My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

空手試合の反省会

2008-06-01 19:25:21 | 空手道場日誌
今日は朝から家族そろって近くのでっかい公園でチビ達の散歩と夫のリハビリに行ってきた。夫は以前はテニスやらサッカーやらカンフーやらやっていたのに、最近極度の運動不足で、お腹は出てくるわ体調をよく崩すわするようになってきた。で、今日はそのリハビリの3日目。休みでもお昼前にベッドから引きずり出してお尻をひっぱたいて走らせる。で、たったの2周で真っ青な顔をしてギブアップ。明日は3週にチャレンジさせよう。そして午後、満足したチビ達は珍しく気味が悪いくらい静かに良い子に家で遊び、私は3時間たっぷり空手の組手の審判の勉強をする。形と違ってルールがとても多い…。

そして、昨日MKさんが持ってきてくれた先月に出た空手の試合のDVDを見直して一人反省会をする。

・二十四歩…OpenとVeteranの部、両方とも同じようにリラックスして落ち着いて出来ている。試合の前後の歩き方・礼・用意も大変丁寧でよろしい。さすが日本人(笑)。形自体は…姿勢はよし、立ち方は緊張をひどくしていないため、安定して腰も低い。形のリズム・気合・目線もOK。技の正確さは大体よし、でもあまり松涛館では使わない三戦立ちがちょっとあいまい。そして、呼吸をもっと意識して練習する必要がある。パワーは、アレだけ筋トレしているし、これでもだいぶ付いて調子がかなりいいほうだから、これ以上はあまり望めないと思うけど、スピードがもう少し欲しい…。あと、技を出した後のブレが少しある。

・観空大…去年ほどではないけど、かなりヒドイ。最初から自信のなさがでている。この形は松涛館を代表する形だけど、やたら長くて難しくてしかもすばやい大きな動作がはじめから終わりまで続くため、スタミナがかなりいる。スタミナのない、しかも直線動作があまり好きでない私には不向き。今回それを思い知る。自分を知る…これも大切。

さて、これからの目標~基本は言うまでもなくきちっとこなして、筋トレは無理しない範囲で週3回続けること。しっかりした体は土台として必須。そして、先生の薦める「試合向け」の形ではなく、自分の好きな形のみを、あと半年後の試合までに深く練習すること。形は、二十四歩・岩鶴・雲手。40歳までどこまで出来るか、頑張ってっみようと思う。



SA州空手道大会速報!

2008-05-18 21:17:19 | 空手道場日誌
速報とか言って自分の出た試合の結果だけだけど…。

結果:
男子女子混合35歳以上形試合-1位
女子16歳以上オープン形試合-3位
女子18歳以上オープン組手試合-2位



今回は、試合に集中するために審判業は潔くお休みして、普段あまりしないメイクをうっすらとし(いつもすっぴん)、これも普段ほとんどしないほどきっちりを髪を結い、道着には生まれてはじめてアイロンをかけて、心理的な準備をする。もう、儀式みたいなもん?絵を描くときに紙や絵具を丁寧にゆっくりと準備するのと一緒。そして、身だしなみは礼儀だ。会場では、控え室でこっそりウォームアップをトレーニングチューブを使ってして、形のおさらいをする。

最初は、たったの3人の試合。で、35歳以上の女子は私しか出場いしていなかったため、なんと男子と混ぜこぜにされる。他の2人は剛柔流(ちょっと変わったセイエンチンをしていたからたぶんそう)と松涛館。2人とも道場の先生らしい。私はなんと、シードで(前回ぼろ負けしたのに!)いきなり決勝。今日の最初の試合だから、落ち着いて呼吸できる、自分が好きな形…と思って二十四歩を選んだ。自分といつもお世話になっている人たちに恥じない“自分の形”が出来たと思う。それだけで今回は十分だと思った。

次は女子Openの形。出場者7人。これもまたいきなり私はシードで、またまた初戦がこれまたいきなり全オーストラリアの女子の形チャンピオンの二十歳くらいの同じ道場の子。観空大であっさり負ける。負けたのは気にならないけど、自分の形が出来なかったのがかなり悔しい。考えてみると観空大をするたびに自分に無理をしていているような気がする。観空大より糸東流のセイエンチンのほうがずっと好き。あの呼吸のリズムがすごく好き。指定形として練習しよう。そして、3位決定戦で、またしても同じ道場のぴちぴちの高校生。きれいな顔をしてかなり体はがっちりしていて性格は男前。もともとアメリカ育ちで向こうで糸東流の道場で空手をしていた子。彼女は得意形のセイエンチン、私はまたしても二十四歩で3位をかろうじて獲得。日本人留学生の高校生の子は2位。本調子じゃなかったみたいだけど、彼女はきっと次は大丈夫。静かだけど根性有りそうだし。それと、ワーキングホリデーの27歳の子も出場していた。彼女とは去年の大会で一回顔をあわせたことがある。とても緊張しているようで、実力が十分出せなかったようだ。

そして組手…どうしてか知らないけどまたしてもシード。でいきなり決勝で、対戦相手はなんとSA州の組手の代表選手の二十前半の小さめの子。でも、かなりすばやくて力もあり、結構アグレッシブ。ストレートに負けたけど頑張れたと思う。2位のメダルの受賞のとき、いつも良いアドバイスをくれる他の道場の糸東流の先生に、「おめでとう。とても良い形だったし、とても良い組手をしたね。」というありがたい言葉を頂いた。「ありがとうございます。いつもアドバイスをしていただいたりサポートしていただき、本当に感謝しています。」と心からお礼をした。そして、日本人の留学生達とMKさんと打ち上げお食事会で、すき焼き・焼き魚・コロッケ・味噌汁・卵焼きというとても日本的な夕食を皆で楽しくした。

去年の思い出したくもない悲惨な試合から10ヵ月、本当に頑張ったと思う。ようやくスタート地点に立てた気がする。これからは、審判として勉強しながら年に2回は形の試合に出場して自分にチャレンジし続けたい-。当初は、得意形を自分で選んで“自分の形”にしたい。



〈同じ道場の高校生の女の子達と記念撮影。とてもいい子達。〉

38才の挑戦

2008-05-17 13:49:56 | 空手道場日誌
明日、SA州空手道大会に出場する。今回は女子Openと35才以上の部の形、そして女子18歳以上の60㌔以下の部の組手の3つの試合に参加。53㌔以下の部があれば良かったのだろうけど、これは全国大会ではないので残念ながらそこまで細かく区分けされていない。

去年の7月28日(Blogに日記を書いていると結構こういうときに便利)、オーストラリアで初めての試合に出場した。観空大と燕飛で両方とも初戦負け!緊張しすぎが大方の敗因…。それから10ヵ月、週に3回必ず道場に通って出来るだけ頑張った。だいぶ筋力も付いてきたし、体もさらに軽くなった。それでもあがり症はまだ健在。先週まで散々ビビリまくっていた。そしたら、「だったら、その状況に出来るだけ沢山練習してなれるしかないね。」と何気なく夫が助言してくれた。彼はあまり他人のことに口を出さないのでかなり意外…。で、ああそうか、と今週毎日のように自発的に“Mental Conditioning”と称して、道場で練習が終わった後にみんなの前で形を一人で演舞した。これが結構役に立って、徐々に緊張に慣れてきた。あと、緊張をほぐすためにどうしたらよいかということも分ってきたし。

あとは、しっかり睡眠をとってしっかり食べて、しっかりウォームアップ(これは運動機能を高めるだけではなく、心理的な準備にもなる)を最低30分すること。前回は、形を忘れないようにとばかり考えていて、ろくにウォームアップをしなかった。

形は、二十四歩・観空大・観空小の3つで勝負。今回はいつも練習してきた五十四歩大と岩鶴は出さない予定。まずは、精神を統一させて、自分の形が演武できることが第一の目標。日本でお世話になった先輩達と応援してくれている友人達、そして当日あんな田舎まで応援に来てくれるMKさんに恥ずかしくのないような形をしたい…。

空手デモ@ホスピタル

2008-04-30 23:00:18 | 空手道場日誌
昨日、通っている空手道場がいつものように公共施設での空手デモを頼まれたので先生と私と年配の指導員の女性とで張り切って行ってきた。こんな感じでうちの道場はよくデモをあちらこちらから頼まれるらしい。スケジュールが合えば、もちろん無償でこたえている。

今回はなんと、ロイヤル・アデレード・ホスピタル。ヘルスプロモーションの一環で、と言うことらしい。昨日は天気も最高。Adelaide Zooに車を止めて、植物園のそばのとてつもなくでかい公園を通りながら、すぐ裏手の病院に着く。他にもハンドマッサージやら血圧のチェックや相談(だったけかな)と色んなブースが正面玄関にあり、その中で白い道着を着たわたしたちはひときわ目立っていた。

観客はまばら。とてーもなじみのある雰囲気の中で、とてもとてもリラックスして平安初段から抜塞大の形とその分解をゆっくりした。そして基本技のコンビネーションとそれを実際に組手にする。そして、患者さんや職員の院内ケアセンターに預けられている子供たちがぞろぞろとに見に来たので、先生考案の子供用の「セルフディフェンス形」を披露した。結構受けていた。1時間なんてこんな感じであっという間に終わって、さあ、お茶にでもしようかという話をヘルスプロモーション担当のナース、Aさんと先生達としていたら、後から何人か先生に個人的に道場の話や空手について質問してきた。中には、最初から最後まで熱心に見ていた年配の女性は、SA州のさらにど田舎に住んでいて、ずいぶん昔に松涛館の空手を習っていて黄帯までとったらしい。あとは、自分の子供にどうだろうか、とか色んな空手に興味ある人と話す機会があった。

そして、担当のAさんに、私もナースだといったら、この病院で行われている色んなヘルスプロモーションについて話してくれた。そうしたらなんとMusic Therapyも患者さん対象に行われているとか。ずいぶん前にわたしはあるホスピスでArt Therapyのボランティアをしていて、絵を描いたことのあまりない患者さんに描き方を教えたりしていたといったら、上の階にあるカフェテリアのそばにある、廊下ギャラリーを見せてくれた。ここのセクションは、プロ、アマ両方のアーティストが時折個展をして、患者さんやその家族達の眼を楽しませているとのこと。そして、アーティストによってはその絵に値段をつけてその院内展示場で売っているらしい。で、気軽に「あなたも、ここに展示できるような作品があるならば、どうかしら?」と誘われた。これはまたもないチャンス!目標があるとどんなことでも更なるレベルにステップアップしようと、より頑張るもの。Aさんは彼女のメールアドレスその他の連絡先をくれ、私は絵のことで彼女に連絡をすることを、彼女は自分の10歳の娘が武道に興味があるらしくその子を道場に連れて行くことを約束し、病院スタッフが入れてくれたおいしいコーヒーを頂いて、充実感にひたりながら、同じ公園を通って帰ってきた。公園では、オーストラリア軍の音楽隊(ブラスバンド)が練習をしてた。バンドのアルトサックスが眼に入り、ああ、懐かしいなー、という思いに浸る。中学でブラスバンド部で3年間、アルトサックスを吹いた。

それにしても面白い。空手をしにいって絵に関するまたとないチャンスに出会えた。いろんなことに視野を広げると、それらが一つ一つまだ繋がったり、大きく膨らんだりする。色々大変なこともあるけど、これだから人生って面白い-。

赤帯君の決断

2008-04-04 08:49:10 | 空手道場日誌
最近、長男が空手の練習に行くのを嫌がるようになった。学校帰りで疲れているせいかと思って、おやつを食べさせて道場に連れて行くと気が変わって結構楽しんで練習している。でも、そのうちに練習中もまるでやる気が無く集中しなくなってきた。他に何かやりたいことがあるのか訊いても、何もやりたくないと言う。

彼が始めてから数ヶ月たったとき、「これから空手をつづけたい?」とまじめに聞いたときに、「クラスは長いから疲れる。でも、続けたい。」といっていた。そして「いったん決めたことはこれからづっと続けるんだよ。中途半端ではやめさせないからね。」と釘をさしておいた。私としては子供には学校である程度(中レベル)の水準の学力を身につけ、社会のルール(約束事、礼儀、倫理観)を学んで友達と楽しく過ごしてくれれば良いと思っている。だから、習い事を色々させようとも思わない。本人がやりたいことがあればどんどんやらせてあげたい。でも、何でもいいから体を使うことをひとつ長期的にやって、そこからいろんなことを学んで欲しい。だから空手をはじめさせた。

彼は家では練習を嫌がらないし、3歳の弟に教えようとさえしている。本人によく聞いて見ると、みんなのまえで形をやったりするのが恥ずかしいとかなんとか言っている。そして練習自体が「長すぎる」とも。つまり練習がつまらなく感じ始めていると言うことか?モチベーションがかなり下がっているのは確かだ。

先生に相談したら、「彼を年上の子供のクラスにためしに入れてみるのもいいかもね。」ということで、昨日初めて8~12才のクラスに入ってみた。でも彼はまだ6才。このクラスでは、彼は一番小さくて年下。でも、彼よりずっと後に空手を始めた子供達も結構多い。色んなサイズの子供達が白帯から黄色帯を締めている。

私は新しく入った初心者の子供4人に基本を教えて、先生は息子がいるある程度経験のあるグループに基本と移動稽古、そして5本組手を教えていた。おお!彼の顔つきが違う!!新しいクラスの雰囲気に最初おびえていたシャイな彼も、初めての五本組手の稽古についていこうと必死になっている。この子は、すごく消極的でシャイで要領の悪い子だけど、彼の実力よりちょっと上のものを与えると、頑固で負けず嫌いの面がむくむくと起き上がってきて、俄然やる気を出す。なんかすごく、デ・ジャ・ブ?最初はまるでだめだった小学校で毎日やっている英語のリーディング(要は本を読むこと)がそうだった。

練習が終わった後に、「どうする?これから空手を続ける?」と訊いたら、「うん。やりたい。」と照れくさそうに言っていた…。これから、いろんな形で空手を通して成長して欲しい。がんばれ、赤帯君!

たくさんの子供達をこうして30年以上も見守ってきた先生はすごい。先生の暖かく適切な指導に感謝…。

公式空手審判デビュー

2008-03-30 22:08:11 | 空手道場日誌
今日、空手の試合に公式に審判としてデビューした。今までは見習いとして、大先輩の審判についてもらって、何回か副審を勤めさせてもらっただけだったが、今回は一人前の審判としてみなされる。責任重大だ。私の資格は、形の審判のみで、組手の審判としてはまだ見習いの身分。

試合は9時から。試合直前に、審判だけでミーティングをする。そのときに、余り話したこともない、年配の大先輩達の風格に圧倒され、さらに緊張が高まる。むこうも同様に私のことはあまり知らない。

ともかく、2つのコートに別れ、他の4人の審判とチームを組んで形の試合の審判を勤める。自分の形の試合くらいに緊張する。いや、もっときつい。なんせ、3時間ぶっ続け緊張が続いているのだから…。出場している子供達や成人の選手皆、私たちの審査で勝敗が決まるとおもうと、気は一瞬も抜けない。でも、形の審判としての勤めは、無事にこなせ、ほっと一安心。あー、頭はげそう…。

問題はまだ勉強中の、いやあまりまだ実地をしたことが無い組手の試合。分厚いWKF空手ルールブックがあり、その中でも組手の審判は思えなくてはならないことがかなりある。審判でもすべてを覚えていない人は多いようだ。「わたし、まだ組手の審判の試験通っていませんので、副審としていくつか先輩達に後ろについてもらって実地訓練としてさんかさせてもらっていいですかー?」といって、副審の席について頭の中に旗信号をぐるぐるさせながら、開始。そしたらなんといきなり、17から18歳の男子の組手。女子や子供達と違ってかなり荒っぽくなるし動きも早いから難しい。信号を送るのに2-3秒かかったり、判定できずに「見えない」の信号を送ったり、最初はかなりてこずった。でも結局、4時間近くするうちにだんだんと目がなれ、ルールや旗信号にもなれてきて、少し自信を持って審判と出来るようになってきた。今度うちの道場で生徒達にモルモットになってもらってバシバシ練習しなくては。先輩達に、「色々アドバイスありがとうございました。何か注意することはないですか?」と何人かにフィードバックを請うと、「いやいや、よくがんばったよ。信号もだんだん早くなってきたしね(と言いながら笑っている…)。ちょっとでも、判定に迷ったら『見えません』の信号を出せばいいよ。」とコメントを頂く。皆さん、暖かい指導と信頼をありがとう!もっともっと勉強して、がんばります!中には、私のとろい判定にいらいらしている審判もいたし、見習い中の私でも信頼してくれてちゃんと意見を考慮してくれる審判もいた。病院とは違った場面で他の人と一緒に働く…とてもよい経験になる。

それにしても、試合の後に嬉しそうな入賞者にメダルとトロフィーを祝福の言葉とともに渡すのはとてもとても気持ちが良いもの。うちの道場から形試合に出場している世界大会に出た高校生の男の子に優勝のトロフィーを渡すときは、日本語付きで「Congraturation!おめでとう!」と握手をしながら言うと、「ありがとう。」と日本語で返してきた。

そして、なんと今までSA州の試合で見かけたことの無い日本人の、素晴らしい形を演武する高校生の女の子がいた。剛柔流で、スーパーリンペイなどというとても難しくとてつもなく長い形を高校生とは思えない堂々とした態度で演武していた。交換留学生らしい。彼女とは今日は忙しくてあまり話せなかったけど、次回の試合で是非また話がしたい。また、彼女の形が見たい。

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空手形審判の証書を授与されたときの写真。ベテランの大先輩達に囲まれて、自分がまるで高校生のように見える。



いつも試合が開かれる体育館は、VirginiaというCityからほんの25分ばかり離れた農場に囲まれたど田舎にぽつんとある。これはいつものように道に迷ってしまってまた地図を広げて場所を確認しているときに撮ったもの。気持ちの良い朝の風景。

病み上がりの空手稽古

2008-03-10 00:09:09 | 空手道場日誌
先週、病み上がりで空手の練習にうちに遊びに来てくれたHIROMIさんをお供に入ってきた。この日は2時間の練習の日。上級者のクラスでかなりの数の黒帯が来ていた。そしたら、いきなり「んー…じゃあ今日は筋トレからはじめようか。」とか言って、いきなりウォームアップをかねて筋トレが始まった。病み上がりでいきなりかい?その後はペアを組んで間合いの取り方に集中しての基本、一本組手と続いていくうちに、頭がくらくらしてくる。ちょっと意識が遠のきかけた。後はあまり何をしたか覚えていない…。そうだ、終わりのほうで抜塞小の形を練習した。



抜塞小の練習しているところ。先生とどう言う訳かシンクロしている…。抜塞小は棒を武器として持っている相手を想定しての形。大抵の形は演武のスタート地点に戻ってきて終わるようになっているが、これだけは不思議なことに開始地点に戻ってこれない。



久々の練習に眩暈を覚えながら、いつもの様に三段のMさん(Mさんは同じ名前が3人道場にいるため、初段・二段・三段で区別している。)に、練習が終わった後に10分くらいの自由組手の相手をしてもらっているところ。私の力量と体格に合わせて絶妙なコントロールをしてくれる。彼はスイス人で、柔道をしていたことのある。強くて、早くて、とても大きくて、人間的にも大きな人…。今度個人レッスン手当てとしてビールでも持っていってあげなくては。

形の特訓

2008-02-21 14:11:07 | 空手道場日誌
今日は、いきなりウォームアップとしてチューブトレーニングの逆突きと刻み逆突きの前進・後進。そして合間合間に各自ストレッチ。これは体が温まっていないうちにストレッチをガンガンやるよりずっと効果的。そしてなんと珍しく、最初から最後までほとんど形の特訓。今日は先生は色んなことを具体的に説明してくれた。

・最初に私をいきなり皆の前に出して、観空大を力をまったく抜いてテクニックの正確さなんかも無視して、順番にとにかく早くするように言った。1分半かかるのを30秒しかかからない。これはひとつの型の呼吸の流れを掴むのに良い。

・次に、同じくリラックスして形を早く流してするけど、個々の技のときだけしっかりときめを「ふん!」と極端に強くする。メリハリのある形のための練習。

・最後に全速・全力で一つ一つの形のシークエンスごとに、細かいテクニックの正確さを一切気にしないで「組手形」をする。自分の中に眠っているトラを起こして戦うようにとか…。表現が面白い…。私の中のトラは年中冬眠中。たまーに起き出して大暴れしてさっさと棲家に戻っていってしまう-。形試合では技術の正確さと見栄えが重要だけど、本来形をする意味である、想定する相手と戦っているつもりでする、気構えが大切だ、忘れないように、と先生は念を押していた。

今度、試合の前にチューブトレーニングの後、観空小を5回(この形は鍛錬用としてとてもよい)組手バージョンとパワー・フルスピードでやってみよう。

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これらは、基本の基本。そして、形の三大原則:「力の強弱」「技の緩急」「体の伸縮」…。頭で理解するのはそんなに難しくないように思われても、心と体と気が調和されてバランスよく行うのはとてもとても難しい。物事は、やればやるほど山が高くなっていき、難しい。

レストランと家庭料理と…

2008-02-05 16:19:31 | 空手道場日誌
昨日の空手の練習で、すごく蒸し暑い日だったせいか、皆用事があってこれなかったのか、いつも10数人以上はいる上級者(茶帯~黒帯)クラスにたったの5人しかいなかった。そして先生はいきなり準備体操の前に、「レストランでの食事と家で食べる食事どう違うと思う?」と皆に聞いてきた。この先生は結構面白いことを時々考え出して、そして私たちを実験台に使う…。きっと心理テストじみたものに違いないと思いながら答えた。

一番最初に聞かれたある黒帯二段:「レストランでは、人に給仕してもらえる」

私:「家ではレストランと違って、自分の食べたいものが好みの味付けで食べれる。(言い忘れだけど、レストランでは自分が作れないものを味わうことが出来る。)」

黒帯初段:「自分で作らなくて済む。」

茶帯一級:「自分で作るのとは違うものがレストランでは食べられる。」

などなど。先生が思ったのは、どんなにいいレストランでよいものを食べていい雰囲気のなかで給仕されても、いつもそうしていたら飽きる、って言うことを言いたかったらしい。空手の練習もまた然り、みたいな。だからいつも先生が色々工夫して用意している「練習メニュー」を、生徒達側がどう思っているのかを間接的にでも聞いてみたかったようだ。えー、空手の練習の事を聞いているんだったら違う答えをするんじゃないか?とちょっと思ったけど、練習の内容だけを考えればそんなに違いは内容に思う。練習したければ自分だけで家でしてもよいかどうか。もちろん補足的にはそれはとても必要だと思う。自主練としては。でも、先生・道場という、また仲間と言う「環境」も「メニュー」と同じようにとてもとても大切だ。

だけど、もちろんこれは、レストランなんかの比較には出来ない。人間として空手家として尊敬できる先生のもとで、同じように空手を学びに来ている人とお互い個人として尊敬しあい、仲間として一緒に練習する。先生・生徒同士、お互いから学ぶことがとてつもなく大きい。自分で気がついたと思っていたことなんか、よく考えてみたらほとんど人と言う鏡に映った自分が受けとったことだった、と言うことが結構多い。

ままあ話はそれまくってしまったが、結局先生はどんなにきちんと練習していてもいつも同じことをしているとモチベーションを維持するのが時としては難しくなる、ということが言いたかったらしい。ほら、外食をいつもしていると飽きるのと一緒で…。先生は私たちの答えを聞いて、「空テの練習でひとつだけ挙げるとしたら何が一番苦手か。」と聞いてきた。年齢・個人のタイプが全然違うのでかなり色んな答えが返ってきた。

1.蹴込み・蹴上げ
2・覚えなくちゃいけないことはすべて(←私…先生、眼が点になる)
3.騎馬立ち
4.組手のときにリラックスして自然に動けない。
5.子供用の護身用の(先生考案の)形が良く分らない(←これは、上級者には必要ない…)

と言うわけで昨日は「先生の練習メニュー」では無く、一人ひとりの「一番苦手なこと」と重点にして「個人メニュー」で練習していった。

1.白帯に戻って、一から基本を、でも細かいバリエーションも忘れずにおさらいする。
2.各6挙動くらいある、移動稽古のコンビネーションをなんと数種類一気にやらされる。悪い記憶力が問題ではなかったと判明。
3.騎馬立ちと下段払いだけで基本形をする。私はこれを「太極四段」と命名。
4.ペアを組んで、その場で力を抜いてお互いの手を軽くはたきあう。それが出来たら間合いをちょっと開けて、それから移動しながら、手の位置をチョコチョコ変えながら、などなど。
5.15挙動ある子供用の形を一つ一つ意味を理解しながら覚える。私はいつも子供クラスの補助指導員をしているからこれは得意。

とてもとてもいい練習だった。それが皆と先生の顔に出る。静かな道場で、人数は少なくても充実した練習に、先生と皆に感謝-。 

形演武に必要なこと

2008-01-21 22:45:43 | 空手道場日誌
今日、日本にもうすぐ帰る私と同じ年のTさんと息子さん3人のために、先生に許可を取って道場で記念のDVD作成のためにビデオを撮った。こうして、皆の練習風景をゆっくり見るのもとても勉強になる。たまには自分の練習風景をとってチェックしたい。でもかなり怖い…。そして、練習が終わった後、外に出たら…Tさんが車の前でかなりあわてている。話を聞くと、なんと車の中に鍵をさしたまま、閉めてしまったらしい。で、私はまだ着替え中の警官であるJさんに事情を話して何とかして鍵を開けられないか頼んでみた。それからは…Jさんはなんだなんだと大きくなってしまったギャラリーに見つめられつつ針金で出来ているハンガーで外から中からトライすること20分ほど、結局窓の端から針金を通して内側からロックを引っ掛けて開けることが出来た。開けた後はそれはもう皆で大喝采。私も持っていたデジカメで記念写真だか現場写真だか分らないものをいくつも激写してしまった。彼らが日本に帰るときにとった練習風景のビデオと一緒にDVDに焼いておいてあげよう。ふふ。

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今回の練習は、基本の移動稽古。コンビネーションと自由一本組手をしながら先生は、形に必要な重要なポイントをいくつか強調していた。でも形自体はしない。私が、しつこく形試合出場をあきらめないのをようやく悟って、これは何とかしなくては、と思ったのかもしれない。練習中私の顔をしょっちゅう見ながら要点を話していたから私に理解して欲しいことなのだろう、きっと。特に下の1。

1.技の終わり(極め)だけ力を入れ、次の動作に移るときにリラックスしてまた極めだけめい一杯一瞬だけ力を入れる

これは、日本での空手部にいたときに、C先輩にアドバイスを同じように受けた。でも早く動こうとすると(特に形の後半には)つい力が入ってしまう。

2.腰の回転を意識する

3・形をするとき、回りのペースやどう見られるかなどを気にせずに、形そのものを自分の型として自分の中に取り込んで行う。

これは一番難しいかも。技術云々じゃないし。先生はわたしに一番欠けているものはこれだと言っていた。精神修行が全然足りない。

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分りきったことのように思えることがほとんどだけど、それを実際にひとつの型とという流れの中で自分の中に取り込んで行うのはとても難しい。でも、こういう風に意識しながら練習すると、ただがむしゃらに練習するよりは大分自分の求めているものに近づけるような気がする。

先生のアドバイスに感謝-。