植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

湯(ゆ)うまいと思えど今日の熱魚(あつさかな)

2022年08月01日 | メダカ
今が、一年で一番暑い季節なんだそうです。それにしても暑い、口を開けば「暑い」以外の言葉が出てきません。それでも90歳になる一人暮らしの裏のおばさん、家にクーラーが付いていません。一間しかない昔のトタン葺き平屋の借家住まいで、台所もお風呂も全部熱が部屋にこもるそうです。さすがに最近「まだらボケ」で、ドロボーに入られたと言っては年中警察に電話をし、近所迷惑をかけるようになりましたが。

それでも大正生まれの人は、鍛え方が違います。物のない時代に育ち太平洋戦争を乗り越えてきた人です。いまだにチャリを乗り回し競輪の車券を買い、毎週彼氏が訪ねてきます。相模川の土手、1mもある石垣をよじ登ります。

その点、昭和中期に生を受けた「戦争を知らない子供たち」であるワタシ達はひ弱で、すぐに弱音をはきます。この歳になるとあっちが痛い、あぁ疲れた、眠い、腹減ったと文句ばかりで困ったことであります。

この暑いのに文句ひとつ言わないのは愛犬「スミレ」であります。元は信州や甲州の標高の高い山奥で、狩猟犬として飼われていました。寒さにはめっぽう強い分、現在の暑さには弱いのだろうと思います。ましてや近年の「温暖化」による気温の上昇で、毎年のように観測史上最高クラスの気温を記録するようになりました。九州育ちのワタシも、こんなに暑い夏は記憶にありません。かつて毎年遊びに行った石垣島の日中、あるいはベトナムでゴルフをしたときの蒸し暑さと同じくらいだと思います。

スミレは、汗ひとつかかず、何も言わないけれど顔が暑いと物語っています。開け放しの口からは舌が長く伸び、はぁはぁと息遣いが荒いのは暑い証拠であります。なにしろこの暑さの中、真っ黒でびっしりと毛が詰まった厚い毛皮を着ているのです。筋金入りの愛犬家である家内は、スミレを涼しい玄関のゲージに入れ、サーキュレーターを回しております。日中は庭に放し飼いですがスミレは、少しでも涼しい日陰を求めてあちこち移動しています。

だんだん、夕方家にいれる時間を早めるしかありません。こう暑いとそのうち終日冷房の効いた室内に入れることにもなりかねませんね。

さて、もっともこの暑さで対策を要するのが「メダカ」です。
「言うまいと思えど今日のあつさかな」であります。メダカは勿論日本の固有種で日本の気候・環境に合致して自然界で暮らしてきました。しかし、今や河川の水質悪化や環境破壊により絶滅危惧種に指定されています。

そのメダカも、40度越えになると死に直面します。煮えてしまうのです。いかに地球温暖化と言えど日本の自然界で水温が40度になることはありません。しかし、人間が飼うとなると事情が違います。家の中でも屋外でも、人工物の中で育てる場合はとても注意が必要です。煮えないまでも、水温が上がれば上がるほど水中の糞や有機物は腐敗して、水質悪化が早く進みます。また高温になると水中の酸素が減り酸欠になります。

ウチのメダカたちは諸般の事情から、周囲で最も暑くなる屋上で育てているのです。屋上は何も対策をしないと、地表の気温に比べてゆうに10度以上高くなります。10年前、建築間もない頃は屋上では熱風が吹き、数分も居られない暑さでした。屋上に設置している温室で、冬越しのために集めておいた12月に、うっかり閉め切りにしていたら、温室内温度が60度以上になり、植物の半分ほど枯れ死させたことがあります。それ以降は万一の為に、サーモスタットをつけ40℃を越えたら換気扇が回る様にしました。

屋上三か所に花壇を設け、100個ほどの鉢植えを置いて、もろに屋上の温度が上がらないようにしつつ、メダカのプールが10数個あるのです。水を湛えた大きな器が幾つもあるのでそれ自体は高温化を抑制しますが、この暑さは半端ないのです。それぞれのプールには7割以上が日陰になるよう、ガーデンプレート、葦簀(よしず)を二つを覆うようにしています。日中は、容器に手を入れてお風呂のお湯より熱くなっていないかをチェックします。数匹でも死んで浮いていたら緊急事態なので、すぐさま水を足し水温を下げます。

昼間にはホースで水撒きして気化熱をとります(いささか砂漠に水、焼け石に水ではありますが)。出来るだけ日陰を多く作るようにしなければなりません。何より大事なのは、水替えのサイクルを早め、水質水温が悪化しないことに精を出すしかありません。屋上の40℃以上の炎天下で、メダカを引っ越しさせプールの水を替えるというのは、なかなかの手間と労力なのです。しかしこれでも不十分、後で葦簀を二つ買い足そうと思います。

メダカの熱中対策はいいけれど、人間様が暑さでマイってしまうのが一番まずいことでありますな(笑)
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