
秋を表す英語には、「Fall」(フォール)と「Autumn」(オータム)の2種類があります。
5世紀頃のヨーロッパでは、「秋」のことを「Harvest」(ハーベスト)と呼んでいたそうです。harvestは「実になったものを集める」ということから「収穫」となり、その季節が秋であるので「秋」を表す意味で用いられるようになったようです。
イギリスでは、16世紀頃になると、多くの人々が街に住むようになり、農業から遠ざかったため、「秋」が収穫と結びつきにくくなったかもしれません。その代わりに、上流階級や知識人が使っていた、ラテン語のautumnus「季節が増大する(移り変わる)」が起源の「autumn」や「落ち葉」由来の「fall」が徐々に用いられるようになったようです。
19世紀半ば頃からイギリスではfallはだんだん使われなくなり、現在ではautumnが主に使われています。17世紀初め頃、イギリスからアメリカへ入植した人々がfallを使う地方の人たちのようでした。そこで、秋を表す言葉としてアメリカではfallが根づいていったのでしょう。
しかしアメリカでも「秋風」のautumn breezeのような表現はわざわざfallになおさずにそのまま使われています。autumnのほうがより詩的で文語的な感じがするそうです。このように文脈によってはautumnが好まれる場合もあるようです。現在では、ニュースや文語などフォーマルな場面で「Autumn」、日常会話などのカジュアルな場面で「Fall」が使用される事が多いようです。
Autumn is coming and leaves are falling.