この世の中には二通りの人間がおります。
失敗したことだけを覚えていて、良かったことは忘れる。もう一つは、いいことしか覚えてなくて、損した(失敗)ことは忘れるであります。別にみれば楽観主義者と悲観主義者に分類されることもありましょうか。
例えば、山っ気の多い人たちがはまる相場やギャンブル。ビギナーズラックで、パチンコや競輪で大当たりをしてからというもの、その喜びを忘れられず博打にはまって、負け続けずるずると深みにはまるのは損したことを消し去るからです。ワタシは、今は一切ギャンブルとは手を切りました。昔はパチンコとマージャン好きでしたな。
競馬は、学生時分生まれた初めて買った馬券、たしか7頭立てだったか、これがびりっけつと6位の馬を連複で買っていたんです。その時に、自分には競馬の才能はない「馬が合わない」と感じて、それ以来一度も買いません。競輪に至っては、自宅から徒歩3分のところが「平塚競輪場」です、もし一たび手を染めたら、毎日の様に通うようになってとんでもないことになる、と競輪はやらないと固く決めております。
株などでは、家訓「当家では株はまかりならん」となっている家は、それを定めた先祖様が、間違いなく株で大損しているのですな。
宝くじは、ちょっと事情は違います。これに当たって病みつきになるという人はほとんど存在しませんし、外れても、損をした、失敗したと止める悲観的な人もいません。成功体験のないまま外しても外しても「性懲りもなく」買い続けるというのは、マスコミと電通が宝くじビジネスの恩恵にあずかって、さも幸せな夢を与えるという催眠商法だからであります。稀有な詐欺商法ですね。年末ジャンボ宝くじ が昨日締め切られました。10億円当たるのに、20億円買わなければならない、という仕組みなんですが・・・・。
庶民のささやかな夢だからいいのだと言います。そんな庶民からささやかな小遣いをむしり取る官製賭博をどうしても受け入れることはできません。
ワタシは残念ながら、悲観的で、悪いことばかりを思い出し、良かったことやおいしい思いをしたことなんかはほとんど思い出すことがありません。昔、バブルで手痛い損を被ったことを戒めのために「ゴルフの会員権」は手放さないでいます。株では、儲かったこともあり破格のボーナスをもらったりして、バブルの恩恵は十分享受しましたが、そちらは忘れていようと思います。
だからといって、現在やこれからについては、すべていい方に考えるようにしています。恵まれていて今までの人生はさほど間違っていなかったんだと。これからも、お迎えが来るまで、色濃く充実するように時間を惜しみ、わずかでも誰かのために役立てれば、これに優る幸せはありますまい。
一攫千金、濡れ手に粟、一か八か、そんな世界とは無縁の日々であります。そこでヤフオク。今年一年はある意味ヤフオクと書道が生活の中心に来ていました。ワタシには骨董趣味はなく、目利きでもありません。消耗品である書道具を、安く入手するための最良の方法であると確信した1年でもありました。
ヤフオクは手に取って見れるわけもなく、まがい品や模造品も多く紛れ込む混沌とした出品群です。それを、入札するときの心得は、骨董価値が介在しないもの、つまり発売された当初から大幅に値段が低い(と思われる)ものに限るということです。ネットでおおよそ、元値を調べて、その2,3割の価格で入手できればしめたものと考えております。それでも、思惑が外れ、半紙や硯・筆などもいくつか大外れはありました。捨てるほかないインチキもいくつかありました。
それでいいのです。当たりはずれがあるのがオークションですし、半分以上は極めて廉価で手に入ったり、安物と思って届いたものが案外良質、高級品だったりするのです。均せば明らかにお得な買い物をしていました。これこそ、ささやかな楽しみではありますまいか。多くは今定価で買い求めるより格段に安い値段で済むのですから。過剰に品物を集めたという謗りは甘んじて受けましょう。でも、書道教室の皆さんに差し上げて活用しているのだから無駄ではありません。
年末の当たり番号を待つまでのワクワク感は買ったものでなければ分からないでしょう。何万円かで当たった時の夢を買う、何も手にできないのに幸せ感を味わえるのです。
ワタシはそれはいやだなぁ。ヤフオクで落札したものが届いて、梱包を解くときのワクワク感はいいですよ。段ボール箱の中には必ず意中の品物が入っていて、外れがありませんからね。