014-02-08 21:30:00 | 美術
見てきました

根津美術館

会期は2014年1月9日から2014年2月16日。

2月8日、東京は記録的な大雪になりました。
朝、雪の積もる外を見たときにも驚きましたが、時々吹き荒ぶ風の強さにも驚きました。
そして、出かけました。笑

だって、せっかくの休日だし!!!
すいていると思ったんだもん。


きれいだー。

思ったほど空いていませんでした。
「いやっほ~、展示室独占!!」と思っていたらほかに10名ほど。
みなさん、あの雪の中来るんですね。。。
お疲れ様です。

さて、今回は「和歌を愛でる。」

季節の移ろいや心の微妙なありようを、31文字に託して詠んだ和歌。
日本美術と密接なかかわりを持ち、様々なジャンルで題材とされてきました。
古筆、屏風、蒔絵の硯箱、茶道具、、、
そういった和歌にちなんだ名品、30件余の展示です。

飛鳥井雅経筆「熊野類懐紙」
後鳥羽上皇が熊野詣の道すがら各宿所で催した歌会で参加者が詠んだ歌をしたためたものが「熊野懐紙」
和歌や書についていえることってないのですが。。
比較的大きな紙に自由に書いている印象です。
左に大きく空白がありますが、それもまたよし。
なお、後鳥羽上皇は生涯で27回も熊野詣をしているとか。。。

冷泉為秀筆「和歌短冊」
こちらは短冊に書かれたもの。
題が上に書かれ、これは「月」
その下に和歌が書かれています。
「月」の題からはイメージ離れた力強く癖のある字です。

足利義政筆「和歌短冊」
室町幕府八代将軍。
唐物を愛する一方で飛鳥井雅親を推して勅撰集を企画するほど日本文化も愛していました。
この勅撰集、結局は戦乱で実現されませんでしたが。。
東山文化を形成した文化人の直筆、よいうことでも興味をひきます。
題の「鳥」が上に書かれ、その下に和歌が。
鳥という字が小さいような。。
将軍のイメージからは少し遠い、細い線です。

伝 藤原公任筆「下絵朗詠集切(和歌朗詠集断簡)」
まず、紙がきれい。
料紙には金銀の小さな切箔や銀の砂子がまかれ、きらきらしています。
銀泥で菊なども描かれ優美です。

伝 藤原公任筆「尾形切(業平集断簡)」
尾形光琳の家に伝来したもの。
こちらも料紙がとにかく美しい。
流水のような紋が見えます。
胡粉を塗り、雲母で文様を摺り出したもの。
書も細く薄く、料紙と合っています。

「扇面歌意画巻」
和歌100首とその各歌を連想させる扇面画を100図、巻物に仕立てたもの。
なんと雅なことか。
"扇の草紙"とも呼ばれるそう。
描かれているのは、月、山、桜、滝、、といった自然が多いかな。
歌は読めないものが多いのですが、「から衣、、」など知っているものも。
「駒とめて 袖打ち払う 影もなし。。。」が今日の天気にはぴったりでしょう。笑

「鏡山図」
和歌に詠まれた近江の名所"鏡山"
その名から鏡のイメージを重ねられ、読まれてきました。
夜の情景に和歌が書かれているのですが、月には銀泥、山や木、葉には金泥を使われています。
金銀と聞くと煌びやかな印象ですが、大人しい色使いで静寂響く夜となっています。

「吉野龍田図屏風」
六曲一双の屏風です。
桜は春の吉野、紅葉は秋の龍田川。
古来より和歌に詠まれた名所です。
右隻に吉野、左隻に竜田川となっています。
枝には短冊が結ばれ、それぞれ吉野と龍田川、桜と紅葉にちなんだ和歌が書かれています。
桜の花びらは少し盛り上がっていました。
桜も紅葉も画面いっぱいに埋め尽くされ、華やかです。
あるだけでそこが明るく感じられます。

「武蔵野図屏風」
こちらも六曲一双の屏風。
右隻に真っ赤な太陽。
左隻に月。
そこに桔梗などの秋草が描かれています。
空が大きくとられ、平坦で広大な景色が描かれていました。

「鼠志野茶碗 銘 山の端」
花園院の和歌にちなんだ茶碗です。
箱の蓋に「五月雨は晴れんとやする山端に かゝれる雲のうすくなりゆく」と。
ねずみ色に白い釉薬がかかっています。
これが、薄い雲を見立てているためこの銘となったのでしょう。
柔らかな色合いです。

「春日山蒔絵硯箱」
蓋の表には月に照らされた秋の山野に佇む3匹の鹿。
蓋の裏には山中で鹿の声に耳を傾ける男。
壬生忠岑の「山里は秋こそことにわびしけれ鹿の鳴く音に目をさましつつ」という古今和歌集の歌の情景となっています。
少し寂しい秋の情景が男の表情と相俟って表現されています。

隣の部屋では小袖が展示されていました。
華やかで可愛らしいものばかり。
こういったものもいいですね。

さて。
根津美術館といえばお庭ですが。

こりゃ、歩けないな。。。
撮影のため、一瞬だけ出て断念です。


根津美術館行く途中で。
寒そうです。。



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雪だるま

2014-02-08 19:30:00 | 日常
雪すごいですね。。
おとなしくしているのはなんとなくいやだったので。。

玄関の脇に雪だるま君は今もいます。
あ、ダンボーはもちろん家の中です。



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人間国宝展 -生み出された美、伝えゆくわざ-

2014-02-07 21:30:00 | 美術
見てきました

東京国立博物館

会期は2014年1月15日から2014年2月23日。

今回の「人間国宝展」
同じく東京国立博物館で開催の「クリーブランド美術館展
東京都美術館で開催の「世紀の日本画」
この3つの展示で『日本美術の祭典』とされています。
昨日、「クリーブランド美術館展」を書いたので、今日は同じく平成館で開催中のこちらの展示を。
"日本伝統工芸展60回記念「人間国宝展 -生み出された美、伝えゆくわざ-」"

生活の中で用いられる器や衣服、道具に美を求める工芸。
日本では古くから、陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形などの工芸が発達し、その芸術性は今日においても高く評価されています。
そういった工芸の技を伝承し、発展に尽くし、工芸史に残る作品を作り出してきたのが"人間国宝"
今回は国宝・重要文化財といった歴史的に評価されてきた古典的な工芸と、現代の人間国宝の作品を一堂に集め、「わざ」の美を見る展示となっています。
展示は歴代人間国宝104人の名品を紹介するもの。
こういった展示、ほとんどなかったため、ちょっと期待。

で、人間国宝についてですが。
人間国宝とは重要無形文化財の保持者。
歴史的、芸術的に価値の高いものが無形文化財とされ、より重要なものが重要無形文化財。
工芸では183件の指定があり、これまで166名の方が人間国宝とされているそう。

《第1章 古典への畏敬と挑戦》
ここでは人間国宝の作品と、彼らの目指した古典の作品やその造形に影響を与えた作品が展示されています。

「奈良三彩壺」
加藤卓男「三彩花器「爽容」」
最初に出迎えてくれたのはこちらの作品。
奈良時代に制作された重要文化財「奈良三彩壺」は唐三彩の影響を受けたもの。
緑、橙、白の3色がバランスよく、しっかりどっしりした形です。
加藤氏のものはそれに学んだもの。
色使いは同じですが、ゆったりしたシルエットに釉がすーっと垂れ、一味違った美しさを出しています。

喜多川平朗「木画紫檀双六局(正倉院宝物模造)」
昭和31(1956)年に室町時代に途絶えた織りの技法を復興したもの。
ひし形の文様で透き通る織物。
柔らかそうで触ってみたい。
どれだけの技術と根気が必要なのか。。
敬服です。

「金銅唐花文鋺(興福寺鎮壇具のうち)」
国宝です。
興福寺出土品で、鎮壇具とは、地の神を鎮めるために埋められたもの。
唐草文が優美な印象を与え、底の魚々子は鏡に映して展示されていますがそちらも素晴らしい。

増田三男「金彩銀壺「山背」」
金属の壺です。
走りゆく鹿の文様がなんだか可愛らしい。
こちらにも魚々子が施されています。

木内省古「木画紫檀双六局(正倉院宝物模造)」
木画です。
木画とは木地に種の異なる木で文様を表す技法。
これは当時の材料や工具、工法を可能な限り当時のまま復元したもの。
とても繊細で、組み合わせも美しく惚れ惚れしてしまいます。

秋山逸生「輪花文縞黒檀印箱」
80歳での代表作。
素晴らしいです。
小さな箱ですが、側面に花のような文様が施されそれがとにかく美しい。
一つ一つの装飾も緻密で鳥肌が立ちます。
欲しい!!!

前田竹房斎(二代)「六合花籃」
竹細工です。
幾何学模様が美しい。
二重になっているのですが、竹ひごを染め分け使っているため、その陰影も美しい。
竹らしい繊細で、でも強くしなやかな様子が感じられます。

吉田文之「紅牙撥鏤尺」
奈良時代に作られた重要文化財「紅牙撥鏤尺」の復元になります。
鮮やかな朱色が目に眩しく滑らかな線が美しい。
繊細で優美です。

相州正宗「刀 金象嵌銘 城和泉守所持 正宗磨上本阿(花押)」
国宝です。
そして人間国宝、小野光敬が研いだもの。
刀も研がなければ美しさは減ってしまいますからね。
そういったところでも活躍されているんだなぁと。

「唐衣 萌黄地亀甲菊花模様二陪織物 表着 紅地入子菱菊花模様二陪織物」
十二単一式のうち唐衣と表衣。
紅色に白のドット、萌黄色に白のドット。
重ねて綺麗にあうように出来ています。
江戸時代(17世紀)のもので、一式揃ったものとしては現存最古のものだとか。
皇女和宮が着用したそうです。
かわいい。

美濃「志野茶碗 銘 広沢」
重要文化財です。
ほんのり橙色で暖かい表情を見せています。
銘は、三日月文から月の名所である京都嵯峨野にある広沢の池からとられたそう。

荒川豊蔵「志野茶碗」
緋色が強くおせんべいのような色。
丸みがあり柔らかな印象です。

上野為二「縮緬地友禅訪問着「歓喜」」
鶏と花が表された華やかな友禅。
裾に掛け軸がありその掛け軸から鶏が飛び出しているなどなかなかおもしろいです。
花も単純化されたものがちりばめられ幻想的でした。

山田栄一「訪問着 牡丹模様中振袖」
薄い青にピンクの牡丹が華やかです。
着たときに模様がどう出るのか見てみたい。
欲しいです。

松原定吉「地白江戸風物文着尺」
文明開化の東京を表したちょっと変わったもの。
新橋や江戸橋、不忍池などが見えます。
山口晃的な印象。

濱田庄司「白釉黒流掛大鉢」
白地の大皿に黒い釉で模様がつけられています。
"流し掛け"という方法で柄杓で釉薬をかけるのだとか。
大胆で力強い印象を与えます。

「黒釉褐彩牡丹文瓶」
艶のある黒釉。
牡丹文とまるまるとした形が可愛らしい。

そしてトーハクが日本工芸史を代表する古美術の名品を選んで展示するコーナーがありました。
「火焔型土器(新潟県十日町市笹山遺跡出土)」
国宝です。
誰もが教科書でみたことあるはず。
燃えさかる焔を表現していますが、何度見ても素晴らしい。
その造形センスや装飾の立体的なこと。
これほど素晴らしい作品が縄文時代にできるってことがもうね。。
今見てもかっこいい。

「金銀鍍宝相華透彫華籠」
こちらも国宝。
華籠とは、諸仏を供養する散華供養のための紙の花びらを盛る器のこと。
透かし彫りが立体的で美しく、花と唐草が見事に調和しています。

《第2章 現代を生きる工芸を目指して》
日本の工芸は時代の流れと共に変化していきます。
伝統工芸も「用の美」にあった美とわざを目指していくことになります。
ここでは現代にあった新たな技術、新たな表現を目指した作品が展示されています。

平田郷陽「抱擁」
赤ん坊を抱きかかえて座っている女性を表現した人形。
胴体は単純化され大きく表現されています。
赤ん坊に顔を寄せ目を閉じている母親の顔はとても穏やか。
シンプルですが、とても美しく優しい作品です。

荒川豊蔵「瀬戸黒金彩木の葉文茶碗」
瀬戸黒に金彩の木の葉が施された小ぶりの茶碗。
色彩の組み合わせが美しい。

香取正彦「鳳雛薫爐」
香炉です。
前漢時代の青銅器を祖形とするそう。
鳳凰が伸びやかで今にも飛び立ちそう。

内藤四郎「柳文銀壺」
器胎は銀板を打ち絞って成型しているそう。
丸く艶やかで輝いています。
美しい。
欲しい。

鹿島一谷「布目象嵌露草文銀四分一接合水指」
金工なのにその色使いからは別のものかと思うほど。
銀色の上に可憐な露草が施されています。
布目状の切り込みを意図的に残し、陰影をぼかしているとか。
色使いも素敵です。

齋田梅亭「截金波頭文飾筥」
1967年のものですが、このデザインが!!と驚きます。
とにかくおしゃれでカッコイイ。
載金の交錯する線のスピード感、リズム感。
素敵です。

《第3章 広がる伝統の可能性》
最後です。
ここでは伝統の「わざ」をベースとしながらも、新しい創作性やデザインを重視した美の造形が展示されています。

鹿児島壽蔵「志賀島幻想箕立事」
真っ先に目に付く不思議な造形。
人魚が逆立ちをしているかのような。。
これ、志賀村の漁村にあった夫婦愛の象徴である箕立ての習慣を人形にしたもの。
うん、、変わってる。

野口園生「月の出」
こちらも変わっている、かな。
3人の女性が月見をしている木彫りの人形なのですが。
横から見てびっくり、薄い、平べったい。
人形の顔は穏やかで悠然とした様子です。

西出大三「木彫截金彩色合子「香牛」」
牛のかたちをした合子です。
全体を彩色しカラフルでかわいらしい。
施された金箔もアクセントとなり華麗なようすをみせています。

徳田八十吉(三代)「耀彩壺「恒河」」
丸い壷。
チラシなどにも使われている作品です。
藍色の球体の中央に縦に白い筋が入り、外側に向かって黄色、橙、緑、青とグラデーションになっています。
宇宙的な色合い。
藍色の球体を切り裂いて新しいものが生まれそうな、そんな印象です。

佐々木象堂「�椈型鋳銅置物「三禽」」
細く骨のような禽、3匹。
象形文字が立体化したかのようなフォルムです。

寺井直次「漆額 極光」
この作品、成田空港の貴賓室(VIP第一室)におかれているもの。
作者が開発したアルミを素地とする金胎漆器です。
飛ぶ鶴とオーロラが美しく、日本の玄関にはぴったりのテーマかな。

生野祥雲齋「竹華器「怒濤」」
くるりと巻貝のように巻かれた竹細工。
竹のしなやかさがとても美しい曲線を生み出しています。
ダイナミックでありながら、繊細で流麗。
作者は、日本有数の竹工芸産地である別府で、名工として知られた佐藤竹邑齊に入門。
死に物狂いの修業により、わずか2年で独立を果たしたそう。
素晴らしい努力の影にこういった素晴らしい作品があるんですね。

「クリーブランド美術館展」のほうが期待していったのですが、おもしろさとしては「人間国宝展」かな。
期待が少なかったからなのか。。
でも単純に、美しいもの、すごい技のものが多くて。
人もクリーブランドより多かった気がします。
予定していた時間を大幅にオーバーしての鑑賞となりました。
おすすめです。



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クリーブランド美術館展 -名画でたどる日本の美

2014-02-06 21:30:00 | 美術
見てきました

東京国立博物館

会期は2014年1月15日から2014年2月23日。

今回の「クリーブランド美術館展」
同じく東京国立博物館で開催の「人間国宝展」
東京都美術館で開催の「世紀の日本画」
この3つの展示で『日本美術の祭典』とされています。

この3展共通の前売り券、1,000円という価格のものが、2013年8月1日から限定5,000枚で発売され話題にもなりました。
私ももちろん買ったよ!!
それ以降の共通前売りも2,400円とかなり安いものだったけど、1,000円で3つ見れるなんてお得以外の何ものでもない!!

と言うわけで。
昨年8月に購入して約半年暖め続けたチケットを手に行ってきました!!

クリーブランド美術館。
アメリカのオハイオ州クリーブランド市にある全米有数の規模の総合美術館です。
収蔵点数は70,000点、展示室の数は70を数えます。
日本美術のコレクションは、古代から江戸、近代にまで及び、ボストン美術館やメトロポリタン美術館に匹敵する全米屈指の規模と質を誇ります。
今回は平安から明治に至る、選りすぐりの日本絵画40件余りと中国、西洋絵画を加えた約50件の展示です。

今回、展示の見所として下記、4点が挙げられていました。
1.全米屈指の規模と質を誇るクリーブランド美術館の日本美術コレクションが里帰り。
2.雪村、始興、蘆舟、蕭白に暁斎。人気の絵師が勢ぞろい。
3.平安から明治まで、日本絵画の流れと魅力を約50件の名品でたどる。
4.ピカソ、モネ、ルソーなど、西洋絵画の名品も来日
きぇぇぇぇ!!
楽しみ。

《第一章 神・仏・人》
まずは神仏や人の姿の表現について。
日本の絵画は中国からその主題と表現を学びましたが、日本の信仰感情や風土にあわせ、時代ごとに変遷していきます。

「伊年」印 「雷神図屏風」
「風神雷神図屏風」といえば俵屋宗達の「風神雷神図屏風」がよく知られています。
国宝ですし。
他には尾形光琳、酒井抱一の描いたものが。
この作品は「雷神」のみが描かれたもの。
「風神」はもう一隻に描かれていたのかな。。
顔はどことなくユーモラスで怖さを感じるものではありません。
なんだか、、一番最初がこれなんだ。。。と気が抜けてしまう作品。
なお、宗達の「風神雷神図屏風」は東京国立博物館平成館で3月25日から開催の特別展「栄西と建仁寺」で約5年ぶりに公開されます。
と、同時期に尾形光琳の「風神雷神図屏風」(重要文化財)も東京国立博物館本館2階の「日本美術の流れ」7室で公開されるそうです。
これは見逃せませんね!!

「釈迦如来像」
東福寺伝来のもの。
若冲が制作した仏画の原本としても知られているもの。
どことなく不安げな表情に見えます。
あと気になったのは手。
白くて長い爪が気になってしまいました。。
切ろう。

「文殊菩薩及び眷属像」
眷属従え、獅子に乗る文殊が描かれています。
獅子は目と口を開き咆哮しているかのよう。
対して文殊はすっと静かに前を見つめています。
静と動の組み合わせ。

「仁王経曼荼羅」
仁王経曼荼羅とは鎮護国会を祈る仁王会で使われたもの。
色はありませんが、伸びやかな線ですっきりと描かれ美しい。
それぞれの表情もとてもいいです。

「二河白道図」
仏教説話画です。
色も明るく美しい。
上部に描かれた極楽浄土にたどり着くには、現世の様々な誘惑に打ち勝つことが必要です。
執着心をあらわす水河と越え、人々の怒りや憎しみを表す火河を越え。
細い白い道を辿ることで極楽浄土へたどり着くのです。
その信仰が分かりやすく表現されています。

「遊女物語絵巻断簡」
都の貴公子と遊女の間の子供が中宮となるお話。
画中に人物のセリフが書かれ、さながら漫画のよう。
細く伸びやかな線で描かれた宮中や人物が美しい作品。

春屋宗園賛「霊昭女図」
描かれているのは唐の仏教者、ほう居士の娘、霊昭女。
ほう居士は悟りを啓き財産をなげうったため、生活は苦しかったようで。。
霊昭女は竹籠を売り両親に孝を尽くしたそう。
禅僧の間で好まれた画題です。
色彩はほぼなく、落ち着いた印象。
神々しささえ感じられるような美しさです。

「融通念仏縁起絵巻」
融通念仏縁起絵巻とは、融通念仏を広めた良忍の伝記。
原本にごく近いものとしてこのクリーブランド版は知られています。
またシカゴ美術館にも良く似たものが。
色鮮やかです。
特にオレンジ色が目に眩しいほど。
状態良すぎて驚きです。

「福富草紙絵巻」
滑稽譚「福富草紙」を描いた室町時代の絵巻です。
放屁の芸で長者となった高向秀武と、その成功を羨んで真似をし、失敗した福富を描いたもの。
展示されているのは福富が失敗するシーン。
芸に失敗し、袋叩きにあった福富。
血だらけで笑いものにされながら帰るシーンからしてちょっと笑えるのですが。
なにを思ったかそれを遠くから見た福富の妻はお金持ちになって帰ってきたと勘違い。(どこで!??)
「新しい服を買えばいいから、今ある服はいらないわ~」
と着物を全部燃やしてしまいます。(なぜそうなる。。)
家に着いた福富。
着るものがなく、寒さに震えるのです。。
裸で震えているさまは、おかしいというか、かわいそうといつか。。
哀愁誘います。

渡辺崋山「大空武左衛門像」
ものすごく大きな掛け軸に描かれているのはものすごく大きな男性。
見上げるほどです。
熊本半お抱えの力士、武左衛門。
なんと身長は7尺3寸(約227cm)もあったとか!!
この作品、等身大で描かれているそう。。。
牛を跨げるほど足が長いことから"牛跨ぎ"との愛称も。
すごすぎるよ。。
隣の壁に実寸代のコピーと手形のコピーがあったのですが、大きい!!
背も高いけど、手も大きい。
びっくりです。

田村水�貎「待人図」
微妙な距離で話す男女とそれを御簾の中からのぞく3人の女性。
「うまくいくかしら」といったところでしょうか。
私もこれを見ながら御簾の中の3人の気持ちに。
ちょっとキュンとします。笑
着物など色彩も綺麗で、流れるような筆遣いも美しい作品。

山本梅逸「群舞図」
室内で踊る男女を描いた作品。
といっても、はっきり描かれているのではなく、障子に写るシルエット。
左端の障子だけ少し開いていて、赤と青の華やかな着物で舞う女性が見えます。
そこからでも室内のにぎやかさが伺えます。
明るい室内と対照的に、屋外は暗く静か。
おもしろい作品です。

窪俊満「唐美人図」
屋外に立つ女性が一人、描かれています。
後ろの草は南国的。
着物、帯、扇、髪飾りなど丁寧でまた、色彩も豊かで艶やかです。

河鍋暁斎「地獄太夫図」
地獄とは室町時代の境の遊女。
山賊にさらわれて遊女にさせられたのですが、それを前世の報いと受け入れ自ら"地獄"と名乗ったそう。。
身にまとう着物は地獄模様。
内掛けは紺地に赤い珊瑚が描かれているのですが、地獄の業火のよう。
色彩も鮮やかで艶っぽい。
が、よくよくみると七福神の面々も。
おなかの辺りに布袋さま、右袖には閻魔大王と福禄寿、裾には恵比寿さまと大黒さま。
地獄と福が入り混じっています。
おもしろい。
室内には月と秋草が描かれた屏風が置かれ、色彩の対比が目立ちます。

《第二章 花鳥風月》
ここでは植物や動物などの自然を描いた作品が展示されています。

伝没倫紹等賛「南瓜図」
私好みに奇妙な作品。笑
触覚のある蟻人間のような不思議な生き物がカボチャを引っ張って運んでいます。
後ろからテコを入れて手伝うもの、カボチャの上で笹を持って振っているもの。(応援か指揮??)
周りでは太鼓や笛をならし、鼓舞するなど実に不思議。
でも楽しそうです。
画題は不明とのこと。
確かに。。
巨石や巨木を引っ張る祭礼を描いたものでは、とのこと。
ワケ分からないところがいいのに。。

「薄図屏風」
六曲一双の屏風です。
金泥のもやの中、文様化された薄が描かれています。
うーん、これなら千葉市美術館所蔵の鈴木其一の薄が好き。
こっちはなんだか惜しい感じがしてしまう。。

雪村周継「龍虎図屏風」
六曲一双の屏風。
右隻には雲を呼ぶ龍。
左隻には風を呼ぶ虎。
龍は渦巻く雲間から現れますが、表情がちょっと弱そう。。
虎は風なびく竹林の岩の上に足を揃えて座っています。
ちょっと可愛らしい。
迫力よりも可愛らしさ、おもしろさがにじみ出ている作品。

伝海北友松「松に椿・竹に朝顔図屏風」
こちらも六曲一双。
右隻には、松と遠くに山。椿の白が目立ちます。
左隻には、竹に水辺の景。竹は霞の中。
くっきりした朝顔の青が目立ちます。
モノクロの景色の中、植物だけ色がつけられ、印象的です。

《第三章 物語世界》
《花鳥風月》のあとは《物語世界》、そして最後に《山水》だったのですが、展示リストなどでは《山水》→《物語世界》となっています。
ここでは展示の順番に即して、まず《物語世界》を。
ここでは物語、、とくに「伊勢物語」を主題とした作品がならんでいます。

伝俵屋宗達「伊勢物語図色紙 住吉の浜」
社殿とその前に3人の男性が描かれます。
住吉大社を描いた作品で太鼓橋を描かないものは珍しい。。
色紙サイズの小さな作品ですが色鮮やか。

渡辺始興「燕子花図屏風」
六曲一双の屏風です。
燕子花といえば伊勢物語9段"東下り"
始興は尾形光琳を慕っていたそうで、この主題も光琳の作品からの発想だそう。
金地に燕子花が描かれているのですが、橋は描かれていません。
花の背丈が短くちょっと詰まっているようにも。
水面からひょこっと顔だけ出しているような感じです。
花は風にたわみ、葉も裏表で色調を変えるなど細やかな描写が見られます。
が、なにか、おかしく感じてしまう。。
なんでだろ。。光琳のと比べてしまうからかな。。。

深江蘆舟「蔦の細道図屏風」
同じく伊勢物語の"東下り"から業平が東海道津谷峠にさしかかる場面。
薄暗い峠で京にいる恋人への手紙を託した修行僧を見送る業平。
華やかな金色や鮮やかな蔦が逆に業平の心細さを強調させるようです。
なんだかぐっとくる場面。

<近代西洋の人と自然>
唐突な感じが否めないのですが、ここで、クリーブランド美術館所蔵の西洋絵画4点が展示されていました。

アンリ・ルソー「トラとバッファローの戦い」
もう、ルソーワールド全開の作品。
鬱蒼としたジャングルの中でトラがバッファローに飛び掛っています。
逆の向きになるバナナやオレンジの果実も不思議な雰囲気に拍車をかけています。
なんかこれを見れただけで満足。

クロード・モネ「アンティーブの庭師の家」
アンティーブは地中海に面したフランスの港町。
オレンジ色の屋根の家が手前い描かれ、奥には青い海。
空にはピンクが使われています。
全体的に明るい色彩で地中海の暖かな様子が伝わってきます。

ベルト・モリゾ「読書」
第1回印象派展への出品作のひとつでもあるこの作品。
屋外の芝の上に座り、読書をする女性。
白い衣服と緑の組み合わせが非常に美しいです。

パブロ・ピカソ「画家の妹ローラ」
ピカソ、18歳の作品。
きりりとした表情のローラも気になりますが、窓の外に見える強いオレンジ色が目をひきます。

《終章 山水》
最後です。
山水画が展示されています。
また、ここではクリーブランド美術館の中国絵画コレクションも展示されています。

呂文英「江村風雨図」
呂文英は、明の宮廷画家。
激しい筆遣いで描かれています。
画面右から左下へ風の流れが表現され、勢いを感じます。
大胆でおもしろい作品。

相阿弥「山水図」
描かれているのは霞がかる山、橋を歩く人など。
山水や樹を"氷点"と呼ばれる点で形作った作品。
点描みたいな感じです。
幻想的。

伝天章周文「春冬山水図屏風」
六曲一隻の屏風です。
右の4扇には冬の景色を、左の2扇には春の紅梅を描いています。
この作品を描いたとされる天章周文は室町中期の禅僧。
真筆といえる作品がないそうです。
貴重なものがあるんですね。

狩野秀頼「四季山水図 夏景・秋景・冬景」
3幅対の掛け軸。
夏と秋と冬が描かれています。
元々は春もあり、4幅だったそう。
いずれも山と川を描いたもの。
木々が生い茂り、川には船の浮かぶ夏。
渡り鳥が飛び、旅人が道行く秋。
雪に覆われた冬。
とても細やかに情景が描かれています。

米友仁「雲山図巻」
米友仁は、北宋から南宋にかけての画家。
山々の間に雲が漂う景色が描かれたこの作品は南宋絵画の名品といわれています。
山や樹木の形を輪郭線ではなく点描で表現し、墨の濃淡で量感をあらわしています。
湿潤な空気漂う私好みの作品です。

「近江名所図屏風」
六曲一双の屏風です。
右隻に日吉大社や坂本の街並みが描かれ、左隻に石山寺が描かれています。
琵琶湖周辺の観光ガイドのようですが、人々の生活も描かれ、なかなかおもしろい作品です。

曽我蕭白「蘭亭曲水図」
王羲之の曲水の宴を題材とした作品。
会稽山の蘭亭に客を集め、曲水を流れる杯の酒を飲んでは詩を作ったという話です。
奥には会稽山と蘭亭。
切り立つ岩山と滝、そしてこちらに川の流れが。
川沿いには豆粒のような小さな人の姿。
宴なのに人物が小さいというところがおもしろい。
はっきりした線と濃淡がさすが蕭白といったところ。
(関連:「書聖 王羲之」)

といった感じです。
平成館の特別展示室のいつもの半分の量です。
のこり半分は同じく"日本美術の祭典"のなかの「人間国宝展」
少なめの量ですが、これぐらいでいいのかも。。
トーハクでの展示、見終わるといつもぐったりだし。。

全体的には地味な印象の作品ばかりでしたが、こういった貴重なものが海外のコレクションにあるといったことにびっくり。
なお、クリーブランド美術館では2014年2月6日から5月11日まで「日本の近代美術」という展示が開催されるそうです。
作品を貸し出したのはもちろんトーハク。
こういった海外との美術交流がもっと盛んになるといいなぁ。



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どら焼き

2014-02-05 21:30:00 | 食べ物
好きです
ケーキも好きだけど和菓子も大好き。

どら焼きです。
米粉ともち粉を使っているそうで、もちもちです。

抹茶あずきと黒豆きなことさくらと檸檬ティー。
檸檬ティーはおすすめとのことで。。
レモン風味の白餡が爽やかです。
茶葉の入った生地も香りよく、おいしい。
意外な組み合わせ。

こういったものを食べるのが楽しい。



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プライベート・ユートピア ここだけの場所 ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在

2014-02-04 21:30:00 | 美術
見てきました

東京ステーションギャラリー

会期は2014年1月18日から2014年3月9日。

今回はブリティッシュ・カウンシル・コレクションからイギリス現代アートになります。
ブリティッシュ・カウンシル・コレクション。。。
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルがイギリスの優れた現代美術を集めたもの。
その特徴として特定の展示施設を持っていない、ということがあります。
そう、「〇〇に行けば見れる!!」というものではないのです。
コレクションはイギリス美術を世界に広める重要な任務を負って、特製のクレート(木箱)に入れられ、つねに海外を旅しています。
そのコレクションは彫刻、絵画、ドローイング、写真など約9,000点。

今回は1990年代からのイギリス美術の動向を知るべく、1990年代から昨年のターナー賞受賞者、今年のノミネート者の作品も含め約30名のアーティストの作品、約120点の展示となっています。

今回、じーっくり見てメモ取っていたら。
「いつもは撮影禁止なんですが、今回の展示はOKなんですよ。」
と係りのおばさんが声かけてくれました。
ありがとう!!
さっそく気に入った作品をとってきたので写真入りでご紹介します。

展示は大きく5つのセクションに分かれています。

《<Tale/Fable>昔々あるところに》


マーカス・コーツ
「カゲロウ、その亜成虫(エフェメロプテラ) 小麦粉と水による自画像」
「エビガラスズメ蛾、エビガラスズメ蛾の幼虫 シェービング・フォームによる自画像」
「ヒオドシ蝶、シータテハ蝶の幼虫 砂糖による自画像」


コーネリア・パーカー
「ワームウッド・ドームに落下する隕石」
こちらは地図に隕石を使って焦げ穴を作ったもの。
いつどこで何が起こるか分からない、、そんな印象です。

《<Landscape/Mindscape>見たことのない景色で》


アンナ・バリボール「グリーン+ブルー=シアン」
グリーンとブルーのライトが当てられ、重なったところはシアンに。
うん。
と、思いきや。
これ、フェルトペンでランプの形と陰影を描き、その上にライトの光をあてたもの、だそう。
面白い!!


トビー・ジグラー「巨大遺跡のようなもの2」
デジタルで画像処理をし、それをカンヴァスへ。
日用品も不思議な世界に見えてくる。。


ジョージ・ショウ「灰の水曜日:午後3時」
この雰囲気、たまらなく好き。
静かで不気味な印象。


ここでシャンデリアを眺めながら下の階へ。


《<Myself/Yourself>わたしの在り所》


サラ・ルーカス「ヌッド・シクラディック12」
くねっと絡み合った物体。
よく見るとストッキングが被せられています。
あぁ、確かに足っぽい。


ギャリー・ヒューム「シスター・トゥルーブ」
なんだかよく分からないもの。。
アメリカのチアリーダーを抽象化して描いたものだそう。
おぉ、そう見える。


ハルーン・ミルザ「タカ・タック」
変わった音を立てて人形がくるくるまわっていました。
音と音楽の境目とは何か、といったものだそう。

《<Quotation/Appropriation>"ちょっと拝借"の流儀》


ライアン・ガンダー「四代目エジャートン男爵の16枚の羽毛がついた極楽鳥」
チラシなどにも使われている作品。
ライアン・ガンダーの作品はメゾン・エルメスなどで見ています。
この作品はウソと本当の間を行き来する不思議な作品となっています。
笑っているように見えるけど、嘲笑っているのかもね。


マーティン・クリード
「作品NO.78 幅2.5cmのエラストプラストテープから2.5cmずつ切り出し、接着面を下にして重ね合わせてできた2.5c㎡の立方体」
タイトルでどんな作品か分かるね!!

《<Sense/Nonsense>喜劇と悲劇の幕間に》


ジム・ランビー「レット・イット・ブリード」
キラキラのターンテーブル。
下にはベルトやヘアバンドがぎっしり。


デイヴィッド・シュリグリー「アイム・デッド」
可愛らしい犬が持っているのは"I'M DEAD"の文字。
見た目は生きているようでも剥製だもんね。。
作者は2003年にBlurの「Good Song」のミュージックビデオを手がけています。
LOVE展」で見ました!!
好きだよ、この人。


デイヴィッド・シュリグリー「新芽」


デイヴィッド・シュリグリー「死者と死にゆく人」
生と死を扱った作品ばかりでした。


ジェイク・アンド・ディノス・チャップマン「私の大きな塗り絵の本」
この作者は兄弟で戦争、政治、宗教、倫理論などをユーモアのセンスで探求しているそう。
この塗り絵、一見可愛いように見えてグロいものばかり。。
赤頭巾ちゃんの後ろで家が爆発していたりとか。。


アダム・チョズコ「ナイト・シフト」
こちらの線がいっぱい入った地図。
イギリスで毎年行われるフリーズ・アート・フェアのために制作されたもの。
まず、開場前の早朝、鹿、さそり、おおかみ、スカンクなと7種類の動物を会場に放ち、その動物が通った線を記録したもの。
日中訪れた客に経路図として渡したそう。
おもしろい発想です。

あと、ビデオ作品ですが、ウッド&ハリソンの作品がおもしろかったー。
「テーブルと椅子」なんかは完成までどきどきです。


ブリティッシュ・カウンシルの貸し出しに使われるクレート。
これすらも作品に見えてくる。。

とっても面白い展示でした。
予想外。
コレクションが見れる貴重な機会。
ぜひぜひ体験してきて下さい。



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ユーグレナ

2014-02-03 22:30:00 | 日常
はまっています。
ユーグレナ

ユーグレナとはミドリムシの学名。
このブログでも登場したことのある地球を救うかもしれないすごいやつです。
(記事はこちら→「未来の可能性…??」)
株式会社ユーグレナの株価がすごいことになったりと小さい体に対し、話題は豊富。

そんなユーグレナを培養するアプリにはまっています。
とっても!!!!!

ユーグレナはシャーレの中で増えていくので、それを捕獲。
捕獲するとEP(ユーグレナポイント)になり、それを貯めて、より良い環境を作り出す機材、、、
照明設備とか水質維持設備を揃えるのです。
放置しておけばうじゃうじゃ育つので特に手をかけたりしません。
なお、課金とかもありません。
無料じゃなきゃやらない!!!

あとは温度などの環境によって新種が出てきたりするので、それを捕獲したり。。
(温度上げるための道具もEPで購入です。)

ずーと、うようよ動いているのを眺めています。
かわいいです、かなり。
温度上げたり下げたりして、新しいのを眺めるのもたのしい。

なお、登場するミドリムシたちで現実にいるのはミドリムシだけ。(たぶん)
あとはゲーム内の架空のミドリムシ。
宮崎出身キュウリミドリムシとか、群馬出身ネギミドリムシとか現実的にありえないしね。笑



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節分

2014-02-03 19:30:00 | 日常
とっても可愛くできました!
鬼ごっこするダンボー。
ポーズがなかなかうまくとれなくて、見えないところはテープだらけです。。。

あぁ、ダンボーかわいい!!!



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葛飾応為「吉原格子先之図」 -光と影の美

2014-02-01 21:30:00 | 美術
見てきました

太田記念美術館

会期は2014年2月1日から2014年2月26日。

今回は葛飾応為の「吉原格子先之図」を中心に、様々な絵師が光と影を表現した作品が展示されています。
で、葛飾応為って。。。というのは後にして。
まずは肉筆浮世絵から。

作者不詳「室内遊興図」
18世紀に入ると透視図法を用いて劇場内や室内を描いた作品が多く生み出されました。
この作品も透視図法を用いた作品の一つ。
広々とした室内に話をする男女、奥には双六に興じる女性たち、さらにその奥に野外の景色も見え帆船が描かれています。
とても広く奥行きを感じる作品です。
が、この時代の透視図法、消失点に線が収束していないため、ちょっとずれた感じか。。。
この作品もそういった違和感を抱え不思議な作品となっています。

宮川長亀「吉原格子先の図」
吉原遊郭の妓桜と行き交う人々を描いた作品。
引き手茶屋からの客を店に案内する花魁道中。
室内では書を読む、三味線を弾く、客を眺める、などくつろぐ様子の遊女が描かれています。
こちらも変わっています。

《Ⅰ.葛飾応為「吉原格子先之図」》
さて、今回のメインです。
葛飾応為「吉原格子先之図」
以前に一度見ているのですが、そのときに"こんな作品を生み出す人が江戸時代にいたなんて"と驚いたものです。
その光と影の表現に。
吉原遊郭の妓桜、和泉屋の張見世の様子を描いたもの。
暗闇に浮かぶ明るい室内、シルエットとなる外の人々。
提灯の明かりとそれに照らされる人周辺。
こんなにも光と影を表現できるのか、と。
そして明暗もさることながら色彩も美しくずっと見ていても飽きない作品。
さて、作者の葛飾応為。
残された作品も少なく、確認されている作品は世界でも10数点。
生没年不詳。
一説には1801年に生まれ1866年に亡くなったとされています。
が、安政4(1857)年の夏、家を出たまま行方不明という話も。
確かに分かっていることは葛飾北斎の三女ということ。
本名は「お栄」ということ。
北斎曰く、「美人画は自分より上」
そんな絵師なのに謎だらけ。。
堤等琳の門人、南沢等明に嫁ぎますが程なく離婚。
男勝りの正確が災いしたとか。。
自分より拙い等明の絵を笑ったとか。。。
それはさすがに、とも思うけど、あんな作品生み出す人だもの。
仕方ないのかな。笑
離婚後は北斎と生活したそうで、晩年の北斎の制作活動を助けたとも。
晩年の北斎作品、実は応為の作品では、とも言われているそうです。
なるほど、それなら作品が少なくても理解できる。
代表作としては他にメナード美術館所蔵の「春夜美人図」、ボストン美術館所蔵の「三曲合奏図」が紹介されています。
先日の「大浮世絵展」では「夜桜図」を見ています。
見れて嬉しい!!
また作品に名前が入れられていないということも作品の少なさに関係しそうです。
この「吉原格子先之図」には提灯が3つ描かれているのですが、それぞれに小さく「應」「為」「栄」という文字が。
応為を示す字です。
こういった遊び心もおもしろい。
もっとたくさん見てみたい。
研究が進んだらいいな、と思います。

《Ⅱ.葛飾派の洋風表現》
北斎はしばしば西洋の作品から影響を受けたものを作画していました。
それは一門の作品にも見受けられます。
ここにはそういった作品が並んでいます。

葛飾北斎「新板浮絵忠臣蔵 初段 霞ヶ岡」
浮絵とは透視図法を用いて極端な遠近を表現したもの。
人物の向こうに水辺があり、さらにその先には富士山が。
奥行きをすごく感じる作品です。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 深川万年橋下」
鮮やかな青と緑が美しい作品。
川に架けられた橋には人々が行き交います。
左右に建物が描かれ、こちらも奥には富士山。
上記の作品と構図はとても似ています。
水平線が下げられ、空は広く安定感ある作品です。

昇亭北寿「武州千住大橋之景」
こちらも上記と似たような景色です。
水辺に架かる橋とその周辺。
水平線は画面の中央より下で空が広く取られています。
水の青と空の青、たなびく雲も綺麗。

昇亭北寿「浮絵 浪花天満天神夜祭之図」
こちらも画面中央より下に水平線を持ってきています。
暗い空には白抜きの星。
奥までずっと続くような感覚です。

《Ⅲ.夜と美人》
ここでは夜の情景に描かれた美人図が展示されています。

歌川国貞(三代歌川豊国)「月の陰忍逢ふ夜 月見る美人」
窓辺で手すりにもたれるように月を眺める女性。
着物にグラデーションで陰影表現がなされています。
肌の白さが際立ち、艶っぽい作品です。

歌川国貞(三代歌川豊国)「深川新地の月」
茶屋の2階、月見の情景です。
室外から見えるのは佃島、石川島。
ぼかしで島の木立に陰影をつけています。
水面には月明かりで生まれた島や舟の影。
月見の女性は華やかですが、静かな雰囲気漂う作品です。

歌川広重「隅田の寮月の宴」
料理やお酒の準備された室内。
これから宴かと思われます。
白抜きの満月に照らされ、木々や建物の影が室内に伸びてきています。
草花などは障子越しにシルエットで表現され風情あります。

歌川広重「雪月花の内 月の夕部」
月明かりに照らされた3人の女性。
月の夕部ですが、月は描かれていません。
影によってその存在を示しています。
とても素敵です。

《Ⅳ.夜の風景 -江戸の町を中心に》
ここでは夜の江戸の町が展示されていました。

歌川広重「名所江戸百景 猿わか町よるの景」
茶屋や芝居小屋が立ち並ぶ芝居町の夜景。
空高くに月、芝居帰りの客の足元に影をつくります。
柔らかな月明かりが優しい印象を与えます。

歌川広重「名所江戸百景 真乳山山谷堀夜景」
上空部分は雲母摺で星のまたたきを表現しています。
水面にも星が映りこみ幻想的で美しい夜です

《Ⅴ.江戸の影 -多彩なシルエット》
ここでは影に重点がおかれています。

菊川英山「当風三美人」
料亭の2階での遊興が描かれています。
中庭をはさんで向こうの部屋の障子に映るのは騒ぐ人々のシルエット。
手前にいる女性3人は手すりに腰掛けたり頬杖ついたりとめんどくさそうな空気をぷんぷんに匂わせています。
なんだかくすっと笑えます。

渓斎英泉「岐阻路ノ駅河渡 長柄川鵜飼船」
鵜飼の様子を描いたもの。
篝火の周りだけが明るく、水中の鵜はシルエットで表現されています。
水が深くなるほど色も深く暗くなっていました。

《Ⅵ.閃光をとらえた絵師たち》
光といっても様々です。
ここでは太陽の光や神仏や妖術使いが発する光などちょっと変わった光の表現の作品が展示されています。

歌川国貞(三代歌川豊国)「豊国揮毫奇術競 蒙雲国師」
派手な見た目で目立ちます。
蒙雲国師は滝沢馬琴の「椿説弓張月」に登場する妖術を使う妖僧。
岩に座った蒙雲国師が中央に描かれ、そこから黄色い光を発しています。
周りには岩が飛び散り迫力あります。

歌川豊国「両国花火之図」
大きく描かれた橋には花火見物の人がぎっしり。
花火の図とはいっても花火は上部にひょろりと。
暗い夜空に赤い閃光で描かれています。
花火より人にどうしても目がいってしまう作品

《Ⅶ.新時代の表現》
時代は江戸から明治へ。
光源も表現方法も変わっていきます。
ここでは小林清親とその門人の井上安治、清親の影響を受けたといわれる小倉柳村の作品が展示されています。

小林清親「池の端花火」
大好き、清親。
上野の不忍池のほとりから花火を眺める人々が描かれています。
暗い夜空に打ち上がる花火。
それを眺める人々はシルエットで表現されています。
華やかな花火が見えるのに、なぜか静かな印象。

小林清親「今戸橋茶亭の月夜」
月に照らされた水面の揺らぎが繊細に表現されています。
茶亭の明りも少し洩れ、周りをほのかに照らします。
やはり、清親の表現は好きだなぁ。

井上安治「銀座商店夜景」
明るい店内にぎっしり詰まれたものは、缶!!
果物の缶詰の製造販売をしていた中川幸七の商店とのこと。
当時としてはかなり珍しいお店だったそうです。
中の明るさと外の暗さが劇的です。
この時代に缶詰があったことを初めて知りました。。
私はまた一つ、知識を得ることができました。

小倉柳村「日本橋夜景」
日本橋を歩く人々が描かれています。
橋の両脇にあり暖かな光を出しているのはガス灯。
時代が移り変わっていきました。

以上です。
大好きな清親も、そして待ち焦がれた応為の作品も見れ、大満足の展示です。



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