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タイ 王制めぐる議論 急増する親子対立

2020-12-15 07:06:21 | 報道/ニュース

11月13日 NHKBS1「国際報道2020」


タイの首都バンコクでは
警察が大規模な反政府デモの排除に乗り出してからほぼ1か月になるが
抗議はなお続いている。
デモの矛先はプラユット首相だけではなく
これまで批判がタブーとされてきた王制にも向けられている。
王制のあり方に疑問を投げかけているのは若者たちである。
一方で中高年の人たちの多くは王制を擁護する立場をとっている。
世代間の考え方の違いはいま親子の関係にまで影響を与え始めている。

「国民こそが国のパワーだ!」
タイで続く若者たちのデモ。
大学生のほか多くの中高生も参加。
これまでタブーとされてきた王制のあり方に疑問を投げかけている。
(デモ参加者 16才)
「解決策は政府と王制のすべてを改革することだ。」
(デモ参加者 17才)
「国民には好きなことを発言する自由がある。」
一方 王制を指示する人たちの集会は中高年が中心。
「王室 万歳!」
世代によって考え方が大きく異なっている。
(王党派)
「子どもたちは何も分かっていない。
 タイ人がどれほど王室を尊敬しているか教えなければ。」
こうした主張の違いは親子の関係にまで影響を及ぼしている。
インターネットなどを通じて世界中のさまざまな情報を得るなかで
王制のあり方に疑問を持つようになったという25歳の女性。
「王室を利用する人たちがいて
 そうしたことが不公平を生んでいる。
 それを変えたいんです。
この女性の父親は
国のために尽くしてきた王室への議論や反論はたとえ娘であっても認められないという。
(父親)
「娘が王制について異論を唱えるなんて信じられません。
 タイは王室を中心に統一し平和に生きてきました。
 部族で分かれている隣国とは違います。
 批判する前に王制について学ぶべきです。」
中高年の人たちが生まれ育った時代
1947年から70年にわたってプミポン国王が国を治めた。
前国王は農村部の開発や医療の普及・教育の発展に尽力。
政治的な混乱などが起きた時にはたびたび国王が指導力を発揮し混乱を鎮める。
こうしたことからプミポン前国王は国民の絶大な尊敬を集めた。
あとを継いだのはワチラロンコン国王。
しかし新型コロナウィルスの影響で経済が低迷。
貧富の格差も問題になるなか
3兆円以上とされる王室の財産の管理などが
若者たちの間で批判の対象として取り上げられるようになったのである。
25才の女性と父親の対立は日を追うごとにエスカレートしていったという。
女性がSNSに王制のあり方を問う投稿をしたときのことだった。
これを見た父親は激怒。
そして
“王制に批判的な態度をとるなら名字を使わせない!”
父親は親子の縁を切るとまで言い出したのである。
さらに
女性が父親とのやりとりをSNSの掲示板に掲載すると
父親はやりとりを勝手にSNSで広めたとして実の娘を名誉棄損で警察に訴えた。
(女性)
「心が焼けるように痛いです。
 若者たちは王制について質問したり話し合ったりしたいだけです。
 家族が異なる意見を受け入れてくれたら
 こんな問題にならないのに。」
思い切った行動に出た父親・
しかし一緒に過ごした日々を思い複雑な気持ちになることもあるという。
(父親)
「愛しています 娘ですから。」
対立が深まり親が暴力を振るうようになったと訴える若者も少なくない。
14才の少女は
デモに参加したことを父親に気づかれ何度もたたかれたという。
「釣りざおが折れるまでたたかれました。
 家は安心できる場所だと思いません。
 昔はお父さんが好きだったけど
 今は変わってしまった。
 もう何も感じません。」
デモに出たことが分かるたびに暴力をふるわれる毎日。
それでもデモに参加することに大きな意義を感じている。
「私はひとりの小さな人間ですが
 私の世代から変化が起こると信じています。
 デモに参加してほしくないなら暴力ではなく言葉で説明してほしい。」
バンコクで家族関係の相談を受け付けるNGO。
8月からの3か月間でデモに関連する相談が急増。
この結果ふだんの15倍もの相談が寄せられているという。
“デモに参加するため子どもが家出して戻りません”
“子どもがものを壊して叫び続けます”
子どもが家出したり心の病になったりするケースも報告されていて
早急な対応が必要だという。
(相談を受けているNGO 代表)
「政治的なことはいつか忘れ去られるかもしれないが
 家族はいつまでも家族。
 親子でちゃんとコミュニケーションをとっていかないといけない。」


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ものづくりを救う “デザイン”の力

2020-12-14 07:14:35 | 報道/ニュース

11月13日 NHK「おはよう日本」


可愛らしい置物
と思いきや実はコマ。
コマとして遊ぶだけなら飽きた時おもちゃ箱にポイ。
しかし底に台座があれば遊ばない時間も部屋に飾って楽しめる。
このコマのデザインを手がけたのは山形県天童市のデザイナー 萩原さん。
これまで山形の魅力を引き出すデザインをいくつも生み出してきた。
たとえば室内用のシューズ。
売り上げが伸び悩んでいた企業と制作した。
萩原さんは商品の色や形だけでなく
これまでこの企業にはなかったブランド名を提案。
商品のイメージが伝わりやすいロゴと名前を付けた。
するとブランドを起ち上げて2年で取引先が3倍ほどに増えたという。
(萩原さん)
「例えるなら町医者。
 ずーっとかかりつけのお医者さんのように伴走している。
 そこで困りごととかを“こういうふうにやってみませんかね”とか
 お薬という形ではないんですけど
 そこをデザインというものに置き換えて提案させてもらっているような感じですかね。」
そして2年前
米沢のコマ工房とともに生み出したコマ。
きっかけは県が主催した地元企業とデザイナーの交流会(2016年)だった。
木の素材の美しさに引きつけられた萩原さん。
デザイン次第でさまざまな商品に展開できると感じた。
コマ職人の蔦さんは新たに若い顧客を獲得したいと考え萩原さんにデザインを依頼することにした。
しかし萩原さんから提案されたデザインを最初は受け入れられなかったという。
(蔦さん)
「私の作っているこけしはこれなんです。
 伝統こけし。
 萩原さんが考えてきてくれたのが飾りコマのこけし。
 どいう見てもこのこけしは売れない。
 こっちのほうが絶対かわいい。」
そこで試しに若い社員や知り合いに評価を聞いて回った。
すると
「若い人たちはみんなこっちって言うんです。
 そんなにこっちがいい?
 と言ったら
 やっぱりこっちのほうがいいって言うんですね。
 萩原さんにちょっと謝って
 “ごめんなさい じゃあ作りましょう”ということで
 作り始めたのがこの飾りコマの最初の一歩なんだ。」
こうして次々と新たなデザインのコマが誕生。
販路も拡大しようとしていた矢先
新型コロナウィルスの影響で売り上げを支えていた観光客が激減。
蔦さんの会社は5月に倒産してしまった。
(萩原さん)
「ようやくいろんな商品が作ったりとかチャンスが広がってきて
 ここで閉じてしまうのはすごくもったいないので
 何とか継続できる方法がないかな。」
萩原さんは自費でコマをつくる工具などを確保し
小規模でも生産を再開させようと動き始めた。
さらに職人たちが仕事を継続できるように新たな製品開発も提案。
「この形って結構作るの大変?
 まず試作品を作る必要があって。」
「ぜひ早くに商品化して。」
地域のものづくりが未来に向けて持続する道を作ろうと努めている。
(萩原さん)
「商品が自分が生きているよりも長い間残っていく商品になってほしいなって
 何とかそういう長い間愛されるものづくりができたらなと思っています。」




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湖水覆う水草 生まれ変わる美

2020-12-13 07:16:07 | 報道/ニュース

11月13日 NHK「おはよう日本」


滋賀県のシンボル びわ湖。
そのびわ湖で“やっかいもの”なっているのが毎年大量に発生する水草である。
船の航行を妨げたり悪臭を放ったりするため
年間5,000t以上が撤去されている。
地元の企業は汚泥を処理する技術を応用し水草を肥料に変える取り組みを進めている。
(水草を肥料化する企業)
「水分を飛ばすのに15時間かかる。」
水分の多い水草に特殊な処理をして粉末状に肥料に加工している。
この肥料に意外な人が目をつけた。
吹きガラス職人の神永さん。
大学を卒業後北海道のガラスメーカーに勤めていたが
ガラスに魅せられ
3年前 大津市で独立。
以来 滋賀ならではの材料を使った美しい作品作りを模索してきた。
(吹きガラス職人 神永さん)
「滋賀県に来てからこの地域の人たちにすごくお世話になっていて
 なにかひとつこの地域にしかできないものを作りたいという思いから
 色ガラスを作ろうと。」
色ガラスの材料として
滋賀らしくしかも簡単に手に入るものはないか。
たどり着いたのはびわ湖の水草だった。
水草で作られた肥料をさらに加工してガラス原料に混ぜ込み
焼き上げると
緑色が出た。
水草そのものの色ではなく
水草に含まれる鉄分が化学反応を起こして偶然生まれた色。
配分を工夫し1年がかりで安定した色を出せるようになった。
神永さんはこの色に琵琶湖をイメージし
「琵琶湖彩(びわこいろ)」と名付けた。
(神永さん)
「淡く優しいいろになりました。
 びわ湖が育んだガラスの色彩にロマンを感じてもらえたらうれしい。」
今年2月に作品が完成し披露されると
地元ではその色合いとともに
材料にやっかいものの水草が使われていることに驚きの声が上がった。
(来場者)
「緑がきれいで優しい感じがしていい。」
「水草は邪魔なものとしか思わないけど
 こんな色が出るんだなと思って。」
神永さんは今後
琵琶湖彩のノウハウを他のガラス作家たちにも公開し
地域全体でびわ湖の新たな魅力としてアピールしたいと考えている。
(吹きガラス職人 神永さん)
「作り手によって作るものの雰囲気も全く違いますので
 同じ琵琶湖彩でもいろいろな表情が見られると思う。
 地域のブランドになってくれればいいですね。
 それだったらうれしいですね。」
滋賀らしさを追求し見いだされた水草。
“やっかいもの”でも発想次第で生かす道がある。


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銀座3丁目 リストランテ クロディーノ

2020-12-12 21:10:44 | グルメ


   

  
  
                        (食べログより)


 



銀座駅から徒歩3分
銀座一丁目駅から徒歩3分
有楽町駅から徒歩5分

銀座駅から189m


 http://kurodino.com

 

 

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桜紅葉に、春を思う

2020-12-11 07:03:01 | 編集手帳

11月12日 読売新聞「編集手帳」


近所の桜並木が落葉をはじめた。
歩道が赤い。
見上げれば、
枝に残る葉もカエデのように紅葉している。

紅葉(さくらもみじ)という言葉があるのを思い出した。
俳人の神野紗希さんに次の句がある。
<海に礼桜紅葉の艇庫から>。
高校時代の作で、
ボート部を詠んだという。
日焼けした部員たちが練習のあと、
艇庫のそばの赤々と季節を告げる桜の下で、
海に礼をする――
そんな景色を想像しながら、
晩秋の桜を好きにさせてもらった.

桜は年2回美しくなると、
東京の名所の一つ「新宿御苑」の広報で読んだことがある。
もちろん1回目は春の開花である。

今年の春先、
桜が花を付けはじめた頃に世の中が騒然としたのを思い出す。
学校が休みになり、
在宅勤務が呼びかけられ、
自粛要請を受けて店という店が次々に休業し…。
二度と繰り返したくないものである。
東京は1日の感染者が300人を超え、
4週後に600人台になるとの予測がある。

きのうは大阪でも過去最多の256人となった。
感染しない、
感染させない――
基本に立ち返って気を引き締め直す時節だろう。
春と同じになるのは、
桜がきれいに色づくのみであってほしい。


 

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キャビア市場で存在感増す中国

2020-12-10 07:04:57 | 報道/ニュース

11月11日 NHKBS1「国際報道2020」


キャビアはトリュフやフォアグラと並び世界3大珍味のひとつとされるチョウザメの卵である。
キャビアはカスピ海沿岸のロシアやイランが産地としてよく知られているが
1990年代以降
乱獲や環境汚染などの影響でチョウザメが激減。
2010年からはカスピ海でのチョウザメの漁が禁止された。
その代わりいま世界各地で盛んに行なわれているのが養殖である。
最近では90%以上がこの養殖ものだと言われている。
中でも急速な勢いで生産を伸ばしているのが中国である。

中国浙江省にある湖。
浮かんでいるのは世界最大のキャビアの養殖場である。
養殖場には数十万匹以上のチョウザメが飼育され
世界で取引されるキャビアの生産量も3分の1を占めるという。
水産業の政府系の研究機関を経て
20年以上前から養殖に取り組んでいる韓さん。
水温調整が難しく養殖中に多くのチョウザメが死んでしまったこともあった。
常に最適な環境にするため
水温や酸素濃度を24時間自動調節する装置も利用している。
エサにもこだわっている。
(キャビア養殖会社 韓副社長)
「自ら研究開発した飼料です。
 成長の段階に合わせてエサを変えています。」
キャビアを作るには最低でも7年
高級品種では20年もの年月がかかるといい
人工繁殖して一定程度の大きさになったチョウザメは湖でじっくり育てる。
その後成長したチョウザメは陸地に作った生けすに移し
卵が育ちやすいよう水温や水流などを調整してキャビアを生産する。
“食の安全性”の問題が指摘されることもある中国産の食品。
そのため徹底した品質管理を心掛けているという。
(キャビア養殖会社 韓副社長)
「多くの人が中国産の食品の安全性を心配していますが
 私たちは品質を追求しているので
 消費者を納得させることができると思う。」
中国産キャビアの味や品質を知ってもらおうと中国各地で試食会を開催。
外資系のホテルの幹部やシェフからも高い評価を得ている。
(外資系ホテルのゼネラルマネージャー)
「このキャビアは品質が非常によく
 仕事ぶりもプロフェッショナルで感心した。」
いまやフランスの一流レストランやドイツ大手航空会社のファーストクラスでも使用されるなど
その品質が認められ始めている。
100g30万円近い高級品から
100g1万2,000円余のリーズナブルなものまで用意。
日本を含めて30以上の国や地域に輸出してそのシェアを広げようとしている。
(キャビア養殖会社 韓副社長)
「キャビアをより身近なグルメにして
 庶民の食卓に届けていきたい。
 世界で最も質の良いキャビアをつくる会社となり
 長く愛されるブランドにしたい。」
急速に拡大する中国産のキャビア。
ここでも世界での存在感を高めている。



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ワーケーション 離島で人生激変!?

2020-12-09 07:00:00 | 報道/ニュース

11月11日 NHK「おはよう日本」


青い海が広がる長崎県五島市にある福江島。
ワーケーションで訪れる人が増えている。
福岡の地域情報をウェブで発信する仕事をしている山川さん(28)。
7月から
会社のある福岡と福江島を行き来する生活を送っている。
島では民間と自治体が協力し
ネット環境を整えたワーキングスペースを作っている。
(山川さん)
「五島市内に結構あるので
 静かなので
 集中するときに使っている。」
午後1時
着替え始めた山川さん。
海に潜ると
「とれました!
 タカノハダイ。」
この日の山川さんのスケジュールは
午前中と午後の仕事の合間に趣味のシュノーケリングをしながら魚とりを満喫した。
こうしたワーケーション需要の高まりを受けて
民間企業も新たなビジネスチャンスを掘り起こそうとしている。
島で不動産会社を経営する平崎さん。
テレワーク設備を充実した宿泊施設の建設を計画しており
来年にも完成する予定である。
(不動産会社 平崎さん)
「需要の増加の角度を上げるような策をどんどん打っていく。」
さらに五島市では
ワーケーションをきっかけに将来的には移住してもらおうと考えている。
今年1月にはワーケーションの体験イベントを初めて主催。
全国から48人が集まった。
(五島市 地域協働課)
「パソコン1台あれば仕事ができますよ。
 その後に五島の良さを知っていただいて
 最終的に移住につながっていければ。」
ワーケーションを始めて3か月が経った山川さん。
新たに住み始めたのが3LDKの集合住宅である。
自治体が移住を検討している人に3か月無料で貸し出しているもの。
来年の夏まで17個58部屋が予約でいっぱいになるほどの人気になっている。
月に1回福岡に行けばこれまで通りの仕事ができると分かった山川さん。
真剣に移住を考え始めている。
(山川さん)
「月の1週間は福岡にいて仕事をして
 残りの3週間は島でゆっくり生活する。
 めちゃくちゃ満足していて
 いろいろな島に行ったが五島が一番好き。」
 

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中国 農業のデジタル化で所得向上へ

2020-12-08 07:01:11 | 報道/ニュース

11月10日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


世界第2位の経済規模を持つ中国だが
1人あたりのGDP(国内総生産)でみると先進国とはまだ大きな差がある。
当期目標ではこの1人あたりGDPを中程度の先進国の水準に引き上げ
先進国の仲間入りをすると掲げた。
目標達成のカギとなるのが都市部との格差が大きい農村部の所得向上である。
そのために中国政府がいま力を入れているのが農業のデジタル化である。

北京から南東に約600キロにある山東省煙台。
山東省の農林水産業の生産額は全国1位。
しかし1人あたりのGDPでは北京市の約半分にとどまっている。
「ネット通販なら全国の人にリンゴを売れます。
 こんなにいいものをここだけで売るのはもったいない。」
そこでいま中国政府の号令で普及が進められているのが
ネット通販による農産品の販路拡大である。
たとえば振興のIT企業が研修会を開き農家の人たちに出品する方法を教えている。
(農家)
「スマートフォンがあればネットで販売できるの?」
農村と人口の多い都市部の消費者を直接つなぐネット通販。
卸売業者などが間に入らないため
農家の手取りが増えるメリットがあるという。
(農家)
「ネットでりんごが売れたらうれしいですね。
 出品したらきっと売れると思います。
 私のリンゴは安くておいしいですから。」
実際に収入の増加につながったという地域もある。
4年前からネットで販売を始めた雲南省の青果業者。
今年1年間の売り上げは日本円で15億円余にのぼる見通しで
始めた頃の10倍以上になった。
南アメリカ原産のくだもの“ペピーノ”は
もともと脱貧困のためと
地元政府の指導で農家が生産を始めた。
しかし地元では馴染みがなく売れずに捨ててしまうほどだった。
これをネットで販売したところ
ジューシーでほんのりとした甘みが人気を呼び
農家は10倍の価格で出荷ができるようになったという。
(青果業者 社長)
「ネット通販は多くの農家を助けています。
 収入を増やし
 雇用をつくることで
 裕福になった人もいます。」
農産物の販路拡大を支援しているのは上海市の新興のネット通販企業である。
サービス開始から5年で年間ユーザー数を6億8,000万人にまで広げ急成長している。
主な収入は広告費で賄い
農家など出品者からの手数料を低く抑えている。
農家の新鮮な野菜やくだものを安く消費者に届けることでユーザーをさらに増やし
企業の利益にもつなげるのが狙いである。
さらにユーザーの購入履歴をビッグデータで分析。
何時・何を生産するかや
販売手法をアドバイスすることで
農家の売り上げの増加に結びつけようとしている。
(ネット通販大手 農業事業担当者)
「生産から流通や消費まで
 伝統的な農業をデジタル農業に転換したい。」
この企業は生産現場にもデジタル技術の活用を進めている。
イチゴの栽培用ハウスにセンサーやカメラを導入し
機械で室温や湿度を管理。
肥料の量も機械的に調節する実験を進めている。
栽培環境や発育状況のデータ分析を重ね
AI(人工知能)がハウス内の環境を自動的に制御するシステムを目指している。
経験の少ない人でも質のいいイチゴを安定して生産できるようにすることで
収入の増加や新規の就農につなげる。
(ネット通販大手 戦略担当副社長)
「最先端技術に投資することで
 販売される商品の差別化につなげたり
 農家の人たちにも消費者の好みを伝えたい。」




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僧侶が描くチョークアート

2020-12-07 07:06:48 | 報道/ニュース

11月10日 NHK「おはよう日本」

福岡県久留米市に
チョークで絵を描いて通りすがりの人たちの心を和ませているお寺の住職がいる。
がん三大師 五國山 國分寺 中川住職。
5年前から街中にチョークで絵を描いている中川さん。
独学でチョークアートを学んだ。
「もう一言 夢中です。
 時間を忘れるっていうのはこういうことを言うんだろうな。」
「夕日のコスモス畑ですね。
 なつかしさ
 ホッとするような一節が僕たちの心を包んでくれるような。
 そういう意識で描きました。」
(近くに住んでいる人)
「なんか和むというか
 楽しい うれしい。
 中川さんの気持ちが優しいからみんな喜んでいるんです。」
活動に賛同してくれる店や病院の前に中川さんは作品を描いている。
作品にはロウソクの絵を必ず添える。
(中川さん)
「最初は自分の幼少のころの名前をサイン代わりに描いていたんですが
 いつのころからロウソクを描くようになって
 明かりがいろんな所にあると人の心がホッとする。
 ご覧になった方がそういう気持ちになってくれたら。
 振り返ってみると100作以上は描いていると思います。」
今の時代に生きる人たちへのメッセージを作品に込める。
(中川さん)
「新型コロナウィルスの流行
 最近自死される方の報道が目だったり
 苦しみ自体を抜き取ることはできないけれど
 和らげることはできる。
 やさしい光が必ずあるよという思いを込めて。」
「花の生命力で僕たちの日々の生活を表現して
 シャボン玉で亡くなっていった人たちの思い
 生きている僕らと亡くなった人たちがいつもひとつだよというテーマ。」
(市民)
「今このコロナの時期だからこそ胸打たれました。
 今まで思ってた普通っていうことがどんなに幸せだったのか
 ありがたかったのか
 これ見て特に感じました。」
(中川さん)
「モノトーンの街中に彩のある作品を添えて残して
 人の心の喜びにつながっている。
 これからもまだ続けていきたいし
 絵を通して僕なりの恩返しができたらいいなと思う。」

 

 

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フランス 「表現の自由」揺れる教育現場

2020-12-06 07:22:01 | 報道/ニュース

11月9日 NHKBS1「国際報道2020」


フランスでは9月から10月にかけての1か月余で3つのテロ事件が起きている。
 9月25日 パキスタン出身の男 男女2人を切りつける
10月16日 チェチェン系の男 教員を殺害
10月29日 チュニジア出身の男 3人を殺害
きっかけとなったとみられるのがイスラム教の預言者ムハンマドの姿を描いた風刺画である。
もともとはパリの新聞社「シャルリ・エブド」が掲載したもので
2015年にイスラム過激派から襲撃を受けた。
今年9月この事件の裁判が始まるのに合わせて
新聞社が再び風刺画を掲載したことがテロの引き金になったとみられている。
特にフランス社会で大きな衝撃が走ったのが10月16日の事件だった。
「表現の自由」について教える授業の中で生徒に風刺画を見せた中学校の教員が
18才の男に首を切りつけられ殺害されている。
テロが相次ぐなかでもフランスが守り続けようとする「表現の自由」とは何か。

10月21日パリのソルボンヌ大学。
「教育と表現の自由」を象徴する場所にマクロン大統領など400人が集まり国葬が営まれた。
亡くなった中学校の教員サミュエル・パティさん。
イスラム教の預言者の風刺画を生徒に見せたあと殺害された。
生徒たちには
“絵を見てショックを受けるかもしれないと感じるのであれば目をそらすように”と伝えていたという。
マクロン大統領は事件直後から
テロに屈することなく「表現の自由」を守っていくと表明した。
(フランス マクロン大統領)
「彼はイスラム過激派の標的になる人物ではない。
 “表現の自由”を教えただけだ。
 尻込みをする必要はなく
 風刺画を見せる自由を諦めない。」
しかしマクロン大統領の発言は大きな反発を招く。
預言者の姿を描くこと自体が冒涜だとされるイスラム圏でデモが相次いでいる。
ヨルダンでフランス製品の不買運動を組織しているジャーナリスト。
風刺画は表現の自由で許される範囲を逸脱していると批判した。
(不買運動を組織 ジャーナリスト アバディ氏)
「政府は5年前の時に風刺画を止めさせるべきでした。
 しかし今やフランスの大統領が風刺画の再掲載を許し
 それを“表現の自由”とみなしている。
 私はこれを“表現の自由”ではなくむしろ無礼だと思います。」
一方 フランスの教員たちは
テロに委縮するのではなく結束して
「表現の自由」を生徒たちに教えていくべきだと声をあげている。
(中学校委の教員)
「深く悲しんでいます。
 “表現の自由”は常に守られるべきものです。」
フランスにとって「表現の自由」が譲れない理由。
それはフランスの歴史に由来する。
王制とともに強大な権力をふるってきたカトリック教会。
革命などを通じこうした権力を打倒することで
フランスの「表現の自由」は確立されてきた。
聖職者と貴族が平民を苦しめていることを表した18世紀後半の風刺画。
フランスでは宗教を含めすべての権力が批判の対象となってきたのである。
長い歴史の中で獲得した「表現の自由」の権利。
フランスでは歴史や道徳の授業で教えることが義務付けられている。
パリの公立中学校の教員 エリオさん(49)。
事件後 初めて登校してきた生徒たちにあらためて教えたのは
「表現の自由」をめぐる基本的な考え方である。
(エリオさんの授業)
「“表現の自由”について考えましょう。
 フランスでは“すべての宗教の尊重”と“宗教を批判する自由”が対になっている。」
宗教すらも批判の対象として認める「表現の自由」。
それを補強するのが
フランス独特の政教分離の原則“ライシテ”の考え方である。
ライシテとは
・国家はいかなる宗教にも中立
・個人はいかなる宗教も信仰する自由を持つ
という原則である。
個人は宗教を否定することも許されていて
例え神であれ批判する権利がある一方で
国家はそうした個人の権利に介入すべきではないと考えられている。
マクロン大統領は事件後
「ライシテの原則を堅持する」と強調した。
(フランス マクロン大統領)
「パティさんが生徒たちに教えた自由をこれからも守り
 “ライシテ=政教分離”を貫く。」
エリオさんも授業の中でライシテの考え方を強調した。
(エリオさんの授業)
「ライシテの原則のもとでは
 宗教を批判することは“表現の自由”の一部です。
 批判された側は異なる宗教や意見を尊重するべきです。」
一方でフランス国内には
教会との闘いの歴史を共有せずイスラム教を信仰する人た阿地も多くいる。
そうしたことに配慮し
預言者の姿を描いた風刺画を生徒には一切見せていない。
「表現の自由」のもとであっても人を傷つけることがあってはならないと考えるためである。
(エリオさん)
「“表現の自由”で何が許されるのか?
 意見や信仰を批判することはいいが
 それを持つ人を批判することはできません。
 この2つの違いが分かりますか?
 人は個人として守られていて
 侮辱してはいけません。」
生徒たちには
「表現の自由」を大切にしつつも
価値観の異なる人たちと共存する道を考え続けてほしいと願っている。
(中学校教員 エリオさん)
「意見が対立していても穏やかに意見を交わし話し合うことができます。
 そうすることで最も良い結論を導き出せるはずなのです。」




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楽しんで生きるぞ “明日のこころだァ”

2020-12-05 07:13:29 | 編集手帳

11月8日 読売新聞「編集手帳」


 俳優の小沢昭一さんには多くの顔があった。
舞台や映画の傍ら、
消えゆく放浪芸を訪ね歩いた。
ラジオの「明日のこころだァ」を懐かしむ方もあろう。
「変哲」と号し、
俳句を楽しむ人でもあった。

その小沢さんが愛した名句がある。
小林一茶の〈ことしから丸儲(まるもうけ)ぞよ娑婆(しゃば)遊び〉だ。
著書に引用なさっている。
丸儲に娑婆と来ると、
何やらレバノンへ出国した御仁(ごじん)を連想したりもするが、
そういう句ではむろんない。

一茶は文政3年10月、
西暦で言えば1820年の秋、
雪道で転び、
中風を発病したという。
句を手控えた『八番日記』を見ると、
嘆息しきりでもない。
それでも内心は不安だったらしい。

幸いに回復し、
迎えた翌年正月、
かの句が現れる。
し、
あの世行きかと思った身だ、
この世(娑婆)にいられるのは儲けもの、
楽しんで生きるぞと歓喜があふれ出すかのようである。

200年後のわれらも、
コロナで蟄居(ちっきょ)の日々である。
年明けに〈娑婆遊び〉と言えたらいい。
収束はその先でも、
いつかはそうなると思っていたい。
当欄は時々、
小沢さんの名文句を自分につぶやいてみる。
「明日のこころだァ」と。


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心の琴の音を聞く

2020-12-04 07:05:04 | 編集手帳

11月7日 読売新聞「編集手帳」


 米国では連日、
大統領選の票の集計に不満を示すトランプ支持者が開票所に詰めかけている。
怒り顔で「選挙を盗むな」と叫ぶ人たちをテレビで見ていて、
ふとある年の文化庁の「国語に関する世論調査」を思い出した。

「琴線に触れる」の意を尋ねたところ、
「怒りを買ってしまうこと」との回答が3割にのぼり、
本来の意である素晴らしいものに触れ、
感動や共鳴を覚えることだと答えた人と拮抗したという。

十数年前の調査なので、
選挙をめぐる混乱が「琴線に触れる」景色に見える人はさらに増えているかもしれない。

辞書編集者の神永暁さんは著書「悩ましい国語辞典」に一編の詩を引いて、
元々のことばの意をかみしめている。
<この明るさのなかへ
 ひとつの素朴な琴をおけば
 秋の美しさに耐へかね
 琴はしづかに鳴りいだすだらう>(八木重吉「素朴な琴」)。
こんなふうに心の琴の音を聞くにはまずは静けさが必要だろう。
コロナ禍のざわざわのなかで生活していると、
重吉の詩にいっそうの得がたさを覚える。

きょう立冬を迎えた。
暮らしに落ち着きを取り戻せないまま、
秋もいってしまった。


 

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「国安法」施行から4か月 香港経済界 中国と接近

2020-12-03 07:08:55 | 報道/ニュース

11月6日 NHKBS1「国際報道2020」


香港国家安全維持法が施行されてから4か月余
香港政府トップの林鄭月娥行政長官は北京で中国政府の韓正副首相と会談し
法律によって情勢は安定したと強調した。
(香港政府 林鄭月娥行政長官)
「香港はすでに安定を取り戻し
 大規模な暴力事件も起きていない。」
一方でいま香港の経済に関しては
民主化を求めるデモなどの影響で中国本土からの観光客が激減するなど大きな打撃を受けている。
香港経済界はかつての本土との結びつきを取り戻そうと動き始めている。

香港経済界の重鎮 蔡さん。
日本の経団連にあたる香港中華総商会の会長を務めている。
自身も企業の経営者で
8月以降 中国各地を駆け回り
本土との冷え込んだビジネス関係を回復させようとしている。
この日は江蘇省で地元政府の幹部と会い
開発許可を得るための交渉に臨んだ。
(蔡会長)
「承認が得られたら高層ビルを建設します。」
(江蘇省幹部)
「絶好の立地条件でファーウェイも目の前です。」
香港ではこの1年
一連の抗議活動や新型コロナの影響によりマイナス成長が続き経済が低迷している。
こうしたなか起死回生の一手として期待を寄せているのが
香港と広東省などを一体化した経済圏
“大湾区”の都市開発である。
(蔡会長)
「この港があるエリアに大湾区のビジネスセンターを作ります。」
中国が国家戦略として進める大湾区の開発。
域内の総生産は180兆円を超え
今後の巨額の投資が見込まれている。
10月には習近平国家主席自ら深圳で演説し意義を強調した。
(中国 習近平国家主席)
「大湾区の建設という歴史的なチャンスをつかまなければならない。」
“このプロジェクト無くして香港経済界の明るい未来はない“と
蔡さんは考えている。
(香港中華総商会 蔡会長)
「中国本土と離れたら
 香港に道はありません。
 国安法によって香港は落ちつきました。
 おかげでどう繁栄するかを考えられます。」
一方 中国政府も
香港から中国本土への進出を後押ししている。
広東省広州には起業家などにオフィスや住宅を格安で提供する制度が設けられた。
利用者に対して当局が実施している事業。
高度な自治は維持しつつも
“香港は中国の一部”だという中国政府の立場を教えている。
(広州市南沙区の担当者)
「中国と香港は母と子のような関係です。
 うまくいっている時は分かち合い
 困難に直面している時は助け合います。」
この制度を利用し去年中国本土に進出した葉さん。
衣料品や雑貨のネット販売を行なっている。
(葉さん)
「香港だと100~200個売れればいい方でしたが
 本土では数万個が1日で売れてしまうことがあります。」
葉さんに提供された住宅は家賃の8割以上が補助され
オフィスまではわずか10mの近さである。
大学生になる息子が香港の民主化デモにたびたび参加。
民主化を求める気持ちは理解できるものの
現実は甘くないと感じている。
(葉さん)
「息子に“物事を大きく考えろ”と言いました。
 目の前の1つの政策に大騒ぎすべきではないと。
 香港は中国の一部であり
 我々は中国人だというのは大前提なのです。」
国家安全法の施行から4か月余。
中国経済の巨大な力が
香港の人々を着実に引き寄せている。



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ラストページまで駆け抜けて

2020-12-02 07:13:59 | 編集手帳

11月6日 読売新聞「編集手帳」


<ラストページまで駆け抜けて>。
今年の読書週間の標語を見たとき、
海外文学の翻訳などを手がける頭木弘樹さんの体験談を思い出した。

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』は最初、
くどくどした文章でとても読めないとすぐに挫折した。
だが難病にかかって入院し、
再び手に取ると、
なぜかすらすらとラストページまで駆け抜けることができた。

頭木さんは驚いたと語る。
「登場人物の悩みが響き合う物語が、
 病気になってくどくど悩む人間にしっくりきたのだと思います」。
その後もっと驚くことが病室で起こる。

隣の人に貸すと、
初めは苦しそうにしていたものの翌日には夢中になっていた。
それを機に一冊の本が6人部屋の他の患者の手に次々に渡り、
ついにはみなで『罪と罰』などのドストエフスキー作品を読みふける病室になったという。
「本を貸してもらって本当に助かった」と退院後に手紙をくれた人もいる。

以前お会いしたとき、
これと決まった肩書のなかった頭木さんが最近の著書に「文学紹介者」としるすのに気づいた。
ほとんど聞かない職業だけれど、
とした思いが伝わってくる。



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「孔子学院」めぐり欧州で警戒感広がる

2020-12-01 07:06:47 | 報道/ニュース

11月5日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


孔子学院は中国語などを教えるため中国政府が各国の大学などと協力して世界中に開設してきたものである。
しかし今ヨーロッパの教育現場では
影響力を強めようとする中国への警戒感が広がっている。

孔子学院の公式のホームページでは世界に500か所以上あるとしている。
そのうちの1つ
ベルギー東部リエージュ大学にある孔子学院。
現在は新型コロナウィルスの影響で一時的に閉鎖されているが
大学生だけでなく中高生や一般の人たちにも開放され
中国語のほか中国の料理や書道の講義が人気を集めてきた。
リエージュ大学 ウィナン副学長は
学生が中国についてより深く知ることができるようになったという。
(リエージュ大学 ウィナン副学長)
「孔子学院との協力により我々だけではできない授業が可能です。
 授業を受ける学生は増え続け
 大学以外からの要望もあります。」
一方でこの孔子学院についてアメリカ政府は“中国政府の宣伝機関だ”と指摘し
悪影響を与えるとして
アメリカ国内の全ての施設の閉鎖を求めている。
こうしたなかEUは2020年2月
中国を念頭に
“学術分野で外国から干渉がある”として各国に警告を発した。
この中で大学のセキュリティーを強化するよう提言している。
各地の大学では構内に設置された孔子学院への懸念が高まっている。
ベルギーの首都にあるブリュッセル自由大学。
2015年に孔子学院を設置し200人ほどの学生が中国について学んできたが
2020年7月わずか5年で閉鎖した。
孔子学院の開設に関わったブリュッセル自由大学 フラングビル教授。
中国のウイグル族などを研究しているが
孔子学院では中国政府に批判的なテーマは使えず
学問の自由が保障されていなしと感じている。
(ブリュッセル自由大学 フラングビル教授)
「中国の民族や台湾 香港などは研究者が普段から扱っているテーマですが
 孔子学院では扱うことができません。」
さらに個人の研究についても中国側から干渉を受けているように感じている。
(ブリュッセル自由大学 フラングビル教授)
「中国大使館の教育担当者が接触してくるのです。
 “食事しながらお近づきになりましょう”と。
 そして
 “あなたは中国を理解していない。
  思考・言動を正さなければならない”というのです。
 さらに彼らは私の同僚が中国に現地調査に行った際
 同僚を3日間拘束・尋問して私の研究内容を根堀葉堀聞くのです。
 これは言わば彼らからのメッセージなのです。」
こうした干渉の有無についてブリュッセルにある中国大使館への取材申し込みに
“これらの事実無根で先導的な言説は単なるでっち上げで憶測にすぎない”と回答した。
教育分野でも影響力を強める中国。
学問の自由をめぐって懸念が広がっている。

ヨーロッパの危機感はとても強いものがある。
去年にはブリュッセルの大学に設置された孔子学院のトップが
中国の情報機関と情報を共有したとしてスパイの容疑がかけられ
大学側は今年孔子学院を閉鎖した。
EUは2020年2月の文書をもとに各国で議論し
2020年中にも
外国からの干渉にどう対応するかガイドラインを打ち出したいとしている。
こうした動きを見てもEUの警戒感は相当なものと言える。
貿易の不均衡や
新型コロナウィルスをめぐる対応や偽情報
それに香港の国家安全維持法の問題などをめぐって
EUの中国不信はかつてないほど高まっている。
EUにとって遠いはずの南シナ海での中国の動きについても首脳者会議で言及することが増えていて
幅広い分野で中国を警戒している。
EUは中国を「システミック・ライバル(体制上のライバル)」とみているが
同時に「戦略的パートナー」だともみなしている。
たとえば地球温暖化対策では“中国の協力は欠かせない”としている。
新型コロナウィルスの感染拡大で経済が大きく落ち込んだ今
巨大市場を持つ中国の存在は極めて重要である。
不信感を高めている一方で
うまく協力していかなければならない。
EUには絶妙なかじ取りが求められることになる。


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