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ロンドンから徒然に

ジェラール・ドパルデューのワイン

2008-11-12 | 映画・演劇
 そんなに強いわけでもないのに、昨日に続いてお酒の話です。
 こちらの物価は何もかも高いと思っていたのですが、よく注意するとワインは日本より安いです。EU圏内ですから、関税の違いもあるでしょうし、輸送費などのコストも安く済むからかもしれません。レストランで注文しても、日本のようにバカ高いということはないような気がします。

 ビールあるいはウイスキーのイメージが強いイギリスでも、実はけっこうワインが人気で手頃なものがたくさん揃っているので、こちらに来てからはよほどのことがない限り高いワインを買うことがなくなりました。
 普段は赤ワインを買うことが多いのですが、先日値段の割に美味しい白ワインを半額にするというので見てみました。すると何とこれがフランスの大俳優ジェラール・ドパルデューGérard Depardieuの所有するシャトーが製造・販売する“Château de Tigné”でした。



 実はこのワイン、フランスの北西部ロワール渓谷部のアンジューAnjou(これは旧地方名です)というところで作られているのですが、使われているブドウがシュナン・ブランChenin Blancという、あまりイギリス人には馴染みのない品種なので知名度が低く、お店で売れ残ったらしいのです。普段でも10ポンドくらいとあまり高くはないワインが5ポンドなので、2本買って帰りました。

 さっそく試してみましたが、5ポンドなら(いや、10ポンドでも)大満足でしたよ。アンジューから想像できる通りの、あまり辛口過ぎず、かといって甘すぎず料理にも合う味で、シュナン種のよく熟れた感じのアロマが鼻に心地よかったです。

 ジェラール・ドパルデューは食通で知られていて、夫婦でレストランを経営しているほどですが、ワイン造りへの情熱も並々ならぬものがあって、フランスだけでなくアメリカ、東欧、アフリカの国々でもワイン畑を買っているらしいです。
 あれだけたくさんの映画に出演しながら(しかも全てで素晴らしい演技を見せる!)いったいどこにそんな情熱の源があるのでしょう。

 そう言えばいつだったか出張時に飛行機の中で『Last Holiday』というアメリカ映画を見たのですが、その中で彼は(脇役ですが)シェフを演じていました。いつもよりさらに生き生きしているように見えたのは気のせいでしょうか。