毎週月曜日に長男が、学校が提供しているクリケットのクラスに参加している。これは、政府が子供達の健康のために体力作りを、という趣旨のもとでお金を出し、学校側が外から子供のためにコーチを雇って毎週一時間、放課後に毎学期違うスポーツを教えているというもの。もちろん学校側の先生も1人付き、25人の5~8歳までの生徒を世話している。
クリケットはテニス・水泳・フットボールと並んでオーストラリアで人気のあるスポーツの1つ。TVでもイギリス・インド・パキスタン・南アフリカとオーストラリアがしょっちゅう試合をしているのを見かける。ということはイギリスから来たスポーツなのだろうか。私はクリケットにはてんで興味は無いが、息子に何でも体験させてみようと思って出来るだけこういうスポーツに関することは参加させるようにしている。人間からだが資本。そして、なんでも経験するということは大切。
が、クリケットは野球と一緒で、バッターが1人、ピッチャーが1人、キャッチャーが1人、外野に数人と役割がそれぞれあるので、外野の子供達はとても退屈そうだ。余り詳しくルールは判らないが、どうやら大き目のソフトボール用の球を方を回しながら回転をかけて一度地面に弾ませたものを平らな幅広のバットで打ち、飛ばしたらその間、野球みたいに立っている所からピッチャーのそばまで走って難往復できるか、ということを競うらしい(本当かな)。そして、バッターの後ろに3本の棒が立っているが、バッターはそこに自分のバットや身体の一部分を、またピッチャーから送られてくるボールを触れさせていけないらしい。とても時間のかかる協議で、公式の試合になると1つの試合に数日かかることも良くあるとか…。
家の息子はバッターのときは楽しそうにバットを振っている。が、不思議なくらいボールが当たらない。外野のときはつまらなそうにボールの行方に関心を全く示さず、突っ立っている。ほかの子達はボールが飛ぶと団子状態で5人くらいまとめてたった1つのボールを追っかけていく。そのうち、息子は立っているのもつまらなくなったらしく、仲の良い日本人と韓国人のハーフの友達と一緒になんとみんながクリケットをしている運動場の真ん中に土でお城を作り始めた…。とことんマイペースだ。凄く身に覚えがある。
「ちょっと、家の息子、あんなところで砂のお城を作っているんですけど…。余りやる気ないみたいね。」
「まあ、のんびりした時間のかかるスポーツだものね。サッカーやバスケットボールと違ってみんなにボールがしょっちゅう回ってこないしね。家の主人も時々クリケットのチームで試合をするけど、先週末の試合は余りにも経過が遅かったからあのこと同じように自分の守備の場で土のお城を作っていたそうよ。ちなみに夫は40を棟に超えているんだけどね…。」
「…。あははは。そうなんですかー。」
こんな会話を他の親達と交わしながら子供達の世界を観察するのも面白い。私はピクニック用の毛布を広げて、月曜日の夕方にある空手の練習に備えて柔軟体操をする。
息子の余りのマイペースさにコーチの爽やかおにーさんは、「あのー、無礼なことを言ったら謝りますね。でもお宅の息子さん、英語を理解できますか?余り説明を理解できていないようなので…。」と控えめに私に聞いていた。「ああ、息子は英語はほぼ完全に理解できます。っていうか、英語以外は判りません。まあ、かなりマイペースなのでいわれていることがわかっていてもそれに従うかは全く本人の気分しだいですね。というわけなので、遠慮なくバシバシ鍛えてやって下さい!!」と言うと、「はっ!判りました!」といって息子のほうに走っていった…。私もグループ競技はてんでダメだったな。まあ、協調性を養うのは大切かも。頑張れ!!