植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

これにて保証人にはなるべからず

2021年09月25日 | 雑感
 保証人になるのは禁止、これがワタシが金融機関に入行した時の5大禁止項目に入っておりました。その時22歳、身元「保証人」の印を貰いに親戚を訪ねたのが「保証人」との関わりのスタートでした。銀行員が、他人の負債の連帯保証をするのは、借入人や貸し手にとっては好都合です。返済不能に陥ったとき、その銀行員は他人の借金返済のために、銀行のお金に手を付ける、という大変なリスクが発生するので、行員に対して絶対に保証人にならないと誓約させるのです。

 保証人は様々でありますが、基本的に「連帯保証人」と限定的な一般的保証人に大別されます。前者は、債務者と法的に同等の債務を負うことになります。つまり借入人でもなければお金を受領したわけでもないのに、債務者が債務不履行になったら代わりに返済しなければならないのです。テレビや映画で「友人の保証人のハンコをついたばかりに、取りたてが来る」というシーンがよく見られますが、これであります。頼まれてうっかり気安く連帯保証人になったばっかりに、自分の財産を失う、破産するなどの末路は、実社会にも多く存在するのです。

 アパートの家賃保証人、就職時の身元保証人はそれほどシビアではありませんが、それでも頼む側からすれば迷惑をかける心配があるので簡単に頼めないものでもあります。

 ワタシは、現役時代、債務の保証人の印を押したことはありませんでした。倅のアパートの入居時に一度保証人になったことくらい。子供たちの就職時にも、会社側の規定で保証人は同居親族以外、という条件だったのです。

 長年世話になった金融機関をリタイアして初めて起業した会社の「連帯保証人」になりました。借り入れなど銀行との取引を始める時法人は「銀行取引約定書」を差し入れします。大企業でもない限り代表者は自動的に連帯保証人の立場となります。これが生まれて初めて債務保証人となったのですが、会社自体が個人と一体の零細企業ですから当たり前、どうということもありませんでした。

 さて、本日はこれとは別に、保証人の印を今日捺印する手はずとなりました。こちらは生涯で3回目の「婚姻届」であります。勿論自分のではありません。三人の子供たちの保証人です。法律で「成人の保証人が 2 人以上署名すること」 と定められていてすでに長男、次男の保証人になりました。今日の午後、三男が婚約者のお嬢さんと連れ立ってハンコを貰いに来るのです。

 感無量、というべきか、とうとうこれでみんな収まってくれます。ワタシ達夫婦で子供三人を育て、ここが区切り、自分の伴侶を見つけて自立するのです。喜んで印を押します。おかげで負うべき債務はありませんが親としての「最低責任」を全うしたと素直に喜んでおります。

 これで、死ぬまで保証人になることは無かろうと思います。経営する会社は借金とは無縁(投資するような要素無し)。連帯保証人を頼みに来るような友人はおりません。唯一保証人の心配があるとしたら、子供の誰かが離婚して再婚というパターンでありますが、そうならないことを願うばかりであります。

 知り合いのお菓子屋さんから美味しいケーキを買ってきます。お祝い金は用意しました。彼女が果物好きなので自家製ぶどう「甲斐路」もとってあります。そわそわして落ち着かない、そして晴れやかな朝であります。
コメント (1)
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