My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

Mannumでの正しい過ごし方~初心者編

2006-08-11 23:47:47 | カントリーサイド~Mannumにて


先週、友人Rがいきなり電話をかけてきて「今どこにいる?」などと聞いてきた。

「はぁ?(アデレード市内の)家にいるけど。」
 
「今、Mannumに来ているんだ。そいつは惜しかったなー。車のサービスの関係でちょっと距離を走らせて調子を見ていたんだけど、走らせていたらMannumまで来ちゃったんだ。」

「走らせていたら来ちゃったって…。(この人は車の調子を見るのになんとなく1時間15分も高速道路で走らせるのか?)」

その日はたまたま夫がOn-callで泣く泣く一人でMannumで待機していたから良かったものの、相変わらずマイペースで思いつきで行動をする人だ。彼はマレーシア系の中国人。オーストラリアの医学部を出て、現在美容整形外科医として働いている。Mannumでの家の住所を教え、彼は何とか夫と会えて、一通り観光をしたらしい。が、Mannumでは働いてばかりでいわゆるMannumの名所は知らない夫は、彼をメインストリートとマレー川の川辺に連れて行き、この町唯一の病院を見せただけだったとか。あぁ、もったいない。それはともかく、2人は彼のBMWの何とかという$157,000(1千400万円くらいか?)もする新車に乗っていたものだから、通りを歩いている人の注目の的だったと言う。こんな車は、この町の病院の経営者でも乗っていないだろう。人の物とかあまり気にしない私も(というか、もの一般にあまり頓着しない)、この車の値段を聞いたときに3秒ほど呼吸をするのを忘れRの肩を引っつかんで「アンタ正気なんか!?」とガクガク揺すってしまった…。この町の人たちは農業で生計を立てている人が多いそうだ。そりゃ驚くだろう、こんな物がこんな所に走っていたら。しかも、2人とも一応見た目はアジア人。前にも書いたが、人口3000人ばかりのここではアジア人が数人しかいない。町中の人たちはお互い顔を知っているため、旅行客はすぐに判るらしい。その中でもアジア人はさらに珍しい。Mannumに来た半年前は、私がチビ達2人を連れてメイン・ストリートを歩いたときは、明らかに物珍しそうに眺めてきたものだ。なんとも心地悪いもの。これがレストランなどのような少し狭い場所になるともっと顕著になる。もう、それはビシビシと皆の好奇の視線が痛いほど。「見かけない顔だねぇ、君。この町で何をしているんだい?」と、明らかに旅行者ではない私のなりを見て好奇心丸出しで聞いてくる人の方が、ずっと感じが良い。でもさすがに小さな町、数週間のうちにこちらの身元は皆に知れ渡ったらしく、良く顔を見かける人だけではなくでも気軽に挨拶をしてくれるようになった。もちろんこちらも笑顔で挨拶。一旦知り合えば、割と話好きでオープンだ。まぁ、ハリウッドスター、または珍獣並みの注目を浴びるのが好きな人は是非行ってみると良い。話はそれっぱなしだが、ともかくRはこの痛いほどの視線を浴びただけで1時間そこそこで帰ったと言う。彼は写真を撮るのが大大大好き。あの近辺には写真を撮る穴場などいくらでもあったのに!!今度彼がMannumに来たときには、絶対に私が案内してあげようと思う。というわけで、次回彼が来たときのためにお勧めのスポットを考えてみた。

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1.マレー川の川辺でのドライブ&散歩

ドライブといっても整備された川辺はドライブするような距離はないため、正確に言うとメインストリートを1分くらいで走り抜け、メインストリートの端にあるMary-Anne Reserveという船着場兼公園に駐車して川辺をぶらぶらすることになるだろう。ここには、Murray Princessという格式のある数泊用の大きな客船や、小さめの1-3時間のクルージング用のボートが停まる。また、Houseboatという、その名の通り、家のように住める、しかも移動の自由なボートを良く見かける。ちゃんとリビング・キッチン・ベッドルーム・トイレが付いており生活するのには困らない。二階建ての大きいものもある。川縁に停泊する場合は停泊料金を払わないといけないようだ。ちなみに大きさによって停泊料金も異なるとか。実際にHouseboatを主な住処としている人がいるそうだ。下の写真が小さめのHouseboat。

そして散歩しながらバードウォッチング。鴨やちょっと色の変わった灰色とピンク色の鳩、そして黄緑色ベースに赤・黄色が混ざったカラフルなインコが群れを成して飛んでいたり、鴨のほか野生のペリカンや黒鳥が水辺でゆったりと泳いでいたりする。夕方に鳥の群れが川辺の木に集まってくる様子は壮観だ。大きめの鳥は人に慣れているのか、かなり近くの距離まで寄っても逃げないため写真を平気で撮らせてくれる。しかし、ペリカンには餌をやってはダメだという決まりがあるため要注意!はじめ知らずに面白がってパンをあげていた。が、ある日、Deliで買ったFish&Chipsを川辺のテーブルで広げて息子達と食べていて、私がちょっと席を立った瞬間になんとそばで見ていたペリカンが私達のお昼ご飯を容器ごとくちばしでつまんで持って行こうとしたのだ。大声を出して追い払ったが、ペリカンは餌をあげると攻撃的になるらしい。成長したペリカンはかなり大きく、5歳になる息子なんかよりよほどでかい。しかも、至近距離で大きなくちばしと横向きに付いている黄緑色で縁取られた大きな黒い目に見つめられるとちょっと怖い。結構な迫力だ。夜は夜行性のPossamも出るそうだ。残念ながらコアラはこの近辺にはいない。



2.ボートでのマレー川クルージング

クルージングはとても楽しい。長さは色々で1-3時間ほど。短いものはMorningTeaやAfternoonTeaが付いていて、長いものはランチやディナーと一緒になっている。私は1時間30分の一番短いものに行ったことがあるが、なかなか楽しかった。年配の夫婦が営業しているJetstarというボートのクルージング。なんと奥さんがボートの運転とガイドを、旦那さんが客のためにお茶の用意をしてくれると言う…面白いとても気持ちの良いカップルだ。バードウォッチング、主にペリカンの巣や雛達の観察もでき、何故か鯉の餌やりも-鯉をおいしく食べる方法とか聞きながら-した。この地域についてのかなり詳しい説明をしてくれる。ちなみにこのツアーはAfternoonTea(お茶・フルーツ・ケーキ)付きでたったの$18。

3.名物CarFerry

近代的渡し舟?とても説明できようか。珍しいものだ。なぜ橋を作らないかわからないが、川を渡るとき、人も車もこのフェリーで渡る。これはフェリーと両岸を通っているケーブルでひっぱられて動くもの。24時間運行で、8時から5時くらいまで数分おきに2つのフェリーが交代で出ている。それ以外の人のあまりいない時間は1つのフェリーだけが必要に応じて運行している。古いものを残していこう、というオーストラリア的な考えからこういうものが残っているのかもしれない。とても雰囲気があって良いものだ。Mannumに行く度(つまり毎週)につい用もないのに乗ってしまう…。運転手のお兄さんともすっかり顔なじみだ。ちなみに夏にMannumに遊びに来てくれたJさんはよほど面白かったのだろう、なんと、フェリーが走っている間も私の車から出て歩き回り写真を撮っていた。そう、あなたのことです、Jさん。


4.Mannum見晴台

これは別に誰かに聞いたわけでもないが、息子の幼稚園のそばの交差点にカメラのサインがあったのでひょっとしたら写真を撮らなければいけないくらい見晴らしの良いところがある、と教えてくれているに違いないと思い、標識に従って車を走らせたどり着いたところ。Mannumとマレー川が一望できる。ここから改めて眺めるとマレー川は本当に大きな川だと思う。CarFerryが行ったり来たりしたり、大小のボートがのんびり走っているのが見える。あとは農地とか。ここからの夕焼けもきっときれいだろう…。

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こんな感じで改めて書き出すと、素朴ながらも割と見所はあるものだ。また、ゆっくりと流れる川のようにただただゆったりと川辺でねっころがったり本を読んだりして時間をすごすのも良し。次回は、この短いMannumのメイン・ストリートにあるお店達の紹介でもしよう。

Fried King Prawns with Salt in Shell (揚げ車えび)

2006-08-08 22:34:40 | Myレシピ!
今日の夕食は、冷凍庫に在る殻つきのKingPrawnで料理することにした。せっせと、頭と尻尾の部分をそのままに胴体だけ殻を丁寧に剥いていたら、「何やってんの。それ殻を剥いたらだめじゃないか。」と私が料理しているときにはめったに口出しをしない夫がチェックを入れてくる。そうだった、これは海老を丸ごと油で揚げて頭からむしゃむしゃ食べるからこそ美味しいのではないか!あの香ばしいパリパリ感がなかったらかなり物足りない。失念してしまった。どうやら昨日Hahndorfではしゃぎすぎて疲れているらしい。「おっと、ボーとしてしまったよ。ハハハ。」と言ったら、「いつものことじゃないかい?」とさりげなく夫。おからさまにからかわれるより冷静に判断され言われる方がくるものだ。しょうがなく、剥いてしまったえびは明日のお昼にパスタにでも入れるとして、また新しく海老を準備する。

このKingPrawnはオーストラリア周辺で獲れる車えび属の海老だそうだ。冷凍ものでちょこっと部分的に欠けたりしたものが、1キロ$19で手に入る。我が家は300グラムくらいで十分。油で揚げるものなのであまり思ったより多く食べられないのだ。このレシピは、家から車で数分の有名なチャイニーズ・レストラン、Imperial Peking(北京楼)で食べた、Friend King Prawns with Special Salt in Shellを自分でレシピを想像しながら作ったもの。この意味ありげな「Special salt」というものはなんだろうと思ったが、スペシャルというからにはあの500グラムで$1.50とか言う安い普通の料理用の塩ではないだろう。と言うわけで、同じ塩でもまろやかな味のAustralian Lake Saltという西オーストラリアの僻地にある塩水湖で採れたものを使ってみた。日本では天然塩と呼ばれるのか?この塩は普通の食塩にありがちなきつくさすような鋭い味がない。ちなみにこれは、250グラム入りでお上品なパッケージに入って$5ほど。そんなこんなで出来上ったものはレストランで食べたものとほとんど変わらない。なーんだ、結構シンプルなんだな。安上がりだし?と言うわけで我が家の定番になったこの一品を紹介しよう。

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材料:殻つきKingPrawn〈車えび、または大正えび〉(300グラム)、生姜みじん切り(小さじ2杯)、にんにくみじん切り(小さじ2杯)、長ネギのみじん切り(大さじ1-2杯)、生の唐辛子(種を除いて小口切りを小1本)、サラダ油(揚げ物用)、ピーナッツ・オイル(大さじ2杯)、片栗粉(大さじ3杯)、天然塩(小さじ半杯)

作り方:

1.海老は解凍して洗い水を切っておく。拭いたりしなくて良い。と言うか拭かない。あまり水気がなくなってしまうと、片栗粉をまぶしたときに海老の表面についてくれない。

2.海老に片栗粉をまぶして、深めの鍋に熱したオイルで殻がカリカリになるまで長めに揚げる。揚がったら、ざるにおいて油をきっておく。

3.中華鍋にピーナッツオイルを熱し、中火で生姜・にんにく・長ネギ・唐辛子を焦がさない様に1分ほど炒める。

4.3に揚げた海老と天然塩を入れ、香味料が全体に回るようにさらっと混ぜる。


と言うわけで出来上がり。かなり簡単だが味を大きく左右するのは、天然塩を使うことと、香味料を炒めるときに焦がさずしっかりと香りを出すことだろう。今夜はビールでCheers!


Lunch at Hahndorf ~ ドイツ人村

2006-08-07 23:54:51 | 日常あれこれ
今日は、日本人ナース仲間3人とアデレード市から車で約25分のドイツ人村-Hahndorfにドライブがてらランチをしに行った。メンバーは、私と同じ病院でフルタイムで働いている現在永住権申請中のHさん、PhDコースで勉強中かつあるクリニックでアルバイトをしていてすでにこちらに永住しているMさん、ひょんなこと(E-mail)から知り合いになれた修士課程で勉強中の留学生のJさん。高速道路の近くのショッピングセンターで待ち合わせをし、私の4WDの中でみんなでわいわい話しながらあっという間にHahndorfに12時過ぎ到着。

私以外皆朝食を抜いてきたとか。朝に弱いHさんはともかく、他の2人は…気合の入り過ぎだ。まぁともかく、待ち合わせをした時点で私も含め、皆お腹がすいていた。そしてHahndorfに着く頃には、皆からの食べに行くぞ、と言う気合のレベルがさらにUpし気迫さえ感じた。Hungry(空腹)を通り越してStarving(餓えている)の状態のようだ。Jさんなど、昨夜は夕食がなんとポップコーンだけだったというから、燃費の悪い私だったら餓死寸前の状態だろう。いったいどうやって立って歩いていられるのだろうか…。よほど燃費が良いのかもしれない。日本車のような人だ。

ドイツ人村に来たのだからGermanGermanしたものを食べられるところ、と言うことで候補に挙がっていた2つのホテルと併設しているレストランのうちの1つに決めた。ここは何度も来ているが料理の種類が多く美味しい。ドイツ料理だけではなく、巨大ハンバーガー(ガブッ!とかじりつくのではなく、何故かナイフとフォークで食べるようだ。)Fish&Chips、Schnitzelという鶏のフライ料理など、割と普通のメニューもありバラエティーに富んでいる。そして、雰囲気が素朴で落ち着いていて、店の人たちのサービスも良くとてもフレンドリーだ。古いストーブに薪がくべられてこんな冬には何だかホッとする。時によってはピアノの生演奏がある。極めつけは、ビールの種類が多く、あまり他のレストランでは見かけないドイツ産のビールも数種類用意している。もちろんオーストラリア産のワインも何種類も置いている。あぁ、メニューを見ているだけでも幸せな気分になる…。

JさんHさんは余り胃袋の大きい人ではないので、2種類のソーセージとKassler(スモークポーク・チョップ)と紫の酢キャベツ(サワークラフトと言う)&マスタードソースがかかっているベイクド・ポテト、そして私お勧めのDamperという、スコーンを大きくして少し甘さを控えたようなパンを2人でシェア。Mさんはゆっくり味わいつつもとっても沢山胃に入る人なので、チキンの胸肉のソーセージ&チーズロールのクリームソースかけにこれもベイクド・ポテトと酢キャベツが添えられているものを、私はビールにつけ置きした薄切りのビーフをキュウリのピクルスとベーコンで巻いたものにポテトと酢キャベツをしっかり一人前ずつオーダーした。毎回思うが、一人前といってもすごい量だ。全て食べ切ったためしがない。そして、Crown Lagerのようなすっきりしたビールが飲みたいと言うMさんの希望で、お店のお姉さんにドイツビールのLowenbrauを頼み皆でシェア。





JさんはほとんどHahndorfは初めてだし、皆でそろって、しかも私の子供立ちの叫び声が聞こえないところでおしゃべりしつつ美味しいランチをゆっくりなど本当に久しぶりだったため私達のテーブルはすっかりテンションが上がり大いに盛り上がり、料理を持ってきてくれたかわいらしい笑顔全開のお店のお姉さんに写真まで撮ってもらってしまった。まるでHahndorfにはじめてきた観光客のようだ。その割には皆英語が話せると言う…。料理はもちろん、このビールもとっても美味しかった。口に含んだ瞬間、白ワインのRieslingの味がしてフルーティ、でも苦味も適度にあり、まろやかなすっきりしたビールだ。帰りにでも通りにある酒屋で買っていこう。

メイン通りは端から端までまっすぐ歩いて10-15分くらいだ。お土産屋や工芸・美術品店などとても充実しているので、もうこれ以上食べれないー、など言いながらぶらぶら覗いて歩いて1時間とちょっと。中でも、新しくできたらしい手工芸のお店は面白かった。店中、キノコと妖精だらけ。やしの木の根っこの部分で作られているアヒルも庭中にいる。すごいアイディアだ。なぜにキノコ??可愛いが…。そのほかにも手作りらしいバッグ・アクセサリー・置物が隙間だらけの年代を感じさせる木造の物置小屋のようなところに所狭しと置かれている。そして、何故か生きている鶏まで歩いている。作品のモチーフにするためのモデルか?それにしてもとてもセンスが良い店だ。ちなみに、この赤地に白の斑点の毒々しいキノコ、本当にそこらへんに普通に生えている。この後入った他のお土産屋さんのおばちゃんいわく、特に松の木下に多く生えているとのこと。ヒッピー達などはこれをせんじて飲んでハッピーな気分になる(つまりマリワナ代わり)らしい。「このまま食べるの?」とかその怪しい作用のあるキノコの服用法を詳しく訊ねたら、このおばちゃん、一瞬不審な顔をし、答えるまで数秒の間があった。んな、得体の知れないキノコ使わなくてもハッピーだってば…。





ソーセージ、燻製、ドライフルーツ、その他いろいろな物をおいている土産屋によりその裏にある酒屋さんに寄って、さっきのLowenbrauをチェック。しかし見当たらない…。お店のお兄さんに尋ねようにも名前を誰も覚えていない。そこで取り出したのがさっきのレストランで撮った証拠写真。料理のそばに置いてあるビールジョッキにそのビールの銘柄が映っている。が、小さすぎて読めない…。「Lから始まるビールでね、OとかAとかも入っていたような気がする…。」などと要領の得ない説明でも、この人にはなんとなく読めるようで一発で言い当てた。このお兄さん、さすがプロだ。でも店には置いてないとか…。



歩きつかれてきたところで、店の手作りのケーキで有名なCafe、その名もThe German Cake Shopでそれぞれお茶とケーキで休憩。そんなこんなで気がついたらなんと16:45。あわてて夫に連絡し次男をデイ・ケアから17時までに拾ってもらうように連絡。2年前にも全く同じことがあったような…。あの時は長男だったが…。すっかり満足し、車で飛ばしてあっという間に待ち合わせた場所に到着。あぁ、うちへのお土産をすっかり忘れてしまった…。まぁ、いいか。

たまにはこんな日が必要だ。

Fried Blue Swimmer (中華風ワタリガニ)

2006-08-06 23:35:25 | Myレシピ!
今日は、セントラル・マーケットで仕入れた新鮮な細身の青いカニ、Blue swimmerを夫に料理してもらった。これは、夫が母親が作っているのを見て、自分なりに好みにアレンジしたものだそうだ。中くらいのカニ3匹で$13。これは、オーストラリアで獲れるタイワンガザミというカニ。アデレード市周辺のビーチでも、カニ獲り網に、鳥の骨や魚の頭などの餌を入れて暖かい時期(9月から4月位)に、時によっては大量に取れる。同じようにオーストラリアで獲れるSand Crabよりも匂いや味が癖がなくおいしい。Mud Crab(ノコギリガザミ)もおいしいけど、この場合はシンプルに生姜と長ネギとこれでもかと言うほどの大量のあら引き黒胡椒で炒めて調理したほうがおいしいと思う。

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〈調理前〉

〈調理後〉

材料:
Spring Onion[細い長ネギ](1本)、生姜(刻んだものを大さじ1杯)、生の唐辛子(小さいものを2本)、卵(1個)、Blue Swimmer(1キロ)、荒く挽いた黒故障(適量)

作り方:

1.カニは良く洗って、甲羅をはがし、身は4等分くらいに切る。甲羅には少ないながらもカニ味噌が付いているので、捨てずに一緒に料理すること。両方のハサミは硬いので、後で食べやすいようにあらかじめ包丁の背などで適当に砕いておく。これらはキッチンペーパーなどにおいて、余計な水分と取り除いておく。

2.長ねぎ・生姜・唐辛子は適当に刻み、深めのフライパン(出来れば中華鍋)で熱したピーナッツオイル(大さじ3杯)で焦がさないように香りが出るまで1分炒める。

3.2に1のカニを入れ、強火で8分位炒める。

4.3に黒胡椒を入れ、溶いた卵をゆっくりと全体的に火が通ったカニの上にかけ、さらに1分ほど炒める。

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我が家の夕食は、カニをメインに、チャイナ・タウンで買った鳥の足の煮付けとサイドに、ご飯とChoy-Sum(中国野菜の一種)にした。ビールがぴったりだー、とか盛り上がりながら食べる直前に冷蔵庫を開けたら何と冷えたビールがなく、ぬるいやつがたんまりと車庫で待機している。しょうがないので、ビクトリア州のDe Bortliというワイナリーの割とあっさりしつつコクの在るMerlotの赤ワインで乾杯。ああ、幸せだ…。

Mannumでの日常~ある木曜日

2006-08-06 01:48:09 | カントリーサイド~Mannumにて
7:30
「ベロベロベロベロベロベロ~~~!!」という妙な、しかもボリューム大の騒音で意識が覚醒すると共に黒い瞳らしき物が2つドアップで視野に入る。どうやらまた下の2歳になる息子が早く目が覚めて私を起こしに来たらしい。彼は両親に似ず朝方人間。これは何度やられても心臓に悪い。朝一番に起きた後に心臓がバクバクしているなんて。慣れることは決してないだろう。しょうがなく起き出し、TVを付け、朝の子供専用番組(ABC KIDS)を見せながら身支度しつつ朝食(トースト・コーヒー)を食べる。

8:30
朝食はとらず時間ぎりぎりまでベッドでごろごろしている夫がしょうがなく起き出しシャワーを浴びて徒歩1分の家の目の前にある病院へ出勤する。夜型人間の上の5歳の息子が起き出してきたので、TVを見ながらの朝食(ピーナッツ入り蜂蜜味コーンフレークとミルク)を食べさせる。

9:00
たかだか徒歩5分の近所に在る幼稚園に、時間間際に車で行く。所要時間1分弱。土地は山ほどあるので車は好きに停め放題。決められている棚に彼のかばんを置き、幼稚園の巨大な冷蔵庫にランチとおやつを入れたバックを入れ、いつものように2歳のほうと私も他の園児と一緒に遊ぶ。まだ寒かったため、屋内で兄弟は車のおもちゃで喧嘩しつつも一緒にあそび、私はその横で話しかけてくる女の子3人組相手に折り紙を披露する。私は子供のときから子供によく懐かれた。私も子供が好きだ。子供を見かけると反射的に話しかけたりちょっかい出したくなってしまう。


10:00
屋内での遊びにあきて外に飛び出すチビ達のあとを追いかけて幼稚園の庭へ。いつも同じように子供達をみている他の園児のお母さんがたまたま来ていなかったため、園児数人と砂場やら滑り台で一緒にあそぶ。この幼稚園は屋内屋外共にスペースがかなりにゆったりとしていて、気を抜くと2歳の息子のほうがいつの間にかよく消えている。彼も、他の園児達と混じってとても楽しそう。束になった園児達の遊び相手はとても楽しいが体力勝負だと思う…。年のせいか?


10:30
幼稚園の先生と一緒にティータイム。勝手にお茶を入れて良いことになっているが、大抵は誰かがまとめて他の人の分も入れてくれる。片手でコーヒーを飲みつつ、息子達の朝のおやつを食べさせる。この日のおやつはオレンジ。近所に農家が多いせいか、この幼稚園にはいつも熟れたオレンジ・ぶどう・りんごなどの果物が山ほど積み上げられており勝手に食べて良いようだ。この日は何故か他の園児達の数人達にせがまれるままにオレンジを切り続けることになり、11:30になったところで慌ててストップ。「まだまだたべたいー!!」の声を「おひるごはんがたべられなくなるでしょ!」とあっさり切り捨てる。

11:30
「じゃあ3時にねー!」と上の子に見送られつつ幼稚園を出て、車で1分強のメインストリートにあるDeli(Fish&ChipsなどのTakeOutものを売っているお店)に寄って$2.50の揚げたてのChips(=ジャガイモのフライ。マックなんかで売っているフレンチフライよりかなり太く、量も見たただけで胃がもたれるほど多い。)を買って家に帰ってくる。下の子とChipsをつまみつつ、ツナとブロッコリーのパスタを作る。

12:30
ちょうど出来上がったところに夫が帰宅し、TVを観ながら一緒に食べる。Dr.Phillとかいう男性のカウンセラーに悩み事を抱えているゲストがスタジオの観客の前で自分の困った状態を何とかするためにアドバイスをしてもらうとか言うもの。そのアメリカのワイドショーを「くだらないー」とか「割とわかりきった普通のアドバイスだよねー」とか言いつつもみて夫の昼休み終了。ここにはPCもDVDもないため、ちょっと空いた時間の暇つぶしはTVくらいしかない。この町に住んでいる人たちにはどのような娯楽が他にあるのだろう?今度聞いて回ることにしよう。

13:10
下の子を寝かせようと頑張るも、疲れている様子なのになかなか寝付いてくれない。Cityにある住み慣れた自分の家ではないので、きっとなんとなく寝付きにくいのだろう。

14:45
ーと、気がついたら夫に起こされる。あれ?病院にいるんじゃなかったっけ?それにしても、いつものように子供を寝かしつけるよりも私のほうが早く寝入ってしまったらしい。夫いわく、病院の持ち物であるこの家(家賃はタダ!)のメインテナンスのために病院から人が来てドアをノックしていたらしいが誰もいないようだと言われ、うちの鍵を開けるためにわざわざ仕事を抜け出して来たとのこと。Sorry!

14:55
確か今日は14:30から幼稚園の隣の体育館で扇と剣を使った太極拳の演武(演舞というのか?この場合は)があるとか先生が言っていたような。Mannumの人口は約3000人だがアジア人はそのなかで数人しかいない。そんな中、アジアの伝統文化に触れるめったにないらしい。そのまたとない機会に先生はちょっと興奮してたなぁ。この催し物について書いてあるビラを見る。扇子を持っての演武???前に、台湾のTV番組で観た、向こうのおばちゃんたちがよく朝の体操代わりにすると言う真っピンクのふわふわの扇子を持って踊る…ひょっとしたらアレか?後ろで流れていた強烈な音楽と共にそのとんでもなく強烈な画像がフラッシュバックする。この太極拳の演武者は、その名もThe Wild Lotus Arts` Group。なんだか怪しい…。面白そうだ。もう終わりに近いけど下の子を起こして一応行ってみる。
 
15:00
体育館は園児と小学生がみんな良い子に体育座りをしてその先生の話を聞いているところだった。うちの子は一番前に座っている。私がそろそろと目立たないように入って一番後ろに立ったら、野生の勘か、いきなり私のほうにくるりと振り返り、「こっちへ来て一緒に座れ。」と瞬きを信号のようにして訴えかけてくる。場所がないため、「そっちへ座ってなさい。」と身振りで返事をする。私が見たのは、最後の演目の剣を使った演武。なんでも、剣は中国ではもっともパワフルとされる想像上の生き物、龍を体現し、剣の動きはその龍のエネルギーを表していて云々…。その後は、空手を習っている小学生を募って組み手の相手をさせ、太極拳と空手との組み手の応用を教え、「種類は違っても同じ武道としてこのようにコミュニケーションが出来るということは素晴らしい」とか説いて締めくくった。個人的な感想としては…最後の10分しか観れなかったが、この太極拳の演武、とっても本物には見えなかった。演武者はオーストラリア人のやたら痩せている年齢不詳の男性。動きを見ればそれなりに経験を積んだ人なのは判るのだけど、何と言うか、ショービジネス的なものを感じた。うーん、正統派には見えないというか。でも、説明し慣れていて、サービス精神もなかなかあるようだった。幼稚園児は何が起こっているのかいまいちわかっていなかった様だが、小学生には結構受けていた。このおじさん、いや、先生に駐車場で帰るときにあって、記念に(何の?)写真を撮らせて頂いた。この人、話してすごく思ったが、とても浮世離れした雰囲気を持っている。聞くと、香港・上海・その他中国の町数箇所で修行をしたとか。写真を撮るというと、車にすでに積み込んでいた剣を出してきて、型まで決めてくれた。幼稚園の先生は、「余りAuthentic(正統派、由緒正しいという意味)には見えなかったように思うわ。」とちょっと期待はずれのようだった。ちなみに、私の息子のこの太極拳演武への反応はイマイチ。私としては、太極拳自体には興味があるので今度自分で調べてみようと思う。


15:30
幼稚園から帰宅。2人に私のお昼の取り分けてあったものをおやつ代わりに食べさせる。一休みしてから、メインストリートに散歩がてら肉屋に行く。肉屋で上の子が下のほうを突っついて泣かせる。その場でしっぺして言い聞かせていると、肉屋のお姉さんが「なんか一切れつまんでいくかい?」とちび2人にValoney(だっけ?)というかなりやわらかい巨大なソーセージを1センチくらいずつ切ってくれた。結構ジューシーでおいしい。酒のつまみというより、ランチ用にチーズと一緒にサラダに入れたいような感じ。いかにも子供がすきそうだ。これ一発で2人はしばらく嘘のようにおとなしくなる。巨大T-Boneステーキ450グラム×2枚($12.00)とベーコン3枚($1.70)買う。


そのあと、町に唯一在る川辺の公園に行って遊ばせる。このマレー川は水の流れがとても遅いけど、川辺に柵が全くないため子供を連れて行くときはちょっと気を使う。番いの黒鳥と灰色の雛達7匹をしばらく眺めて遊ぶ。雛といってもかなりでかいけど、まだピヨピヨ鳴いていてかわいい。



17:00
暇をもてあまして、夫を迎えがてら病院へ散歩に行く。待合室の一角には子供用の遊び場が特別に作ってあって、そこにはおもちゃやら本やらが置いてある。おもちゃに目が向くと思いきや、2人して待合室に備え付けてあるミネラルウォーターとカップで遊び始めたため、即取り上げる。2人からの文句を聞きつけたのか、夫がオフィスから顔を出して時間が空いているからこっちへ来いと手招きした。とその瞬間、2人して「ダディ!ダディ!ダディ!ダディ!」と絶叫を始めた。ちょっと恥ずかしい…。待っている患者さんたちは皆おもしろそうに笑っていたが。2人は夫のオフィスにある膝関節や股関節の模型と遊んだり、血圧計をいじったり、受付嬢やら看護婦さん達にひとしきり相手をしてもらったりした後で、皆で夕焼けを見ながら一緒に帰る。ああ、こんな時、本当に幸せだと思う。
 
18:00
作り置きのカレー(SBのカレーの元で作ったやつ。)で夕食。この家のキッチンにはガスコンロではなく電気コンロがついていて、しかもオーブンの調節がしにくいため、余りここでは料理はしないことにしている。煮込み料理とか、ステーキくらい?ちょっとわびしい…。早く週末のセントラル・マーケットへの買出しに行きたい。

19:30
ちび2人と風呂に入る。その後ぐったりとしてTVを観ている夫のそばで、チビ達があきもせずにソファーの上で騒ぎまくっている。一日中ああしていてちょっとは疲れないのか?子供はすごい…。

20:30
下の子を寝かしつける。私ではなく夫が…。

21:30-23:30
お茶を飲みながら、1週間楽しみにしていたアメリカのドラマ「24」の最終回を3人で観る。意地になって起きていた上の子は23時ころ陥落し、私の膝の上で寝息を立て始めた。アメリカをテロリストと悪徳大統領から守りきった主人公が何と最後の最後で中国政府の回し者(?たぶん…。)に誘拐されたところで「To Be Continued…」になって終わってしまいショックを受ける。このままあと半年後にならないと先を観れないなんて。くそぉ。

23:50
長い1日で疲れ果てていたためあっさり寝入る。それも上の息子が寒いといって私達のベッドにもぐりこんでくるか、下の子の「ベロベロベロ」襲撃を受けるまでのひとときだけ…。

Indian Lentil Soup(インド風レンズ豆スープ)の作り方

2006-08-02 11:26:12 | Myレシピ!
昨日、On-call(注:緊急の患者が来たり入院患者の急変などの場合に、病院から呼び出されるまですぐに駆けつけられるような距離で待機していること。)のため、早起きしなければならないとぶーたれていた夫と自分の昼食のためにLentilスープを作った。これはインド人の知人から教わったもので、自分でスパイスの種類や量は好きなようにアレンジしたもの。Lentilはこちらではどこにでも売っているオレンジ色の小さな平たい豆。たしか、1キロAUS$2.80位だと思う。辞書を引くと日本語では「ヒラマメ、レンズマメ」と言うらしい。とても栄養価が高く(特に豆の中でもたんぱく質が多い)、割とお腹にたまるほうなのでよくうちではランチにチキンとトマトを入れて食べる。スパイスやにんにく・生姜を入れるため、体も温まる。唐辛子を入れなければ子供も好きなようだ。

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材料:Lentil(2カップ)、生姜(1片)、にんにく(1つ)、たまねぎ(1個)、鶏もも肉(大きさにもよるが2-3枚)、トマト(大1個)、唐辛子(1本:生でも乾燥したものでも)、Cumin Seedsクミン・シード(小さじ1杯)、ターメリック(小さじ1杯)、コリアンダー・パウダー(小さじ1杯)、Gheeまたはサラダ油(大さじ2杯)、コリアンダー[香菜](適量)、塩(少々)

*Gheeはインドの純度の高い香りの良い高級バター。インド料理では大抵炒め物をするときはこれを使う。フライパンなどで熱しても焦げない。また、ナンなどにも塗ったりする。

作り方:

1.Lentilはお米のように2-3回水で洗って1リットルくらいの水に30分くらい浸しておく。そして、10-15分くらい中火にかける。別に浸しておかなくても、火にかける時にその分時間をかければ良い。

2.たまねぎ・生姜・にんにくをみじん切りにして、Ghee(またはサラダ油)で焦げないように気を付けつつもしっかりと香りが出るまで炒める。しんなりしてきたら、若干火を弱くして、唐辛子以外の3種類のスパイスを入れ、1分くらい炒める。スパイスは絶対に焦がさないように火を調節すること。

3.2に鶏もも肉を2センチ角に切ったものを入れ色が変わるまで炒める。この時点で2がパサパサしていたらGheeまたはサラダ油を適宜追加する。

4.1と3をあわせて材料全部に火が通るまで弱火で火にかけ塩を好みの量だけ加える。最後に小口きりにした唐辛子、薄めにスライスしたトマト、細かくちぎったコリアンダーをのせて出来上がり!


ごはんにかけて食べるもよし。インド風ネコまんまと言うのか…。インドの人はご飯と汁物とヨーグルトをまぜこぜにして食べるのが好きだ。また、ガーリック・ブレッドや普通のトーストと一緒に食べるもよし。

俄か床屋ナース

2006-08-02 01:35:08 | 看護に関するあれこれ


私は毎週月曜日には大抵、非常勤ナースとして勤めている退役軍人病院で午前中のみ働いている。非常勤であるため、当然必要とされている病棟に行くので毎回割り当てられる病棟が違う。内科、ホスピス、リハビリテーション病棟、たまに外科と言う感じで…。最も多いのは内科病棟で、患者も外科よりも平均年齢がだいぶ高く、入院日数も断然長くなる。ナーシングホームの空きを待っている人も良く見かける。つい先日も循環器内科で働いた。

内科は回診やら処置やらで一日中バタバタしている外科とは違い、朝の一連の看護ケア(ベッドメーキングやシャワー介助、WoundCare、与薬など)を終えた後は急な入院などが入らない限り、11時から11時半とお昼過ぎあたりにぽっかりと時間が空いていまうことがよくある。他のナースに何か手伝えることはないか聞いても「私も何かやること探しているのよ。」といわれてしまうことが多い。

その日の午前中面倒を見ていた4人部屋の最後の患者は、蜂巣炎(注:皮下組織に起こるび慢性感染)のため両足を大掛かりな包帯交換をされ、からだをきれいに清拭された後、具合が悪いと言ってベッドからなかなか起き上がらないでいた。それを受け持ちの経験バリバリの年配ナースが発破をかけて、歩行器で窓辺にある椅子に連れて行った。私は、清潔である限りは余りだらしない服装とか寝癖とかは自分も他人のものも気にならないほうだが、伸びすぎてしまった髪についた上げしい寝癖には、彼の憔悴した顔のせいもあったか余りにも目に付いた。櫛を通しても余り代わり映えがしない…。

「髪が伸び過ぎていますねー。いつ切ったんですか。」

「ここに入院する前だから数週間以上には…なっているはず。いつも妻が切ってくれるんだけどね。家では。3週間ごと位にはね。」

「へぇー。家でも私が夫と息子2人の床屋をしているんだ。今時間があるから切ってあげようか?それとも怖い?私に切られるの…フッフッフッ。」

「い、いやっ、そんなことはないよ?君の旦那さんも切ってもらっているんだろう?」

「そーだよ。こう見えても、頭の中より手先のほうは相当器用に出来ているんだ。それに楽しいし?」

「じゃあー、頼もうかな。」

そんなこんなで、櫛と病棟専用の切れるはさみ(普段、ガーゼやら輸液のバッグやらを切っているやつ)を他のナースがわざわざ探してきてくれて理髪開始。彼の持ち物や着ている物から普段は身だしなみに気を使っている人だとうかがわれる。手が抜けない、とちょっとまじめにはさみを持つ。

(サクサク、サクサクサク)

「君はどこから来たんだね。」

「んー、ちょっと横向いて。あー、日本の東京。とてつもなく人の多い忙しいとこ。どの位まで切っていい?」

(サクサク、サクサクサク…)

何が嬉しいのか知らないが、家族のこととか住んでいる場所とか(実は近所だった)のたわいない会話の合間に、彼は時々クスクスと笑ってなにやら嬉しそうだった。そんなこんなで15分きっかりに終了。櫛をぬらして髪を整え鏡を見せて、「お気に召しましたか、お客様?」。よほど私の腕に信頼をしていなかったのか普通に切りそろえていることに何やら驚き半分にも満足している様子。「ああ、いい感じじゃないか。」「見違えるね、ハンサム君。」「いやいや!はっはっは!!」少年のようにかわいく照れる彼。これがオージーのナースだったら「いやーイイオトコ!私が旦那持ちじゃなかったらなー。惜しいわ!」ぐらいのことは平気で飛ばすところだったろう。私のユーモアのセンスは彼らほど高くも大胆でもない。ベッドから引きずり出すまでつかれきった陰鬱な顔をしていた彼は、その後窓際の陽だまりの中でニコニコしながらお昼ご飯を待っていた。

ナースは日常のケアのひとつとして、自分で出来ない人にはシャワー・清拭介助をする。もちろん歯磨き、髭剃り、整髪も入る。体力的に消耗していると、ナースにしてもらうにしてもおっくうがる人が結構多い-特に高齢の患者は。それより少しや済ませてくれよ、と。患者の希望、ナースの患者のためを考えた意見、今でもどちらを優先すべきかは今でも時々考えさせられる。まあ、こちらの場合、ナースが必要性を説明した上で患者が決めたことなら、患者の自律(自立ではなくて)が尊重されるだろう。こういう場合でもしっかりと患者の権利は尊重される。医者の誰かが以前言っていた。「ナースの仕事は考えなくても医師指示に従ってやっていればできる簡単な仕事。」ひどい言い様だとは思うが、実際最低限の仕事はそれでもやっていけるだろう。あとは、個々のナースのセンスというか看護に対する姿勢だろう。その例を挙げればきりがないが。このように普段とちょっと違う形で患者のポジティブな反応を見られると、時々自分が漫然と仕事をしているのではないか、と考えさせられてしまう。それはとても良いことだが。

最近するべき仕事をすることのみに始終し勤務時間が終わる事が続いたせいか、そんな中でちょっとしたExtraのケアの成果にすこし満足に感じながら、病棟を後にした。もっともっと年をとって、時間が出来たらこういう俄か床屋としてのボランティアも楽しいかも、とか考えながら…。

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その日、なんと退役軍人の患者さんと同じ年代のボランティアのおば様が男性部屋にネイルケア用品一式を抱えて、「どなたか、お爪のお手入れ必要な方いらっしゃるかしら?」と御用聞きに回っていた。男の人の爪のお手入れって何なんだろう???爪を切るだけじゃないのか?

Steamed Barramundi (中華風蒸し白身魚)の作り方

2006-08-01 01:38:47 | Myレシピ!
結構我が家は食生活は豊かなほうだと思う。まず、主に作る私が食べるのが好き。量はあまり入らないけど、おいしいものが大好き。加えて、夫や食べ盛りのちびたちも結構味にうるさい。昼間っから、「ムール貝とイカとえびの入ったトマト味のパスタが食べたいー!(←パスタ・マリナーラのこと。)パスタはマカロニじゃなくてスパゲッティがいい!唐辛子も入れて。でもちょこっとだけだよ。」など4歳のほうは偉そうに細かい注文まで出してくる。えー、と言いながら自分も好きなので作ってしまう。

オーストラリアは多民族国家。各国の移民で成り立っている国なので町で手に入る食材ももちろんものすごくバラエティーに富んでいる。その上、ありがたいことに手ごろだ。オーストラリアに来てからかれこれ11年経つ。その間に出会ったいろいろな国から来た人たちから教わった、彼らの故郷のレシピを見たり聞いたりして自分でアレンジしているうちに我が家の定番のレシピが出来上がった。まあ、どこかの料理本にも載っているかもしれないが、友達やその他のお客にも評判が良く、お客が食べた後に必ず聞かれるものがいくつかあるのでそのレシピをBlogに追々掲載しておこう。まずは、我が家の魚料理の王者、Steamed Barramudiから!!

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材料:Barramundiの小さいものを1匹(大きなものは骨付きの切り身で)、にんにく、生姜、ねぎ、塩、酒(白ワインでもよいが出来たら米から出来ている酒)、しょう油、オイスターソース、酒、サラダ油(出来たらピーナッツオイル。ほら、落花生から出来ているオイル。)、砂糖、コリアンダー(日本では香菜というらしい)、小さい唐辛子(生の)1-2本

作り方:

1.Barramundiは蒸すので、蒸し器に入れるお皿に収まるようにきって並べる。もちろんその前に、腸をとって鱗をそいできれいに洗っておく。Barramundiはオーストラリアの西部や北部の主に暖かいところで採れる淡水魚。いわゆる高級魚に属していて、ちょっとレベルの高いチャイニーズ・レストランなんかではでっかい水槽の中で泳いでいるのをよくみかける。これはもちろん観賞用ではなく。この魚はとても淡白だけど上品でしかもしっかりとしたうまみ味がある。歯ごたえはとても柔らかで、蒸すにはこの魚が今までに一番おいしかった。日本ではスズキの類の食用の淡水魚て試してみると良いかもしれない。ほかの魚で試した人は感想を教えていただけると嬉しい。以前に一緒に住んでいた台湾からの留学生のお国では、この料理は旧正月の祝いの席で出されるものだそうだ。まあ、魚の説明はこれ位にして-お皿に寝かせた魚に、塩・酒を少々ふって、薄切りにした生姜を数枚とねぎの葉っぱを1-2かけら乗せておく。

2.オイル適量(あえて言うなら30ccくらい?)とみじん切りにした3個分のにんにくを陶器の小皿に入れてレンジで約2分(にんにくがきつね色になるまで)加熱。オイルはかなり熱くなっているので注意!茶漉しか何かでオイルだけを1で準備した魚全体にかける。残ったにんにくは後で使うのでとって置く。そして、蒸し器で火が通るまで蒸す。レンジでチンではなくちゃんと蒸すこと。魚の大きさにもよるが目安は10-15分位。

3.蒸している間に調味料を作る。しょう油大さじ2杯・オイスターソース大さじ1杯・砂糖小さじ1杯を混ぜる。長ネギは白い部分と青い部分を各々10センチくらいに切り、縦に細く切って冷水にさらす(ちゃんと細かく切れると水に浸した瞬間に、くるんとカールする。どうでもいいことだが…。)。香菜は適当にちぎっておく。ネギと香菜は沢山入れると美味しいし、見た目も華やか。

4.蒸しあがった魚を取り出し、乗せていた生姜とネギを取り除く。仕上げに、3の調味料と長ネギ・香菜と、2でガーリック・オイルを作るのに使ったにんにくをちりばめる。最後に、辛いのが好きな人は、唐辛子を適当に切ってちりばめる。あまり得意でない人は、唐辛子の種を取り除いてから皮だけを細切りにしてまぶすとよい。唐辛子を全く入れなくても十分美味しいので差し支えはない。

とまぁ、割と普通の蒸し魚だが、重要なことは蒸すのに適した上質の魚を使うこと、そしてコクと香ばしい香りと味を出すためにガーリックオイルを使うこと。オーストラリアに来て間もないころ、友人の家族の知り合いという、とてつもなく大金持ちな、信じられないほどピアノと料理の上手なインドネシアの女の子が作ってくれたのを見て覚えた。彼女は調味料はチャイナタウンなどで売っている「海鮮調味料」とか何とか言うすでに調合されているソースを使っていたが、この料理をはじめて自分で作ったときに買いに行くのが面倒くさかったため自分で調合したらうまくいったのでそれを愛用。嗚呼、美味。ちなみにこの彼女はお国で料理をするときは、材料を切ったり洗ったりは数人いる住み込みのメイドさん達に全て任せて自分は調理だけするとか。まるで料理の鉄人みたいだ。


Enjoy your meal!!