My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

Plum blossom

2009-12-15 19:28:19 | Gallery

Watercolor on Arches, 300gsm, rough, 27×19.5cm
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あまり、仕事以外の一般的な物事には頓着しない夫が、「中華風の植物の絵を1つ描け。」と、この数ヶ月うるさい。理由は、姑から頂いた台湾からのお土産の「吉祥」と書いてある書の額の両端に飾っていた、私の描いた中華チックな水彩の2点が、微妙に大きさが違うのが気になるため。片方は去年の個展の売れ残りの竹なので、同じ四君子の中の梅を描くことにした。ちゃんと下調べをした訳ではないので、結構構造がいい加減かもしれない。いや、かなりいい加減に見える。でも、雰囲気はそれなりに出ていると思う。何か物足りないと思ったので蜂を一匹、添えてみたが、ハエに見えなくも無い…。でも、長男はちゃんと蜂だと認識していた様子。

来年、梅が咲く頃にもう一度ちゃんと梅の観察をして描き直そう-。

Morningtong Ⅲ-

2009-12-14 10:18:55 | Gallery

Pastel on Gray Colorfix paper, 60×90cm
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先日の完成版。手を入れたのは前景の左側と砂浜の波打ち際。前景はコントラストをもっと効かせ、砂浜は夫から指摘があったので、波打ち際に青を少し入れてどぎついオレンジのトーンを少し落として、砂が濡れている感触を出してみたつもり。完璧ではないけど(そもそも完璧って何だ?)、この辺で終わりにしたい。

In painting, it is important to know when to stop.

MorningtonⅢ

2009-12-08 19:10:17 | Gallery

Pastel on Gray Colorfix paper, 60 ×90cm
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久々のパステル。画材屋さんのおばちゃんにタダでもらった不良品のArt Spectrumの70×100cmのClorfixPaperをさっさと使いたくって、お気に入りのMorningtonの違ったアングルからの景色を描いてみた。不良品といっても、一箇所だけ、5センチくらいの切込みが端に入っているだけ。工場でのミスだと思う。買ったら12ドルくらいはする物。

8年近く使い込んだデジカメがついに先日大往生を遂げて、今はとりあえず携帯電話のちゃちいカメラを使うことにする。

この絵のポイントは、この左中央下の波打ち際。このあたりを特に、コントラストと彩度を高くして、しっかり描きこみ、あとの部分、特に焦点から近い前景は色のトーンを落としてわりとサラッと描くことにした。が、この前景にとても困っている。サラッと描けない!!色のチョイスもいまいち納得がいかない…。何か習っていると結構こういう体験に出くわす。経験を積めば積むほど、自分の設定するどハードルがどんどん高くなっていくというこのなのだろう。

まあ、しばらくほって置いて考えることにする。

The perceptions of Gestalt

2009-12-06 20:31:23 | Gallery
さてさて、今回でこのデッサンの練習は最終章。でも、せっかく描いても裏側で描いたインクでめちゃくちゃになってしまったもの、クロスハッチングの練習などは記事に載せていない。この章は、ゲシュタルトの知覚が焦点。「ゲシュタルト、かなり聞き覚えがあるけど、何のことか分らない」というのが私の出発点だった。まあ、哲学とか認識の分野になってしまうらしいけど、この人は私達が何かに対して、それがあるアイディアやなにか素晴らしい問題解決策が浮かんだときなどのように、「美しい、素晴らしい!」と感じるときの「美的反応(美に対する反応)」である、と説明している。何か良く分らない説明だけど、判るような気もする。私が想像するに、人の絵を見ているときでも自分の絵を描いているときでも、「おおっ!これはっ!」と、心の奥底で何かがクリックするときの瞬間だろう。で、ここではそれを少しでも体験できるようにと、いろんな種類の面白い課題が出されている。3つだけここでは紹介しよう。


Exercise35
After Picasso. Indian Ink on paper.ピカソの自画像の模写。インクと筆で描かれている。ほぼ3つのトーンで全てが表現されているところがすごい。


Exercise39
インクを紙にぶちまけて、それをインスピレーションに何かを創作していく、というう私が一番苦手なもの。でも、結構楽しかった。なんか、地球での生命の始まりみたいなイメージ?


Exercise40
正方形のフォーマットでなにか身近な興味のあるものを描いてみる、というもの。フォーマットが違うだけでまったく別のものが生まれる…。

絵の勉強は、他の何事でもそうかもしれないけど、技術的なものはほんの一部で、本質は自分の内面と向き合う旅なのかもしれない、と思う…。

The perceptions of lights & shadows

2009-12-05 13:18:27 | Gallery
さてさて、これは4つ目の分野-明暗の知覚が焦点。これはまさしく、「目からうろこ」のセクションだった。今までは、そこそこに対象物に影をつけてそれなりにリアリティを持たせることが出来ていたとおもっていた。が、それは大きな勘違いであったことに気付く。絵の世界で使われている明暗の理論では、4種類あるということは初めて知り、とても訳に立ちそうな知識だ。

1.Highlights...絵や写真の中で一番明るい光。光が直接対象物に当たるところだろう。
2.Cast Shadows...絵の中で一番くらい部分。対象物自体の影。
3.Reflected lights...反射光。1番ほど明るくない。
4.Crest shadows...対象物自体の凹凸で対象物上に出来た光とか?

でも、2番と4番の境がちょっとあいまい。師匠に聞いてみよう。それにしても、いきなりあらゆる身近な影が急にカラフルに美しく見え始めてきたような気がする…。


Exercise30
斜め上から卵に光をあてて影を作り、上の4つの影を意識しながら描く。このCast Shadowの周りのちょっと明るめの影はなんと言うのだろう?Cast ShadowⅡとか?


Exercise31
After a photo by Hartstook.チャーリー・チャップリンの写真を使って、2つの明暗だけて描く練習。2つの明暗だけで、驚くべきことに絵を見ているほうは、細かく描かれていない部分が想像できてしまい、またそれを想像することを楽しむ。これをこの本の著者は、「絵を描く側と見る側とのゲーム、駆け引き」と例えている。あまり細かいディテールを入れてしまうと、それを楽しむことが出来なくなってしまう。


Exercise32
人間の顔の大方のプロポーションを学ぶ練習。 


Exercise33
After Picasso.この章で習った、明暗についての基本と、人間の顔の基本的なプロポーションを念頭において、かのピカソがまだ十代のときに書いた自画像を模写する。こうしてみると、彼はかなり堀が深くラテン的な顔をしている。確か、スペインの人だったと記憶する。

The perceptions of relationships

2009-12-04 10:28:13 | Gallery
この章は、対象物間の関係、まあ、平たく言えば遠近と比率の考え方が焦点。これは、前章ほど理解するのに時間はかからなかったけど、やはり物をきちっと見て(結構ちゃんと見ていないもの)きちっと図って正確に描く、という癖はこうして意識して習わないと、ただ量を描いていてもなかなか身につかない。人間の横顔や真正面からの顔などは、大体のプロポーションが決まっている。そして、正確に実際の顔を書いてみると、目は思っていたよりも小さく、目の高さと頭のてっぺんの距離が以外に実際は長いことに驚く。結構、人間の目はいい加減なのもだ。というわけで、「これは幸見えるべきだ、こうあるべきだ」という思い込みを捨て、「ちゃんと見て図って、見えるがままに忠実に描く」、という訓練だろう。かなりやっていて面白かった。


Exercise20
ドアがある廊下。Basic Unit(基準となるもの)を選んで全体をそれにあわせて描いていく。この場合は、奥のドアの幅を基準にした。


Exercise21
今のPCセクション。今こうしてみると、おかしいところが分る。成長したということだろう。


Exercise22
自分の右足。


Exercise23
テーブルの上の本と筆記用具たち。結構難しかった。角度によって大きな本が実際の小さな本より遥かに小さく薄く見えたり…。思い込みってすごく怖い。


Exercise24
楕円の練習。円状の表面が自分からの角度に違いによって、どのように実際変化して見えるか、ともの。多くの場合、楕円の両端の角度を鋭くしすぎてしまったり、円の上部を下部より円くしてしまったりするミスをするらしい。このような単純なことも、知って知るのと知らないでいるのとは大きな違い。


Exercise25-1
エドガー・アラン・ポーの像のスケッチの模写。角度とネガティブスペースがポイント。


Exercise25-2
After Mattise.マチスのスケッチの模写。


Exercise26


Exercise27
After J.S.Sergent.かの水彩の巨匠、サージェントのマダムXの模写。


Exercise28
これは、とても良く知っている人物。動物も人の顔も、鉛筆の線ひとつ、一ミリの差で大きく印象が変わってしまう。こうしてみると、苦手意識のあった人物画も、結構面白い。


Exercise29
息子の冬用の帽子。木炭鉛筆で。

タダ乗り猫

2009-12-02 18:30:54 | Gallery

W/C & Gouache on Arches, 300gsm, rough, 1/8 sheet
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今日の水彩クラスのテーマは、デザインの焦点のあて方を、大雑把にいくつか例を挙げて、試してみるというもの。レンブラントのように明暗を強く上手く使った巨匠や、ターナーのように透明なカラフルな色のみを使った低コントラストの絵など…。で、私は先生が持ってきたInternetからの記事の主人公の猫をモデルにした。毛足の長い、とてもきれいな上品そうな猫…。この猫は、4年間同じ路線のバスに毎日タダ乗りをし続けたそうだ。最近は年をとってきて、いつも降りるバス停で下り忘れたりするので、バスの運転手が下ろしてあげるとか。何でほのぼのとした、イギリスでのお話。写真と構図は同じにして、明暗のバランスをかえて、主人公がはっきりと浮き上がるようにした。で、背景の色を暗くし過ぎたので、ガッシュの白を大量の水で薄めてレイヤーをかけ、なんとなく光を暗示してみた。

例のDrawingの練習のおかげで、こんな動物の下書きでも、ものの5分で出来る様になった。何事もまさしく訓練、というか慣れだ。この、コントラスト中心の絵は、ちょっとレンブラントの明暗の使い方を参考にしてみた。


The perceptions of spaces

2009-12-02 11:58:26 | Gallery
がーん。この記事を全部書いて保存しようと思ったら、PCが変な行動を起こして、全てパーになってしまった。というわけでまた書き直し…でもはしょってしまおう。

Drawing Workbookの続き。この章は、空間の知覚が焦点。まあ、ネガティブ空間を意識して絵を描く訓練だ。なぜネガティブ空間を意識すると良いのか。この本の著者はその理由を3点挙げている。

1.ネガティブ空間を使って描くことにより、難しい構造のもの、例えば人差し指で自分を指差しているようなポーズの手、を描くときに描きやすくなる。出の周りの空間を追っていけば、必然的に中身の手の像が浮きあがってくるからだ。
2.よくわからないけど、絵の構図自体が良くなるとか。大きなものの形が、しっかりと浮かび上がるから対象の全体のバランスを保てると言う意味だろうか?師匠に今日聞いてみよう。
3.対象そのものやその名称に気をとられることがなく(=左脳の活動の低下)、空間をただひたすらと描いていくため(=右脳の活動主体)、右脳と左脳の間の葛藤・混乱が避けられる。

今まで散々、下書きで感じた、あのいやな一瞬はまさにこの葛藤をさしているのだだろう。そういう時は、絵をさかさまにして、描き続けるようにしている。そうすると、対象自体に気を取られることなく描ける。師匠は、自分のえの構図をチェックするときは、鏡の前に絵を持っていってチェックするとか。ものが左右逆に移るから、それだけでも、自分が先入観で描いてしまった線のミスが分かることが多い。


Exercise14
庭の木の葉っぱ。

Exercise15
子供達の庭用の木製ベンチ。

Exercise16
皮むき。日常でなじみのあるものでも、ネガティブ空間を使って描けば、美しいもの(対象)になるとか…。

Exercise17
もうちょっと複雑な、スポーツをしている人物がテーマ。難しい構造でも、ネガティブ空間を意識するだけでかなり正確に早く形がとれるようになる。

Exercise18
Bar Chair。あるひとつのネガティブ空間を基準として全体を描いていく訓練。

Exercise19
After Van Gogh.ゴッホの聖書を読む男性(1882年)の模写。

Drawing workbook:The perceptions of edges

2009-12-01 12:05:07 | Gallery


この一ヶ月ほど、11月2日から時間があればひたすらとデッサンの練習をしていた。先月ある本屋で見かけて、「これは役に立つ!」と内容もろくに見ないで直感的に買った本がこの、The New Drawing on the Right Side of the Brain-Workbook. (2002) By Betty Edwards. Tarcher Putman:N.Y. という本。本屋では52ドル位したので、Fishpond.comのオンラインで21ドルで買った。これは日本で言うデッサン(フランス語源)、英語ではDrawingのための練習帳みたいなもの。デッサンの技術を5つの分野に分けて、それぞれを順を追いながら説明・例・実践を通して学んでいく。全部で40つのExercise(各15~60分位要する)をこなすことになる。

何か特定の分野の勉強をするにしても、スポーツや何にしても、まず基本はしっかりしっかり築いて置くべきだと思う。でないと、本当に心から学びたい人にとっては、効率よく勉強できなかったり伸び悩んだりし、学びのプロセスで喜びより苦悩の比率が大きくなってしまう。絵を習い始めて一年半になって、最近思うこと…やはり、物を正確にとらえて描く技術は、系統だって今のうちに学んでおくべき。特に、ある程度、数を描いてたくさんの失敗をしてたくさんの間違いに気づいた経験がある今、タイミング的にも良いのではないだろうか。

というわけで、ほぼ全40の練習を終えた。感想は…まあ、著者の意見を全部鵜呑みにすることは無いが、ヘタなデッサンの基本コースのクラスに行くよりは遥かに安く、遥かに自分の勉強になるというのが私見。ここにまず載せるのは、The Perception of Edges(Excercise1-13)の分野の練習。 


Excercise2


Excercise3
最初は、練習を始めるまえに、自分の肖像画と手と部屋の隅を描く。これは、後で描く絵と比較するためのもの。今こうしてみているだけで、おかしいところがわかるようになってきた。そして、早く描く事もできるだろう。


Excercise4
ウォームアップ用。いろんな画家(ゴッホ、マチス、ミシェル・ドラクロワ、ベン・シャーン)のタッチを鉛筆で真似る。自分のタッチを模索する第一歩。


Excercise6
このまえにひとつ、人の横顔を対象にかいて、花瓶の形を作る、と言うものがある。多くに人は私と同じように書いている途中で、花瓶を描くかわりに、あらかじめ知っていると思い込んでいる顔の部位の形に気をとられ、混乱する。これは、絵を描いている途中で起こる右脳と左脳の葛藤を認識させることが目的。そして、これはある絵(作者不明)を逆さにして、それを見たがままに書くというもの。絵を逆さまにすることで、左脳の言語的な認識を抑える。私もよく絵の下書きをするとき、「なんか、おかしい…。」と感じたら、まず絵をさかさまにしてみる。そうすると大抵はおかしいところが見つかる。あとは、遠くから眺めてみるとか。私の師匠は、でかい絵を描くときに鏡で左右逆に映うつしてチェックする。人間の、「自分は見たまま正確に描いている。」という思い込みは怖いもの。絵だけに限らない…。気をつけることにする。


Excercise9
この章はEdgeの知覚が焦点。Edgeとは何だろう、と描いている途中に何度も考えた。辞書にはとりあえず、縁、淵、物事の輪郭、とあるあたりが、デッサンと関係のある意味合いだろうと思う。平面上のあるものとあるものの境、空が線として見える、そういうものなのだろうか。例えば、ポジティブ・スペースとネガティブ・スペースの境とか。この手は、真ん中に十字の線が入った透明なフレームを通して、3Dのものを、まず2Dとして捕らえて描く、という意識をさせることが狙い。確かに、ものの中の細部に気をとられる前に、大きな形、全体像をつかむことが最優先。大学で散々書いた論文の書き方を同じだ。この、手と言う自分の記憶にすでにある固定観念が入った「手を描く」という認識から、線を見えた順からなぞってそのまま描く、という右脳優先の描き方を認識させるのが目的だろう。これは結構難しい。

Excercise11
1インチのナイロン平筆を持っている自分の手。

Excercise12
シンプルな線だけの練習。多くの日本画はこのように2Dっぽい。

Excercise13
剥きかけのオレンジ。