全英女子オープンの3日目が終わりました。夜9時に中継が始まり、終わるのが午前3時過ぎです。この歳で夜更かしは体に悪く、翌日仕事になりません。それで、11時まで頑張った後は2時半に起きてTV観戦です。
ワタシの悪い予想に反して、無事予選を7位通過したのが「しぶこ」こと渋野日向子ちゃんです。あれだけ、リスクが大きくこの1年、結果も残せなかったスィングで、メジャー大会で予選落ちは必至と思っていました。ところが初日に、なんと単独1位になりました。たまたま全てがラッキーで好循環であった、と考えるべきか、あるいはスィング調整で修正が出来たのか訝っておりました。
シャローなバックスイング=(クラブヘッドがトップオブスィングで上に行かず、背中の方へ回る)であることと、切り返しまで間が無くて、クラブを十分に後ろに引く(バックスィング)のが中途半端というのがいかにも危なげでした。
テレビ中継ではWOWWOWは羽川豊プロ、CSでは岡本綾子さんが解説していますが、お二方共に言いにくそうにスィングの問題を幾度も指摘していました。岡本さんに至っては、クラブが上から降りて来るのが絶対で、Jコルダ、Nコルダ姉妹の事を大層褒めていました。上から降ろせば距離も合わせやすく、方向も真っすぐ曲がらないのだと解説し、渋野選手は、クラブが背中に行かなければとんでもない選手になるのに、とさえ言っていました。
予選を-4で通過し7位値のスタートが、終わってみれば-9の2位タイに浮上しました。プレーの内容で言えば、テレビでは分からない強い風の計算がうまくいって、向かい風に負けない強い球筋が打てたのでしょう。フェアウエーキープ率は40%に届かず、決して絶好調のショットとは言えませんでしたが、ポッとバンカーに入れなかったことと、セカンド、アプローチショットがピンに絡んだことでボギーをほとんど出さずに済んだことが幸いしました。コース全体が平坦で、でこぼこや傾斜が少ないため、渋野さんの打ち方でも大きくミスが出にくいという利点もありました。極端な打ち急ぎとシャロースイングは修正しているように見えました。
岡本さんが絶賛したコルダ姉妹は皮肉にも、36位・53位と圏外に落ちました。
トップに立ったのはアメリカツアー未勝利のアシュレー・ブハイ選手で、一人飛びぬけた神がかり的なショットを連発して昨日-7、通算-14でダントツになっています。彼女は34歳で、ロレックスランキング84位です。奇しくも渋野が優勝した2019年の同大会で、最終組になりました。
韓国人選手チョンインジと並んで5打差は大きいですが、チャンスは大いにあると思います。それは、ブハイ選手が、いまだに優勝経験が無いということ
であります。一度も優勝できないのには、それ相応の理由があります。メンタルや体調管理、技術面様々な要素で勝てなかったのだろうと思います。また、
総額730万ドル(優勝賞金109万5000ドル)という高額賞金の大会ですから、なみの選手ならば、最終日最終組で優勝争いのプレッシャーは尋常ではないはずです。
また、舞台のミュアフィールドは、強風が吹きつけ時には強い雨と寒さが加わるリンクスコースです。また150個ほどのたこつぼのようなバンカーがあり、入れると「出すだけ」になりボギーやダボを簡単にたたいてしまいます。1,2度バンカーに入れただけで大きくスコアを崩すので、5打差と言うのは決して安全圏とは言えません。
今夜はしぶこには、優勝を意識しないでのびのびとプレーしてもらいたいと思います。とにかくバンカーを避け、ボギーを打たず淡々と自分のプレーに集中出来れば勝機は来るともいます。そのカギは最終日1番のティーショットが曲がらない、パーで上がれるか、パットがショートしない、といった点にあります。ブハイさんは、必ず隙を見せる、3日間神がかり的でラッキーなプレーは続かない、それが出来るならとっくに優勝しているはずです。
むしろ最終日には無類の集中力と爆発力を発揮する韓国人選手の方が怖いかもしれません。優勝経験豊富なチョンインジ、インビーパク選手は侮れません。
今夜も夜中なんとか起きて応援せねば。この暑さと睡眠不足が体にこたえます(笑)