HOBNOBlog

ロンドンから徒然に

鍵が開かない!

2007-10-31 | 音楽
 旅行に行く前に念のため各部屋に鍵をかけていきました。帰って開けようとしたら、なんとギターや音楽機材を置いてある部屋だけ開かないのです。業者に連絡したのですがうまくいかず日を改めてトライすることになりました。

 ということで、ちょっと焦っています。というのも、HOBNOBのライヴは終わったものの、11月下旬にある劇団のお芝居の音楽を頼まれているのに、まだ曲さえできていないのです。肝心の脚本もその部屋の中に置いたままです。
 先月脚本を渡されて、シリアスな内容だけれども全体に演出は明るくするので、曲も軽くして欲しいとの希望だったのですが、何しろ今回の海外赴任のための準備におおわらわで、ビザを待った時期なんて特に“明るい”気分になれずに、曲作りのモードに自分を持ち込めなかったのです。

 プロの作曲家って、こんな時でもきちんと感情をコントロールできるのだろうから感心します。いや、感情のコントロールさえ必要ないんだろうな。
 僕は西川から曲が持ち込まれた時でも、その時の気分次第で一晩で何曲も作ることもあれば、一ヶ月くらい気持ちが乗ってくるのを待つこともあります。
 でも、そんなアマチュアペースで、既に100曲越すくらいふたりで共作してきたのだから(捨ててしまったものもあるけれど)、それはそれですごいことかも。

 またイギリスと日本に分かれてしまうけれど、この間にたくさん曲が生まれてくるような気がします。

帰国しました

2007-10-30 | 旅・イベント
 ロンドンから帰国しました。5泊7日でしたが、この間に住居を決定して契約まで済まさなければならない慌しさと緊張感で、何だかアッと言う間に過ぎてしまいました。
 結局契約の全ての項目まで合意に至る話し合いの時間がなかったので、大筋OKで残りはメールと電話でのやり取りにしました。
 契約書には一応基本的な条項が書かれてはいるのですが、基本的なだけに、その住居に特別なケースの文言がなかったり、逆に余計なことが書かれてあったり、また互いの習慣が異なるために何とか変更できないかな、なんて条文もあるのです。

 前回の時もイヤだったのが、契約が切れて明け渡すとなった時に、2ヶ月前から次の借主候補を連れてあちこちの不動産屋が次々と乗り込んで来ることなんです。
 一応建前としては、○○時間より前に電話をして都合の良い時間を決めた上で訪ねて来るということなのですが、これが時々守られなくて、電話をしたけれど繋がらなかったとか、緊急の顧客だったなどと言って、こちらの留守中に鍵を空けて入って来たりするので、ちょっと良い気分がしないのです。実際今回僕が訪ねた住居の下見のうち1件がアポなしで行われて(もちろんこちらはそうとは知らなかったのですが)、居住していたのが日本人だったので気まずい雰囲気になってしまいました。
 アポなしの問題だけじゃなくて、日本人はどうしても土足で暮らす習慣がないので、家の中では靴を脱いでスリッパで過ごす人が多いと思うのですが、こういう場合当然そのまま入ってくるので、やっぱり日本人の基準としては汚くてイヤなんですよね。
 
 さて、住居が決まっても実際に住むためには当然ガス・電気・水道等の契約をしなければならないのですが、民営化の行き届いたイギリスのこと、ガス及び電気(両方を扱うことが多い)の会社だけで10社以上もリストがあり、それぞれに割引体系等が異なっています。これを全部読んでどれか1社に決めて電話をしなければならないのです。日本だったら電気もガスも一応地域によって契約先は決まっているので、こんな苦労はないんですけどね。

 帰国したばかりですが、来月半ばには再渡英してそのまま長くいます。これから引越しの準備を始め、また慌しくなりますが、このブログはずっと続けていきますので、よろしくお願いします。

フォリー・ベルジェールのバー

2007-10-29 | アート
 もしあなたが美術好きで、短期間ロンドンに立ち寄るとします。きっとナショナル・ギャラリーやテート・ギャラリーは訪れるでしょう。絵画に限らないならば大英博物館も見逃せません。でも、印象派・後期印象派がお好きならば是非立ち寄ってほしい美術館があります。
 観光客でごった返すコベントガーデンを少し南に下るテームズ川の畔にそれはあります。絹織物業で財を成した実業家サミュエル・コートールドのコレクションを中心にしたコートールド美術館です。

 ルノワールの『桟敷席』、モネの『アルジャントゥーユのセーヌ川・秋』、ゴッホの『耳に包帯をした自画像』、ゴーギャンの『テ・レリオア』など有名な作品が並びますが、何と言っても、この美術館の顔としていつも表に出されるのがマネの『フォリー・ベルジェールのバー』です。

 フォリー・ベルジェールは1869年開店のパリで一番古いカフェ・コンセールです。ミュージック・ホールと言えばイメージし易いでしょうか。この絵の描かれた1882年当時はパリの社交界の人々の娯楽場として人気があり、娼婦達がロビーや通路で公然と客を取っていたという、そんな雰囲気のところでした。
 この絵は後ろに鏡が描かれているのですが、そこに映り込んだ賑やかな場内の様子がまるで別の世界に感じられるように、正面を向く女性バーテンダーの表情はどこか虚ろな表情です。でもこの絵の前に立つと、こちらを向く彼女とその場で相対しているような気分になって、いつも引き込まれてしまいます。

 絵の話から離れてしまいますが、若かった頃パリで3週間ほど続けて仕事をしたことがあります。一段落着いた時、仕事相手のフランス人から、今日はおとなの社交場に連れていってあげるからネクタイをしておいで、と言われて一緒に訪れたのがフォリー・ベルジェールでした。舞台では奇麗な踊り子さん達がヌードで踊ります。と言っても奇麗過ぎて本当にいやらしさは全然感じることがなく、事実そのフランス人も奥様同伴でした。なるほどこれが大人の遊びかと、その時は変に納得したものでした(笑)

 HOBNOBのオリジナル曲に『フォリー・ベルジェールのバーで』という、たまにライヴでも演奏している曲があります。僕はこの、初めてその場を訪れた時の印象を頭に描いて曲を付けたのですが、その後はだんだんマネの絵のイメージが頭から離れなくなっています。今からならパート2が出来そうな気もしています。そのうち!

イギリス人のユーモア

2007-10-28 | 旅・イベント
 やっとロンドンでの住居が決まりそうです。まだ詳細の詰めが出来ていなくて現在大家と交渉中なのですが、大筋で合意はしました。
 どうせ海外に住むなら日本人がたくさんいる地域は避け、できれば日本でいうマンション・タイプ(パーパス・ビルト・フラットと言います)でなく、古い建物を改造したコンバージョンと言われる住居に身を置きたかったのですが、何とか叶いそうです。但し、当初頭に描いたような便利な場所は信じられないくらい高くて、予算の範囲に留めようとすると妥協する点がたくさん出て来ますが、まぁ許せる範囲と思うことにしました。

 今日は土曜日なのですが、お願いした不動産屋は土・日も休まずにやっているという熱心なところで、そのせいかこの業界の中で30%以上のシェアを誇るまでに成長しています。これについての話は非常に面白いところがあり、またいつか書きたいと思っています。
 で、その不動産屋と10時のアポイントだったのですが、乗ろうとした○○線が整備のため土・日の運転を休止していたのです。知らずに集まった乗客がたくさん押し寄せ、ちょっと苛立った雰囲気になりかけました。そこにアナウンス。「○○線は本日休止のため、××線に乗り換えるか、さもなくばそのまま月曜日までお待ち下さい」
 この後半の言葉に皆ドッとわいて、雰囲気が和やかなものに変わりました。公共の放送でこんな冗談を言うあたりさすがにイギリス人!

 昔、まだインターネットが一般に普及していない頃、これについての説明を聞きにロンドンの某大学を訪ねて、そこの教授とマンツーマンで話したことがあります。
 真面目そのものの教授が時々面白いことをポツリと言うのですが、何しろこちらは英語力にそこまで自信がなく、教授も表情ひとつ変えないシリアスな顔のままなので、笑っていいものかどうか迷った経験があります。

 未だにエイプリル・フールには大新聞が一面でとてつもない大嘘を書いたり、王室の演説でも必ず何箇所かユーモアを交えた語りを入れたり、イギリス人の身に染みついたこのセンスは一朝一夕では日本人にマネができないものなのでしょう。

さて、3日目

2007-10-27 | 旅・イベント
 ここ数日ずっとロンドンでの家探しのことを書いています。何か他のネタにしようかと思うのですが、何しろこの限られた期間の中で契約まで済ませて帰らなければならないので、朝から晩までずっとそのことが頭から離れない状況です。
 ただ、今日は少し手応えがあったので、明日には進展が見られるかもしれません。

 昼間はまともに食事もできないまま動き回っていますので、夕方食事を取るとホッとして身体の疲れを思い知ります。思考力も眠ってしまうみたいで、あまりまともにこのブログにも取り組めないままです。
 では、お休みなさい。

家探し2日目

2007-10-26 | 旅・イベント
 今朝の予報では曇りで乾燥した天気だったはずのロンドンですが、実際には霧雨の続く寒い一日となりました。
 そんな中部屋探しが続いています。どれも一発で決めるには何かしら欠点のあるところばかりで決断するのが難しいです。
 良い場所だと当然ながら値段が高い。間取りは良いけど全体に狭い。広さは申し分ないけれど駅から遠い。他は申し分ないけれどバスタブがない。etc….

 何しろナイツブリッジなんて(もちろんそんなところに住む気もないですが)ワンルームで月50万円以上するし、こちらの人はそれで満足なのか、随分と立派な部屋なのにバスがなくシャワーのみというのがけっこう多いのです。

 ところで、夕方会った担当者は大学を今年卒業したばかりの若い男性でした。日本とは卒業月も違うので、まだ数カ月しか経験がないことになります。
最初の物件のために受け取ったキーが、実は違う部屋のものだったというミスから始まったので、これは碌なことがないと覚悟していました。ところが紹介してくれる物件は他の担当者よりもこちらの希望にわりと合致したものだったのです。経験に関係なく、顧客の希望を丁寧に聞いて、それに見合うものを見つけるセンスみたいなものが必要なんですね。

 明日も部屋探しは続きます。インテリアの条件等を大家と詰めるためにも早めに決めてしまいたいのですが、さて明日以降の担当者のセンスはどうでしょう?

ロンドン到着

2007-10-25 | 旅・イベント
 ロンドンです。もう夜の10時を過ぎました。到着初日から物件を見て回り、やっとホテルに戻ってきました。

 飛行機のスクリーンが故障して席を替わらなければならなくなったところからイヤな予感はしたのですが、ロンドンに着いてホテルにチェックインしようとしたらオーバーブッキングで部屋がなく、近くのホテルに変更しました。
 朝食代を無料にするサービスは付けさせたものの、次のホテルにチェックインしたらお風呂が付いてなくて、今度は部屋を替えてもらいました。
 さらに、最初の不動産屋に行くと担当予定の女性がこれまたオーバーブッキングで事務所に戻って来ることができず、担当が他の男性に代わることに。

 それから物件を見たのですが、昔の古い建物をアパートメントにコンバージョンした建物中心ですから、5階に行くにもエレベータ(イギリスではリフトですが)がなく、睡眠不足に時差ボケが重なった身にはけっこうこたえました(笑)
 今日はゆっくり風呂に入って寝ます。

家探し

2007-10-23 | 旅・イベント
 明日から一週間ロンドンで家探しです。昨日も書いたように家賃が高いので、完璧に理想なものは見つかるはずもなく、あとはどの点で妥協するかですね。

 考えてみたら、前回のロンドンも最初に見た物件で決めてしまったし、横浜も京都も1日で決めました。自分でもそんな思い切りの良い性格なんだと思い込んでいましたが、さらに考えてみると、どれも下見に行く前に情報を集めて自分の中である程度イメージを固めて、それにあえばOKにしようとの基準を持っていたように思います。その意味では慎重なのかな?

 昔はなかったインターネットがあるおかげで、出来の良いサイトでは間取りも見ることができれば写真もたくさんあり、情報もあらゆる面から載っています。
 こうなったらなったで、自分のイマジネーションが働く余地が少なくなり、物件の客観的な姿が浮かび上がってきます。もちろん普通の人にはそうあるべきなのでしょうが、僕のような人間は自分の一番大切にしようとしているポイントが何なのかがぼやけてきて困ります。

 さてどんな家探しになるやら。一応パソコンは持っていくつもりですが、着いたその日の夜7時から早速アポイントが入るようなハードなスケジュールなので、先は読めません。ブログさぼったらごめんなさい。
 では幸運を祈って下さい。

ロンドンの物価

2007-10-22 | 旅・イベント
 昨日ちょっとだけ書きましたが、実は11月から仕事の都合でロンドンに住むことになりました。一応2年間のビザを取っています。延長することになるのか、そこまで待たずに帰国するのか、まだ状況次第ですが、ともかくこれで2度目のロンドン生活です。

 前回はもう10年以上前ですから今とは大きな違いがありました。あの頃はバブルがはじけたとはいえ、円は相対的に強く、1ポンドが150円くらいでしたが今は約240円。イギリス自体も不景気で元気がなかったのですが、この数年間は好調そのもので、物価も大きく上がっています。
 特に顕著なのが不動産。僕よりもさらに前に赴任した商社マンで、向こうで家を買ったはいいものの、帰国の際にあまりの不景気で売ることができず、泣く泣く賃貸として維持していたら、あれよあれよと値上がりして、多額の税金を納めてもなお大儲けが出るくらいの価格で最近売れたらしいです。

 よくロンドンの物価の高さを象徴する話として地下鉄の初乗り運賃が引き合いに出されます。これがなんと4ポンド。つまり一駅乗るのに1000円近くかかる(!)ということなんですね。これを最初に聞いた時僕は信じられませんでした。きっと1日乗車券と間違えているんだと(それにしても高いと感じたのですが)。でも、これ本当なんですよ。ただ、あまり皆言わないことだけれど、僕が思うにこれってきっと政策的なことなんです。

 日本ではSUICA(関西はICOCA)やPASMOが普及し、PASMOなんて製造が間に合わずに何ヶ月か再発売を待ったくらいですが、イギリスのこのICカードにあたるのが『オイスターカード』。鳴り物入りで登場した割りには普及がいまいちで、業を煮やしたロンドン交通が、初乗りの値段を高くして、オイスターカードで乗ればお得ということにしたかったんじゃないかと思います。
 この辺の事情を報道せずに、“初乗り1000円”のニュースばかりがまかり通ると、本当にめちゃくちゃな物価ということになります。

 と、ロンドンの物価を少し弁護した後、明後日から家探しに行くのでホテル代をチェックすると、もうめちゃくちゃな高さです。なんでこんな普通のビジネスホテルの広さしかないようなところが1泊7万円も8万円もするんだ!
 もちろんこれはホテルの提示する正規料金。ちゃんと裏から4分の1以下の値段で押さえました。さぁ、本当のところどうなってるんだろう?

ライヴ終了!

2007-10-21 | 音楽
 横浜ライヴ、無事終了しました。遠くから来てくれた人達どうもありがとう。打ち上げに残ってくれた人達にも感謝!
 
 まだ一部の人達にしか伝えてなかったのですが、今日ライヴでも喋ってしまったので.....
 実は来月から(何年になるか分かりませんが)ロンドンに赴任します。ちょくちょく帰国するつもりではありますが、今までのようにはHOBNOBのライヴも行えなくなると思います。
 その意味もあって、今日はHOBNOB結成後初めてライヴをやった『あっとぺっぷ』で、バックを付けずにふたりだけでやりました。
 とりあえずこれで一区切りですが、もちろん解散はせずに何らかの形で活動は続けます。うまく帰国のタイミングがあえばまたライヴも計画したいと思います。
 
 これからもHOBNOBをよろしくお願いします。