My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

Farewell from Mannum!

2007-01-30 01:40:59 | カントリーサイド~Mannumにて
先週水曜日は、夫のMannumでの一年にわたるGP研修の最終日だった。病院の敷地内にある借りていたうちの大掃除もあるし、Farewell Partyが夜に若ボスの家であるというので私も息子とParty用の料理をいくつか車に積んでお昼頃Mannumに到着。夫の診察室に顔を出したら、タイミングの良いことにこの日のお昼は病院スタッフが皆で1皿ずつ持ち寄って夫のためにお別れランチ・パーティーをしてくれるとか言う。おお!ツイテいる…。早速チビ達と夫と一緒にパーティーへ。テーブルを見ると何と、半分はデザートの群れ。あと半分はほとんどがいろんな種類のキッシュ(タルト生地っぽいものに卵をベースに肉や野菜を入れた焼き料理)。きっと、「パーティーには何を持っていく?料理ダブったりしないようにしたいし?」とか相談しないで、適当に持って行きたい物を持ってきたのだろう。かなりアバウトなこちらの人たちにありがちだ。でも、キッシュとデザートの食べ較べみたいで面白かった。デザートで私が一番気に入ったのは、フィンガー・スポンジ・ビスケットとラズベリーとブルーベリーにヨーグルトとクリームを混ぜて凍らしたデザート。受付のおねーさんの手作りで、作り方を教えてもらったので今度試してみよう。そして、病院のスタッフ達と話してあっという間に時間が過ぎていく。

午後は、家を引き払うために息子達と一緒に洗濯・掃除をして、昼寝をし、荷物を全部車に詰め込んで、随分世話になった借家にサヨナラをして、くるまで2分くらいの夫の若ボスの家へ。

このGPクリニックは2人のGPが共同で経営をしていて、後のGP達は雇われGP。この2人の経営者の1人がかなり年配の大ボス。彼はWorkaholicの気があり、いつも忙しそうにしていて病院に入り浸っている。患者さん達にとても信頼されている経験のあるGP。もう1人は若ボスで、30代後半の超フレンドリーな人懐っこいウルトラ社交的なイタリア系のオージー。こっちはかなりマイペースで、患者さんの世話はとても良く見るが朝必ずと言って良いほど30分はたっぷり遅刻し、その上に、各患者さんへの診察があまりにも丁寧なため自然と患者さんの待ち時間が長くなるそうだ。

まあ、今回招かれたのは若ボスのお家。とっても社交的な夫婦で、しょっちゅう家に誰かしら招いてパーティーをしている。奥さんはメンタルヘルス・ナース。敬虔なクリスチャンで、子供は4人。とても良い子達だ。ひょっとしたらまた増えるかもしれない…。このうちには何回も来たことがあるが、相変わらずデカイおうち。部屋がやたら多い上に、庭がちょっとした公園のようになって、ブランコ・シーソー・トランポリン・バスケットゴール・サッカーゴール・アウトドアダイニングテープル・BBQセット・子供用の小屋・その他色々がある。いや、そこいらの公園より遊び用具が充実しているかも…。一角には若ボスの家庭菜園があって、新鮮なピチピチした巨大茄子(こっちのナスはでかいでかい!)を2つお土産に頂いた。私はいつも通りに家のチビ共も含めて子供達数人とサッカーとテニスをしかなりヘビーな食前の運動を、夫はいつも通りにすました顔をして家の中で若ボスと他のドクターと談笑をしていた。庭からは荒地が果てしなく広がり、地平線と沈みかけた太陽しか見あたらない。この豪邸とこの景色ってどーよ!?ちょっと微妙だ…。

このうちの奥さんはベジタリアンなので、肉・魚介類は一切食べないので料理ももちろんベジタリアン用。でも、料理がクリエイティブでとてもとても上手なのでベジタリアンではない私達が物足りないと感じたことは一度もない。今回は、前菜にイチジク2つに切り、Verjuiceで軽くフライパンで熱して、ルーコラとくるみ、マスカルポーネチーズを添えたもの。メインは、ベジタリアン・リゾットと炒めアスパラガス、そして肉食主義の私達にはサーモンの香味焼きが薄くスライスしたチーズと一緒に盛り付けされていた。味はそこいらのレストランよりおいしい。盛り付けもとてもプロフェッショナルで、見た目も美味しい。食べるのがもったいないくらいだ。あぁ、写真を撮っておけばよかった。我が家からはココナッツクリームベースのベジタリアン・インドカレーとGhee・マスタードシード・カルダモン・ガラムマサラ・カシューナッツ・にんにく・しょうがなどが入っているインディアン炊き込みご飯。あと、子供達のためにチャイナタウンから仕入れた春巻きを揚げたもの。カレーには家からコリアンダーを持ってくるのを忘れたため、若ボスの菜園からミントの葉を貰ってみじん切りにしてパラパラっとまぶす。これも好評だった。デザートは、チョコレートフルーツケーキに数種類のベリーが添えて去るものに、好みでヨーグルトか生クリームをかけて食べて、若ボスがパーコレーターで淹れてくれた美味しい珈琲で締めくくる。こんな美味しい料理を食べながら、お酒が一滴も入ってなくてもいろんな話題で盛り上がる。昨年放映された映画「SAYURI」についてとか、結婚してからの旦那の教育の重要性とか(←私が話題の提供元)、姑との付き合いの難しさとか、他のドクターのアフリカ医療体験談とか…。あと、ここではちょっと書けない微妙な話題とか…。あっという間に夜はふけて、早寝早起きの次男の「お家に帰ろう」コールが始まったのを機会に別れを惜しみつつおいとまをする。毎回行くたびに遊んで仲良くなった子供達と今度は私達のうちにも繰るように約束を交わし、Adelaideの我が家に疲れきった身体で11時半帰宅。子供達はもちろん車の中で発車と同時に爆睡していた。Mannum滞在の最高の締めくくりの日となった。こんな素敵な人たちに出会えたことにとても感謝している。

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病院のスタッフ皆からもらったプレゼント(餞別?)。Mannum CliffsというMannum周辺で採れたブドウから作ったHewards EstateのShirazのワイン、ヴィクトリア州産のアーモンドチョコレート、そしてチェコ産のワイングラス。とてもオーストラリアで一般的に送られるプレゼント。クリスマスのプレゼントもこんな感じの時が多い。その場合は時々ワインのかわりにシャンパンとか。チョコレートはとても美味しかった。ワインは、Shirazによくあるスパイシーさがありつつ、プラムの味がしてちょっとフルーティーだという面白いワイン。あまりヘビーには感じなかった。Mannumの日中と夜の気温の差の大きさが、この面白いワインの特徴を形作っているとか何とか。質的にはちょっと上等なテーブルワインという感じかな。



若ボスのうちの長男君のペットのDragonのSpike君。身体全体に小さなとげがあるからSpike(=針とか、尖った物)なんだとか。一年前に初めて見たときは片手にのるほどの大きさだったのが、今では両手で持ってもどっしりとした質量を感じるまでに成長。とても大人しく、いつも静かにじっとしている。私も抱かせてもらったが、しばらく大人しく肩の上に乗っかっていた。かなりカワイイ…。家の長男も私もかなり気に入っていて、お宅に訪問するたびにしばらく一緒になって眺めてしまう。餌は5日ごとにコオロギを数匹食べる。もちろん餌は新鮮なものしか食べない。



さらば、Mannum!でもきっとまたここで知り合ったフレンドリーな楽しい人たちに会いに来るだろう…。

Mannum周辺の写真集2

2007-01-28 20:18:47 | カントリーサイド~Mannumにて


夫が一年間、GP研修医として勤務した人口3000人の町にただひとつある病院(10床余り…)と併設されているGPクリニック。何と、老人ホームまである。丘の上に建っているので川や周りの丘陵が見渡せられる。



GPクリニックの入り口。一見しょぼく見えても、中はとても小奇麗にしていて清潔。待合室からは絶景が。子供達のために、病院の専属の何でも屋さんが子供達のための遊び場コーナーを作ったらしい。受付やナース、ドクターも皆フレンドリーで、病院全体がアットホームな感じだ。



Mannumのメインの通り。さっさと歩くと5分くらいで歩ききってしまう。最初の頃は、この通りを歩くと珍獣か何かを見るように注目を浴びたっけ。でも一旦知り合うととてもフレンドリー。きっとちょっとシャイなだけ。



よく通った、Deli(テイクアウトのお店)。このごっついおちゃんはとても無愛想だが何回か通ううちに、注文したお昼(大抵Fish&Chips)を受け取るときにはにかみつつも笑顔を一瞬見せてくれるようになった。しかも、いちいち頼まなくてもChipsにはちゃんと私が好きな種類のチキン味のお塩をかけておいてくれる。ちなみにこのショットはおっちゃんには内緒で撮ったもの。まあ、顔が出てないから良いとしよう。



Mannumでのただ1つ心残りな事-このDeliのメニューにあった怪しげなカンガルー・バーガーとエミュー・バーガーを食べなかったこと…。とても悔しい。



よく、このDeliでお昼を買って息子達と川辺にいってペリカン達に狙われながら食べた。そのとき、毎週金曜日にこのMurray Princessというパドル・ボートが停泊していた。結構古そうな威厳のある客船。



Murray川のほとり。このあたりにはテントを張ったりキャンピング・カーで泊まったりしている人を良く見かける。川で泳いでいる人も結構多い。BBQをしながら釣りを楽しんでいるひとが多い。といっても、連れるのは断然鯉が多い。ちなみにこの州では鯉が多すぎるために、釣りをして獲った鯉は川に戻してはいけないという法律がある。



Mannumの町の中心から車でほんの2-3分の丘陵(牧場地)のてっぺんにある廃墟。何の目的で何時建てられてどのように時を経て来たのだろう。



ある農家の入り口。ふとあるとき、この入り口のゲートにごみを回収してもらうためあのお決まりのでかい濃いグリーンのゴミ箱が置いてあったのを見て疑問に思ったことがある。あのいくら滑車が付いているといっても結構大きいゴミ箱をゲートから遥か彼方にある家からどうやって持ってきたんだろう??引っ張ってくるにはちょっと大変だと思う。やっぱりトラックとかで運ぶのか?



息子達のお友達のお馬さん達。いつも通りかかって車を停めると寄って来て顔を見せてくれる。今度是非、馬に乗ってみたい…。妹がやっていたような、乗馬服を着て乗り方とか姿勢とかいちいちうるさいお上品なのではなく、TrailとかBushをワイルドに乗るやつ。

Mannum周辺の写真集

2007-01-21 12:36:26 | カントリーサイド~Mannumにて
昨日、1泊2日で久しぶりにMannumへ息子達と食料を4WDに積んで行ってきた。もう来週半ばで、夫のMannumのGPクリニックとの1年間の契約が終わる為、病院から与えられている借家を掃除して、荷物をまとめるためだ。

今はAdelaideは年に一番暑い時期。先週も、最高気温が40℃にもなった。Adelaideに越してから数年の今までに43℃近くになったこともある。Adelaideは年間を通して湿気が無いため、夏は外を歩くとオーブンの中にいるようだ。Adelaideからハイウェイに入ってHarhndolfを過ぎると、何ーも無い潅木がまばらに生えている大小の丘が見えるだけ。暑く乾燥したこの時期は常緑植物の潅木以外はすべて枯れ果てて、茶色い大地が果てしなく広がっている。ある意味、凄い景色だ。自然の容赦無さを感じる。去年の冬は雨がほとんど降らなかったため、穀物や野菜を育てている農家の収穫はほとんど無かったそうだ。彼らの収入は天候にほとんど左右されるが、今年のように収穫がゼロに近い場合はその一年間はどのようにしてしのいで行くのだろう…。

今回のMannumへの道のりは、珍しく雨が降りっぱなしだった。しかもバケツの水ををひっくり返したような土砂降り。まだ午後の明るい時間だというのに、視界がとても悪く、運手にはひどく神経を使う。高速を降りてからは、道路が舗装されてはいても水溜りやちょっとのデコボコがあってもタイヤがすべる。しかも外灯は一切無し。怖いぞ、怖いぞっ!と思いながらスピードを落として慎重に走る。後で夫に言ったら、「2WDから4WDに切り替えればよかったのに。何のために4WDの機能が付いていると思ってんの?」といつものようにクールにあきれられた…。そうか、その手があったか!!というわけで帰り道にひどい通り雨にあったときにここぞとばかりに4WDの機能を運転歴6年目で始めて堪能する。さすが、4WDに切り替えると車が道路にしっかり張り付き、ハンドルを握っていても安定感がある感じがする。ふぅ~ん…。へぇー。

今までに何度もこの道を往復した。Harhndolf周辺の高い木が茂っているAdelaide Hill。そこを超えると冬の緑豊かな高速沿いの丘陵。その丘陵に沈む太陽と雲ひとつないくっきり鮮やかなAdelaide的夕焼け空。不気味なほど大きくオレンジ色をしたある夜の月(高速道路でカーブを回るたびに月の位置が動くのを息子達が面白がっていた)。周りには人家・車がなく、地平線をはさんで上は真っ青な空、下はなだらかになだらかに続く農場とただ真っ直ぐに続く田舎の公道。いろんな景色を見た。

そういえば、Mannumに通い始めた頃にちょっとした面白い体験をした。いや、面白いというかとんでもなく懐かしいというか、できればもうしたくないと言うか…。大抵は夕方にAdelaideを出発して夕食時にMannumに着くようにしていたので、その日も夕方で疲れていたため、珈琲を2杯分たっぷり淹れてそれを飲みながら運転をしていた。家を出てから30分位したとこで急にトイレに行きたくなった。あとどう頑張ってもMannumにつくまで45分かかる。Harhndolfのような大きめの町は通り過ぎてしまっていたため、後はトイレによれるようなところが全く無い。こちらでは私の知る限り日本の高速にあるようなI・Cにある休憩所のようなものが無い。長距離用のトラック用に高速の脇にちょっと止めて休憩できるようなスペースがあるだけ。途中にはStrathalbynとかCarllingtonとかの町が標識にあるが、これらの町は高速から降りても延々とまた走らなくてはたどり着けないか、町といえないような小さな集落かのどちらかだ。特にCarllingtonのほうは、高速から5キロも離れていないところにあるが、給油ポンプが1つしかないとてつもなく小さなキオスク兼ガソリンスタンドがぽつんと立っている、家が数件集まっているだけの町だ。何時だか、Monartoあたりでガス欠に気づき(それはもう、ホントすっからかん!)、急きょ寄ったことのある町。どちらかというとVillage(村)といったほうがしっくり来る様な。そこには公共トイレはないし、こういうところは5時きっかりには店をしまってしまう。一応、冷汗が出るまで頑張ってみるが、Monartoの高速出口で限界に達し出口を出てからすぐ停車する。高速から近い公道に車を寄せロックしてから、日はとっぷり暮れて辺りは暗く、全く何も見えないブッシュに数メートル入り込み、さっさとしゃがみこむ。外で用を足したのは30年ぶりくらいかなぁ、懐かしいなぁ、などと感慨に浸りながら用を足してほっと一息。外灯がほとんど(全く)無く空気が澄んでいるため夜空には星が一面に瞬いていて、空が大分近くに見える。感動ものだ。まぁ、こういうものをじっくり見ながら外でするのも悪くは無い。またしたいとは思わないが…。それ以来は眠気覚ましの珈琲は1杯のみにするか、家で飲んでから30分してトイレに行き、それから出発することにした。

…と、ともかくいろいろな思い出があるこの片道100キロの道のり。今まで2006年冬から2007年夏までパチパチと撮ったままのMannum周辺の写真をここにUpしておこうと思う。

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〈Mannum Outlookの丘の近くにあった花。冬に鮮やかなオレンジ色の花が咲くサボテン科っぽい木。私の背丈くらいある。〉



〈Mannumの町に沿って流れるMurray川の岸辺。〉



<Mannumの町から離れて5分くらいのところにあるReedly Creek。この自然にできた小さな丘の上の丸い大きな石の群れが、面白い景色を作っている。このすぐ隣は普通に農場の家。>



<Reedly Creekからさらに10分くらいAdelaideに向かって走ったところにある“Ruins(廃墟)”。何故か、この廃墟にはとても惹かれる…。なんかこう、インスピレーションがググッと沸くって言うか。場所からして随分前に農場の家族が使っていたのだろう。息子達も同じく興味があるらしく、通りかかるたびに「壊れたお家だ!!」と盛大にはしゃぐ。>



〈上の廃墟のそば。冬には黄色い菜の花のような花が一面に咲く。冬以外はただの荒地となる。〉



〈農場の低い丘にそびえ立っている巨大な石。こういう景色はとても南オーストラリアらしい。私的には…。〉



〈MannumからAdelaideに帰るハイウェイの入り口のそばにあるMonartoという地域の農場の馬達。MonartoにはWildlife Parkという、広大なサファリパークがある。毎回彼らを見るのが私と息子達の楽しみの一つ。何のための馬なのかな?競馬?食用(ではないと思うが…)?彼らも人間にとても興味があるらしい…。昨日見たら新しい家族がいた。新しく子馬が3頭、大人たちと一緒に草を食んでいた。>



<上の農場の近くの羊達。Mannumの近くは羊や牛達が沢山、そう、本当に沢山いる。彼らは馬と反対で、私達を見ると、警戒して距離を置こうとする。>

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かれこれ数十回も往復したAdelaideからMannumへの道。いよいよ、来週がMannumへの最後のTripとなる。

Mannumへの道(4)

2006-09-22 14:40:31 | カントリーサイド~Mannumにて


〈Mannumから車で5分位の農場。車を停めて写真を撮っていたら農場のおばちゃんにまるで知り合いのように挨拶されてびびった…〉

昨日、いつものようにMannumからAdelaide市に戻ってきた。昨日は、長男のMannum幼稚園の日。幼稚園のNews Lettterを流し読みしていたら、何と来週木曜日が長男の幼稚園時代の最後の日!こちらには入園式・入学式がなく、従って卒園式・卒業式もない。そのかわりに、学期の最後日には、大抵園児とその親達がランチや果物・ケーキなどを持ち寄って、Shared Lunchという「持ち寄りランチ・パーティー」をする。私も巻き寿司やらカップケーキを持っていった覚えがある。こちらの幼稚園は日本のように4月1日以降~3月31日(だっけ?)に生まれた子供をひとまとめにして同じクラスに入れるのではなく、クラスは大抵1つで4歳になった時点でその誕生日から後一番早い学期に幼稚園に通い始める。なので、学期ごとに数人ずつ幼稚園のクラスメートが入ってきたり、小学校へ進学したりしていく。

早いものだ。約5年前、妊娠38週目で朝4時起きしてMKさんとGlenelgのビーチにカニ捕りしている最中に腹痛を起こしてそのまま病院に駆けつけ、誘発分娩で生まれてきた長男。(姑に言ったら何を言われるか分からないため、このことはまだ言っていない。)実はその腹痛は胎盤早期剥離(子供が出てくる前に胎盤がはがれてしまうという危険な物)だったらしい。しかも、なかなかお腹からでてきてくれず、最初からてこずらされた彼。生まれた直後はアプガースコアが少々低めで冷や汗もかかされた。それでもすぐ元気になって、なんと生まれて数分後に目をパッチリ開けて夫をじっと見つめていたという意志の強そうな顔…(ちゃんと証拠写真が残っている)。そんな瞬間からはや5年も経ったとは。

とにかく、幼稚園最終日にチャリティーを兼ねてなんか大掛かりなゲームを親子共に参加するようだ。その後に、ランチ・パーティー。何を作っていこうかなー。巻き寿司は2回ほど作ったから趣向を変えて、鳥のから揚げとか?これだったら、子供達でも好きそうだ。そし、そうしよう…。

幼稚園の先生達と最終日には、親と先生の息子に関する幼稚園最終報告書についての話し合いもある。これは、通信簿のようなもので、毎学期ごとにもらっている簡単なレポートよりも、遥かに細かくアセスメントされているもの。この最終報告書はこれから入学する小学校に送られ、小学校での指導の参考書類ともなるようだ。息子は同時に2つの幼稚園に通っているため、2つの報告書が彼の小学校に届くことにある。先生との話し合いとは、この報告書の内容に質問・異議が無いかどうか、をチェックするもの。教育機関の一方的な評価に終わらないところが大変に嬉しい…。そして、幼稚園から小学校間の連携も、環境がかなり変わることになる生徒達にとっては、大切なサポートの1つだ。

話はそれまくってしまったが、ともかくあと1週間でMannum幼稚園に行く必要がなくなると思うと少し寂しい気がする。10月中旬から長男の小学校が正式に始まったら、Mannum自体に来る事もかなり減るだろう。最初はこんな何も無いところでどうやって暇を潰そうか、などと考えていたが、園児やその家族、幼稚園の先生達、夫の勤め先の病院のスタッフ、町のお店の人たち皆、最初は露骨に私達よそ者に好奇心の目を向けていたが、ひとたび知り合えば、とても気のいいフレンドリーで素朴な良い人たちばかりで、今年の2月から約7ヶ月間、とても楽しい滞在だった。園児たちの何人かは私のことは園児の親としては見ていなく、ファーストネームで呼び、園児と同じレベルで友達として思っているらしい。嬉しいことだ。ドイツから移住したという先生と、もう来週で最後になるという話をしていて、「ここにこなくなると思うと、とても寂しくなります。」と言おうとした矢先、何と向こうに先を越された挙句に泣かれてしまった。でも田舎の幼稚園はざっくばらんなところもあるので、「月曜日から金曜日まで私達はいるからいつでもおチビさんたち2人連れて、遊びにいらっしゃい!」とも言われているし、これからもちょくちょくMannumにいるときは公園代わりに遊びに行くことにしよう。Mannum滞在もあと少し…。

Mannumへの道(2)

2006-09-05 21:23:48 | カントリーサイド~Mannumにて
「おゎっ!まずい!!(←咄嗟に出た英語の台詞よりは、遥かにお上品に訳してある。)」

と思ったその瞬間にはもう遅かったらしい…。車を運転するときはスピードにはかなり気をつけているつもりだったが、いつも通りにMannumへ行く途中の高速道路の誰ーもいない真っ直ぐな下り坂でパトカーのスピード・カメラに捕まってしまった。後ろに座っている2歳の息子があまりにも興奮していていたのに気を取られた瞬間だった。パトカーが目に入った瞬間にスピードを落として、何気に通り過ぎようとしたら、バックミラーにサイレンこそ鳴らしはしないがトップライト(オーストラリアでは赤と青)を点滅しながらしっかりと追いかけてきているパトカーが目に入る。「振り切れるか!?」と内心抵抗してみるがそんなことは無理だと端からわかっているので、しょうがなくおとなしく端に車を寄せる。

「君、カメラでスピード計っていたんだけどオーバーしていたの知っている?」

「あっ、そうなんですかー?」

「110キロのところを125キロ出していたよ。免許証を見せて。パトカーまで見てカメラを見る?」

「いーえ、いーです。どうせそんなの見たって違反は違反なんでしょー?」

「…。まぁ、一応説明してあげるから。」

そんなこんなで車にチビ達二人を残してパトカーまでついていきカメラを見るとカメラの画面に「125Km/h」とかばっちり書かれている。でも、書かれているだけでわざわざ拝むほどの代物でもない。でも初めてみて、ふーん。などと感心しているとアルコール検出検査や一通りの質問が始まった。

「きみ、パトカーが君の視野に入った瞬間から逆に119キロから125キロまでスピード上げたみたいだけど。普通は逆なのに…。」と、ちょっと不思議がっている。

ちょっと目が泳いでしまったが、おとなしくしてやり過ごす。後ろの息子に気を取られていてパトカーに気がつかなかったなんてとても言えない。しかも下り坂だったため加速がかかってしまったらしい。あぁ、違反をしてしまった。とショックを受けつつも、してしまったことはしょうがない、と気持ちをスパッと切り替える。こんなことが瞬時に出来るようになったとは。年を重ねたせいだろうか…。そうなると今度は罰金の金額がとても気になる。日本でもそうだが、駐車違反と比べるとスピード違反にはかなり高い罰金が科せられる。

「あのー、罰金はいくらなんですか?」

「えーっと、今調べてあげるから。…あぁ、ところで今回は15キロオーバーだったのを14キロオーバーってことにして報告しておいてあげるから。」

「は?」

「何故かというとね、14キロ以下と15キロ以上のスピードオーバーの罰金が100ドル近く違うんだ。ほらね?」と、罰金一覧表(?)を見せてくれる。それでも食らった罰金は167ドル。がーん!先週日曜日に働いた半シフト分の給料に相当する。

「うわー、ホント??サンキュ~~~~~~~~~~~!!!」と言いながら、ついうっかりガッツポーズをしてしまった…。チッ!

「…。この辺はカンガルーもよく飛び出してくるし。危ないからね、本当に気をつけるよーに。それに家族にも食べさせていくのにお金もかかるでしょう?点数をあまり取られると保険料金にもひびいてくるしね。云々。」と、露骨にあきれた顔をされ、お説教が始まってしまった。反省している態度が足りなかった様だ。反省しているって…。ただ、嬉しくってつい。しかしなんていうNice guyだ。よく見るとこのおまわりさん、とても爽やかな顔をしている。いや、そう見えてしまったのかもしれない。

しかし、こんなに車の数も少なく何も無いところに(本当に家一見回りに無い。)見張っていたもんだ。いや、だからこそか。でも目立つ白い車体のパトカーなんかよりも迷彩色のカバーでも掛けて待ち伏せしたほうが効果的なのに…。きっとこの辺のだだっ広い草原やブッシュしかないところにはさぞかしうまく溶け込めるだろう。そんなことを考えながら、ため息をつきつつも、今度は数十秒おきに時速計をチェックしながらMannumへと急ぐ。後ろでは2歳の息子が今度はまじかで見れたパトカーに興奮してしまってうるさい。でも集中集中。危ない危ない…。

おまわりさんが言ったように、この辺では野生のカンガルーが本当によく飛び出してくる。道端で轢かれて死んでいるのを時々見かける。こういう地域では、カンガルーの絵が付いている黄色い〈カンガルーにご注意〉サインを見かける。他にも、〈エミューにご注意〉や〈ウォンバットにご注意〉なんていうのもある。私も一度カンガルーを轢いてしまったとこがあったが、カンガルーは結構大きいので車体への衝撃もかなり大きかった。確かにあまりスピードを出していると、カンガルーだけではなく車も乗っている本人も危ないだろう。

本当に気をつけなければ…。反省反省。


巻き寿司作りのレクチャー@Mannum幼稚園

2006-08-20 00:16:22 | カントリーサイド~Mannumにて
今週またMannumで2日過ごした。今回はCathも連れてのお泊り。今週の木曜日に、息子の幼稚園で何と園長からのリクエストに応えての巻き寿司の実演をした。こちらの人は欧米文化以外にあまり触れる機会がないため貴重な資源の活用をしようということだろう。私としても、今まで寿司をホームパーティやら何やらで作る度に友人・知人から「レシピをくれ!」という要望をもらっていたのでこの機会にレシピもまとめることにした。

まず、家でよく作るのは椎茸・卵焼き・きゅうり・かまぼこ・時にでん粉(というんだっけ?あのピンクの粉。)が入っている普通の太巻きとツナ巻き。オージーは太巻きより断然ツナ巻きの方が好きなようだ。だから客人がオージーのほうが多いときなどは手間もかからないツナ巻きだけ作ったりする。今回は、田舎のオージーという好みがちょっとわからないグループなので(ひょっとしたら魚類を全くまたはほとんど食べないかもしれない…)無難にツナ巻き&(邪道だが)照り焼きチキン巻きなるものを作ることにした。自分で照り焼きチキンを寿司に入れたことはないが、これは普通にオージーに食べさせてはずれがないもの。でメニューは:

ツナ巻き-ツナ・みじん切りの浅葱・きゅうり・にんじん
照り焼きチキン巻き-照り焼きチキンの細切り・きゅうり・にんじん

となった。寿司巻き実演はお昼ごろ予定。園児達全員に味見もしてもらう。

家で下も息子が風邪を引いているせいもありぐずりっぱなしだったため、Cathに指示してほとんどの下準備をしてもらった。彼女が手際のいい料理の好きな人で本当によかった。もちろん彼女は食べるのも半端じゃなく好きだ。材料一式もって幼稚園に行き、11時ごろ早速実演開始。寿司ネタの作り方と巻き方をCathと先生達に教えて、30分ほどで10本くらいを巻く。先生達は色々と巻き方のコツなどの細かい質問をしてきたので、レシピも渡しておいた。人間教わってもすぐに忘れるもの…。切り分けるときにあまったサイドはもちろん私とCathのお昼に。巻いている間にお腹がいっぱいになってしまった。

そろそろ準備も終わりになって、園児たちを見るとなにやら今日は解剖学の講義を園長先生から受けている。なんと、とてもリアルなカパッとはずしたりはめたり出来る人体の解剖模型まである!しかも幼稚園に…。驚きだ。人体全体の骨の模型まである。まるで、看護学校の実習準備室のようだ。そんなの私の時代の幼稚園にあったっけ?と考えるが、幼稚園は行かなかった為(しかも保育園はたったの数日でクラスの男の子と喧嘩して登園拒否)そんな疑問は無視をすることにする。家の息子は4歳になった頃から私の解剖学の教科書を勝手に絵本代わりに読んでいたので、なにやら私の顔を見ながら得意そうな顔をしている。どうやら彼はサイエンス関係に興味があるようだ。対して園長先生は講義をしながら私のほうをちらちらと見ている。彼女の私がナースであることを知っているため、話していることがあっているかどうか意識しているようだ。私が彼女の講義にチェックを入れるとでも思っているのだろうか…。そんなん、しないって。

解剖学の講義のあとに午前中の締めとして「Aくんのお母さんが、皆にSUSHIの作り方を見せてくれます!こっちにちゃんと並んでくださいー。」などといきなりふられ、あわてつつも「これはNORIといって、これでライスと中身を巻きますー。みんなのランチのサンドイッチみたいですねー。NORIは海から採れるんですよー。」などとなりきって説明しながら実演する。子供相手はとても楽しい…。好奇心旺盛な彼らは興味津々と言う顔をしていたが、「うぇー!」などという失礼なコメントも聞こえた。のりの黒さが嫌いなのかも。確かに、黒なんて自然食品にはあまり見かけない色だ。彼らの気持ちもなんとなくわかる。



先生達は、園児たちの面倒を見つつも、「おいしい、おいしい」と言って結構食べていた。が、何と残念なことに、ほとんどの園児(8割?)は手もつけないで残していた。先生によると、知らないものを口にする勇気が無いのだろうとか…。まあ、面白そうに作るところを見ていたし、違う国からの食べ物があるんだよ、という事が見れただけでも良かったんじゃないかと思う。ちなみに家の息子は一人で御代わりをし続け、5-6個食べていた。ツナ巻きが好みのようだ。大量に作った為、大皿一皿分は夫の勤める病院のスタッフに差し入れ。これはあっという間に空になったそうだ。先生と病院のスタッフに渡したこの寿司のレシピは、Cathがインターネットでサーチして下書きをし、私が編集をし、夫が英語のチェックをしたという3人の協同作品だ。オーストラリアにいる人は寿司の作り方を聞かれることも多いと思うので、このBLOGの別便、「Myレシピ」のカテゴリーに英語版を入れておくのでよかったら活用してほしい。

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園長いわく、次回は「折り紙の実演+レクチャー」をしてくれとか…。4歳児向けの簡単な折り紙とはちょっと難易度の高い要望だ。少し予習に時間がかかりそう…Mさん、Hさん、助っ人頼みたし!

Mannumでの正しい過ごし方~初心者編

2006-08-11 23:47:47 | カントリーサイド~Mannumにて


先週、友人Rがいきなり電話をかけてきて「今どこにいる?」などと聞いてきた。

「はぁ?(アデレード市内の)家にいるけど。」
 
「今、Mannumに来ているんだ。そいつは惜しかったなー。車のサービスの関係でちょっと距離を走らせて調子を見ていたんだけど、走らせていたらMannumまで来ちゃったんだ。」

「走らせていたら来ちゃったって…。(この人は車の調子を見るのになんとなく1時間15分も高速道路で走らせるのか?)」

その日はたまたま夫がOn-callで泣く泣く一人でMannumで待機していたから良かったものの、相変わらずマイペースで思いつきで行動をする人だ。彼はマレーシア系の中国人。オーストラリアの医学部を出て、現在美容整形外科医として働いている。Mannumでの家の住所を教え、彼は何とか夫と会えて、一通り観光をしたらしい。が、Mannumでは働いてばかりでいわゆるMannumの名所は知らない夫は、彼をメインストリートとマレー川の川辺に連れて行き、この町唯一の病院を見せただけだったとか。あぁ、もったいない。それはともかく、2人は彼のBMWの何とかという$157,000(1千400万円くらいか?)もする新車に乗っていたものだから、通りを歩いている人の注目の的だったと言う。こんな車は、この町の病院の経営者でも乗っていないだろう。人の物とかあまり気にしない私も(というか、もの一般にあまり頓着しない)、この車の値段を聞いたときに3秒ほど呼吸をするのを忘れRの肩を引っつかんで「アンタ正気なんか!?」とガクガク揺すってしまった…。この町の人たちは農業で生計を立てている人が多いそうだ。そりゃ驚くだろう、こんな物がこんな所に走っていたら。しかも、2人とも一応見た目はアジア人。前にも書いたが、人口3000人ばかりのここではアジア人が数人しかいない。町中の人たちはお互い顔を知っているため、旅行客はすぐに判るらしい。その中でもアジア人はさらに珍しい。Mannumに来た半年前は、私がチビ達2人を連れてメイン・ストリートを歩いたときは、明らかに物珍しそうに眺めてきたものだ。なんとも心地悪いもの。これがレストランなどのような少し狭い場所になるともっと顕著になる。もう、それはビシビシと皆の好奇の視線が痛いほど。「見かけない顔だねぇ、君。この町で何をしているんだい?」と、明らかに旅行者ではない私のなりを見て好奇心丸出しで聞いてくる人の方が、ずっと感じが良い。でもさすがに小さな町、数週間のうちにこちらの身元は皆に知れ渡ったらしく、良く顔を見かける人だけではなくでも気軽に挨拶をしてくれるようになった。もちろんこちらも笑顔で挨拶。一旦知り合えば、割と話好きでオープンだ。まぁ、ハリウッドスター、または珍獣並みの注目を浴びるのが好きな人は是非行ってみると良い。話はそれっぱなしだが、ともかくRはこの痛いほどの視線を浴びただけで1時間そこそこで帰ったと言う。彼は写真を撮るのが大大大好き。あの近辺には写真を撮る穴場などいくらでもあったのに!!今度彼がMannumに来たときには、絶対に私が案内してあげようと思う。というわけで、次回彼が来たときのためにお勧めのスポットを考えてみた。

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1.マレー川の川辺でのドライブ&散歩

ドライブといっても整備された川辺はドライブするような距離はないため、正確に言うとメインストリートを1分くらいで走り抜け、メインストリートの端にあるMary-Anne Reserveという船着場兼公園に駐車して川辺をぶらぶらすることになるだろう。ここには、Murray Princessという格式のある数泊用の大きな客船や、小さめの1-3時間のクルージング用のボートが停まる。また、Houseboatという、その名の通り、家のように住める、しかも移動の自由なボートを良く見かける。ちゃんとリビング・キッチン・ベッドルーム・トイレが付いており生活するのには困らない。二階建ての大きいものもある。川縁に停泊する場合は停泊料金を払わないといけないようだ。ちなみに大きさによって停泊料金も異なるとか。実際にHouseboatを主な住処としている人がいるそうだ。下の写真が小さめのHouseboat。

そして散歩しながらバードウォッチング。鴨やちょっと色の変わった灰色とピンク色の鳩、そして黄緑色ベースに赤・黄色が混ざったカラフルなインコが群れを成して飛んでいたり、鴨のほか野生のペリカンや黒鳥が水辺でゆったりと泳いでいたりする。夕方に鳥の群れが川辺の木に集まってくる様子は壮観だ。大きめの鳥は人に慣れているのか、かなり近くの距離まで寄っても逃げないため写真を平気で撮らせてくれる。しかし、ペリカンには餌をやってはダメだという決まりがあるため要注意!はじめ知らずに面白がってパンをあげていた。が、ある日、Deliで買ったFish&Chipsを川辺のテーブルで広げて息子達と食べていて、私がちょっと席を立った瞬間になんとそばで見ていたペリカンが私達のお昼ご飯を容器ごとくちばしでつまんで持って行こうとしたのだ。大声を出して追い払ったが、ペリカンは餌をあげると攻撃的になるらしい。成長したペリカンはかなり大きく、5歳になる息子なんかよりよほどでかい。しかも、至近距離で大きなくちばしと横向きに付いている黄緑色で縁取られた大きな黒い目に見つめられるとちょっと怖い。結構な迫力だ。夜は夜行性のPossamも出るそうだ。残念ながらコアラはこの近辺にはいない。



2.ボートでのマレー川クルージング

クルージングはとても楽しい。長さは色々で1-3時間ほど。短いものはMorningTeaやAfternoonTeaが付いていて、長いものはランチやディナーと一緒になっている。私は1時間30分の一番短いものに行ったことがあるが、なかなか楽しかった。年配の夫婦が営業しているJetstarというボートのクルージング。なんと奥さんがボートの運転とガイドを、旦那さんが客のためにお茶の用意をしてくれると言う…面白いとても気持ちの良いカップルだ。バードウォッチング、主にペリカンの巣や雛達の観察もでき、何故か鯉の餌やりも-鯉をおいしく食べる方法とか聞きながら-した。この地域についてのかなり詳しい説明をしてくれる。ちなみにこのツアーはAfternoonTea(お茶・フルーツ・ケーキ)付きでたったの$18。

3.名物CarFerry

近代的渡し舟?とても説明できようか。珍しいものだ。なぜ橋を作らないかわからないが、川を渡るとき、人も車もこのフェリーで渡る。これはフェリーと両岸を通っているケーブルでひっぱられて動くもの。24時間運行で、8時から5時くらいまで数分おきに2つのフェリーが交代で出ている。それ以外の人のあまりいない時間は1つのフェリーだけが必要に応じて運行している。古いものを残していこう、というオーストラリア的な考えからこういうものが残っているのかもしれない。とても雰囲気があって良いものだ。Mannumに行く度(つまり毎週)につい用もないのに乗ってしまう…。運転手のお兄さんともすっかり顔なじみだ。ちなみに夏にMannumに遊びに来てくれたJさんはよほど面白かったのだろう、なんと、フェリーが走っている間も私の車から出て歩き回り写真を撮っていた。そう、あなたのことです、Jさん。


4.Mannum見晴台

これは別に誰かに聞いたわけでもないが、息子の幼稚園のそばの交差点にカメラのサインがあったのでひょっとしたら写真を撮らなければいけないくらい見晴らしの良いところがある、と教えてくれているに違いないと思い、標識に従って車を走らせたどり着いたところ。Mannumとマレー川が一望できる。ここから改めて眺めるとマレー川は本当に大きな川だと思う。CarFerryが行ったり来たりしたり、大小のボートがのんびり走っているのが見える。あとは農地とか。ここからの夕焼けもきっときれいだろう…。

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こんな感じで改めて書き出すと、素朴ながらも割と見所はあるものだ。また、ゆっくりと流れる川のようにただただゆったりと川辺でねっころがったり本を読んだりして時間をすごすのも良し。次回は、この短いMannumのメイン・ストリートにあるお店達の紹介でもしよう。

Mannumでの日常~ある木曜日

2006-08-06 01:48:09 | カントリーサイド~Mannumにて
7:30
「ベロベロベロベロベロベロ~~~!!」という妙な、しかもボリューム大の騒音で意識が覚醒すると共に黒い瞳らしき物が2つドアップで視野に入る。どうやらまた下の2歳になる息子が早く目が覚めて私を起こしに来たらしい。彼は両親に似ず朝方人間。これは何度やられても心臓に悪い。朝一番に起きた後に心臓がバクバクしているなんて。慣れることは決してないだろう。しょうがなく起き出し、TVを付け、朝の子供専用番組(ABC KIDS)を見せながら身支度しつつ朝食(トースト・コーヒー)を食べる。

8:30
朝食はとらず時間ぎりぎりまでベッドでごろごろしている夫がしょうがなく起き出しシャワーを浴びて徒歩1分の家の目の前にある病院へ出勤する。夜型人間の上の5歳の息子が起き出してきたので、TVを見ながらの朝食(ピーナッツ入り蜂蜜味コーンフレークとミルク)を食べさせる。

9:00
たかだか徒歩5分の近所に在る幼稚園に、時間間際に車で行く。所要時間1分弱。土地は山ほどあるので車は好きに停め放題。決められている棚に彼のかばんを置き、幼稚園の巨大な冷蔵庫にランチとおやつを入れたバックを入れ、いつものように2歳のほうと私も他の園児と一緒に遊ぶ。まだ寒かったため、屋内で兄弟は車のおもちゃで喧嘩しつつも一緒にあそび、私はその横で話しかけてくる女の子3人組相手に折り紙を披露する。私は子供のときから子供によく懐かれた。私も子供が好きだ。子供を見かけると反射的に話しかけたりちょっかい出したくなってしまう。


10:00
屋内での遊びにあきて外に飛び出すチビ達のあとを追いかけて幼稚園の庭へ。いつも同じように子供達をみている他の園児のお母さんがたまたま来ていなかったため、園児数人と砂場やら滑り台で一緒にあそぶ。この幼稚園は屋内屋外共にスペースがかなりにゆったりとしていて、気を抜くと2歳の息子のほうがいつの間にかよく消えている。彼も、他の園児達と混じってとても楽しそう。束になった園児達の遊び相手はとても楽しいが体力勝負だと思う…。年のせいか?


10:30
幼稚園の先生と一緒にティータイム。勝手にお茶を入れて良いことになっているが、大抵は誰かがまとめて他の人の分も入れてくれる。片手でコーヒーを飲みつつ、息子達の朝のおやつを食べさせる。この日のおやつはオレンジ。近所に農家が多いせいか、この幼稚園にはいつも熟れたオレンジ・ぶどう・りんごなどの果物が山ほど積み上げられており勝手に食べて良いようだ。この日は何故か他の園児達の数人達にせがまれるままにオレンジを切り続けることになり、11:30になったところで慌ててストップ。「まだまだたべたいー!!」の声を「おひるごはんがたべられなくなるでしょ!」とあっさり切り捨てる。

11:30
「じゃあ3時にねー!」と上の子に見送られつつ幼稚園を出て、車で1分強のメインストリートにあるDeli(Fish&ChipsなどのTakeOutものを売っているお店)に寄って$2.50の揚げたてのChips(=ジャガイモのフライ。マックなんかで売っているフレンチフライよりかなり太く、量も見たただけで胃がもたれるほど多い。)を買って家に帰ってくる。下の子とChipsをつまみつつ、ツナとブロッコリーのパスタを作る。

12:30
ちょうど出来上がったところに夫が帰宅し、TVを観ながら一緒に食べる。Dr.Phillとかいう男性のカウンセラーに悩み事を抱えているゲストがスタジオの観客の前で自分の困った状態を何とかするためにアドバイスをしてもらうとか言うもの。そのアメリカのワイドショーを「くだらないー」とか「割とわかりきった普通のアドバイスだよねー」とか言いつつもみて夫の昼休み終了。ここにはPCもDVDもないため、ちょっと空いた時間の暇つぶしはTVくらいしかない。この町に住んでいる人たちにはどのような娯楽が他にあるのだろう?今度聞いて回ることにしよう。

13:10
下の子を寝かせようと頑張るも、疲れている様子なのになかなか寝付いてくれない。Cityにある住み慣れた自分の家ではないので、きっとなんとなく寝付きにくいのだろう。

14:45
ーと、気がついたら夫に起こされる。あれ?病院にいるんじゃなかったっけ?それにしても、いつものように子供を寝かしつけるよりも私のほうが早く寝入ってしまったらしい。夫いわく、病院の持ち物であるこの家(家賃はタダ!)のメインテナンスのために病院から人が来てドアをノックしていたらしいが誰もいないようだと言われ、うちの鍵を開けるためにわざわざ仕事を抜け出して来たとのこと。Sorry!

14:55
確か今日は14:30から幼稚園の隣の体育館で扇と剣を使った太極拳の演武(演舞というのか?この場合は)があるとか先生が言っていたような。Mannumの人口は約3000人だがアジア人はそのなかで数人しかいない。そんな中、アジアの伝統文化に触れるめったにないらしい。そのまたとない機会に先生はちょっと興奮してたなぁ。この催し物について書いてあるビラを見る。扇子を持っての演武???前に、台湾のTV番組で観た、向こうのおばちゃんたちがよく朝の体操代わりにすると言う真っピンクのふわふわの扇子を持って踊る…ひょっとしたらアレか?後ろで流れていた強烈な音楽と共にそのとんでもなく強烈な画像がフラッシュバックする。この太極拳の演武者は、その名もThe Wild Lotus Arts` Group。なんだか怪しい…。面白そうだ。もう終わりに近いけど下の子を起こして一応行ってみる。
 
15:00
体育館は園児と小学生がみんな良い子に体育座りをしてその先生の話を聞いているところだった。うちの子は一番前に座っている。私がそろそろと目立たないように入って一番後ろに立ったら、野生の勘か、いきなり私のほうにくるりと振り返り、「こっちへ来て一緒に座れ。」と瞬きを信号のようにして訴えかけてくる。場所がないため、「そっちへ座ってなさい。」と身振りで返事をする。私が見たのは、最後の演目の剣を使った演武。なんでも、剣は中国ではもっともパワフルとされる想像上の生き物、龍を体現し、剣の動きはその龍のエネルギーを表していて云々…。その後は、空手を習っている小学生を募って組み手の相手をさせ、太極拳と空手との組み手の応用を教え、「種類は違っても同じ武道としてこのようにコミュニケーションが出来るということは素晴らしい」とか説いて締めくくった。個人的な感想としては…最後の10分しか観れなかったが、この太極拳の演武、とっても本物には見えなかった。演武者はオーストラリア人のやたら痩せている年齢不詳の男性。動きを見ればそれなりに経験を積んだ人なのは判るのだけど、何と言うか、ショービジネス的なものを感じた。うーん、正統派には見えないというか。でも、説明し慣れていて、サービス精神もなかなかあるようだった。幼稚園児は何が起こっているのかいまいちわかっていなかった様だが、小学生には結構受けていた。このおじさん、いや、先生に駐車場で帰るときにあって、記念に(何の?)写真を撮らせて頂いた。この人、話してすごく思ったが、とても浮世離れした雰囲気を持っている。聞くと、香港・上海・その他中国の町数箇所で修行をしたとか。写真を撮るというと、車にすでに積み込んでいた剣を出してきて、型まで決めてくれた。幼稚園の先生は、「余りAuthentic(正統派、由緒正しいという意味)には見えなかったように思うわ。」とちょっと期待はずれのようだった。ちなみに、私の息子のこの太極拳演武への反応はイマイチ。私としては、太極拳自体には興味があるので今度自分で調べてみようと思う。


15:30
幼稚園から帰宅。2人に私のお昼の取り分けてあったものをおやつ代わりに食べさせる。一休みしてから、メインストリートに散歩がてら肉屋に行く。肉屋で上の子が下のほうを突っついて泣かせる。その場でしっぺして言い聞かせていると、肉屋のお姉さんが「なんか一切れつまんでいくかい?」とちび2人にValoney(だっけ?)というかなりやわらかい巨大なソーセージを1センチくらいずつ切ってくれた。結構ジューシーでおいしい。酒のつまみというより、ランチ用にチーズと一緒にサラダに入れたいような感じ。いかにも子供がすきそうだ。これ一発で2人はしばらく嘘のようにおとなしくなる。巨大T-Boneステーキ450グラム×2枚($12.00)とベーコン3枚($1.70)買う。


そのあと、町に唯一在る川辺の公園に行って遊ばせる。このマレー川は水の流れがとても遅いけど、川辺に柵が全くないため子供を連れて行くときはちょっと気を使う。番いの黒鳥と灰色の雛達7匹をしばらく眺めて遊ぶ。雛といってもかなりでかいけど、まだピヨピヨ鳴いていてかわいい。



17:00
暇をもてあまして、夫を迎えがてら病院へ散歩に行く。待合室の一角には子供用の遊び場が特別に作ってあって、そこにはおもちゃやら本やらが置いてある。おもちゃに目が向くと思いきや、2人して待合室に備え付けてあるミネラルウォーターとカップで遊び始めたため、即取り上げる。2人からの文句を聞きつけたのか、夫がオフィスから顔を出して時間が空いているからこっちへ来いと手招きした。とその瞬間、2人して「ダディ!ダディ!ダディ!ダディ!」と絶叫を始めた。ちょっと恥ずかしい…。待っている患者さんたちは皆おもしろそうに笑っていたが。2人は夫のオフィスにある膝関節や股関節の模型と遊んだり、血圧計をいじったり、受付嬢やら看護婦さん達にひとしきり相手をしてもらったりした後で、皆で夕焼けを見ながら一緒に帰る。ああ、こんな時、本当に幸せだと思う。
 
18:00
作り置きのカレー(SBのカレーの元で作ったやつ。)で夕食。この家のキッチンにはガスコンロではなく電気コンロがついていて、しかもオーブンの調節がしにくいため、余りここでは料理はしないことにしている。煮込み料理とか、ステーキくらい?ちょっとわびしい…。早く週末のセントラル・マーケットへの買出しに行きたい。

19:30
ちび2人と風呂に入る。その後ぐったりとしてTVを観ている夫のそばで、チビ達があきもせずにソファーの上で騒ぎまくっている。一日中ああしていてちょっとは疲れないのか?子供はすごい…。

20:30
下の子を寝かしつける。私ではなく夫が…。

21:30-23:30
お茶を飲みながら、1週間楽しみにしていたアメリカのドラマ「24」の最終回を3人で観る。意地になって起きていた上の子は23時ころ陥落し、私の膝の上で寝息を立て始めた。アメリカをテロリストと悪徳大統領から守りきった主人公が何と最後の最後で中国政府の回し者(?たぶん…。)に誘拐されたところで「To Be Continued…」になって終わってしまいショックを受ける。このままあと半年後にならないと先を観れないなんて。くそぉ。

23:50
長い1日で疲れ果てていたためあっさり寝入る。それも上の息子が寒いといって私達のベッドにもぐりこんでくるか、下の子の「ベロベロベロ」襲撃を受けるまでのひとときだけ…。

Mannumへの道

2006-07-30 19:13:34 | カントリーサイド~Mannumにて

今日もMannumからうるさいチビ2人を4WDの後部座席に乗せ、Adelaideのシティから110Km/hで飛ばすこと1時間15分の道のりを行く。昼間はぱらぱらと見える農家と羊やら牛やら馬やらのほかは、緑と空が広がる中ほとんど何もない。そう、何にも…。本当に何にも。別に普段ストレスをためるような生活は全くしてはいないが、こんな景色の中を車で飛ばしているとなんだか癒される。後ろでチビ達が大声で「アンパンマンのマーチ」やら「バイキンマンのテーマ」やらをボリュームMaxで歌っているのがちょっと気になるが。しかも、チビ達は日本語がほとんど話せないため、妙な節が付いている。

今年の2月から、夫の仕事の都合で約一年間、アデレード市から約100Kmの小さな町、Mannumに週2-3日過ごす生活が続いている。夫はGP(一般開業医)の研修のため、一年契約で人口3000人の町にただひとつあるMannumホスピタルとくっ付いているGPクリニックに勤務している。MannumはMurray川沿いの町と言うにはあまりにも小さな町。メインストリートなんぞ、端から端まで歩いてなんと5分強。私は世界でも最も人口の多い都市のひとつ、東京の出身。それが最初に留学でメルボルンにたどり着いたときには「なんてちっさな町なんだろう」と驚いた。そしてアデレードへ引っ越して「ああ、こんな果てまで来てしまった」と。それが今は果ての果てまで来てしまった…。この田舎のちっさな町で結構色々な面白い体験をしている。それはまたまたこの次の機会に-。