My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

オージーの国民的スポーツ~クリケット

2007-03-26 10:25:12 | 日常あれこれ


毎週月曜日に長男が、学校が提供しているクリケットのクラスに参加している。これは、政府が子供達の健康のために体力作りを、という趣旨のもとでお金を出し、学校側が外から子供のためにコーチを雇って毎週一時間、放課後に毎学期違うスポーツを教えているというもの。もちろん学校側の先生も1人付き、25人の5~8歳までの生徒を世話している。

クリケットはテニス・水泳・フットボールと並んでオーストラリアで人気のあるスポーツの1つ。TVでもイギリス・インド・パキスタン・南アフリカとオーストラリアがしょっちゅう試合をしているのを見かける。ということはイギリスから来たスポーツなのだろうか。私はクリケットにはてんで興味は無いが、息子に何でも体験させてみようと思って出来るだけこういうスポーツに関することは参加させるようにしている。人間からだが資本。そして、なんでも経験するということは大切。

が、クリケットは野球と一緒で、バッターが1人、ピッチャーが1人、キャッチャーが1人、外野に数人と役割がそれぞれあるので、外野の子供達はとても退屈そうだ。余り詳しくルールは判らないが、どうやら大き目のソフトボール用の球を方を回しながら回転をかけて一度地面に弾ませたものを平らな幅広のバットで打ち、飛ばしたらその間、野球みたいに立っている所からピッチャーのそばまで走って難往復できるか、ということを競うらしい(本当かな)。そして、バッターの後ろに3本の棒が立っているが、バッターはそこに自分のバットや身体の一部分を、またピッチャーから送られてくるボールを触れさせていけないらしい。とても時間のかかる協議で、公式の試合になると1つの試合に数日かかることも良くあるとか…。

家の息子はバッターのときは楽しそうにバットを振っている。が、不思議なくらいボールが当たらない。外野のときはつまらなそうにボールの行方に関心を全く示さず、突っ立っている。ほかの子達はボールが飛ぶと団子状態で5人くらいまとめてたった1つのボールを追っかけていく。そのうち、息子は立っているのもつまらなくなったらしく、仲の良い日本人と韓国人のハーフの友達と一緒になんとみんながクリケットをしている運動場の真ん中に土でお城を作り始めた…。とことんマイペースだ。凄く身に覚えがある。

「ちょっと、家の息子、あんなところで砂のお城を作っているんですけど…。余りやる気ないみたいね。」

「まあ、のんびりした時間のかかるスポーツだものね。サッカーやバスケットボールと違ってみんなにボールがしょっちゅう回ってこないしね。家の主人も時々クリケットのチームで試合をするけど、先週末の試合は余りにも経過が遅かったからあのこと同じように自分の守備の場で土のお城を作っていたそうよ。ちなみに夫は40を棟に超えているんだけどね…。」

「…。あははは。そうなんですかー。」

こんな会話を他の親達と交わしながら子供達の世界を観察するのも面白い。私はピクニック用の毛布を広げて、月曜日の夕方にある空手の練習に備えて柔軟体操をする。

息子の余りのマイペースさにコーチの爽やかおにーさんは、「あのー、無礼なことを言ったら謝りますね。でもお宅の息子さん、英語を理解できますか?余り説明を理解できていないようなので…。」と控えめに私に聞いていた。「ああ、息子は英語はほぼ完全に理解できます。っていうか、英語以外は判りません。まあ、かなりマイペースなのでいわれていることがわかっていてもそれに従うかは全く本人の気分しだいですね。というわけなので、遠慮なくバシバシ鍛えてやって下さい!!」と言うと、「はっ!判りました!」といって息子のほうに走っていった…。私もグループ競技はてんでダメだったな。まあ、協調性を養うのは大切かも。頑張れ!!

精神科病棟での忙しい半日(?)

2007-03-17 23:04:40 | 看護に関するあれこれ

今週と先週の2回とも精神科病棟で働いた。精神科病棟で働いたのは日本で看護学校に通っているときにした実習以来で本当に久しぶり。

この病院の精神科はつい数ヶ月立て直したばかりで、ホテルのようにきれいだ。重症と比較的軽症の2
つのセクションに分かれており、両方ともしっかりと病棟の出入り口と処置用器具・薬品や患者の記録が保管されている部屋には鍵がかかっている。ここで働く職員は勤務の始めに、これらの鍵のかかった部屋に出入りするための共通のカードキーをもらう。

私の働いた病棟は軽症のセクションで、患者のリストを見ると、うつ病が多く、分裂病やその他老人ホームに入所するまでのつなぎのために入院している患者もいる。今週は、私はうつ病の患者で自殺のリスクがある患者のスペシャルという24時間付き添いのナースとして4時間働くことになった。

朝いきなり病院から電話がかかってきて、半日だけ働くことになり、珍しく車の渋滞にもまれながらいつもの倍以上の時間をかけて病院にたどり着いたら、これまたいきなり「あなたの患者さん、手術室でECT(精神科で使う電気ショック療法)を受けているところだから向こうに行って付き添って。」と言われた。ECTで具体的に何をするのか、患者の一般的な経過などは全く知らない…。

見慣れない手術室に行って、それまで付き添っていた精神科専門ナースと交代する。自動のO2Sat・心拍数・血圧測定機(日本ではバイタルサイン、こっちではOBSObservationsという)を付けられている患者さんはまだ麻酔をかけられておらず、かなり緊張している。記録を見るともうすでに何回か同じ治療を受けており、経過は良好とのこと。スタッフは私を除いてナースが2人、麻酔医1人、精神科医師2人、電気療法専門ナース1人の合計6人。大所帯だ。何回目かの治療でも一応一通りの説明を各スタッフから受け、酸素をマスクで吸入されつつ麻酔医が短時間持続の麻酔をかけ、患者の意識が数秒でなくなる。その後、バイタルサインに異常が無かったら、割とすぐに頭にパッチとケーブルを付け電気ショックを行う。電気ショックの瞬間、患者さんはかなり苦痛そうな顔をするけど、意識が無いため後で全然覚えてない。全部でものの10分位。すぐに麻酔からさめた患者さん状態を回復室のナースが観察しながら、処置後45分経過が良好であれば病棟に帰れる。経過を観察しながら、病棟でよく見かける迎えに来た「オーダリー」という職種の患者や物品運搬専門の人と世間話を回復室のナースと一緒にする。3人とも子持ちで、子供のことで話が盛り上がる。このオーダリーの彼は離婚しているとか。彼女募集中らしい。背丈は結構あり、顔はなかなか精悍な感じ、声は良く通るバリトン、身体はかつてボディビルをしていたというのも一発で分かるくらいマッチョで引き締まっている。すぐにでも出来そうなのに。日本にいる私の姉妹3人は皆結婚していないというのを聞いて、突然目が輝き始め、「えっ?独身?年はいくつ?」とか1人で盛り上がっている…。そして話は変わり、私の勤務はお昼前までという話を他のナースに話していると、「こんな話ってあるかい?働かなさ過ぎだよー。」とか文句を言っている…。「私は集中的に4時間しっかり働いているのさっ。濃密な半日勤務なのよ。」と言うと、「へー。ほー。そうなんだー。」と半目で答えてくる。

経過良好な患者さんを病棟に連れてきて、お茶とビスケットを用意して少し話をする。しばらくすると、かなり治療で疲れたらしく患者さんが眠ってしまったため、病室の目の前に椅子を持ってきて座って待つことにすると、今度はさっきのMrマッチョガイが「信じらんねーっ!!」とただ座っているだけに見える私を見て廊下で絶叫している…。ただ座っているだけで給料を貰えると思って、相当に悔しがっているらしい。「あらー、だったらナースになる?給料良いわよー。」と言うと、「ううんにゃ、やだね。人のおしっこやらウンチを始末するなんてごめんだね。」という暴言を吐きながら、退院した患者のベッドのシーツ交換をしている。この人たちの仕事って何から何がカバーされているんだろう…。いろんなことをしているのを見かける。余りにも暇だから、洗面所の手拭用の紙に、タイと台湾と東京にハネムーンに行くという知人のために‘バリバリ旅行者のための東京のお勧め観光スポット’なるものを書き始めた。そうすると、またマッチョガイが廊下の向こうで病棟用のゴム手袋を伸ばしたり引っ張ったりして遊んでいる。「その手袋で鶏の頭を作れるの知っているー?」と聞いたら、「鶏?そんなの必要ないよ。この頭が見えないかい?」と言いながら、ジェルでつんつんにおったてた自分の頭をカクカク前後に動かしながら、鶏の真似をして「コッコッコッ!!」とか言いながら行進している。なんだか座っているだけでだんだん疲れてきたような気がする。気のせいだけだろうか?それをさらっと流しながら、眠っている患者に目を走らせながら途中の作業に集中しようと勤める。そうすると、数分もしないうちに「ねえ、君の名前なんだっけ?」と聞いてくるので、ため息と共に教えると、「君の妹さんの名前は??オーストラリアには何時遊びにくるの?紹介してね。待っているからねーっ!」と病棟の廊下を大声で叫んでいる。「患者さんが眠っているんだから静かにしてよっ!」と声を控えめにしかりつける。この人、見かけは難なくても性格にはあるかも…。誰かこの人を何とかしておくれ。

お昼は皆食堂に出て食べるので、この患者さんについて行って同じテーブルにすわり、かなりすいたお腹を抱えて指をくわえながら、温野菜が添えられているローストチキンとポテトスープがきれいに消えていくのを見ながら待つ。じっと見つめられていても居心地が悪いだろうと思い、患者さんから目を離さないように(食事中ってナイフとかフォークとか持っているじゃない?)TVガイドを眺めたり、食堂でかかっているCDのジャケット(Bordersという、オーストラリアでもかなり有名なスコティッシュなバンド)を見たりする。それでも時間をもてあまして、患者さんのお膳に乗っている名前が書いてある黄色い紙を正方形に切って、折鶴を作る。随分前にさる東欧の国から移民してきたこの患者さん、かなり喜んで窓際にきちんと飾っていた。ECTで朝食を抜いていたせいか、かなりの量の食事をぜんぶぺろりを平らげ、すっかり満足した患者さんは食後の散歩を中庭でしたいといい、2人で中庭の菜園や花を眺めながら、それぞれのお国料理の話で盛り上がる。なんでもこの人のお国では、チリ・パウダーをたっぷり入れたシチューがよく食べられるとか…。

そうこうしている間に、先ほどの男性の精神科専門ナースがやってきて私と交代する。まだ午後の1時なのになんだかもう1日が経ったような気がする…。どうしてだろう。カジュアル・プールナースってこんな風に、色々な病棟で色々な看護ができるから楽しい。でも、精神科は余りにもナースとして実際にすることが少ないので面白味に欠けるかも…。


タイ風チリ・バジル・ダック

2007-03-12 07:40:46 | Myレシピ!


先日夫に作ってもらった、鴨のローストのあまりを使って「タイ風チリ・バジル・ダック」を作った。これは、私達のお気に入りのアデレードにあるタイ料理レストラン、Thai Bistro Siamのメニューを倣って作ったもの。アジア人、オージー両方に受ける豪華な一品。

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材料:

余りものの鴨のロースト(生の鴨を使うと風味がかなり薄くなると思う。)・大きいレッドチリ2本(小さいチリより大分辛さは控えめ)・ガーリック3個・玉ねぎ1個・タイバジル適量・Spring Onion1本(わけぎでも良い)・カシューナッツ1掴み分・オイル

調味料:醤油大さじ1杯・フィッシュソース小さじ1杯(ナンプラーとかも言うらしい)・ブラウンシュガー大さじ1杯(ココナツシュガーのほうが良い)・タイ産スイートチリソース大さじ2-3杯・米酢小さじ0.5杯

作り方:
1.鴨のロースとは骨を全て取り除き、1口大に切る。レッドチリは種を除いて(激辛好みの人はそのままでも良い)適当な大きさに切る。ガーリックはみじん切り、玉ねぎはざく切り、バジルは葉だけを茎から取って水につけてシャキッとさせておく。Spring Onionは小口切り。

2.ガーリック・玉ねぎをガンガンに熱したオイル大さじ2杯をひいた中華鍋に入れさっと炒める。

3.2に鴨、チリ、Spring Onionを入れ、さっと炒める。あくまでもさっと混ぜるだけ位に。炒めすぎると歯ごたえがなくなって美味しくなくなる。

4.3に調味料を全て合わせて一気に入れてからめる。

5.最後に水を切ったバジルとカシューナッツを混ぜ合わせて出来上がり。


~ご飯とにんにくで炒めた空芯菜か芥藍、そしてがんがんに冷やしたCoooperのPale Aleとか一緒に良いかも…。

頑張れ白帯君!

2007-03-11 09:34:15 | 家族について


<PSをしている長男と次男。小さな後姿がかわいい…。〉 5歳の長男が、彼の友人(同い年でオージーと日本人のハーフ)と一緒に空手を始めた。今回で、3回目の練習に行った。

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彼は外ではひどくシャイで、一年間通った幼稚園の先生にでさえ、会話らしい会話をさせなかったらしい。でも、家ではひっきりなしにしゃべっている。おかげで、園児の発達レベルのアセスメントをするときに、「査定不可能」とされた項目がいくつかあった…。先生の聞いたことに答えなかったためらしい。生まれて以来、しょっちゅう家族ぐるみの付き合いで会っている友人達でも、彼が自分から話しかける大人はとても少ない。子供同士でも、かなり好き嫌いがあるらしく、気に入ったごく一部の子供としか一緒に遊ばない。サイエンス系と美術系が得意で、文系とスポーツがとてもとても苦手。好きなことにはとんでもない集中力と能力を発揮するが、関心のないことは理解力・記憶力共にまるで働かない。なんだかこれらすべてに、身に覚えがある…。可愛そうに。

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そんな彼には、何かスポーツを1つなんでも幼い頃からさせて、体力だけではなく、自信や集中力を養ってほしいと思う。そしてできれば、数年間は最低同じものを続けさせたい。とりあえず、スポーツはあまり好きではないので自分の通っている道場で彼の友達を誘って空手をさせることにした。最初は、「何で空手をしなくちゃならないの?」と聞いてきた彼に、「しっかりと良いものを食べて、しっかりと寝て、しっかりとエクササイズ(運動)すれば健康でハッピーになれるんだよ。」と大雑把に説明したら、「ふーん。そうか。」と一応納得したらしい。何でも人に言われたままするのが気に入らなく、自分で納得してからでなければ何もしたくない、というこの性格、こんなところまで私にとても良く似ている。

前回の練習は3人だけで、彼の友達は来ていなかった。彼と、6歳の女の子と4歳半の男の子。彼らは兄弟らしい。先生はイギリス人で30年以上も空手をしている。いくつかの小学校にも教えにいっていて、自分も小学生の男の子がいる。とにかくユーモアのセンスが抜群で、子供が好きだ。そして、子供達に対してとてーも忍耐強い。でなければ、あんなに小さい子供達に物を教えるのは無理だろう…。私はつくづく小学校の先生は凄いと思う。心から尊敬する。

このクラスは4-7歳児のクラスで、みんな初心者。基本の立ち方(自然立ち、前屈立ち)と突き、揚げ受け、下段払い、前蹴りと移動するときの足の運び方を習った。見ていると、やる気はなかなかあるのに、先生の言ったことに従ってやってみるというのが苦手のようだ。英語力のせいではない。彼はれっきとしたオージーで英語には問題はまずない。理解力がとてつもなく遅い。隣の女の子がやっているのを見ながら遅ればせについていこうと必死に努力している。バランスとコーディネーションもかなり怪しい…。もう、まさしくデ・ジャ・ヴって感じ?先生に「『気合!』って最後に決めるときに言ってごらん。」と言われても、先生の顔を見つめたまま、沈黙。「こんなシャイな子を見たのは本当に久しぶりだ。」とか言われている。でも、だからこそ必要だと思う。少しずつでもできるようになれば自信も付くし、やりがいもでてくるだろう。

将来、もし彼が何かほかのスポーツに興味を持つようになって、そっちに熱中したいならそれでもいいと思う。空手でなくてもいい。何か1つ、スポーツを続けてくれたらそれでいい。

とりあえず彼は、今のところ白帯から赤帯になりたくてそれを励みに頑張っているらしい。頑張れ、白帯君!!

先天性選択性記憶障害

2007-03-02 23:26:41 | 日常あれこれ
今日、夫が仕事から帰ってくるのを待っていたため、空手の練習にいつものように遅れていった。すでに、ほかの皆はそれぞれの得意型の練習をしていた。私を見つけた先生はいきなり、「じゃあ、観空大ね。」と言いわたし、やって見ろとのこと。しかしなんと私は、全65挙動ある動作のうちの最初の6挙動目で目が泳ぎ始めたまま固まってしまった。日本で黒帯を取ってから10数年、オーストラリアに来てからも、たまーに思い出したようにその時々の近くにある(ちょくちょく引越しをしていたため)同じ流派の道場でオージーに混じって練習していた。日本でバンバン練習していたときのレベルよりさらに上達するまでは行かなくても、レベルが落ちるのをどうにかとどまらせるくらいはできたと思う。基本や組み手は体が覚えていて、基礎体力が整って柔軟体操をしっかりすればあまり問題ない。が、型は一連の決まった動作(*注:型=想定する相手からの攻撃に対する防御や反撃の、突きか受けとか蹴りとかがいくつもいくつもつながってひとつの型となり、演武されるもの。念のため。)があり、順序を覚えていなくては話にならない。しかも困ったことに型は松濤館という流派では26つもある…。実に恐ろしい。そのうちで私が今まで習った覚えているべき型は、10あまり。プラス、良く見かけた上級者向けの型が、3~4つ位かな。その中で観空大はこの先生の一番のお気に入りの型らしく、私の一番したくない型だ。何故一番したくない型だって?そ・れ・は…一番長い型だから。全て演武すると1分半にもなる。とても覚えきれない…。挙動の一つ一つ基本的でも、何度覚えようとしてもなまじほかの型の基礎ともなっている型だったりするから、もうほかのいくつもの型とごっちゃになって、難しくても特徴のある型より(私にとっては)始末が悪い。つい昨日、先生に個人指導を受けてこの型を一から順を追って教えてもらったばかりなのに。かなり忍耐強い彼でも、かなりあきれていた。挙句の果てには、「黒帯を取ってからどのくらい練習した?」とか言われる始末…。かなり情けないかもしれない。

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私が覚えられないのは何も空手の型だけではない。これはもう、物心ついた時からの障害とも言える大問題で、とにかく記憶力が悪くて今までとても大変なことがあった。例えば…学校のテストなんかで記憶に頼る教科はもうほとんど苦手。ちなみに言語関係も全滅。国語・英語・古文とかはもちろん、普通の日常会話もちょっと怪しい。きっと、大脳の言語野も一部欠損しているのではないかと思うくらい。でも、数学とか科学系統は得意だ。頭を使わない家庭科とか美術とかもね。左利きのせいか???ま、ともかく記憶力が悪い。ついでに理解力も。特に、文字・文章から理解して脳に焼き付けるというもの、耳から一連の順序や理論などの説明を聞いて覚えるというものが決定的にダメ。人の名前もね。もう、今までにこの記憶障害のために何度大変なめにあったことか…。覚えようと意識したり集中しようとすると余計に覚えられなくなる。2年近く毎日のように接した患者さんの名前を最後の最後まで呼び間違えていた…。また、和太鼓の演奏をする機会があったときには、その一連のリズムをいくら教えられても覚えられなかった。救いようがないとしか言いようがない。しかし、変なことにイメージや全体的な視覚(特に立体的なものや色)はどうでもよいことでも何でも驚くほど覚えていることが多い。例えば、十数年前の部活の飲み会の下級生の女の子が着ていた服の詳細とか、数年前呼ばれた親友の結婚式で見かけた彼らの親戚のおじさんの顔とか馬鹿みたいに良く覚えている。ちなみに下級生とは特に親しくしていたわけでもなく、その服装に興味があったわけでもない。そのおじさんにしても何の特徴もない。よく、人に「よっくそんなことまで覚えているねー!記憶力がとてもいいのねー!」とか大変な誤解を受ける。そう、それは大変な誤解。

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まあ、それでも年を取ったせいか、最近はある程度開き直って対応策を探そうと前向きになり、得意のイメージ(映像)とか雰囲気とかに情報を転換するなり結びつけるようにして覚えるよう努力するようになった。これは結構な効果がある。例えば、空手の型は先生に聞いても全くダメなら、自分で演武のビデオを見て自己学習。これは効果覿面だった。ちなみに和太鼓のリズムは、自分で絵を描いて音符らしきものを作り、何時間教えられても覚えられなかったものがたったの10分でマスターできた。今度も、その手で観空大を覚えてやるぞー!先生、見とってよー!

そういえば、こうして苦労してめでたく覚えた物事達は、悲しいことに、脳内で収納される容量と時間にかなり制限がある。新しいものを注ぐと、前にあったものは零れ落ちるっていうやつ?この制限をいかに大きく柔軟にするかが今後の課題か…。誰かいい方法を知らない?