昨今の政治家達の一連の発言からも分かるように、まだまだ女性に対する差別というものは存在するんですね。一応民主主義国家である日本の今でさえそんな状況ですから、数十年も前の、しかも体制の違う国での状況はどんなものだったんだろうと考えてしまいます。
なおかつそれがまだまだ女性の進出が一般的ではない分野だったとしたら……
Saloua Raouda Choucair はレバノン最初の抽象画家と言われています。1916年というと、フランスの占領が始まるすぐ前に生まれたということですね。
テート・モダンで先月始まった彼女の展覧会は、美術館レベルでは世界で初めて行われるものだということです。
実は全然どんなアーティストかも知らずに好奇心から見に行ったのですが、予想していたよりも洗練されたイメージで、それでもやはりどこかやや強い光が感じられるような(これ勝手に僕が思うベイルートからの先入観なのかも)絵画でした。
と言っても、作品は多岐な分野に渡り、絵画の他にフィーチャーされていたのは50年代から80年代にかけての彫刻達。素材は様々でガラスや木、石、etc.
でもまぁいずれも“抽象”なのですが、その中で例外はポスターにもなっている自画像(左の写真)。意思の強そうな表情が“具象”されていますね。
ところで同時に他のフロアーでも同じく女性アーティストの展覧会が行われていて、それが右の写真のポスター Ellen GallagherのAxME。こちらはアフリカ系アメリカ人。1965年生まれですが、彼女の世代でさえそうなのか、作品の根底にはある種の黒人差別へのプロテスタントが感じられます。
こちらの展覧会は全部で11(だったかな?)の部屋を使う、巨匠顔負けの規模で、作品自体も巨大なスケールのものが展示され、見応えがありました。
作品群はこれまた多岐に渡り、絵画、プリント、コラージュ、レリーフ、彫刻に加えてビデオまで。どこか不安を覚えてしまう影を残しているかと思うと、ユーモアの断片が見られて思わず笑ってしまったり、また強い志みたいなものにたじろいだり……すごく才能のあるアーティストだと改めて感心しました。
それにしても、この2本の展覧会が両方とも女性アーティストというのが、このタイミングで考えると何だか印象的。もしかして世の中の男性の女性差別発言は、心の奥でどこか女性のパワーをおそれているところから来るんじゃないかと思わず勘ぐってしまいました。
なおかつそれがまだまだ女性の進出が一般的ではない分野だったとしたら……
Saloua Raouda Choucair はレバノン最初の抽象画家と言われています。1916年というと、フランスの占領が始まるすぐ前に生まれたということですね。
テート・モダンで先月始まった彼女の展覧会は、美術館レベルでは世界で初めて行われるものだということです。
実は全然どんなアーティストかも知らずに好奇心から見に行ったのですが、予想していたよりも洗練されたイメージで、それでもやはりどこかやや強い光が感じられるような(これ勝手に僕が思うベイルートからの先入観なのかも)絵画でした。
と言っても、作品は多岐な分野に渡り、絵画の他にフィーチャーされていたのは50年代から80年代にかけての彫刻達。素材は様々でガラスや木、石、etc.
でもまぁいずれも“抽象”なのですが、その中で例外はポスターにもなっている自画像(左の写真)。意思の強そうな表情が“具象”されていますね。
ところで同時に他のフロアーでも同じく女性アーティストの展覧会が行われていて、それが右の写真のポスター Ellen GallagherのAxME。こちらはアフリカ系アメリカ人。1965年生まれですが、彼女の世代でさえそうなのか、作品の根底にはある種の黒人差別へのプロテスタントが感じられます。
こちらの展覧会は全部で11(だったかな?)の部屋を使う、巨匠顔負けの規模で、作品自体も巨大なスケールのものが展示され、見応えがありました。
作品群はこれまた多岐に渡り、絵画、プリント、コラージュ、レリーフ、彫刻に加えてビデオまで。どこか不安を覚えてしまう影を残しているかと思うと、ユーモアの断片が見られて思わず笑ってしまったり、また強い志みたいなものにたじろいだり……すごく才能のあるアーティストだと改めて感心しました。
それにしても、この2本の展覧会が両方とも女性アーティストというのが、このタイミングで考えると何だか印象的。もしかして世の中の男性の女性差別発言は、心の奥でどこか女性のパワーをおそれているところから来るんじゃないかと思わず勘ぐってしまいました。