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米韓FTA発効1年 その影響は

2013-03-19 08:15:23 | 報道/ニュース


  3月19日 おはよう日本


  韓国とアメリカとの間でちょうど1年前FTA自由貿易起用帝がスタートした。
  米韓のFTAはTPPのモデルになっているとも言われるが
  韓国では今何が起きているのか。
  韓国ではアメリカ産オレンジの関税がかつての50%から25%に下がった。
  値段はFTA発効前に比べ2割近く安くなった。
  (客)
  「安くなってよく買うようになった。」
  韓国経済を支える輸出にも大きな効果をもたらしている。
  自動車部品は10,9% 石油製品は29,3%と輸出が増加した。
  韓国政府は世界的に景気低迷が続いたにもかかわらず
  FTAが韓国の輸出増加に大きく貢献したと強調している。
  ただFTAによる国内産業への打撃に対する懸念も根強く残っている。
  ソウル近郊の牛50頭余りを飼育している畜産農家。
  FTAでアメリカ産の牛肉の関税は13年かけて最終的には撤廃される。
  安いアメリカ産牛肉の流通が増えていくと予想され不安は消えない。
  (畜産農家)  
  「私の周辺でも廃業する畜産農家が増えている。
  このまま畜産を続けるべきか悩んでいます。」
  FTAでは関税の撤廃に加えてアメリカの様々な基準も韓国に導入される。
  そのひとつが成分が同じでも価格が安いジェネリック医薬品に関する制度である。
  (薬剤師)
  「こちらが韓国製のジェネリックの薬で
   こちらが外国製のオリジナル薬です。」
  この薬局では韓国製のジェネリック医薬品が6割以上を占めている。
  価格が安く客に好まれているからである。
  しかしこのジェネリック医薬品は
  2年後にはFTAでアメリカとほぼ同じ販売許可制度が韓国に導入される。
  特許を持つ製薬会社の知的財産を保護するため
  ジェネリック医薬品を販売するには特許を持つ会社の同意が必要となる。
  特許を持つのは多くがアメリカの製薬会社。
  韓国企業は特許が侵害したとみなされ訴えられる可能性もある。
  (薬剤師)
  「安いジェネリックの薬がなくなるかもしれないし値段が上がるかもしれない。」
  FTAを積極的に結んで貿易を促進させる道を選んだ韓国。
  しかし大国アメリカの様々な制度が流入してくる中
  今後 対応に苦慮するのではないかという指摘も出始めている。


  TPPでは関税の撤廃以外にも  
  医療 食の安全・安心 知的財産など幅広い分野でルールづくりを行うことになる。
  たとえば薬の価格がどう決まっているのか。
  日本 オーストラリア ニュージーランドでは
  国が薬の価格の決定に関与している。
  日本では公的な医療保険があって国が薬の価格を決め価格の高騰を抑えている。
  一方アメリカでは高齢者など一部を除いて公的な医療保険がない。
  製薬会社自らが薬の価格を決めることが出来る。
  著作権の分野でも違いがある。
  小説や音楽の著作権は
  日本 カナダなどでは50年
  アメリカ シンガポールなどは70年
  メキシコは100年。
  アメリカは著作権や特許などから得る収入が世界で最も多く
  知的財産権の強化に力を入れている。
  逆に著作権が保護される期間が長くなれば
  今注目されている電子書籍では無料で読める小説の数が限られることになる。
  ほかにも暮らしに大きくかかわってくる食料の分野で
  遺伝子組み換え食品の表示は現段階ではTPP交渉の議論になっていないとされているが
  日本 オーストラリアなどでは表示する義務があるのに対し
  アメリカでは表示義務はない。
  日本の消費者団体からは
  食の安心・安全が脅かされるのではないかという疑問の声が出ている。
  一方 アメリカは厳しすぎる規制が貿易の障害になっていると主張している。
  こうした各国のルールの違いをどのように調整していくのかが大きな焦点となる。
  




  







 

  
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