My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

Art Exhibition - 中間報告

2010-05-10 10:46:52 | Art・その他の趣味ついて
中間報告って言っても、絵の展示が始まってからまだ一週間。最初の4日間で一番高い絵を含む5点と、個人的に病院を通して注文された今日納品済みの1点、合計6点が売約済み。これらは、展示が終了した後に、購入者に引き取られる。

ついでに今日、展示場をぶらぶらしてきたが売約済みの絵には、額縁の端に青い丸いシールがはられていた。これは去年までには無かったこと。これは、すでに売れた絵に関しての売れたかどうかという新しい問い合わせに割く時間を省くのに効果がある。Art Galleryではたいてい赤いシールが張られる。

通りゆく人達を少し観察したが、ほとんどの人達は絵も写真も一枚一枚ゆっくり眺めていってくれている。忙しい病院に安らぎの場所を提供…そして、売り上げの20%は病院に有効に使われる。ちゃんとHealth Promotionに一役買っているようで、とても嬉しい。

Art Exhibition @ Challinger Gallery, 2010

2010-05-05 21:41:58 | Art・その他の趣味ついて




Royal Adelaide Hospitalの中の廊下アート・ギャラリー、Challinger Galleryで、私のArt Exhibitionが5月3日から2ヶ月間の予定で開かれている。今回は個展ではなく、光栄にもわが尊敬するDylan Tohの風景写真展とのコラボ。彼の写真はFaceBookでよく見かけてすばらしい写真家だとは思っていたけど、実はこの病院で勤務する内科医だと判明。

嬉しい事に、というか驚いたことに今日までの3日間で私の10枚の絵のうち、3-4枚はすでに売却されたとか。本当に身に余る光栄…。私の絵の師匠、こんなまたとないチャンスを3回も与えてくれた病院のスタッフ達、いつもとてつもない安価で額縁を作ってくれるJさん、いつもインスピレーションのための素敵な写真をメールて送ってきてくれる我が友人R(これも実は医者)、私のつたない絵を購入してくださった人達、そして、何よりいつも私のやりたいことを誇りに思い支えてくれている夫に感謝!

Sky 300 (98-99)

2010-02-09 17:32:18 | Art・その他の趣味ついて
Sky98

W/C on Arches, 300gsm, Rough, 1/4 sheet

Sky99

W/C & Pastel Pencil on Arches, 300gsm, Rough, 1/4 sheet
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今日、道場友達のドイツ人夫婦(息子さんは私を同じ年代の良い道場仲間)のおうちでランチをご馳走になってきた。とても良い人たちでそれにとても面白い…。3時間なんかあっという間にたってしまった。で、今日のSkyは今夜描くことにする。というわけで、いまは昨日描いたSkyをUp。

2枚ともかなりチャレンジ性のある、かつとても描いていて楽しいものとなった。一枚目は例によってとりあえず空を適当に描いてあとは適当にイマジネーションによって景色を入れた。イメージ的には友達が話していた故郷の国。何か面白い効果を期待して塩をまた使ってみたら、とても面白い模様ができた。ああ、どうしよう。面白くてやめられない…。

二枚目はこんな単純な構図なのに、もーとても時間がかかった。というのはずばりカラーコンビネーションの間違い。最初に使ったのはQuinacridone Rose, Cobalt blue, Yellow Light。でも、色がどぎつ過ぎて砂漠も空もまったくバランスが取れなかった。そして、例によって思いっきり全部ぬらして海綿で洗い出しをし、Qunacridone Rose, Quinacridone Gold, Celrean Blueの3色に変えて描いたら、ぐっと目指していた色に近づいてきた。そして、マッ平らな空に物足りなさを感じ、パステル・ペンシルで星を入れてみた。夜明けだかなんだか分からない不思議な絵になった。でもとてもとても良い練習になったことには間違いない。

最近もう、2回に一回は作ってしまうゴミ箱行きの絵を、何とか絵らしくするテクニックが身に付いてきた。

着付け教室最終回

2009-02-24 21:07:25 | Art・その他の趣味ついて
今日は、14回(二時間/回)にわたる着付け教室の最終日。着物の一から学び始めて、普段着(小紋や紬など)・外出着(訪問着・付け下げなど)・振袖の着付を学んだ。本当は後、4回ほど残っているのだけど、先生のご家族が急きょ日本に帰国するため予定が変更した。で、最終日の今日は、先週に続いてマネキンに着付け師として振袖を着せる練習と帯結びを5種類ならう。先生によると基本的な帯結びだけでも10種類以上、色々な帯結びをあわせると振袖には200種類以上あるらしい。楽しそう!

とにかく今日は自分は人に着付けるほうなので着物を着ていかなくても良かったのだけど、最後の挨拶も含めて涼しげな薄紫の紗の小紋の着物を着て気合を入れていってきた。

振袖は基本的に外出着と同じように着せる。でも、補正が半端じゃなく多い。あと、帯結びがかなり豪華。幼いときから手先を使うことの大好きな自分にとっては、手の込んだ帯結びであればあるほどワクワクしてしまう。習ったのは、ふくら雀・変わり花文庫・文庫・縦矢結び、そして、自分でもできる変わり角出し。



〈縦矢結び…背の高い人向け。時代劇なんかの大奥の女中さんは大抵これらしい。あと、文庫は武家の奥様だとか。ちなみに文庫は小柄な人に向いているそうだ。今度気をつけて観てみよう。〉



〈変わり角出し…ヤングミセスの訪問着などにも良い。〉


本当に良い先生に学べて幸運だったと思う。これから頑張って習ったことを忘れないように、先生の言ったとおりに半年間は週に一回は着物を着るようにしよう!

Hans Heysen個展

2009-02-05 21:35:36 | Art・その他の趣味ついて


2週間ほど前、かの有名な近代の画家、SA州のHans Heysen(1877-1968)の個展にMKさんと行って来た。SA州の画家といったらこの人の名前がまずあげられるほどの人。朝っぱらからかなり気温が上がってむわんとする空気のなか、朝一で車を停めたトレンス川沿いからAdelaide大学の構内を通って散歩をしながら待ち合わせのArt Galleryに行く。

この画家は、若いときにドイツから移住してきて、かなり早い時期から画家としての才能を見せ始め、小学生としてパリに留学して数年絵の勉強をした。この人の絵は画集で見たことはあるけど直接、しかもこんなに大掛かりなコレクション見るのはもちろん初めて。彼の絵はそれはもう、個人や企業、各地のアートギャラリーに所蔵されているのでこれだけのものを集めるのは大変だったろう。水彩画のクラスでもよく例に用いられるので、実物を見れるのをとても楽しみにしていた。

この人ははっきり言って、文句なしに上手い。とても正直で繊細な絵。そして何より、絵を描くということ、彼の好んで描いたオーストラリアのガムの木や丘陵に対しての彼の愛を、ただただ強く感じる。それを表現する確かな技術を持っている。描く対象はSA州の田舎の風景がほとんどで、彼のガムの木に対する思い入れは絵を目の前にすればただならぬものだとすぐ分る。彼は画家としてかなり成功していて、ガムの木を保存するために地元のCouncil(役所)にかなりの出資をしたとか。それからFlinders Rangeにも写生旅行に何回か行っている。あの時代に、あそこまで旅行をするのはかなりしんどかっただろう…。この人は油彩・水彩・チャコール・パステル、と使うものはバラエティーに富んでいて、描く対象も風景・肖像・静物と幅広い。展示物の中に留学時代の家計簿なんていう面白いものもあった。これを見てもかなり細かい(几帳面な?)人だということが分る。

一回しか個展に来られなかったのが心残り。もう2-3回くらい生で拝みたかった…。画集をゲットしたのでそれで我慢することにする。



トレンス川から見たAdelaide大学



Adelaide大学の構内



オーストラリア国民記念日だったため、車やら家やら、はたまた人の顔までオーストラリアの国旗がついていた。

Richard Musgrave-Evans個展

2009-01-11 22:01:18 | Art・その他の趣味ついて




ついついUpするのを忘れていた…。去年の師走に日本行きの準備やら何やで忙しいのに、AP師匠に教えてもらった、いまではすっかりお気に入りのDavid Summer Galleryで開かれていた、Richard Musgrave-Evansの個展に行った。

このギャラリー、Adelaideの東部にあるすごいお金持ちばかり住む地域のど真ん中にある。30年以上にも男性3人組が立ち上げたギャラリーで、今ではその人たちはかなりの高齢。その中の一人は、一昨年すでに亡くなっている。今ビジネスをしているのはそのうちの2人で、とても柔和そうな、絵の事をとても嬉しそうに話す人たち。でも、絵はとても好きなのに自分では一切描かないらしい…。へぇー。これだけの絵を見ていれば、「楽しそうだな。ちょっと描いてみようかな。」とか、思わないのだろうか…。でも、商売上、幸か不幸か、かなり良い絵にも出会うらしく、「これは!」と思った絵に出合うと、高くても自分用に買ってしまうらしい。この個展でも、経営者の一人のほうが、夕暮れの川辺だけを描いたとてもシンプルな構図の巨大なとてもお高い(数十万円)油絵を、一目ぼれして買ってしまったとのこと。「素晴らしい絵だろう!?」と、とても満足そうに私に話してくれた。

この画家の描き方はとても特徴があるので、サインなしでも一発で見分けることができるだろう。まず、油絵しか描かないようで、とてつもなく大きい筆とパレットナイフで描くというより塗りつけたような大胆な簡潔なタッチ。色は、ちょっとトーンを落としているオレンジ・ピンク・紫系が多いと思った。この人は、アウトバックの入り口のFlinders Rangeのそばの町に住んでいて、絵は一切実際の場所を前にして描くという現場主義の風景画家。結構な大きさの絵もある。こういう人をPlein-air Artistというらしい。特に朝焼け、夕焼けを好んで描いている。あの、一秒ごとに色がドラマチックに変化する時間帯に、その場で一枚を仕上げるなんて…。でも、細かいことを気にしていられないし、そのとき自分が一番印象に残っているものや描きたいものしか画面にとどめることができないから、逆にそれが見る人に新鮮なイメージのままダイレクトに伝わってくるんじゃないかという気もした。そうそう、やりみずさんの言うところの、「枝葉をばっさり切り落とした」ような感じ?

しかし高い。油絵の中でも結構高いほうだろう。でも、同じサイズや出来映えでも(まあ、絵の出来映え、なんて主観的な秤だけど)、水彩やパステルに比べたら油絵はなんでこんなに高く値段がつけられるのだろう。ともかく、この画家は30代後半でかなり成功しているらしい。最近は子供も生まれたので、Adelaideの市内に引越しするとかしたとか…。また機会があたら、もう一度是非拝みたい絵だった。

嬉しいニュース

2008-10-27 12:41:30 | Art・その他の趣味ついて
昨日、ACSAの水彩画クラスが終わったMKさんを待って、真夏日にふさわしく浴衣姿で前の水彩画の先生-AP師匠に奇襲をかけにいった。

「先生ー!久しぶりー!ずっと会いたかったですーっ!!」とか言って、がばっといきなり熱い抱擁を交した(←結構一方的だったかもしれない)。でも先生も、「僕も君のことどうしているかと思っていたよ。」といって蒸し暑い教室で茹できった赤ら顔で喜んでくれた。そして、いつものようにいくつか早速質問を仕掛ける…。素晴らしい先生は、知識の宝庫-こんな機会を逃せない。

Q:Archesの300gsmの水彩画紙は表裏両方描けるが、裏に別の絵が描いてある絵を額に入れて売っても問題にならないか。実は前に売られた私の絵が最高の出来だったが、裏にためし描きをしてあったといういわく付きのものだったからちょっと気になっていた。
A:全く問題なし。実際にプロの画家達も時々やるそうだ。で、以前にある画家が額縁屋に裏表に描いた絵を持っていって、どっちを表にするかで額縁屋と意見がぶつかったそうな…。おかしー!で、結局、描いた本人がもちろんその勝負に勝ったそうだ。

Q:Phthalo BlueはブランドによってGreen ShadeとRed Shadeに分かれていたりするが、どちらのほうが使い回しがきくか。
A:大体の人が持っているUltramarine Blueにはもともと赤みが入っているため、Green Shdeのほうがお勧めだそうだ。確かに…。こちらのほうがきれいな緑が出せるだろうし。

いつもながら、要点をズバッと言ってくれる。面白い話まで器用に持ち出しながら…。とても頭の切れるエネルギッシュな70歳だ。こんな人にまた教えてもらいたいなー、とか思いながら何気に今のアートクラスは良いのだけど少し物足りない、誰か良い先生を知らないか、と遠まわし(?)に聞いて見たら、なんと彼自身のプライベートのクラスに空きがあったら入れてくれる気になってくれたらしい!!とても光栄なこと!!MKさんの前ですっかり興奮しきってしまった。でもかなり人気があるらしく、入れるかどうかは確定ではないが、クラスの人数をチェックしてくれるらしい。クラスの場所がちょっと遠いけど、AP師匠に学べるのなら全く気にはならない。始まるとしたら来年から。とてもとても楽しみ。それまでできるだけ練習しておこう。

今行っているクラスは、悪くはないけど、絵をシリアスに学ぶにはちょっと物足りない。でもまだ8週間あるから、来年の個展のために出せるような絵を最低2つは仕上げたい。

祝!アーティスト・デビュー!!

2008-08-14 23:38:06 | Art・その他の趣味ついて
今日、Royal Adelaide HospitalのGallery担当の人から、私の絵のひとつが売却されたとのニュースが入った。売れたのは、自分でも気にっていた金魚の絵。個展開始直前まで苦労してデザインし、色んな技法を試したりしての難産の末の作。赤い金魚が二匹、水草の合間を泳いでいる。水彩画コースでAPに教えてもらったテクニックと自分で勉強したデザイン法の結晶…。赤い金魚が映えるようにマットは青を選び、額縁はシンプルな黒に決めた。この小ぶりな水彩画の値段は100ドル。このうちの20%は病院の利益になる。今まで何回か「お金を払うから自分にも絵を描いて欲しい。」とか、すでに描いた絵を「ゆずって欲しい。」と大変にもったいない事を言われたことがある。いままでは、「人様に売れるような代物ではないので。」と断ったり、そのまま相手や事情によってはプレゼントと言う形であげたりはしたが、正式に「売却」という形になったのは初めて。誰かがこの絵を大切にしてくれると思うととても嬉しい。あとは、外科病棟にどれか寄付を、という話もあるので、残った絵の中でその病棟の雰囲気を見てから選んで寄付をしようと思う。あの味気ない硬質な病院の雰囲気の中で少しでもほっとできるような空気を作れたら…。そして、Nepalへ病院からの援助としてFundraisingをする話が今あがっている。そのオークションに作品を1点提供してくれないか、と打診があったりしている。

今、以前ホスピスでボランティアとして活動していたArt Therapyをもう少しちゃんと勉強しようと思っている。これはPhDとともに自分が一生を終える前に是非やりたかったもののひとつ。とても楽しみ…。

自分の絵におけるスタイルの傾向

2008-06-10 00:37:08 | Art・その他の趣味ついて
我が水彩画の師匠、APと生徒のいつもの会話。

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APがいつものように楽しそうに生徒達の前で混色やレイヤーのデモンストレーションをしていた時…

AP:「ほーら、こうしてパレットの上で『えい!えい!これでもか!!』というように色を完全に混ぜこぜにしてしまうと、絵具が紙の上で混ざり合う余地をなくしてしまうんだよ。ほら、真平らなつまらない色一色だけになってしまうでしょ?」

生徒達:「うーん、なるほど。いつもやっていたアレがいけなかったんだね。」

AP:「絵具を扱うときはそれはもう、こーんな感じでやさーしくジェントルに扱って、水をたっぷり使うと…ほら、こんな感じにリッチでゴージャス(注:美しい、華やか、と言う意味)なカラーが生まれるだろう?ふふふ。リッチでゴージャス、まるで僕の知っているある女性のよう…。」

ある品の良い年配女性生徒:「あら、奥さんのことかしらっ!」

AP:「僕のワイフはそれはもうゴージャスだけど、リッチじゃないね。彼女も僕と一緒でアーティストだし。」

じゃあ、誰のことだっつーの!

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各色の特性を説明しているとき。

AP:「水彩絵具にも色々あってね。コバルトブルーとかアリザリンクリムソンとかは透明色で水で溶いてレイヤーを他の色の上に重ねるとまるで色の付いたセロファン紙を重ねたみたいに下の色が透けて見えるんだよ。そうそう、シースルーのネグリジェみたいにね。それに対し、セルリアンブルーとかカドミニウム系の絵具は不透明で、下の色をかなり隠してしまうんだ。まるで、フランネルのネグリジェみたいにね。」

生徒達はみなで受ける。

私:「とても分りやすい例えだね。」

ある中年の男性生徒:「家に帰ったら、ネグリジェの事しか覚えてなかったりしてね。」

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こんなふざけたことを数秒おきに言っている先生も、かなりいいことも沢山言う。水彩画をこの先生に習い始めて3ヶ月位したときに、私はクラスの人たちに、「あら、上手く出来たわね。もう私全然上手くいかなくて…。」とかコメントされるたびに、なんか引っかかりを感じるようになった。自分では技術的に上手くいっているとしても全く満足がいかない。彼らの絵を見て私はその度に、「でも、あなたの絵もとてもあなたらしい色や雰囲気が出ていていいと思うよ。」と本当に感じたままを伝えてきた。そして、毎回繰り返される会話の中で、技術的にある程度器用に描けても、これが私だ!みたいな自分らしさが皆のように絵に出ていないからだ、と分った。まあ、自分の独自のスタイルがないことのあせりみたいな。

あるとき先生が、大体の画家は彩度をある程度落として光を明暗(Tonal)で描き分けていて、彩度の高い色ばかり使っているカラフルな色彩感覚の画家はあまりいないと、言っていた。いても、抽象画家とかが多いとか。そして、こういう美的感覚というものはまねできるものではなくて元から備わっているもの。先生は、私が自分の絵のスタイルについて考えているのを鋭く察知して、「画集を何でもいいからぺらぺら何も考えないでめくってごらん。そして、自分が直感的に好きだと思った絵をマークしておくんだ。そのときになぜこの絵が好きかを考えないこと。そうして、後でマークした絵だけを見直すと大抵はある傾向がはっきりと出て来るんだよ。」とアドバイスをしてくれた。オーストラリアの大物水彩画家がそろっているThe Australian Watercolor Instituteという団体の画集を早速ペラペラまくってマークをしてみた。結果は…かなりごった混ぜ。それでもあえて傾向を探してみると…

・静物画にはほとんど眼がいかず風景画ばっかり。あと、人物が入っていないものがほとんど。町の風景もそう。
・静かな中にもダイナミックさ、強さがあるもの。
・抽象・具象のチャンポン。面白いデザインものも、いくつかあった。
・Tonalな絵でも、あるポイントだけインパクトのある強い色が入っているもの。例えば、大部分が青みがかったグレーの絵にヴェネチアンレッドがガッと差してあったりするとピピッと反応してしまう様だ。かなりカラフルな絵もいくつかあった。
・コントラストが色調・明暗ともに強いもの。光と影を、暖色・寒色または明・暗ではっきり表現しているもの。
・レイヤーがいくつか重なっていても、透明感のあるもの。
・緻密な絵をみても、あまり反応しないようだ。大胆な筆使いと、ルーズな感じで絵具が紙の上で混ざり合うその偶然性、そしてWet-in-wetや絵具の粒子化、レイヤーの効果などの技術的に高いレベルが要求されるもの、右脳・左脳両方ともばっちり高いレベルで要求されそうな絵がすきなようだ。

とかなり面白い結果になった。つまり、自分にないものを求めているみたいな。先生、いいことを教えてくれて有難う。今度描く時に意識的に自分が何をどうやって表現したいのかを少し考えながら出来そう。でも、出てきた課題の大きさのほうが問題かも-。

水彩画コース・ノート(8)

2008-04-14 20:58:04 | Art・その他の趣味ついて


今日で水彩画コースは最終回。とても残念…。「こんなに楽しい、色んなことを学べたコースは無かったわー。」とか、「こんなににぎやかなクラスはわたし初めて。」とか、皆色んな感想を言っている。

私はいつもどおりに一足遅く皆より遅くに来て、先生が始めに毎回のテーマを説明している最中にガサゴソ絵具の準備をして、モグモグおにぎりとか食べる。今日は最終回だし、何かつまむものを皆に、とおもって大きなおにぎりをにぎっていた。先生は、ベジタリアンのうえに数え切れないほどの食べ物に対してアレルギーを持っている。小麦粉とかピーナッツとか…。ご飯は食べれるらしい。前回はいなり寿司を持っていった。「これは、とてもシンプルなスナックで、日本版のオージーが食べるべジマイトをはさんだサンドイッチみたいなもんですー。」とかいって差し出した何も入れない塩だけふってのりを巻いたおにぎりは、先生にも皆にも受けていた。

今回のテーマは、「遠近」を意識して風景を描くこと。いつものように先生のデモンストレーションのあと、写真も何も見ないで森の中の木を想像して自分の見ている視点と太陽の位置を決めて、光と影を想像してプランを練る。…はずだったけど、いつものように先生と色んな絵の話をしてしゃべりながら描いていたら、そんなことなどすっかり忘れ、適当に何も考えないで下塗りをしてしまった。いくつかレイヤーを重ねて作り上げていく水彩画はプランがとても重要だ、と先生に念を押されたばかりなのに。「げー!すっかり太陽の位置決めるの忘れてたー!」と騒いでいたら先生は、「大丈夫だよ、あわてないで。」とかの何のフォローもなしに、「はっはっはっ!」とか笑っている。気を取り直して、前景の主な木の2本はテープでマスキングして、いつもどおりにウルトラマリンブルー、マダーレーキ、アゾーイエローライトの3色で下塗り。下塗りした後に、「あーそうそう、一番のメインになる木は、紙の端っこに持ってきたりしないようにね。」とか言っていたので、ふと私の絵を見るとまさにそのとおりになっている。「それはこういう間違いのことですかー?」と自分の絵を指して聞くと、「そういうことだねー。」とか言うし。面白い人だ、全く。そして、いくつかのポイントを意識しながら3つのレイヤーで光と陰を調整して“幻覚”を作り出していく。

・前景:色調は強く、ディテールは大まかだったり細かかったりとさまざま。
・背景:色調は落ちてきて、ディテールは失われていく。
・前景と背景の中間:色調ディテールは前景と背景の中間。だから、背景や前景のどちら一方から描いていくのではなく、お互いの関係を見ながらバランスよく描いていく。

先生は帰りがけに、私の道具箱の中にあった、このコースが終わったら入ろうかなーと考えていた近所のアート・グループの冊子をみて、「このコースは毎回違うことをやるから、よかったら次に始まるコースにも来るといいよ。」と誘ってくれた。そして、先生のデモンストレーションの絵が一杯入っているバッグに頭を突っ込んでこれが最後とばかりになめるように眺めていた。よい絵を見るのはとても参考になる。その中で気に入った水彩とオイルパステルの海岸の絵を引っ張り出して、「先生、この絵、私の誕生日プレゼントにくれる?」とお願いしたら、「いいよ。持って行っていいよ。」とお許しがでた。有難う!!

~空手の指導員の養成コースが終わったら是非是非戻ってこよう。