植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

「メダカ売り」の噺は落語にはないけど

2020年06月14日 | 落語
 園芸もメダカ育成も書道も、すべて趣味であります。毎日やりたいことを好きな時間に好きなだけ出来るというのが幸せで、他には何も求めないのです。お金は一方的に出ていくのは致し方ありません。それが趣味であり道楽でもありますな。
 趣味と実益という考え方は、合理的理想的ではありますが、現実にはなかなかそうはうまくいきません。収入(実益)を求めるあまり、楽しさや余裕を失い、リスクまで負うことになりかねませんね。
 
 ワタシの場合、別に大店の旦那でもありませんが、落語で言えば、道楽好きの楽隠居というところでしょうか。野菜などがうまく出来ればご近所や親せきに差し上げて、ちょっとした義理を果たします。果実は自分のおやつ代わりに頂くのが実益と言えば実益。書道に至っては、ちょっと上手に書けたと思ったら、知り合いに持ってけ、とばかりおしつけます。
 下手な義太夫を人前で語ろうと、酒食を用意し嫌がる(怖がる)ご近所さんや使用人を集める落語「寝床」の旦那さんというところでしょうか。

 メダカに関しては、4年前に屋上で飼い始めた時には13匹買いました。白メダカ3匹、ダルマ系5匹、ミックス5匹が内訳です。昨年夏にホームセンターで見かけて衝動買いした「ミユキメダカ ラメ」が4匹で、合計17匹買ったことになります。それが、今や大小8つのプール・水槽にうじゃうじゃ増えました。何回かは人様に差し上げましたが、それでも彼らの性欲はすさまじく、春先から晩秋まで暇さえあれば繁殖を繰り返します。
 毎日外食・美食に明け暮れ、有り余った精力は綺麗なカミさんに飽き足らず、若い子とエッチし放題、というどこかで騒がれているような状況でありますな。
 
 単なる趣味で、なんの目的もなく飼っているのでありますが、これはこれでなかなか手間がかかるのです。順番に少しづつ水替えします。一遍に水を入れ替えると、ストレスや急激な環境の変化で、死んだりするのです。汲み置いた水にカルキ抜きをして同じ場所に水槽を置いていれば全部変えることもできますが、水槽が増えメダカが増えるとそうもやってられなくなります。ワタシは、毎日のように1,2割の水道水をホースで足していくようにしております。緑色に濁ってきたら全とっかえも致しますが。
 メダカの総数も少なくとも5,6百匹は居ます。ミユキメダカも6、70匹に増えています。餌代も馬鹿になりません。朝夕に一度ずつ給餌しますが、暖かくなって繁殖時期を迎えると食欲旺盛になります。水面を波立たせるように餌を求めがっついてきますよ。産卵すると、もうやめておこうと思いつつも身体が自然と動いてしまいます。稚魚・産卵用プールに産卵床ごと、あるいは沈んだ卵を移してしまうのです。
 
 しかしここにきて、どうもキャパの上限に近づいてきた感があるのです。簡単にミックスメダカを引き取ってくれる奇特な方はいません。メダカを飼う人はとっくに飼育・繁殖をやっていますから、なにも交雑したメダカなどは欲しがりません。さりとて、下水に流すといった残酷なことが出来ようもありません。近くの相模川に放流するのも厳密には違法行為になります。

 ネットでの販売は可能であります。すでに売るもの無しながらベイス(BASE)の設定登録は済んでいるのです。ですが、生き物を売るリスクは冒せませんね。素人がネットで、水に入れたメダカを売るなどはまぁやめたほうがよろしいというものです。
 
 そこで、思いついたのが花屋のカナちゃんであります。今までも持て余した鉢物・株分けで増えた植物などを持ち込んでおります。不要物をフリマで売るというようなレベルですから、半分ぐらいは売れ残っていますな。カナちゃんもいい迷惑でしょうが、こちらはお代は頂かないので気にしません(笑)。今度のメダカも、目的は、増えすぎたメダカたちを里子に出して、屋上メダカプールを減らすことにあるのでお金はいらないのです。
 
 一昨日、試しに12個のカップに分けたメダカを持ち込みましたら、昼過ぎには全部売れたそうであります。よしとばかり、同じだけを昨日も花屋さんに届けました。カナちゃんはメダカの売り上げの一部は支払うと言ってくれますが。基本的には商売でやるつもりはないのです。
 天秤でかついでカボチャを売る羽目になった大店を勘当された若旦那が、たまたま売れた代金そっくりを長屋暮らしのお内儀さんに置いてくるという落語がありますが、そんな大層な話ではありません。カップ購入代金くらいは頂きますよ。

 うまくいって、半分くらいに減らせたら、と思います。
ワタシの好きな噺家さんの一人は柳家小さん師匠ですが、その得意の演目で「試し酒」という新作落語があります。主人のお供についた底知らずの大酒のみと紹介された下男に、外出先の旦那が、では飲ませてみようと5升酒を飲ませるという話で、下男が飲めるかどうか試すために中座して試しに飲んでくるというのがミソであります。見事5升酒を飲みほした下男に、旦那が褒美を与えようとすると「金が欲しい」と答えます。そこで、その金は何に使うと尋ねると「酒を買う」というのがオチだったと記憶しています。
 
さて、もし売上代金の少しを頂いたら何を買う?
「新種交配用に楊貴妃メダカを買う」

お後がよろしい様で  _(._.)_
コメント
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