HOBNOBlog

ロンドンから徒然に

Nowhere Boy

2009-12-31 | 映画・演劇
 毎年秋にLondon Film Festivalが開かれます。もう50年以上も続く歴史のある映画祭で、60もの国から300本以上の映画が出品されます。その中でも話題作はオープニングとクロージングに持ってこられるのですが、今年の後者を飾ったのは“Nowhere Boy”という映画でした。

 ビートルズ・ファンならピンとくるかもしれませんね。そうです、名曲“Nowhere Man”を捩ったタイトルからも推測できるように、ジョン・レノンの10代を扱った映画なのです。
 しかもこれが(長編)初監督作となるロンドン出身のSam Taylor-Woodの作品。この人、定義付けるならコンセプチャル・アーティストとなるのでしょうが、素晴らしい写真もたくさん撮っていて、僕は何回かWhite Cubeでの展覧会を見に行ったことがあります。

 そんなわけで見逃すわけにはいかなかったのですが、タイミングを逸してチケットはソールド・アウト。泣く泣く一般上映を待っていました。いずれにしろ世界に先駆けてイギリスで封切りするのは間違いないのですから。
 そして今日やっと観てきました。

 演出は奇を衒うことなく比較的シンプルになされ、あの当時の雰囲気はリヴァプールでのロケや音楽で醸し出しています。そこに観客を引きずり込んだらもうあとは意のままでしょう。英語も意図してかリヴァプール訛りは(ジョンの友人の一部を別にして)強く出しておらず、おかげで聞き取りやすかったです(笑)

 何より素晴らしかったのは主演のAaron Johnson。実母で自由奔放なJuliaと厳格な育ての(叔)母のMimiの間で揺れる若者らしい純粋な激しい感情をうまく表現しています。
 Mimi役のKristin Scott Thomas(僕けっこうこの女優さん好きなんですよ)のいつもながらの演技の上手さは言うまでもありませんが。

 もうひとつ役柄的に興味深かったのはポール役のThomas Sangster。もともとギターを弾ける彼ですが、左利きのポール役のために訓練したみたいです。その甲斐あってかライヴの場面もごく自然に感じました。
 それにしてもふたりの出会いのシーンだとかは、周知の事実とはいえ面白い。

 数々の話題を呼んだ映画ですが、場外での極めつけはSam Taylor-WoodとAaron Johnsonの婚約かな。何しろ42歳の女性アーティストと19歳の男性俳優。(男女逆ならたまにありますが)その差23歳のカップルです。自分の息子でもおかしくない年齢ですもんね。
 でも彼女の作品を見ていると若い男性が惚れ込むのも分かるし、彼の演技を見ていると年上の女性が放っておけないのもよく分かります(笑)



 上の写真はアビー・ロードの最寄り駅St John’s Woodの駅に貼られてあったポスターです。写っているのはベーシストの坂本竜太さん。これもジョンとポールの図かな。(竜太さん、無断で載せてごめんなさい)

人との距離感

2009-12-30 | 日常
 昨晩スコットランド制作の映画を観たのですが台詞が半分以上分からなくて焦ってしまいました。
 スコットランドの“英語”っていうのは(イギリス人に言わせると)酷い訛りで聴き辛いらしいのですが、それでも一部の地域では、これ以上ないというくらい綺麗な英語を使うとも言われています。

 多分逆の立場で言うと、イギリスで日本語を学んだ人が、いきなり大阪に放り込まれると分からないんじゃないかなと思います。

 東西あるいは南北の文化の違いというのは面白いもので、人との関わり方にも差が出てきます。僕が今でも凄く印象に残っている大阪の電車の中の光景。
 お母さんと娘が何やら口喧嘩していると、隣に座った男性が「そら、あんたが悪い」と娘さんに。するとお母さんが「でしょ?」と。今度は娘が「そやけど...」と男性に反論する。

 この男性、母娘とは身内でも知り合いでもなく、たまたま隣り合わせただけの人らしいのです。東京では絶対にない光景だと思いませんか。
 でも、逆にこれを東京のステレオタイプで言うならに当てはめれば、隣の人が困っていても知らん顔という例が挙がるのかな。



 人と人との距離感と言うのはまことに難しいもので、それこそその心地よさは人によってまるきり異なってくるでしょう。
 幸いロンドンの親切さ加減は、今のところ僕には丁度よく感じてはいますけどね。あ、でもお店のサービスや電話窓口のカスタマー・サービスはもう少し何とかならないものかな、と。

BEATLES TO BOWIE

2009-12-29 | 音楽
 このブログでもう何度も60年代の“Swinging London”への憧れは口にしましたが、本当にあの時代のロンドンに(できれば子供過ぎず大人過ぎず20代の若さで)行けたらいいのになといつも思います。音楽もファッションも“自由”に向かって大きく広がっていったあの開放感が何とも言えず好きです。
 そんな僕ですから、今日のこの展覧会はすごく楽しかったです。“BEATLES TO BOWIE~the 60s exposed”。National Portrait Galleryで10月半ばから行われていたのですが、やっと今日行くことができました。



 150枚以上のモノクロを中心とした写真で、1960年から1969年までの10年間のポップ・ミュージック(と一部ファッション関連)の歴史を振り返ります。
 タイトルに挙げられたビートルズとデヴィッド・ボウイはもちろんのことシャドーズ、ザ・キンクス、ザ・フー、アニマルズ、ジミ・ヘンドリックス、ウォーカー・ブラザーズ、ローリング・ストーンズ、etc....あの時代の音楽マニアなら泣いて喜ぶに違いありません。女性ではマリアンヌ・フェイスフルが多かったのが嬉しかったです。

 いや、単純にミーハー的なミュージシャン見たさというより、あの白黒の写真から伝わってくる、あの時代の空気感が素晴らしいのです。
 とは言え、やはり僕はビートルズ中心に神経が行きました。Astrid Kirchherrが撮ったハンブルグ時代の写真、“Twist and Shout”のEPに使われたFiona Adamsの写真、展覧会のポスターになっているRobert Whitakerの写真等素晴らしい作品がたくさんあります。



 でも僕が今回一番印象に残ったのはDavid Baileyによる2枚の作品です。どちらもジョンとポールのふたりだけが写っているもの。やっぱりこのふたりのコントラストはめちゃくちゃカッコいい!曲作りにしても馴れ合いのないこのふたりの力関係がビートルズをあれだけ大きな存在にしたんでしょうね。



 それにしても最後のコーナーにあった髭面のビートルズの面々のなんと老成した雰囲気なことか。この展覧会の最初の頃の写真の子供っぽい雰囲気とはえらい違いです。
 考えてみたら彼らの活動期間は、レコードデビュー前から数えても高々10年程度。その短い間の変遷は尋常なものではなかったんでしょう。

 全部見終わった頃にはそんな思いもあってか、ぐったりしてしまいました(笑)

ポールの(かつての)家

2009-12-28 | 音楽
 ロンドンに遊びに来た人をどこに連れていくかは、なかなか難しい問題です。
 典型的な観光名所で済むのなら簡単な話ではあるのですが、何しろロンドンという街は一見地味だけれど切り口次第ではいくらでも楽しむことができます。個人の興味の在り方で本当に色々なまわり方ができるのです。

 不味いと言われるロンドンのレストランも、このところ本当に美味しいところが増えていて、ちょっと足を伸ばせばどんなジャンルでも素晴らしいところが見つかります。

 映画ファンなら、例えばポートベローのマーケットに加えて、映画『ノッティング・ヒルの恋人』の舞台になった場所を回って歩くなんてこともできます。その他にも様々な映画の背景になった綺麗な場所がたくさん存在します。

 そして音楽ファンには、やはりビートルズゆかりの地は欠かせないでしょう。
 これはもう細かいエピソードまで言い出すと山ほどあって、相当コアな人でないと行かないようなところも知っていますが。



 でもまぁ、大抵のファンが行くのはここ、アビーロードの横断歩道ですよね。以前このブログでも触れたジャケット撮影40周年の時にはたくさんの人が押し寄せ、何時間にもわたって車が遮断されました。
 上の写真はその時のブログにも載せた写真です。いつもこんなにたくさんの人がいるわけじゃありませんよ。それでも4人組で横断歩道を渡る人達はひっきりなしですが。

 先日のスガさんのコンサートの翌日、バンドメンバーと一緒にここを訪れました。
 もちろん横断歩道を渡り、アビーロード・スタジオの前で記念写真を撮ったりしたのですが、それだけではもったいないので、近くにあるポール・マッカートニーの家まで行くことにしました。
 ここは既に人手に(あるいは分かれた前の奥さんに)渡っているのかと思っていたのですが、どうも今でも彼が所有しているみたいなのです。

 そして高い門の前でそれぞれ写真を撮っていたその時、車がさーっと近づいてきたと思ったらいきなりその門が開いたのです。家に入っていく車だったんです。何と言うタイミング!もちろん中を真剣に覗きました(笑)
 あの当時ビートルズのメンバーがここに泊まってスタジオまで出かけたんだと思うと感慨深いものがあります。



 さて、ここからどこに行ったか?
 内緒です(笑)

shimmy

2009-12-27 | 音楽
 世の中のミュージシャンには、もしこの職業に就いていなくても何か他のことをやって生活していけるんだろうなと思える器用な人も多いのですが、彼がミュージシャン以外のことをやる姿をなかなか想像できないのです。それくらい良い意味で、音楽のことしか考えていられないみたいだし、ギターを弾いていれば幸せみたいです。
 shimmyこと清水ひろたかくん。mi-gu、コーネリアス、Plastic Ono Bandのメンバーとして活躍しています。

 彼との付き合いはまだ浅いのですが、こんなにピュアな性格の人は最近本当に珍しいんじゃないかと思うくらい素晴らしい人物で、いっぺんに好きになりました。
 それに努力家。未だに毎日ギターの練習を欠かさず、理論の追求もしています。いや、ミュージシャンとしては当たり前なのかもしれないけれど、その当たり前のことができない人は多いですよね。

 彼がバックにいると心強いだろうなと思います。奥様でドラムのあらきゆうこちゃん(ごめん、あらきゆうこ“さん”)同様、主役の立て方が凄く上手い。歌に合わせたリズムの立て直しや、押すと引くの呼吸をしっかりと体感しているようで、彼がプレイすると一気に心地よい空間が広がります。そのスペイシーな音の中で小山田さんやヨーコさんやショーンも自由に動けるのだと思います。

 もちろん前に出る時は出る。ここぞという時の感情溢れるソロは凄く心に染みるものです。時々メールに添付して送ってくれるフレーズもとてもイマジネーションに溢れています。

 今年は色んな人達との共演で刺激を受けたことも多いし、何だか来年にかけてすごく飛躍するような気がいます。
 大晦日には“brother’s sister’s daughter”として下北沢ERAでライヴをやるみたいです。メンバーを見るとけっこうコアな音になりそうですが(笑)興味ある方は是非!



 今回の来日時には1回だけ一緒に寿司食べに行きましたが、楽しかったです。こんな写真勝手に載せると叱られるかな(笑)
 またロンドンで会おうね。できればライヴの仕事で。応援するよ。

オールド・チャーチのクリスマス・イヴ

2009-12-26 | 日常
 テート・ブリテンの所蔵するホイッスラーWhistlerの絵の中に“オールド・バタシー・ブリッジ”という名作があります。正式な名称はちょっと長くて“青と金のノクターンNocturne:Blue&Gold”というタイトルが前に付くのですが。
 彼の絵にはこのように音楽用語が付くことが多く、他にも“グレーとグリーンのハーモニー”、“グレーと黒のアレンジメント”、“白のシンフォニー”などのタイトルが見られます。

 この“Old Battersea Bridge”、橋の一部を下の方から眺めた大胆な構図で、色彩的にも日本画の影響があるのかと思わせる印象深い絵です。
 よく見ると、その絵の左奥に教会が小さく描かれているのですが、これがChelsea Old Churchだということです。ちなみにここはターナーの絵にも描かれています。

 いや、どうしてこんな話をするのかというと、今度引っ越してきた家の近くにOld Church Streetという通りがあって、その端にあるのがこの教会だったのです。
 調べてみたら、ホイッスラーの描いた時代の白い建物は第二次世界大戦の際の爆撃でほぼ壊れ落ちてしまい、今のような煉瓦の建物に建て替えられたみたいです。



 昨晩のクリスマス・イヴはここを訪れました。
 全くの似非信者なのですが、あの厳かな雰囲気を味わうのと賛美歌(あ、宗派によってはそう呼ばないのかな)を歌うのを毎年の習慣にしているのです。それに普段は入りづらい内部も興味あるもので。

 さて本場のクリスマス、日本の皆さんが考えると拍子抜けするくらい静かです。全ての会社は休みだし、観光地のど真ん中を除けば殆どの店も開いていません。地下鉄もバスも動かず、タクシーの台数も極端に少ないです。
 まぁたまにはこんな風に静かに過ごすのもいいんでしょうが。

Good Evening London~ポール・マッカートニー欧州公演最終日

2009-12-25 | 音楽
 ロンドンに帰ってきた翌日、身体はまだ時差ボケでどうしようもなくだるいのですが、早々と仕事を片付けなければなりませんでした。というのが、この夜どうしても見逃せない大事な用事があったのです。
 そう、今年のライヴ体験を締め括るポール・マッカートニーのコンサート“Good Evening London”がO2アリーナで開催されました。



 運の良いことに、ロンドンに住み始めて以来約2年の間にこれで3度目のポールのライヴです。
 最初はBRIT Awardsの表彰式でのミニ・ライヴ(Outstanding Contribution to Musicという特別賞でした)、それから昨年6月のリヴァプール、そして今回です。ロンドンでの単独ライヴとしては6年ぶりだとのことで、発売と同時にチケットはSOLD OUTになりました。

 このライヴは、“Good Evening Europe(このEuropeの部分に各都市の名前が入るわけです)”と称する欧州ツアーの一環で、ハンブルグ、ベルリン、アルンヘム、パリ、ケルン(何故かここだけ2日間)、ダブリンと続いてロンドンが最終日となっています。
 ハンブルグで始まってロンドンで締めるというのが、ビートルズ・ファンにとってはなんだか嬉しいですよね。

 さてさて、このロンドン・ライヴ、実はリンゴも参加するんじゃないかという噂が飛び交っていました。
 その根拠となっているのかどうか分かりませんが、本番前のサウンド・チェックで“Matchbox”や“Honey don’t”をプレイしているんですよ。結局これは本番ではやらずにリンゴが現れるということもなかったのですが。

 8時にショーが始まると聞いて早めに席に着くと、スクリーンで延々とビートルズ時代からの映像が流れること約30分、場内が暗くなって大きな歓声に包まれる中、ポールが颯爽と登場。“Magical Mystery Tour”続いて“Drive My Car”というビートルズ時代の名曲からスタートとなりました。



 実は僕の席というのが、ステージの真横の席で、ある意味またスタッフ感覚での鑑賞です。前から2列目だったので、目の前をポールが出入りするのがよく見えました。真下を通る時にはこちらに向かって(と皆が思い込むんですよね・笑)手を振ってくれて感激です。




 さてさてライヴの中身はというと、これが凄い!ビートルズ時代の名曲の数々から、ロバート・デ・ニーロ主演の映画のために書き下ろした新曲“(I Want To) Come Home”まで幅広い選曲で、なんと全36曲。それもメドレーでやった曲を1曲と数えたらの話なので、もしそれを分けて数えたら40曲?そのメドレーの中にはジョンの歌っていた“A Day In The Life”や“Give Peace A Chance”も含まれます。
 また、おそらくライヴでやるのは初めての“Ob-la-di, Ob-la-da”もやって喝采を受けていました。

 これは他の都市のセット・リストにあったかどうか分かりませんが、ステージ上にScottish Highland Bagpipe Bandが登場して、Wings時代の最大のヒット曲“Mull of Kintyre”を共演しました。
 そしてSgt Pepper(Repriseの方)で終了した時には既に11時半。なんと3時間もプレイしたわけです。



 ポールって今67歳ですよね。それで“Helter Skelter”までやってしまうんですよ。ここ数年、以前よりももっと声が出るようになったんじゃないかという気さえします。いやもう尊敬の念で一杯です。

 この夜興奮してまた眠れずに時差ボケに拍車をかけることになってしまいました(笑)

クリスマスを前に

2009-12-23 | 日常
 21日の夜ロンドンに帰ってきました。(あれっ、日本にも“帰る”だし、ロンドンにも“帰る”だ)
 暖房が効きすぎている感じの空港のパスポート・コントロールで1時間半くらい待たされて外に出ると、雪の積もる寒さ。その温度差に震え上がってしまいました。
 とりあえず地下鉄に乗って最寄り駅まで。そこからタクシーを拾おうと思ったのですが、雪のせいか空車がありません。仕方ないので、日本で皆さんからいただいたたくさんのお土産で重くなったスーツケースを引きずりながら、歩いてうちまで帰りました。

 久しぶりに帰ってくると、もともと“おとな”(というより、お年寄りかな)が多く、うるさくはないフラットなのですが、いつもにもまして静かです。窓の灯りも見えません。もうクリスマス休暇に入って、故郷や旅先で過ごす人が多いようで、そう考えると本当に日本の正月に当たるような気がします。
 このクリスマス休暇の時期は(夏休みもそうでしたが)仕事になりません。うまく担当者が捕まらないのです。いずれにしろ皆クリスマスの準備に頭が一杯で何も熱心にやってくれませんし。

 ところで非常に困ったことが。なんと冷蔵庫が動いていません。修理を呼ぼうとあちこちに電話すると、大抵が早くて30日だと。やっと最終的に今日来てくれるところを見つけましたが、コンプレッサーごと変えないといけないので、新しいものを買った方がいいよ、と。ところがこれまたクリスマスを前に配送してくれるところがなく、やはり30日になるとのことなんです。
 今度のフラットにはベランダもないので、仕方なく二重窓の間に飲食物を挟んで“天然冷蔵”を試みています。
 
 明日のクリスマス・イヴの夜から翌日のクリスマスにかけては電車等交通機関がまるっきり止まってしまいます。この分では本当に“原始的な”ひっそりしたクリスマスになりそうです。
 やっと今日ブロードバンドが開設できたのが救いかな(結局最初の申し込みから2ヶ月かかったことになります)。これまで速度の遅いモバイル・ブロードバンドで、写真をアップするのにもすごく時間がかかって、正直ブログを書くのも億劫でしたが、また以前のペースに戻れそうです。

 では皆さん、Merry Christmas!

葉加瀬太郎さんのコンサート

2009-12-21 | 音楽
 噂には聞いていたのですが、こんなに“おもろい”コンサートだとは知りませんでした。その語り口の軽妙さはまるでヴァイオリンを持ったコメディアン(笑)いや、失礼。やはり曲を演奏し始めると、一瞬にして客席を魅了する素晴らしいミュージシャンでした。
 今日、葉加瀬太郎さんのコンサートにうかがいました。

 最新アルバム“My Favorite Songs”と同タイトルのツアーの一環で行われたNHKホールでの2日目のコンサートです。
 そのアルバムでも共演したジェイク・シマブクロさんと押尾コータローさんのふたりがゲストとして登場し、それぞれ“エトピリカ”と“あの夏の白い雲”をプレイしました。互いへのレスペクトと友情に溢れた演奏は、客席で見ていて非常に気持ちいいものでした。

 それもこれも葉加瀬さんの性格の良さが核にあるんでしょうね。楽屋で初めてお会いして一緒に写真を撮りましたが、もうこの表情でいかに良い人か分かるでしょ。



 さて、休憩を挟んでの第2部はご自分の作曲された曲を中心に情熱的な演奏が続き、最後は客席皆総立ちのノリでした。
 これだけ楽しいライヴを客席で体験して、その人気の理由をしっかり理解しました。

 それにしても、今回の10日余りの一時帰国の間に、スガさんの東京&大阪ライヴはもちろん、コータローさんにも再会できたし、葉加瀬さんにもお会いできて、音楽一杯の仕事で幸せな日々でした。
 明日ロンドンに戻ります。また向こうで書きますのでよろしく。

大阪公演終了!

2009-12-19 | 音楽
 スガさんの初海外ライヴとしてメンバーもスタッフも緊張に満ちたロンドン公演、それはサッカーに例えるならばアウェイでプレイする選手とスタッフの心境だったかもしれません。結果は素晴らしいプレイでアウェイの観客をも魅了しての“勝利”。
 そしてその成果を暖かい観客が大勢見守る“ホームグラウンド”でのプレイ。東京に続いて大阪公演を終了しました。

 昨日の大阪は(というか全国的なものでしたが)2月の気候という寒さ。それでも会場となったZepp大阪では開場前からたくさんのファンの方が並んでくれて、早くも熱気満々です。
 直前にイヤモニターのトラブルがあったものの、ほぼオンタイムでスタート。いつものように楽屋袖で、メンバーの登場による大きな歓声と、 いつ聴いても不思議に気持ちの高まる“19才”の出だしを確認してから、2階に回ってオーディエンスのひとりとして楽しみました。

 今年を締めくくるライヴとあって、1曲1曲を慈しむように歌い上げてくれました。昨日は少し喉の調子が良くなかったみたいなのですが、そんなことは関係なしのパワー満開のステージです。
 その気持ちの深さはロンドン、東京でもやらなかったダブル・アンコールで1曲多く“コノユビトマレ”をやってくれたことでも分かります。

 真面目なメンバーとスタッフばかりなので、ロンドン公演の話でも、来年は今年の反省をもとにこうやれるああやれると盛り上がりました。
 そうなんです、皆もう来年もやる気満々なんです。もちろん僕も!

 もともと今回のツアータイトル Suga Shikao Japan-UK circuitを決めた時、circuitには毎年定例でやる巡業の意味を意識しました。だからこれ1回限りでは本来の意味をなさないし、海外でもファンを獲得して定着させるためには、絶対に続けなければダメなんです。

 ということで、たくさんの激励メールをいただきましたが、おそらくそれに応えて来年もやることができると思います。ご期待下さい。