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ロンドンから徒然に

ネオンサイン

2014-11-28 | 日常
 ピカデリー・サーカスに行くと否でも目に付く巨大なディスプレー。未だに「ネオンサイン」とつい呼んでしまうけれど、最後のネオン管サインだったSANYOの広告が消えてしまってからもう3年も経つんだ。
 そう言えば、道頓堀のグリコネオン(5代目?)のランナーもこの夏、16年の長いマラソンを走り終えた。
 何もかもがLEDで(もちろんその功績は大きいけれどね)何もかもが動画じゃなくてもいいのにな。

 昔Blue Heartsの歌に「ネオンサイン」というのがあったっけ。
 ネオンサインがなくなると「真夜中の道しるべ」になって「犬も猫も人間も寄り道する」くらい暖かいものって何だろう?



Dilemma

2014-11-26 | Weblog
 つい先日のこと。バスに乗ろうとしたら運行していない。はて、今日は平日でイベントなどはないはず。
 すると道の向こうからデモ隊が。構成メンバーの殆どは若い人達で、口々に叫んでいるのは「Free Education!」。そう言えば、高い学費はどの国でも問題になっている。
 貧困から脱出するための手段たりうる勉学の習得に金が必要というのは皮肉だ。でも、もちろんそれを補助すべき政府の財源が無尽蔵というわけではない。さて…



伝統と革新と

2014-11-25 | 日常
 街の中心部にいきなり馬車が飛び出したりしてきても違和感ないのはロンドンならではなんだろうな。伝統を頑なに守りながらも、一方で革新的な考えにも懐が深い。そんな街が好きだ。
 京都に似ているかな?少なくとも僕の知っているあの街はそうだったんだけど。



Canary Wharf

2014-11-24 | 日常
 『地に足が着く』という本来の語法からはまるっきり離れてしまうんだけれど、ここに来るといつも感じてしまう。どうも自分の足がしっかり地を踏みしめている感じがしないと。
 かつては商業埠頭だった地域が、今やすっかり一大金融センター。235メートルもあるOne Canada Squareを始めとする高層ビルが聳え立ち、近くにある映画館によく足を運ぶこともあって、SF映画なんて観た日には、それこそここが映画のセットのような錯覚さえ起こす。そう言えば地上から見上げる位置でこれらのビルを縫っているのは無人電車だ。改札口さえ無い。
 それにしても『金融』というある意味実体が見えないもののために、これだけたくさんの人々が働いていて(一体ひとつのビルに何フロアあるんだろう?)、でもこうして遠くから眺めていると、それもまた実感がなく、ビル自体がふわふわ浮いているようにも見えてしまう。



訃報

2014-11-23 | 日常
 あまりに突然の悲しい知らせを受け取った時というのは、まず何が起こったのか一瞬わけが分からなくて頭が真っ白になる。そして今度は身体が震えてくる。それでも頭の中は具体的なイメージを形作るのを受け付けない。夢さえもそれに協力してまるで関係のない戯事に終始する……

 立ち直るのに時間が必要だったけれど、もう大丈夫。あの人に叱られないように頑張ろう。



紅葉狩りならぬ...

2014-11-15 | 旅・イベント
 今、イギリス人の友人が日本を旅行中。この時期だときっと紅葉狩りを楽しんでいるんだろうな。
 ロンドンでも、大きな公園が多いこともあって秋の木々は綺麗です。ただ、“紅”葉ではなくて“黄”葉ですね。これはこれで趣があって好きですが、京都生活が長かった身としては、やはり時々あの燃えるような紅が恋しくなる時があります。

 だからというわけでもないですが、今週見てきたのが、この赤い花。



 分かります?Poppy(赤いヒナゲシ)です。
 但し、これ本物ではありません。全てセラミック製。しかもその数たるや、なんと888,246本!

 イギリスでは、1918年の第一次世界大戦終結を記念して、11月11日をRemembrance Dayと定め、毎年この日に戦没者追悼行事が行われます。
 その象徴となるのがこのPoppy。紙製のPoppyのブローチの販売が募金活動として行われ、戦死者への追悼を表すと共に、英国軍関係への寄付となるそうです。それを買った街ゆく人ばかりでなく、この時期は政治家やTVのキャスターなども皆胸元にこのPoppyを付け、いやでも目立ちます。

 もちろん、かたやでこの行為に関しては、反発を抱く人達もいて(愛国心の表明を強制されたくない)、当の犠牲者の遺族からさえ疑問が出される(本当に戦死者に思いを馳せての真摯な行為なのか)こともあります。
 この問題は大きなことだとは思いますが、ここでは語り切れないので、ひとまず置いておきます。

 で、今回のこのPoppyは、今年初めて行われた大々的なイベントで、なんとTower of London(倫敦塔)の周囲の堀を、このPoppyで埋め尽くすという試みなのです。
 これが話題を呼んで、観光客を含むたくさんの人々が連日押し寄せました(どうりで、停留所でバスを待っていると、これはTower of Londonに行くのか?と何度も訊かれたわけだ)




 久しぶりに訪れたTower of Londonですが、少年時代に漱石の(史実に基づいている)「倫敦塔」を読んだ時の、血塗られた塔のイメージが、まざまざと浮かんできて、正直ちょっと辛かったんですが、遠くに見える現代的な超高層ビルShard(EUで一番高い)と、そこから10世紀も前に遡るこのTower of Londonとの対比なども感慨深かったです。

 ところで、このPoppy。ここに“植えた”のもボランティアならば、これを抜くのもボランティアだそうで、この水曜日から、毎日1,000人もの人達が後片付けに取りかかっています。もう終了したのかな?