植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ヤフオクは極めて健全なるギャンブルだ うーんやめられない

2021年09月18日 | 篆刻
 ヤフオクでANAから国際線ファーストクラスモックアップシート の実物大の模型が出品されるそうです。スタートは8千円足らずで設定されるようですが、安くて50万円、話題性があるし、めったにお目にかかれるものではありませんから、走らない高級車1/4台として100万円を超えても不思議はありませんね。21日に始まるようなのでちょっと気にしてみてみようと思います。絶対入札はしませんが(笑)、もしこれがあれば、窓際に設置し、テレビとパソコンをつけて、スマホをいじったり本を読んだり、コーヒーを飲みます。うわ、想像するだけで楽しい!


 ワタシはと言えば相変わらず篆刻用印材を中心に細々と落札しております。例によって1万円を目安にしているので、数万円になるものは指をくわえて見送るだけであります。一日3個平均彫っているのでいくつあってもいい、これが落とし穴で、数十点まとめて出品される使用済み印に手を出してしまうのです。経験的には、古い時代の印材が多く、それなりの方が彫ったり押印して使ったものでで質がいいもの、再利用に適したものが多く含まれ、たまに「お宝」に出くわすのでやめられません(´;ω;`)

 このところまずまずの品物が入手出来ておりました。目安は「側款」が丁寧に彫られていて「作者名」が残っているもの、自然石の形のまま不整形の印や薄意という浅い浮き彫りがある石が含まれているかなどということです。下の印はいずれも三宝と呼ばれるような希少・高価な石質ではありません。しかし、安い岩盤から切り出した方形の切り石ではなく、姿と色合いのいい丸石をそのまま生かして、絵柄を浮き彫りにし、磨いて印材にしたもので、手間もかかった良材であります。

 なかには立方体の切り石をわざわざ丸く削って仕立てることもあるようですが、その場合でも磨きとつやがでて風合いがある美しい石でないと高く売れません。手間をかける分、質がいい石を選ぶと言うのが道理であります。
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一方残念ながら、ここ2回分約200個の印材は大外れでありました。子供が彫った形跡がある安い印材、大きすぎて通常の落款印には向かないもの、逆に極小の印が数十個も混じってるもので、半分くらいは使い物になりません。彫自体も参考になるような印影は少ないのでした。また、高級印材と思しきものもほぼ皆無でありました。

 ヤフオクはなかばくじ引きみたいなもので当たりはずれがある、だからやめられません。仮に1,2万円分の印が外れであったとしても、空くじでは無い品物が届くので何かしら使い道があるのです。若い頃パチンコにはまって毎週何万円も「溶かした」ことに比べたらはるかにましな健全な賭け事と言えるでしょう。

 それでも、少し落胆したワタシに同じタイミングで届いた包みは大当たりでありました。これはすでに数十個所有している印泥であります。印泥はピンキリで、新品でも安いものなら2千円ほど、最高級のものは少量でも数万円致します。50年以上経過した「栄寶斎」の本物なら30万円以上もいたします。

 書道家さんでも落款を入れる時に使う印泥はせいぜい3,4個もあれば事足ります。年数がたつと変質する(黒ずんできたり、油がしみ出す)粗悪品は論外ですが、明るい朱色、赤みが強い紅色、やや暗色が入った古色といった色合いで複数の印泥を使い分けするのです。

 ワタシが印泥を沢山持っているのは、やはり「まとめてなんぼ」という出品を物色してきたからでもありますが、中古品の印泥には、質の違い、固さ、色合い、香りなどに大きな差があって、なかなかこれと言ったものに当たらないからです。更に、彫った印を差し上げる時に、安物でも未使用の印泥を添えると大層喜ばれるからでもあります。

 更に、自分の篆刻の腕は未熟な分を良質な印泥で補おうという邪な意図もございますな。前述の「栄宝斎 」は流石に無理でも、珍しいと言われる魯庵印泥、大観印泥、蘇州姜思序堂 、一得閣、高式熊印泥などは書道家(もどき)篆刻家(志望)としては是非押さえておきたいところなのです。

 それで先日見つけたのが「印泥まとめて5個」でありました。この中に紹介写真に「式熊」の印泥を見つけたのです。滅多に出品されず最低大体一万円以上で落札されています。蘇州姜思序堂の八宝印泥もある!、これは行くしかない、と思い切って1万5千円ほどの札を入れました。すると思いがけず3,300円で落札できたのです。

 これは夢か幻か、そこで調子に乗って同じ出品者が出していた前述の「大外れの」まとめて印材100個ほどを2件落札したのです。

じゃじゃーん、これです。左下が欲しくてやっと手にした「高式熊印泥」の上品2両装(60g)、その隣が「潜泉印泥」の箭簇2両装、右が「蘇州姜思序堂」八宝印泥未使用1両装です。これだけで、定価は4万円以上致します。後部左は銘柄不明、右は波佐見焼和山の印合でした。石材で損した感じはこれで払拭して、おつりが来ます。

 ちなみに一般的に売られている普及品の印泥は、大半のメーカーは光明、美麗、箭簇と表示し、それ以上の高級品は上品、珍品、貢品などとなります。八宝、珍珠などと表記されているのは、高品質と思って間違いありません。

無いのは日本で唯一生産される高級印泥「大観印泥」くらいのものです。とにかく、印材と印泥はすでに篆刻家以上となりました。あとはワタシの「腕」それだけなんですが・・・
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