My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

痴呆のテスト

2008-05-31 23:47:57 | 日常あれこれ
今日、いつものようにCentral Marketに午前朝市で買出し。午後からMKさんが遊びに来てくれて、良い天気の中、ちび達の散歩に夕方行ってきた。夕食は夫が噂の(?)鴨のローストと椎茸・竹の子・ブロッコリーのオイスターソース炒めをキムチと一緒にビールをやりながら食べる。デザートはMKさんの作ってくれた黒ゴマプリンと羊羹…。とても幸せ。でも、朝とても心配な事件が起こった。

マーケットに行ったとき、いつも買うコーヒー豆屋さんでお気に入りの豆を半キロ注文して、プランジャー用に挽いてもらった。だがだが!家に帰ってみるとコーヒーが見当たらない!良く考えてみると、「注文」はしたけど(お店のおねーさんの顔までしっかり覚えている)、「お金を払う」「品物を受け取る」という記憶が全くない。記憶がないのではなく、おそらく「その行動をしていない」ものと思われる…。私は、ものの順番や、名前や文字は全く覚えられないけど、あった物事とか見た物の形や色はいつもかなり覚えている。それに気づくなり、夫に「ねー!ひょっとしたら冗談じゃなくて私痴呆が始まっているかもしれない!!」と叫ぶと、「じゃあ、痴呆かどうかテストしてあげよう。」といって、ペンと紙を取り出した。こちらは緊張しながら椅子の上に正座をしていつも自分が患者にしているはずのテストを受ける羽目になる。MINI-MENTAL STATU EXAMというもので、簡単な現在の位置や今日の日付けや曜日の確認や、記憶テスト、認知テストをしてもらった。結果は30満点中の30点。25点以下だと軽症の痴呆、20点以下だとかなり重症。ほー!よかった…。たぶん、他に買うもののことを考えていてそのまま行ってしまったのだろう。コーヒー屋さんのおねーさん、ごめんなさい…。

痴呆の始まりを自覚し始めた人の、つらい気持ちがちょっとだけ分ったような気がした-。死んだ母もさぞかし不安だったろうと思う。


Joseph Zbukvic個展

2008-05-24 23:27:05 | Gallery




Jeseph Zbukvicの個展に、同じアートスクールに通うYOKOさんと行ってきた。このアートスクールに通うきっかけをくれたのはYOKOさん。とても感謝している。クラスは違うけど。

これはDavid Summer Galleryという、30年以上も続いているこじんまりした画廊で18日から開催されてる個展で、クロアチア生まれのメルボルン在住の水彩画家。水彩画家としてはオーストラリアでトップクラスであるだけではなく、世界的に有名なアーティストらしい。オーストラリアには以外に優れた画家が多い。

展示されている絵はほとんどが、彼がフランスに行ってきたときの絵で、値段は10数万から40万円台。買えないけど、高名な画家の絵にしては意外と安い。いつも思うが、絵の値段ってどういう基準でつけられているのだろう?気に入った絵の前で(二枚目の写真の右下の絵)、画廊の経営者のとても柔和そうな上品なおじさんに、「うーん…誕生日プレゼント10年分入らないからこの絵が欲しいなー。」とぼやいていたら、「素晴らしい絵ばかりだろう?これなんか小さめだから安いよ。」なんて、ちゃっかり勧めてくる。この話を夫にしたら、「いやいや、君の絵で十分だよ。何よりタダだし。」と、サラッと流される。

この画家は、ほとんど彩度の高い色は使わずに、主に中間色でトーンを主に描いている。ともすれば汚くにごる中間色をきれいに出している。とてもルーズに見えるのに緻密に計算されていて繊細な絵。こういうのを上手いと言うのだろう。灰色っぽい絵の中に、本当にスパイス程度に少しだけほとんど必ず、カドニウム系っぽいオレンジ色とターコイズブルーっぽい青緑色を使っている。サインは必ずとても控えめにオレンジ色。まるで水墨画の印みたいに、彼の絵に完璧にバランスよく合っている。おじさんに「また来ていいですかー?」と聞くと、期待どうりの答えが返ってくる。

その後は、すぐそばのチョコレート専門店で、YOKOさんとお茶をする。ここでは私はまるでスープカップのようなでかいカップに入ったカプチーノと、ベルギー・ワッフルのチョコレート・アイスクリーム・ストロベリー添えを食べる。画のよい勉強になったし、また忙しい日々へのバッテリー充電をする。

帰り道、運転しながら、柔らかい秋の日差しと、木の葉の色がやたらに気になった。絵を頻回に描くようになってから付いた癖だ。日常にはよくみると、面白いもの、美しいものに溢れている…。

Iris~花菖蒲

2008-05-22 21:03:15 | Gallery


Paper:Blockingford, 300gsm, NOT(cold press)

Watercolour:顔彩

Brush:彩色筆(羊毛-中)、No.16Neef(リス/ナイロン)、No.4Round(コリンスキー)

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Wet-on-dryで、気軽に日本の顔彩で、イギリスの紙に水墨画用の羊毛の筆と水彩画用の筆で、そろそろ家の庭に咲くだろう、菖蒲を描いてみた。何を描くにしても、使えるものは何でも使ってみたい。構図は、ある水墨画の本より。結果…筆はとても良かったのだけど、紙はArchesのほうが良いということが分った。Blockingfordは水を弾き過ぎなような気がする。水彩画の紙は一般的にブワッと絵具が紙に広がらないように、ある程度水をはじく様にゼラチンとかで処理されている。英語ではSizingという。中にはその“水はじき度”が強いものもある。

こうしてみると、Wet-on-dryは簡単だけど、Wet-in-wetのほうがダイナミックで活き活きしている絵がかけるような気がする。技術的にはとても難しいけど…。同じ構図で試してみよう。それから、日本の“にじむ”画仙紙で是非是非試してみたい。水墨画と水彩画のあの独特の“にじみ”は、水墨画では「筆の水分量と運筆の速度」、そして水彩画では「紙の上の水分量、つまり濡れ具合」に大半は左右される。水系絵画、知れば知るほど奥が深い…。

The plain

2008-05-20 11:25:22 | Gallery


Paper:Arches, 300gsm, rough, 24.5×38.5cm

Watercolour:
Van Gough (ultramarine blue, quinacridon rose, madder lake deep, gamboge, azo yellow light)
Holbein (burnt sienna, cobalt blue)

今日は、先週の続きで写真から構図をとって下塗りしたもののを少し進めた。授業中に各色の性質(transplant, staining, sedimentry, opaque)をかなり詳しく習う。今まで散々失敗してきたため、その悲惨な経験からここぞと言うばかりに沢山の質問が出来たのでとても実りの多い授業だった。

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メモ:

・絵を描くときに、明暗か色調、どちらかに焦点を置くこと。でないと、まとまりのない絵になる可能性大…。

・黒やグレーは使う必要ない。暗い色は、Ultramarine Blueとアース・カラーと言われる、burnt umberやburnt siennaとの混色を使う。

・緑-色んな種類の青と黄色との混色と、水の量の調節で相当な種類の緑が出来る。それにオレンジや赤、黄土色や茶色を少量、割合を変えて混ぜればそれはもう何百種類の緑が出来る。それには、各色の性質を知っておかないといけない。

Earth colour (raw sieena, burnt sienna, burnt umber)…Transplant。最後のはOpaqueだけど、かなり水で薄めるとTransplantになる。Sedimentry。Wet-in-wetのとき、紙の上であまり動かない。乾いたときにあまり色落ちしない。

Azo yellow light, gamboge…Transplant。特に後者のほう。乾いた後、そんなに色落ちしない。

Blue (celrean blue, cobalt blue, ultramarine blue)…乾いたときあまり色落ちしない。前から、Opaque/Transplant/Transplant&Sedimentry)

Quinacridone rose, Madder lake deep…Transplant。両方ともTransplant。後者はStainingでしかも乾いたときの色落ちが激しい。

Pthelo blue…Staining。きれいな色なんだけど、乾いた後にかなり色落ちする。透明色の黄色と混ぜると、きれいな透明な緑色が出来る。Stainingものは、Wet-in-wetのとき、紙の上でかなり広がるので要注意!



SA州空手道大会速報!

2008-05-18 21:17:19 | 空手道場日誌
速報とか言って自分の出た試合の結果だけだけど…。

結果:
男子女子混合35歳以上形試合-1位
女子16歳以上オープン形試合-3位
女子18歳以上オープン組手試合-2位



今回は、試合に集中するために審判業は潔くお休みして、普段あまりしないメイクをうっすらとし(いつもすっぴん)、これも普段ほとんどしないほどきっちりを髪を結い、道着には生まれてはじめてアイロンをかけて、心理的な準備をする。もう、儀式みたいなもん?絵を描くときに紙や絵具を丁寧にゆっくりと準備するのと一緒。そして、身だしなみは礼儀だ。会場では、控え室でこっそりウォームアップをトレーニングチューブを使ってして、形のおさらいをする。

最初は、たったの3人の試合。で、35歳以上の女子は私しか出場いしていなかったため、なんと男子と混ぜこぜにされる。他の2人は剛柔流(ちょっと変わったセイエンチンをしていたからたぶんそう)と松涛館。2人とも道場の先生らしい。私はなんと、シードで(前回ぼろ負けしたのに!)いきなり決勝。今日の最初の試合だから、落ち着いて呼吸できる、自分が好きな形…と思って二十四歩を選んだ。自分といつもお世話になっている人たちに恥じない“自分の形”が出来たと思う。それだけで今回は十分だと思った。

次は女子Openの形。出場者7人。これもまたいきなり私はシードで、またまた初戦がこれまたいきなり全オーストラリアの女子の形チャンピオンの二十歳くらいの同じ道場の子。観空大であっさり負ける。負けたのは気にならないけど、自分の形が出来なかったのがかなり悔しい。考えてみると観空大をするたびに自分に無理をしていているような気がする。観空大より糸東流のセイエンチンのほうがずっと好き。あの呼吸のリズムがすごく好き。指定形として練習しよう。そして、3位決定戦で、またしても同じ道場のぴちぴちの高校生。きれいな顔をしてかなり体はがっちりしていて性格は男前。もともとアメリカ育ちで向こうで糸東流の道場で空手をしていた子。彼女は得意形のセイエンチン、私はまたしても二十四歩で3位をかろうじて獲得。日本人留学生の高校生の子は2位。本調子じゃなかったみたいだけど、彼女はきっと次は大丈夫。静かだけど根性有りそうだし。それと、ワーキングホリデーの27歳の子も出場していた。彼女とは去年の大会で一回顔をあわせたことがある。とても緊張しているようで、実力が十分出せなかったようだ。

そして組手…どうしてか知らないけどまたしてもシード。でいきなり決勝で、対戦相手はなんとSA州の組手の代表選手の二十前半の小さめの子。でも、かなりすばやくて力もあり、結構アグレッシブ。ストレートに負けたけど頑張れたと思う。2位のメダルの受賞のとき、いつも良いアドバイスをくれる他の道場の糸東流の先生に、「おめでとう。とても良い形だったし、とても良い組手をしたね。」というありがたい言葉を頂いた。「ありがとうございます。いつもアドバイスをしていただいたりサポートしていただき、本当に感謝しています。」と心からお礼をした。そして、日本人の留学生達とMKさんと打ち上げお食事会で、すき焼き・焼き魚・コロッケ・味噌汁・卵焼きというとても日本的な夕食を皆で楽しくした。

去年の思い出したくもない悲惨な試合から10ヵ月、本当に頑張ったと思う。ようやくスタート地点に立てた気がする。これからは、審判として勉強しながら年に2回は形の試合に出場して自分にチャレンジし続けたい-。当初は、得意形を自分で選んで“自分の形”にしたい。



〈同じ道場の高校生の女の子達と記念撮影。とてもいい子達。〉

38才の挑戦

2008-05-17 13:49:56 | 空手道場日誌
明日、SA州空手道大会に出場する。今回は女子Openと35才以上の部の形、そして女子18歳以上の60㌔以下の部の組手の3つの試合に参加。53㌔以下の部があれば良かったのだろうけど、これは全国大会ではないので残念ながらそこまで細かく区分けされていない。

去年の7月28日(Blogに日記を書いていると結構こういうときに便利)、オーストラリアで初めての試合に出場した。観空大と燕飛で両方とも初戦負け!緊張しすぎが大方の敗因…。それから10ヵ月、週に3回必ず道場に通って出来るだけ頑張った。だいぶ筋力も付いてきたし、体もさらに軽くなった。それでもあがり症はまだ健在。先週まで散々ビビリまくっていた。そしたら、「だったら、その状況に出来るだけ沢山練習してなれるしかないね。」と何気なく夫が助言してくれた。彼はあまり他人のことに口を出さないのでかなり意外…。で、ああそうか、と今週毎日のように自発的に“Mental Conditioning”と称して、道場で練習が終わった後にみんなの前で形を一人で演舞した。これが結構役に立って、徐々に緊張に慣れてきた。あと、緊張をほぐすためにどうしたらよいかということも分ってきたし。

あとは、しっかり睡眠をとってしっかり食べて、しっかりウォームアップ(これは運動機能を高めるだけではなく、心理的な準備にもなる)を最低30分すること。前回は、形を忘れないようにとばかり考えていて、ろくにウォームアップをしなかった。

形は、二十四歩・観空大・観空小の3つで勝負。今回はいつも練習してきた五十四歩大と岩鶴は出さない予定。まずは、精神を統一させて、自分の形が演武できることが第一の目標。日本でお世話になった先輩達と応援してくれている友人達、そして当日あんな田舎まで応援に来てくれるMKさんに恥ずかしくのないような形をしたい…。

蘭~Chinese Orchid

2008-05-15 16:40:03 | Gallery


Paper:Blockingford 300gsm, NOT(Cold press)

Watercolor: Art Spectrum (cobalt blue), Vangough (quinacridon rose, raw sienna, azo yello light, burnt sienna)

水墨画調の水彩画。蘭の12手。水墨画の基本では、一株の蘭は12筆で描くとのこと。シンプルがゆえに、少しでも迷いがあると、それがすぐに筆先に出る…。あと、ついうっかり水彩を描くときにほとんどこれ一本で済ませている愛用のNo.16 NEEF(リス・ナイロン混合)で描いてしまったけど、書道用の羊毛の付け立て筆と日本画・水墨画用の彩色筆で描くべきだった。描くものによって筆を使い分ける癖をつけないと…。NEEFは水をたっぷり含んでいいのだけれど、こしが弱いのでこういうものには不向き。

精神統一に出来たら毎日描きたい-。

光を生み出す~習作

2008-05-12 22:59:15 | Gallery
今日の水彩画のクラスは、先生が山ほど持ってきた写真を自分で選んで構図を切り取って決め、それを同じ比率で拡大して簡単に鉛筆で下書きをして、最初のウォッシュ(下塗り)をした。今日の要点は、物を簡潔に、書きたいことをどのようにしたらメッセージが伝わるか、と言うことだった。

まず、構図が一番大切。書いている途中で、最初気に入った対象を描いていても、「何か、嫌だな。この絵気に入らないな。おかしいな。」と思ったら、構図がおかしいことが多いらしい。

そしてその自分が伝えたいメッセージをどの色調・質感・明暗・形が一番表現できるかをデザインする。これがまた難しい…。あと、どんなに暗いところでも存在する「光」をどう表現するかが、要になってくる。それには下塗りの段階で、ある程度の明暗をセットしておくこと。それと、先生がとても良いことを言っていた。

"The tone creates reality, colour creates mood."



Paper:Arches 300gsm, rough, 35×48cm

Water colour:Van Gough (raw sienna, ultramarine blue, burnt sinenna, gamboge, madder lake deep, cobalt blue)



湖畔のボート(未完)~with パステル

2008-05-10 22:47:54 | Gallery
風景画のコースも今回が最後。最後の日だから、描きかけのパステルの絵を家でかなり進めて学校に持っていった。そしたら、先生はなんといきなり、「あなたの絵を見せてもらったわ。でも、私アドバイスをあなたにしたいことがあるの。」とか言って、いきなり私のボートの絵の湖の部分を思いっきり勝手にしかも全部指で色を混ぜ合わせて真平らにしてしまった…。これはかなり失礼なこと。人の作品を勝手に。「私はあえて時間をかけてこういうストロークを造り出したのに。こういう風に混ぜこぜにしてしまうと色がにごってしまうし…。」と言うと、「いいえ、そんなことはないわ。こっちのほうが湖らしいじゃない。」とガンとゆずらない。私は他の生徒や他の科の先生に、ブチ切れてそのことを文句言っていると、当の先生はどこからか私がとても怒っているのを聞きつけて、「さっきはごめんなさいね。勝手にいじるべきではなかったわ。」と一応謝ってきた。私は、「先生のアドバイスには感謝するし参考にはしたいと思いますけど、全部変えてしまうことはなかったと思う。」というと、「でもね、そうじゃないと見せてあげられないと思って。ほら、こっちの方がよかったじゃない。」とまだ言っているし。クラスメート一同の「まあ、またやり直し出来るし。」と同情をかってしまった。でも、絵は二度と同じものは描けない。どんなに頑張っても…。絵を描く人だったらそれを知っているはず。以下の描きかけの絵が、もともとの湖。光が反射して色んな色が新鮮に見えて私はとても気に入っていたし、この部分だけでも3時間もかかった。

まあ、ともかく一通り描き上げた。湖の部分は気分がちょっと落ち着いてからフレッシュな状態で描き直して、きっと完成させたい。



Paper:Waterford 300gsm, cold press(中目), 52×73.5cm
Pastel:ほとんどがRembrant soft pastel, そして一本だけsennelier(何故か、コバルトブルーのみ。Rembrantのを使い切ってしまったため。)


しつこくwet-on-wetの練習

2008-05-09 03:44:31 | Gallery




この間描いた夜明けのGlenelgのビーチが、レイヤーを重ねるときにごってしまったため、しつこくまた同じ構図でWet-in-wetで練習。で、また失敗。今度は、先生のやり方と逆にして、空を、青→赤・黄でやってみよう。この赤のMadder Lake Deepという色は一度紙に着色したらほとんど色抜きできない。空の輪郭を作ってから、もっと注意して使ってみよう。で、結局失敗してしまったものはしょうがないので、一旦乾かした後に散布法やぼかしでちょっと遊んでみた。結構結構ファンタジーって感じ?