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植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

連続朝廷ドラマ「여정」(ヨジョン)始まりました

2020年06月17日 | 時事
 最近ではあまり観なくなりましたが、韓流の王朝ドラマというのは、非常に興味深く面白いものでありました。日本で言えば江戸時代の将軍家をメインにおいた時代劇で、「水戸黄門」「暴れん坊将軍」のような位置づけになりましょうか。韓国では、名監督「イビョンホン」さんがこうしたドラマを数多く手掛けております。
 古くはホジュン、チャングムそしてワタシがハマるきっかけとなった名作「イサン」、さらに「トンイ」など主人公の名前をそのまま題名にするのも多いです。
 
 朝鮮半島では、群雄割拠の黎明期から、新羅・百済・高句麗という三国時代を経て、1392年に李王朝として統一国家をなして、以降体制が500年間続きました。その開祖李将軍の一族が主人公または重要な役柄で王朝ドラマが連綿と作られております。
 
 ほとんどの筋立ては、王様とその跡取り(セジャ)を巡る重臣同士の派閥争いであります。王様の世継ぎ騒動と、両班と呼ばれる特権階級が、国政を操り私腹を肥やして一族の繁栄を追い求めるため権謀術数の限りを尽くすという決まり切ったストーリー。差別される平民やは、そうした朝廷の犠牲となって貧困と病気に苦しむのであります。これに明とか清とかの中国を後ろ盾に、属国として政権や国家の安定を図ります。また「倭寇」と呼んで、敵性国家たる日本からの侵攻や交易交流も欠かせない要素になります。
 
 早い話、現代とさほど変わっていないのです。違うと言えば今は半島国家が南北に分かれてしまい、双方で敵対関係にあるということでしょう。その中で北朝鮮は、共和国とは名ばかりで「金氏北朝鮮」と呼ぶべき国家です。昔のままの王朝ドラマさながらでありますね。

 そこで、新たな王朝ドラマ「여정」(ヨジョン)が始まりました。これはワタシの妄想です、悪しからず。
 三代続く金王朝の三代目の将軍様の妹が主人公です。李氏朝鮮では儒教の思想が色濃く、女性を王位につけることは原則ありませんでした。しかしながら王様の正室、側室が政務に口を出すことは珍しいことでは無いようです。また、王様の母親「皇后」が王位の継承はじめ絶大な発言権を持っていたのは確かです。少なくとも韓流ドラマの中ではそうです。

 映画「王になった男」では、荒んだ悪政を執り行う王様にそっくりの道化師が、いつしか王に成り代わって善政をしくというあらすじでありました。映画では、元の王様は側近に毒殺されます。
 今回の「ヨジョン」では、三代目の王様が、糖尿病と心臓病を発症し、若くして倒れる、というところから始まります。前後不覚に陥った王様の側近たちは体制の崩壊を恐れ、かねてから用意していた「影武者」を仕立てます。これを主導したのが妹の金ヨジョンさん。
 数年前から将軍様の身内として秘書代わりにとりたてられておりました。次第に名代として表舞台に姿を現すようにはなりましたが、党や政府の中の公職は下っ端で、大きな肩書はありません。(ここまでが第1話)

 ところが、ある時三代目将軍に呼ばれてこう切り出されます。
「自分には、セジャ(世子)として決めている息子がいるがいかんせん幼い。体調がすぐれず、子供らの成長を見届けられるか心配である。もし自分の身に万一のことがあれば、お前にその間摂政を任せる。」これが回想シーンですね。
 ヨジョンさんの顔つきがこれを境に変わります。笑みを湛えるまなざしの奥の眼光が鋭くなります。ぐっと顎を突き出し為政者としての面構えに変貌していくのです。

 おりしも世界的な流行り病が国内でも広がり、頼みの中国からの物流が途絶えてしまいました。交易による外貨獲得がままならず、国内では経済渇度が停滞、多くの感染者であふれかえっています。

 主人公は、いずれ将軍が亡くなることもわかっており、影武者にも消えてもらうことに決めております。その時期が来たときに、自分が正当な金王朝の直系であり、国政を担うにふさわしい実力を内外に見せつける必要があるわけであります。国内外にヨジョンさんがメッセージを発することが増えます。(ここまでが第2話)

 そこで、隣国「文氏朝鮮(大韓民国)」と平和外交を装っていた将軍に代わって、突然敵対姿勢を見せつけることとしたのです。これはアジア的兵法の定石です。自国民の関心を敵性国家にそらし、自分が統率力実行力のある指導者であることを誇示することが政権の安定につながるのでありますな。
 理由理屈などはこの際どうでもいいことであります。脅迫・威嚇外交を一歩進めた、実行戦術に転換したのが、ビラ配りをきっかけとした「友好の家-連絡所」破壊です。物語の序盤のハイライト(ヤマ)でありますこれが第3話

 今後の展開としては、将軍崩御・重臣の権力争い・世継ぎ問題などが次々と噴出し、軍部のクーデター、内戦などに展開していきます。もし、ワタシがこの続きを書くとしたら、現在後継者と目される将軍様の息子に対し、ヨジョンさんが、わが子をその座につけるか葛藤するという筋書きにします。今まで見た王朝ドラマでは普通の展開でありますな。
 しかし、その結末は誰にも予想できません。誰も想像しえないような悲劇が起こらなければいいのですが。
 
とまぁ、ここまで書き進んできましたが、あくまでワタシの創作、フィクションであります。
 ワタシが、今強く感じるのが、この500年続いた李氏王政に引導を渡したのが「日韓併合」です。日本人がずかずかと王城に入ってきて王様たちを追い出し、日本の属国としたわけです。
 もし、日本で、他の国が襲来し、天皇制をうち壊し、ワタシたちが敬愛する天皇ご一家を追放して占領されたら、その恨みは末代までも継がれることでありましょう。
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