コロナというウィルスの戦いは、果てし無いようですね。起源がわからず発症するとも限らず、弱いものを狙って重症化させる厄介な病気です。初期の段階から懸念されていた変異によって、感染力が増し、強毒化・重症化の恐れもあります。
わが国ではここにきて、感染者数が急速に減少してきて第三波が収まったかに見えます。これが、年末年始の人の動きや会食増加などによる感染が一段落したものか、Gotoを中止した影響か、さもなければ緊急事態宣言の発布の効果が表れたものか、精緻に解析して第4波に備えるべきだと思いますね。疫学的なサイクルで山と谷が発生するという現象かもしれません。こういう時こそ、AIなどという最先端の研究を生かしてほしいものです。スーパーコンピューターを飛沫の解析程度の些末な研究に使っているようでは宝の持ち腐れというものです。
持ち腐れといえば、観葉植物、とりわけ洋ランの根腐れもウィルスによって引き起こされるようです。酸素を欲しがる根っこに水が回ってじめじめすると細菌が繁殖します。出来るだけ水をやらないで清潔に保つことが肝要なんですが、かといってミズゴケがカチカチになるほど乾燥させると蘭自体が干からびて枯れる心配もあります。
のみならず、洋ランの根は繊細で強い肥料は禁物なのです。特に胡蝶蘭やパフィオペディルムなどの着生ランはほとんど肥料を与えてはならないのです。以前薄めた液肥を水代わりに与えていました。それだけなら問題はありませんが、乾燥するに従い肥料の濃度が上がり根を傷つけるのですね。そこに高温と大量の水分があるとウィルスが活性化し、根を腐らせるということらしいです。
このブログでは害虫の被害を取り上げてきました。さらに、細菌やウィルスが引き起こす病気も負けず劣らず怖いものなのです。
うちのメインであるバラ園も、毎年うどん粉病や 黒星病などの病気に悩まされています。葉っぱが白くなるほど殺菌剤を撒かないとなかなか防げません。バラの場合は、まだ裸木の3月に念入りに殺菌するのがいいようです。ウィルスはすでに、土や幹にとりついていて暖かくなるのを待っているのです。蒸し暑い梅雨になると猛威を振るいます。そうならないよう今のうちに潜む病原菌を殺しておくのです。
当然、ずっと風や雨に乗って細菌は運ばれてきますし、土から起こる泥はねや埃にも含まれていますから、しつこく叩く、これしかありません。今順調に生長している玉ねぎ、にんにくも「赤さび病」という厄介な病気が発生します。農家さんではこれが問題で、いったん広がると圃場全体に蔓延し、全滅することもあるそうです。野焼きをして枯れた雑草や野菜くずなどを土と一緒に高温で殺菌するのが有効です。町場に住むワタシらはこれが出来ないので大変なんです。
やむなく、殺菌剤の表面散布・潅注に頼らざるをえません。晴れた日には土を起こして日に当てて日光消毒する、という原始的な対策も有効であります。
さて、そこで、最大の問題がぶどう棚なのです。ぶどうは非常に病気に弱いのです。罹るウィルス性の病気だけで30以上あるそうです。特に欧州系のブドウは、雨や高温多湿を嫌い葉も茎も実も全部病気になります。日本で露地栽培されるデラウエアなどはその名の通りアメリカ系の品種で、病気に強いのです。ピオーネ・巨砲などの紫黒色系の品種は、病気に強いアメリカ系と欧州系を交配させているので、日本でも比較的育てやすいのです。
日本の高温多湿・多雨の気候では生産農家さんは、ハウス栽培が中心になります。ぶどう棚の上に大きく覆うビニールハウスで囲って育てています。極力水を減らし、温暖にして茎や葉に雨がかからない、これが理想なのです。
ワタシは、後先考えずに植えたのがシャインマスカット、次にロザリオビアンコ、さらに「甲斐路」、バリバリの欧州種で、雨に負ける代表種ばかりなのです。案の定、梅雨入りと前後して「黒糖病」に罹りまともに収穫できません。この4年間悪戦苦闘しておりますが、うまくいかないのです。黒糖病は、まず若葉を真っ赤に枯らしちりちりになります。茎は黒ずみ先端は真っ黒になって腐ります。実がついても粒に黒い斑点が出て粒の生長を阻害します。
殺菌剤を4,5種類そろえ混合したりして週一回くらいのペースで噴霧していますがとても追いつかないのです。おととし植えた甲斐路などは、昨年3房結実しましたが、袋掛けしてもどんどんと黒ずんで大きくなる前にすべて腐敗してしまいました。この品種は、雨をよけるハウスが無いと収穫できないと書いてましたがその通りでありました。
土中にも、幹にも棚のワイヤーや黒く枯れて残ったつるひげにもウィルスが残っているんだそうです。
そんなわけで、今年こそビニールを被せ、一部分でもせめて雨叩きだけは避けよう、と考えてビニール屋根作りに取り掛かったのであります。
(以下は続く)