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ロンドンから徒然に

ニュートンの彫刻

2008-11-16 | アート
 以前パソコンがクラッシュしてパニックになったのですが、改めていかに自分の生活がパソコンに依存しているかを思い知りました。特に海外に住んでいると、日本とのやりとりもメールに頼ることが多いし、様々な情報検索もインターネットを通じてやることが多くなります。
 かくして、用事が特になくてもパソコンは点けたままで、何気なくインターネットのサイトを渡り歩いたりして、余計な時間を取ってしまったことを後悔してしまいます。

 そんな時にこんなニュースを見てドキッとしました。
 ギャンブル依存症やアルコール依存症というのはよく聞きますが、それと同じようにインターネット依存症というのが、中国では一種の病気として認められることになるというのです。

 専門家の話によると、18歳以下のインターネット利用者のうち10%はインターネット中毒にかかっているということです。またある会社の調査によると、調査対象となった若者のうち42%が自分が中毒になっていると感じると答えています(ちなみにアメリカでは同様の調査で18%という数字が出ています)
 中国に行くと、それこそ日本のひと昔前のように“科学万能主義”を感じる時があります。その時代にたまたまインターネットという画期的な発明に遭遇しているわけですから、無理もないのかもしれません。



 以前触れた(10月31日のブログ)大英図書館の庭に目立つ彫刻があります。ちょっとややこしいのですが、(詩人であり画家でもある)ウィリアム・ブレイクが描いた(物理学者であり、数学者でもある)アイザック・ニュートンの絵をモチーフにして、(彫刻家であり、画家でもある)エドゥアルド・パオロッツィが制作した彫刻なのです。

 ニュートンはもちろん万有引力の法則で有名なのですが、ある意味で科学万能の象徴的人物として捉えられ、19世紀のロマン主義の立場の人達からは、“文学の詩情の破壊者”として非難の対象になります。ブレイクの絵も、“コンパスで物質世界を解明しようとしている”という皮肉を込めて描かれていると言われています。

 知を収めた図書館の前に、このニュートンの彫刻をわざわざ置いた意図はさて...?