植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

只今の決まり手は丸投げ、丸投げであります

2020年06月15日 | コロナ
前田ハウス(笑)、なんともセンスの無い名前ですな。
 
自立支援施設や簡易宿泊所のようなネーミング、これが、広告代理店電通主導によるパーティーなのか、前田中小企業庁長官の私的な懇親会場なのかは存じませんが、いずれにせよ経済界を先導するイメージ戦略としたら、恥ずかしくなるほどお粗末な印象であります。
 経産省の最高幹部が、所管する大手広告代理店と、テキサス州へ視察旅行をしていた、というのが、公費による視察なのか、民間企業による接待旅行なのかはわかりませんが、お役人にとってはどちらにしても人の金で物見遊山し、酒池肉林、公私混同という構図には変わりがないでしょう。
 150㎡もあるアパートの一室を借り上げ、毎晩泊まり込みでパーティを行うというのが、飯も出さずに高額のパーティー代を稼ぐのが目的なのか、乱交パーティーを主催したのか、はたまた、テキサスというビジネス拠点で情報収集・企業間の情報交換、ロビー活動をするといった、経済官僚の高等戦術だったのか。

 国会に呼ばれて答弁する前田さんご本人の、挙動不審・アタフタした態度を見ると、とても正々堂々と実態を説明できるような事案ではなさそうです。

 安倍政権ですから、どうせこれだけでは、単なる経産省幹部の「軽率な行動」で済まされるところであります。なんといっても衆目の集まるコロナ対策「持続化給付金事業」の委託先が実質的に電通であったということで様々な憶測を呼ぶことになってるのですが。

 役人の味方をするわけではありませんが、元来省庁という所は、国政に必要な計画予算などを立案し、その情報収集や開示を行うことが一義的で、執行機関あるいは実務・施工などの実際的な仕事を行う体制にはなっておりません。
 協会とかなんとか機構に委託するか、一般入札などで民間業者に丸投げするのが当たり前なのです。こうした団体は「口入稼業」、やくざさんと大差ありません。ましてや今回初めて経験するコロナ対策ですから、経産省でもどこでも、ノウハウなんかはありません。民間から企画書を貰って省内で立案するので、外部と接触しないと始まらないのです。
 
 さらに言えば、お役人にとって国家予算は、他人様から分捕ったあぶく銭(税金として吸い上げ、省庁ごとの予算配分争い)で、自分の腹は痛まないのですから、使いたい放題です。予算として確保したからには一円残さず使い切る、そしてそれがあたかも自分の金であるかの如く振舞うのであります。
 無駄な支出をしないとか支払う公金の妥当性、委託した事業の実際の資金使途などには興味ありません。興味あるのはそうした外部団体に恩を着せ、あわよくば私益を得るということだけです。

 受託先は何を考えるか。それは、汗をかかずに実利だけ貰うということ、さらにリスクを取らずにいい思いをするということですね。そこで、再委託(下請けに丸投げ)することになります再委託先も細かい仕事は孫請けさせればよし、「口銭」稼ぎで十分ということになります。

 お役人の世界ではそんなのジョーシキなのです。例えばJV(ジョイントベンチャー)などが典型的です。大手のゼネコンが取り仕切って建設工事全体のプロジェクトを構築し、談合で決まった先が決まった高値で落札する。すると傘下の大手建設会社に細かく再委託、その先には下請け孫請けとドンドンすそ野が広がって公金分配互助会となるのです。良い方に解釈すれば、経営・施工リスクの分散、得意分野の企業同士が協力して高レベルの施工が実現するという理屈になります。
 余裕をもった発注額によって、低劣施工・手抜き行為を防ぐという大義名分もあるのです。

 ですから、今回の持続化給付金事業のスキームや発注のプロセスは、お役人にとっては、ごく自然な流れであったのです。

 では、なにが問題か。それは、コロナで国民の大部分が、脅威と忍耐の中で自粛し収入減や生活苦におびえながら未来を信じて頑張っているのに(中には無神経に行動する方もいますが)、コロナ対策の巨額な補正予算が、閣議決定でいとも簡単に了承され11兆円が使途を示さないつかみ金、使い道が的外れであり、しかも、無駄で不透明では無いかという世論が噴出しているからでありますな。
 例の「アベノマスク」がその象徴です。

 中小企業や個人事業主などに最大2百万円を給付する持続化給付金で、2兆3千億円の予算規模です。ほとんどが、コロナで困窮している中小の経営者の手に渡るので、それはそれでその価値も効果もあるでしょう。
 それが、ほとんど事業実態のない社団法人サービスデザイン推進協議会に約769億円で委託され、即座に20億円抜かれて電通に再委託されたのがおかしいだろという問題なのです。この協議会は必要な決算の開示や届け出も行っておらず、電通の借り上げビルに無人のオフィスを置いていること、前田ハウス関連の電通関係者が運営しているということから、癒着出来レースの疑いが濃いのですね。

 そもそも、この程度の事業は例えば、収支悪化に苦しむ金融機関で特設窓口を設ければ簡単なのです。融資窓口では従来から事業にかかわる相談をうけております。今回も新型コロナ対策融資制度が新設されています。説明すべき内容や作成書類の中身は似たようなものですから、一度に両方受付可能にすれば事足りるのです。資金の振り込み作業も当然簡便にすみます。

 こういう100年に一度とも国家存亡の危機ともいわれるコロナ禍にも、私利私欲に走り公費・税金にたかって来る輩と、それと一蓮托生の政権や官僚が数多居ることをワタシ達は目の当たりにしています。どさくさ紛れの火事場泥棒達を見過ごすか否かで、コロナの後の世界が変わると思いますね。
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