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反米の盟主死去 どうなる中南米

2013-03-12 08:00:26 | 海外ネットワーク


  3月9日 NHK海外ネットワーク


  カリスマ的な指導者を失ったベネズエラは深い悲しみに包まれている。
  「チャベスは私たちの中で生きている。
   革命は生き続ける。」
  アメリカを徹底的に嫌い強硬姿勢を貫いたチャベス大統領。
  国内では貧困層を手厚く保護し絶大な人気を得ていた。
  反米路線の継続か
  親米への転換か
  その行方を各国が注目している。

  ベネズエラのチャベス大統領の葬儀が日本時間の9日に首都カラカスで執り行われた。
  チャベス大統領といえば反米の急先鋒として知られその言動が常に注目されてきた。
  (2006年 国連総会で前日に演説を行ったブッシュ米大統領をののしった言葉)
  「きのう“悪魔”がここに来た。
   まだプンプン臭う。」
  「私が“悪魔”と呼ぶ男 
   アメリカ合衆国大統領はまるでこの世界の主であるかのように話す。」
  (2007年 イベロ・アメリカ会議でスペイン・カルロス国王)
  「お前 黙れ!」
  (チャベス大統領)
  「国王であっても大統領の私に向かって“黙れ”は失礼だ。」
  一方で演説の合間に歌や楽器の演奏を交えるなど
  ラテン系らしいユーモアの持ち主でもあった。
  チャベス大統領はキューバのカストロ元議長と親交があつかったことでも知られている。
  1994年 まだ無名の陸軍中佐だったチャベス氏はクーデターに失敗して投獄された。
  当時のベネズエラ大統領に敵意を抱いていたカストロ氏は
  恩赦で釈放されたチャベス氏を厚くもてなし
  以後 同盟関係が続く。
  1999年 大統領に就任したチャベス氏は豊富な石油収入をもとに貧困対策に力を入れた。
  中南米の反米政権に石油を安く提供。
  イランのアフマディネジャド大統領や
  リビアの故カダフィ大佐らと連携し反米路線を鮮明にした。
  一方で企業の国営化や反対派の投獄など強権的な手法に野党や国際社会の批判を浴びた。
  チャベス氏の死を悼む各国の声明
  (ロシア プーチン大統領)
  「卓越した指導者だった。」
  (イラン アフマディネジャド大統領)
  「反植民地主義の旗手だった。」
  (北朝鮮 キム・ジョンウン第1書記)
  「国の自主守り中南米統合に貢献。」
  関係の深い国々はその功績をたたえている。
  葬儀には中南米各国元首のほかイランのアフマディネジャド大統領も参列した。
  チャベス大統領の遺体は今後 ガラスの棺の中で永久保存されることになっている。

  30日以内に新しい大統領を決める選挙が行われることになっている。
  選挙は
  チャベス氏の懐刀とされるマドゥーロ副大統領
  去年の大統領選挙で野党側の候補だったカプリレス州知事
  2人の争いになるとみられている。
  カプリレス氏はアメリカ寄りの姿勢で富裕層中心に支持を集めている。
  ただ今回の選挙はチャベス氏の弔いの性格が強いだけにマドゥーロ氏が有利といわれている。
  10年間にわたって国を率いてきたチャベス氏のようなカリスマ性がないだけに
  政治の不安定化を懸念する声も聞かれている。

  アメリカのオバマ大統領は関係改善を模索する姿勢を示している。
  野党側が勝てば大きく路線が転換しそうである。
  ただ中南米全体の政治的な構図が一気に変わるということはないようだが
  反米左派の急先鋒だったベネズエラが変われば
  キューバをはじめとする反米左派の国にも影響を及ぼしそうである。   
  
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