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ロンドンから徒然に

良いお年を!

2010-12-31 | 日常
 大抵のことがデジタルで処理できるようになっているのですが、手帳は好きで、いちいちペンでアナログ的に記入しています。未だに僕の中では重宝している道具のひとつです。
 新しいものに変えるこの時期、一年を振り返っていつも悔い改めようとするのですが…(苦笑)

 手帳には個人的な趣味の記録もあって、例えば観た映画のタイトルも書いています。さてどんな映画を観たっけ?と数えていったら……昨晩観た『Love & Other Drugs』が丁度今年100本目でした。



 ところが変な感じがするのが、自分が漠然と感じていた映画を観た時期と、実際の日が一致しないこと。物語の設定の季節だとかも影響してはいるのでしょうが、おそらくはネットを中心としたこの情報社会の中で、様々な情報(映画賞のノミネーションだとか、日本との封切りのズレだとか)の時間や量が交錯して、こんがらがっているんだと思います。

 さて大晦日。こちらでもTV番組は一年を振り返っていますが、そもそも年の前半はまだ労働党内閣だったし、ワールドカップがあったのも今年だったし…なんてことに含めて個人的な出来事を足して思い出すと、けっこう複雑な1年でした。

 「早いもので」というフレーズはこの時期になると誰もが使うんですが、年齢を重ねる毎に実感の度合いが増してくると思います。「来年こそは」(これもまた毎年使わなくて済むように)充実した年にしたいですね。

 あ、その前に、今年も皆さんには色々とお世話になりました。本当にありがとうございます。
 来年もよろしく!

寂しいレスター・スクェア

2010-12-30 | 日常
 今年も余すところあと2日。日本ではクリスマス・ツリーは取っ払われて、門松モードへ突入していることでしょう。
 こちらのクリスマス・ツリーはもう少し長く飾られます。教会暦の「主の公現」(1月6日)まで飾っておくと言われています。

 ということで街中でも、まだツリーやクリスマス用の飾り付けはそのまま残っています。トラファルガー広場やコベント・ガーデン、カーナビー・ストリートもご覧の通り。





 でも今年少し寂しい場所があります。
 クリスマスとは直接関係ないのですが、毎年末になるとレスター・スクェアには移動遊園地が出現します。いつもなら左の写真のようにメリー・ゴーラウンド等の遊具で遊ぶ家族連れやカップルの声で賑やかなのですが、今年はここに大きな柵が建てられて入ることができません。



 11月15日からこの地区全体の大幅改築が行われ、ほぼ1年半続くのです。
 ここは周囲にたくさんの映画館があり、大抵のプレミアはここで行われます。その際にこの広場を使ったイベントも多く、国内外からたくさんのスター達も登場します。しばらくは大がかりな仕掛けが出来そうにありませんが、街の興行の中心地だけに、どんな姿に変わるのか楽しみです。

クリスマス&ボクシング・デイ

2010-12-27 | 日常
 昔クリスマスから年末年始にかけてフランスを旅したことがあります。
 イヴの前までは確かに期待した通りのロマンチックな(?)ヨーロッパだったんですが、クリスマス当日は本当にお店も何も全て街が停止状態になってしまって、かろうじて開いていた中華料理店でひとり食事するという惨めな思い出が残りました。

 イギリスももちろん同じようなもので、ロンドンでも(少しの例外はあるんでしょうが)クリスマスにはお店は休み、映画館も開いておらず、地下鉄もバスも運行停止、タクシーの数も少ししかありません。
 いつもなら車も人もひっきりなしのキングス・ロードもフルハム・ロードもご覧の通りひっそりとしていました。



 翌日の今日(26日)はボクシング・デイ。この日も休日なんですが、本来なら地下鉄は通常通り運行するのです。ただ今年は運の悪いことに組合がストライキを強行して、主要な線の殆どが影響を受けています。
 初めて旅行に来た人達や英語に慣れない人は、駅のアナウンスだけが頼りなので、振替のバスをうまく使いこなすのも大変だったでしょう。

 それやこれやで今日はひっそりとしているかと思った中心地のショッピング街は凄い人出でした。
 寒波による大雪でクリスマス前の商戦がいまひとつ振るわなかった小売店は、本来なら明日からのバーゲンセールを今日から始めたところも多く(もっとも昨年は不景気のためもっと早くからでしたが)売上に期待を寄せています。

 彼らが例年より大きな年末の売上を見込む理由のひとつが消費税。それでなくても17.5%と高いVATが来年1月4日から、なんと20%に上がるのです。そのための駆け込み需要を目論んでいるわけですね。

 ロンドンに住み始めて3年。この間のイギリスの政治&経済の状況の変化は本当に激しいものがあり、振り返ってみると10年間くらいの重みがあるような感じさえします。
 2012年にはオリンピックを控え、この古い街のあちこちがメンテナンス中です。この2年も激動の年になりそうな気がします。

厳冬のメリー・クリスマス!

2010-12-24 | 日常
 シャンパンの瓶で作られたクリスマス・ツリー。ユーロスターのロンドン側の出発地、セント・パンクラス駅に飾られていました。



 以前も書いたことがありますが、ターミナルの横に作られたシャンパン・バーは世界で一番長いんだそうです。パリに旅立つ前のひととき、フランスの香りを先取りして楽しむのも洒落た時間の過ごし方かもしれません。



 しかしながら、ここ最近はそんな甘いことも言っていられなかったでしょう。シャンパン・バーをはるかに凌ぐ長い列が連日出来ていたんですから。
 この週初めには列車に乗るまでに8時間も待った人がいたとの報道でした。



 日本でもニュースで伝えられているようですが、このところのヨーロッパは、暖冬の日本とは対照的に厳しい寒さの真っ只中にいます。
 ロンドン市内こそ、ここ2,3日は零下までいかない“暖かい”日が続いていたので、すっかり雪は溶けましたが、郊外や地方都市はまだひどいみたいです。

 何より困っているだろうと思われるのはフライトの欠航。この時期は日本で言えば年末みたいなもので、故郷で家族一緒に過ごす人が多いのですが、相次ぐフライトの欠航で、空港に寝泊まりしている人の映像が毎日ニュースで流されています。
 現在はフライトが確定している人しか空港に入ることさえできない状態で、連日地下鉄のアナウンスではその旨の注意を喚起しています。

 こんな状態のロンドンですが、日本はいかがですか?
 皆さんに Merry Christmas!

アポロ to アポロ

2010-12-21 | 音楽
 イギリスは大雪でひどい状態になっています。フライトがキャンセルされ、空港で寝泊まりしている人達を見ていると、春に火山噴火の影響で日本からこちらに帰れなかったことを思い出して身につまされます。
 今回は無事に戻ってきたものの、何だか時差ボケがひどくて、つくづく体力が落ちているのを実感しました。

 そう考えるとこの人の身体っていったいどうなっているんだろうと驚嘆してしまいます。
 ポール・マッカートニーってもう68歳ですよね。それなのに、このところの精力的な活動を見ていると、とても勇気づけられる気さえします。
 何しろ先月はブラジルとアルゼンチンでツアーをこなし、今月に入ってからも13日にはNYのApollo Theater、落ち着く間もなくロンドンで17日には(先日ブログに書いた)100 Club、翌日18日にはHMV Apollo、今日はリヴァプールに里帰りしてO2 Academyで今年を(多分)締め括っています。

 NYのアポロ・シアターは、衛星ラジオ局「SIRIUS XM radio」の有料会員が2千万人を突破したということで、会員限定のライヴだったのですが、聞くところによるとローリング・ストーンズのキース・リチャーズやロン・ウッドもゲストの中にいたらしいです。

 さて、僕が何とかチケットの取れたHMV Apollo、シート設定の場合で3,632、スタンディング設定(今回はこちら)でも5,039のキャパですから、もちろん普通のアーティストにとっては大きな会場に違いないんでしょうが、ポールにとってはねぇ。
 なのに前日は詰め込んでも300人も入ろうかという100 Clubでギグをやるし、その前がNYのApollo Theaterとなると、どうもライヴの原点帰りを狙っているのかなという感じがしないでもありません。(事実セットリストにもそれは見て取れるのですが。)

 さて、開演予定の8時前にはまだたくさんの人が入りきれずに会場外に列を作り、Tシャツ等の記念品売場にも群がっています。



 基本的にはUp And Coming Tourの流れを組んだ進行になっているのですが、大きな会場にあるようなスクリーンがないので、いつもなら流されるビートルズ時代からのコラージュ映像がなく、その音声のみが聞こえてきて、30分も経った頃会場の照明が暗転、まずポールひとりが現れてひとしきりの大きな拍手を受けた後、Magical Mystery Tourからショーはスタートしました。



 JetとGot To Get You Into My Lifeがその後に続くと、「次は新しい曲をやるよ」と言って始めたのがAll My Loving。えっ、新しい曲?
 実はこれは次の曲への伏線で、「さっきNewと言ったのは、次にやる曲よりも新しいからなんだよ」とOne After 909。この曲大抵の人はアルバム『Let It Be』(1970年リリース)で最初に聴いているかもしれませんが、実際には1957年に主にジョンによって作られたLennon-McCartneyクレジットの中でもごく古い曲なんです。

 その後もビートルズ時代、ウィングス時代のヒット曲(あ、The Fireman名義の曲も)が続くのですが、ベース、ピアノ、アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、マンドリン、ウクレレと持ち替えては相変わらず達者な演奏と歌を聴かせてくれます。(セットリストは後でまとめて書きます)
 今回はNYのアポロとロンドンのアポロが続いたこともあって、マーヴィン・ゲイのヒット曲Hitch Hikeのコピーもセットリストに組み込まれていました。

 ジョンとジョージに対するレスペクトは変わらず、ジョンに捧げたHere Todayのみならず、A Day In The LifeとGive Peace A Chanceをメドレーで、またSomethingをウクレレのソロから始めてバンド演奏へ持ち込む進行などはいつもの通りです。
 「Somethingは良い曲だ。フランク・シナトラも、ポール・マッカートニーの作った曲の中で一番好きだと言っていたよ。でもこれはジョージの曲なんだよ」と笑わせていました。

 さて、約束事と言えばLive And Let Dieの時に打ち上げる花火。こんな会場でやれるんだろうかと懸念していたら、なんといつも通り。これって日本では消防法で絶対ダメですよね。
 そして最後の曲Hey Judeへと続くのですが、この時会場内は煙でもう真っ白。ステージの上はロンドン名物の霧がかかったような視界です。



 その中でアンコール。時節柄Wonderful Christmastimeを少年合唱団と共にサービス。2回目のアンコールにも応えてSgt Pepper’s Lonely Hearts Club BandとThe Endのメドレーで締めました。



 客席の年齢層はけっこう高くて夫婦連れが目立ちましたが、皆本当に楽しそうに身体を動かして幸せそうでした。いいですねぇ、こんなライヴは!

 長くなりついでに、セットリストを書いておきます。

01. Magical Mystery Tour
02. Jet
03. Got To Get You Into My Life
04. All My Loving
05. One After 909
06. Drive My Car
07. Let Me Roll It
08. The Long And Winding Road
09. Nineteen Hundred and Eighty Five
10. Maybe I’m Amazed
11. Blackbird
12. Here Today
13. I’m Looking Through You
14. And I Love Her
15. Dance Tonight
16. Eleanor Rigby
17. Hitch Hike
18. Sing The Changes
19. Something
20. Band On The Run
21. Ob-La-Di, Ob-La-Da
22. Back In The USSR
23. A Day In The Life / Give Peace A Chance
24. Let It Be
25. Live And Let Die
26. Hey Jude

<アンコール>
27. Wonderful Christmastime
28. I Saw Her Standing There
29. Get Back

<アンコール2>
30. Yesterday
31. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band / The End

ポールが100 Clubで!

2010-12-18 | 音楽
 ビッグ・ミュージシャンともなると仕方のないことですが、収容人員の多い会場を使わざるをえなくなりますね。
 たとえばポール・マッカートニー。数えてみたら、ロンドンに住み始めて以来3年の間に4回彼のコンサートに行っていることになりますが、最初が(これはBrit Awardsの受賞式なのでワンマンではないんですが)アールズ・コート、次がリヴァプールFCの本拠地アンフィールド・スタジアム、そしてO2アリーナと続き、今年は初夏のハイド・パークでした。
 いずれもキャパは万単位のところばかり。幸運にもスタンドの最前列なんてこともありましたが、大抵は豆粒みたいにしか見えません。
 
 ところが数日前、目を疑うような知らせが入りました。ポールがロンドンの100 Clubでライヴをやるというのです。
 ここは元々ジャズ・クラブとして始まったのですが、ローリング・ストーンズ、デヴィド・ボウイ、ボブ・ディラン、オアシス、それにセックス・ピストルズなど蒼々たるメンバーも演奏したことのある場所なのです。
 でも本当に小さなスペースで、スタンディングで一杯に詰めてもおそらく300人くらいしか入らないんじゃないでしょうか。

 実はこの老舗のクラブが現在存続の危機に陥っていて、その救済のためにミック・ジャガーやリアム・ギャラガー等が立ち上がっており、今月初めにはロン・ウッドがここで演奏を行っています。
 何しろ最近すぐ近くのアストリアも都市開発のあおりで壊されており、続けて100 Clubも、となると、ロンドンの音楽の殿堂をまたひとつ失うことになるわけで、ミュージシャンとしても力が入ると思います。

 ポールの今回のライヴもこのキャンペーンの一環で行われるということなんですが、通常のライヴ以上にプラチナになること必至です。転売を避けるためかチケットは発行せず、取得に使用したクレジット・カードとID持参の本人(と1名のみ同伴可)しか入ることが出来ない仕組みになっています。

 いや、それより何より、キャパ2万人以上のO2アリーナでさえ4秒で売り切れたというチケットをどうすれば取れるか?
 結局良い手も思いつけず、クリックするのみの体制で待ち構え、正確に合わせた時計で1秒たりとも遅れずに押したのですが……



 そのライヴが今日の昼間に行われました。上の写真はTVのニュースで放送されていたものです。もう皆すぐ近くから携帯写真撮りまくり。外はその時刻凍えるほどの寒さで一時大雪になりましたが、中はホットだったでしょうね。

 いいんです(と、ここで強がっておきます)。100 Clubはダメでしたが、明日のHMV Apollo(ここだってポールのライヴとしては例外的に小さな会場だと思います)のチケットはちゃんと取れたので、そこで5回目のライヴを楽しんできます。

ホワイト・クリスマス

2010-12-15 | 音楽
 漠然としたイメージだけはあるのに、実際期待してもなかなか実現しないのが「ホワイト・クリスマス」ですよね。でも今日のニュースによるとイギリスではどうやらその気配が濃厚です。
 もっとも今年の異様な天候に苦しんでいる人達から歓迎されるかどうかは分かりませんが。

 「ホワイト・クリスマス」というと、誰もがビング・クロスビーのあの歌を頭に浮かべると思います。
 ♪I’m dreaming of a white Christmas / Just like the ones I used to know♪
 何しろ彼のヴァージョンだけで5,000万枚、その他の歌手を入れるとシングル・アルバム収録合わせて全世界で1億枚売れたとも言われている曲ですから、いやでもメロディーはどこかで耳に入っていることと思います。

 ところで歌手の名前は知っていても、意外と作曲者の名前までは知らないんじゃないでしょうか。
 アーヴィング・バーリンIrving Berlinというのですが、実はこの人 イスロエル・イジドル・ベイリンという名前も持つロシア系のアメリカ人なんです。この他にも「ゴッド・ブレス・アメリカ」とか「ショーほど素敵な商売はない」といったヒット曲で有名で、生涯に残した楽曲は3,000曲以上に渡ります。
 ところが彼は実は譜面が書けず、いつもお付きの採譜者にピアノで弾いて(それもあまり上手くなかったという話ですが)聴かせて書き取らせていたというから驚きます。

 今日も街を歩くと様々なクリスマス音楽が聞こえてきました。イルミネーションも華やかです。





 それにしてもこの時期の、わくわくした気分と一抹の寂しさが微妙に混じり合った感覚って何なんでしょうね。
 今頭の中で「ホワイト・クリスマス」のメロディーがぐるぐる回っています。

デジタル情報

2010-12-12 | 日常
 自分の机の周りをふと見てみると、様々なデジタル機器に溢れていることに気付きます。
 よく言われることですが、デジタル関連の陳腐化は凄く早くて、「最新機器」でいられる期間はごくわずかです。いきおい買い換えてしまうことになります。

 もう大昔のことですが、僕が最初に買ったパソコンはMACで(Windowsもなかった頃です)メモリーは最大増設しても16MB、内蔵のハードディスクも80MBしかありませんでした。逆に言えばそれくらいでも情報処理が可能だったということですね。
 当時はインターネットの存在もなかったので、情報量という意味では雲泥の差があったわけです。

 The data deluge(情報洪水)という言葉がありますが、今はまさに洪水のような情報量で、どう処理すればいいんだろうと戸惑うことがあります。
 Googleはこの世のあらゆる情報をデジタル化しようとしているんだという話を聞きましたが、さてこの世の情報をデジタル「量」で計るとどのくらいになるんだろう?

 そう言えばデジタルの単位で普通に僕たちが知っているのはキロkilo、メガmega、ギガgiga、テラtera….せいぜいここまでじゃないでしょうか。実はその後にペタpeta、エクサexa、ゼタzetta、ヨタyottaと続くんだそうです(ところがこれにまた別の規格もあるらしく、ややこしいことになっています)。



 ともかく色んなものがデジタル情報として入手できる時代になりました。ただ、量的なものよりも何か質的なものを計る単位があって、情報の取捨選択をできる目安になるならば助かるんですけどね。

夜の街で

2010-12-08 | 音楽
 先週末は束の間の緩みだったみたいで、また零下の日々が戻ってきました。
 それでもロンドンはまだましな方です。スコットランドの一部なんて零下20度なんてところもあって、多くの学校が閉鎖されているみたいですから。

 ともかくこんな日の夜に出かけるのは億劫なんですが、昨晩はボンド・ストリートの近くまで行ってきました。
 昼間は観光客でごった返すショッピングのメッカも、さすがに夜遅くにはちらほらとしか通行人を見ません。それでもクリスマスのイルミネーションは華やかで別世界のようです。



 実は懇意にしているバンドがこの近くのクラブでライヴを行ったのです。
 普段はどちらかというと前座としての出演が多いのですが、この日はトリ。いつもより長めのセットリストで、また違った面を見たようで楽しめました。



 ところで、こんな感じで夜になると、昼間は気付かなかったところにいきなりクラブやライヴハウスが現れて驚くことがあります。うちの近くでさえそうなんです。
 そう言えばもう大昔、イギリスのクラブ・ミュージックのCDを企画する前にあちこち取材で回ったことを思い出しました。

 その頃はパブの営業が法律で午後11時までに制限されており、そこからの流れで向かうクラブの開店時間は大抵が午前1時以降。何軒かハシゴしてほぼ朝方にホテルに戻り、束の間の睡眠の後は他の仕事に出かけて……若かったからやれたんでしょうね。今は正直無理だ(笑)

 ダンス系のクラブだけでなく(正直言うと僕はあまりこのジャンル好きではないんです・笑)、他のライヴハウスも無数にあって、そこに出演するバンドもまた無数にあって、相当高いレベルでしのぎを削っているのに、彼らは皆アマチュアなわけで、そう考えると音楽業界は凄く厚い下地があるはずなんです。

 なのに、(自分の不勉強を棚に上げて言わせてもらうと)このところの音楽が全然面白くないのはどうしてなんだろう?
 業界の人の見る目(聴く耳?)がないのか、オーディエンスの求める音楽が全体のアンビエント化の中で変わってきたのか、単純に僕の感性が鈍ったのか、本当のところは分からないけれど、どうしても昔ビートルズの音楽を真剣に何回も聴いたような興奮は味わえずにいます。

 今日ポールのロンドン・ライヴのチケットが発売され、あまり良い席ではないけれど何とか確保できました。これって単純に昔の思い出に浸っているのか、それとも彼の音楽の中にはまだ人を夢中にさせる何かの要素があるのか、どっちなんだろうな?
 いずれにしろ、もう70歳近いミュージシャンに多くの役割を負わせるのは酷なような気もしないではありません。次世代を担う若手のミュージシャンの登場を願ってやみません。

クリスマス・モード

2010-12-05 | 日常
 昨日・今日と何とか零下の気温を免れ(今日の最高気温は2度の予報)、昨晩の雨もあって積もった雪も殆ど溶けたみたいです。異様に暖かいと聞いている日本に比べたらまだまだ寒いんでしょうが、十分過ごしやすく感じます。

 久しぶりのマーケットに出かけてみると、クリスマス色が強くなっていて、ツリーやリース、クリスマス・プディングやシュトーレン(ストーレンやシュトレンとも呼ばれますが、これはドイツのオリジナルですよね)が売られていました。




 クリスマス・プディングやシュトーレンは日持ちのよいパン(菓子)で少しずつスライスして食べるので、もともとはおせちのように主婦の手間を省くものだったんじゃないかな、なんて思っています。
 まぁ、年末年始くらいは忙しい主婦の手も休ませてあげてもいいですよね。

 何だか師走という言葉を見るだけで、忙しくしなければならないような気分になった日本での仕事に比べたらましな気はするのですが、実はけっこう焦っています。
 というのも、夏のバカンス・シーズンと並んでこのクリスマスの時期、皆どうも心ここにあらずで、仕事に集中してくれないような気がするんです(それでも十数年前の経験に比べたら皆よく働くようになったなという印象ですが)。

 先週も、某事務所の担当者が電話で捕まらないし、メールにも返事がないし、で早く片付けておきたい事務仕事(これ個人的にはすごく苦手なので・笑)が滞っています。

 早く済ませて僕もクリスマス・モードに突入したいです。今年はツリーでも買って飾り付けしようかな。