今回は、主題と背景の関係について。細かいことはあまり説明せず、ある画家をレイにとって、どういうように主題をハイライトしているかを見ていった。
例えば人物画で背景が空と草原。よく見ると晴れた青く見える空が現実離れしているくらいくすんでいる。でも太陽が当たっている人物(彩度の高い色)を置いてバランスをとっている。そうしたらなんと、空がきれいな澄んでいる青空に見える。眼の錯覚ってやつ?主題に彩度の高い色、バックに中間色を持ってくることによって遠近・明暗をつけている。同じように、もうひとつの絵は、2人の黒人が釣りをしているところで、後ろの人はほとんどバーント・シエンナで、前の人はそれプラス光のあたっているところにバーント・アンバー。明暗を単純に色を薄くするのではなく、同じ系統の絵具でも明度の高低で調節している。すごい…。
今まで散々色んなものを書いてきてけど、きれいに見えても、なんだかいつも平坦な動きの無い画になってしまう。見たままの形・色を紙に写そうとしているからだと思う。まず、「眼で見て」「頭で考える」のではなく、「眼で見て」「心でイメージ感じる」ことが必要だ。その右脳が掴んだイメージを、左脳の助けで表現する。しばらくはイメージトレーニングに忙しそうだ。何ごとにもバランスが大切ってことか。空手の形も一緒…。
と言うわけで、「先週描いたリンゴの周りに、何でもいいから他の果物と葉っぱを薄い色彩で描いてみてくださーい。そして、その背景をこういう風に塗ってみて。」とあまり細かい説明なしに、先生は見せてくれる。背景を塗りながら、「灘絵具がぬれているうちにこういう風に乾いた筆で部分的に絵具を葉の形に取り除くと…ほら、細かいことは描かなくても奥の奥になんとなく葉が重なっているように見えるでしょ?」と、どさくさにまぎれて教えてくれたりする。先生が数分でやってのけたことでも、実際やるとなるととても難しい。クラスメートがあちらこちらでため息をついているのが作業をしていると聞こえてくる。
そして、背景を決めると、なるほど、前景にある果物や葉の調節が必要になって来るのが分る。バランス、バランス。でも、一回濃い色を塗ってしまったものは後でやり直しが効かないので、最初は慎重に薄い色を置いて、後で周りの色との関係で重ねていけばいい。ほんと、水彩画のテクニックだけではなくて、画の基本がなっていなかったのをとことん思い知らされる。この画のつづきはたぶん、来週にやらされるだろう。
ことろで、先生に誰かからもらったと言う、中国産のリス毛の筆(モップ形)を貸してもらって試してみた。水の含みがナイロン製とはまったく違う。そしてとても柔らかい。背景の左側を書いたのがそれ。右側はナイロンの一番安い筆で書いたもの。本当にこうも出来が違うものかと思う。紙も、絵具も(ウルトラマリンブルー・アーゾイエローライト・マダーレーキディープの青・黄・赤)描いた本人も一緒。左側はむらがひどく絵具の流れが滞っているまま乾いている。とても気に入ったので、先生はどこでその筆を買えるのか調べてくれるそうだ。そんな話をしているときに先生は私に「HAKEってどういう風に読むの?」と、こそっと聞いてきた。「日本語ではハキ(大抵こちらではこう発音している)ではなく、ハケと発音しまーす。」と教えてあげた。とてもお茶目な人。
さてさて、来週までにグレーとグリーンの混色と、イメージトレーニング。
メモ:
・使いっぱなしで彫っておいて固まったパレット上の絵具を再び柔らかくするのに、小瓶に少量のグリセリンを混ぜた水でスプレーすると乾きにくくなって作業しやすい。グリセリンは薬局なんかで安く売っているとのこと。
・レイヤーを重ねるとき、透明水彩色でも上に重ねた色が強く出る。これは、ウェット・イン・ウェットでも同じ。
・混色のテストをするときは紙によって色のでかたが違うため、本番用の紙で試すこと。そのときは水もパレットも筆も完全にきれいなものを使って混ぜること。ちょっとでもどこかに他の色が混ざっていたりすると、大きく結果が左右する。私の混色のテストで色が下の写真みたいににごっているのは上の2つのせいだろう、と先生は言っていた。
〈茶系とブル系との混色で作る中間色のテスト…かなりあちらこちらで使えそう〉
例えば人物画で背景が空と草原。よく見ると晴れた青く見える空が現実離れしているくらいくすんでいる。でも太陽が当たっている人物(彩度の高い色)を置いてバランスをとっている。そうしたらなんと、空がきれいな澄んでいる青空に見える。眼の錯覚ってやつ?主題に彩度の高い色、バックに中間色を持ってくることによって遠近・明暗をつけている。同じように、もうひとつの絵は、2人の黒人が釣りをしているところで、後ろの人はほとんどバーント・シエンナで、前の人はそれプラス光のあたっているところにバーント・アンバー。明暗を単純に色を薄くするのではなく、同じ系統の絵具でも明度の高低で調節している。すごい…。
今まで散々色んなものを書いてきてけど、きれいに見えても、なんだかいつも平坦な動きの無い画になってしまう。見たままの形・色を紙に写そうとしているからだと思う。まず、「眼で見て」「頭で考える」のではなく、「眼で見て」「心でイメージ感じる」ことが必要だ。その右脳が掴んだイメージを、左脳の助けで表現する。しばらくはイメージトレーニングに忙しそうだ。何ごとにもバランスが大切ってことか。空手の形も一緒…。
と言うわけで、「先週描いたリンゴの周りに、何でもいいから他の果物と葉っぱを薄い色彩で描いてみてくださーい。そして、その背景をこういう風に塗ってみて。」とあまり細かい説明なしに、先生は見せてくれる。背景を塗りながら、「灘絵具がぬれているうちにこういう風に乾いた筆で部分的に絵具を葉の形に取り除くと…ほら、細かいことは描かなくても奥の奥になんとなく葉が重なっているように見えるでしょ?」と、どさくさにまぎれて教えてくれたりする。先生が数分でやってのけたことでも、実際やるとなるととても難しい。クラスメートがあちらこちらでため息をついているのが作業をしていると聞こえてくる。
そして、背景を決めると、なるほど、前景にある果物や葉の調節が必要になって来るのが分る。バランス、バランス。でも、一回濃い色を塗ってしまったものは後でやり直しが効かないので、最初は慎重に薄い色を置いて、後で周りの色との関係で重ねていけばいい。ほんと、水彩画のテクニックだけではなくて、画の基本がなっていなかったのをとことん思い知らされる。この画のつづきはたぶん、来週にやらされるだろう。
ことろで、先生に誰かからもらったと言う、中国産のリス毛の筆(モップ形)を貸してもらって試してみた。水の含みがナイロン製とはまったく違う。そしてとても柔らかい。背景の左側を書いたのがそれ。右側はナイロンの一番安い筆で書いたもの。本当にこうも出来が違うものかと思う。紙も、絵具も(ウルトラマリンブルー・アーゾイエローライト・マダーレーキディープの青・黄・赤)描いた本人も一緒。左側はむらがひどく絵具の流れが滞っているまま乾いている。とても気に入ったので、先生はどこでその筆を買えるのか調べてくれるそうだ。そんな話をしているときに先生は私に「HAKEってどういう風に読むの?」と、こそっと聞いてきた。「日本語ではハキ(大抵こちらではこう発音している)ではなく、ハケと発音しまーす。」と教えてあげた。とてもお茶目な人。
さてさて、来週までにグレーとグリーンの混色と、イメージトレーニング。
メモ:
・使いっぱなしで彫っておいて固まったパレット上の絵具を再び柔らかくするのに、小瓶に少量のグリセリンを混ぜた水でスプレーすると乾きにくくなって作業しやすい。グリセリンは薬局なんかで安く売っているとのこと。
・レイヤーを重ねるとき、透明水彩色でも上に重ねた色が強く出る。これは、ウェット・イン・ウェットでも同じ。
・混色のテストをするときは紙によって色のでかたが違うため、本番用の紙で試すこと。そのときは水もパレットも筆も完全にきれいなものを使って混ぜること。ちょっとでもどこかに他の色が混ざっていたりすると、大きく結果が左右する。私の混色のテストで色が下の写真みたいににごっているのは上の2つのせいだろう、と先生は言っていた。
〈茶系とブル系との混色で作る中間色のテスト…かなりあちらこちらで使えそう〉