風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

スペインの旅、アルカラ・デ・エナーレス

2011年06月29日 | スペインの旅
6月3日 アルカラ・デ・エナーレス

 
今日は、マドリードでの予備日。そこでなじみがないかもしれないが、15世紀に作られたアルカラ大学がある街、
また、『ドン・キ・ホーテ』作者セルバンテスが生まれた街=アルカラ・デ・エナーレスを訪れた。
エナーレスはローカル線なので、電車の切符の予約も必要ないし、10分間隔で走っているので気分は楽だ。
スペインの国鉄=rennfeは、日本の新幹線のような特急路線と近郊ローカルがある。
マドリッド・アトーチャ駅も、特急用のプエルタ・デ・アトーチャ駅とローカルのアトーチャ・セルカニアスの二つの駅が隣接してあり、
北部5kmほどに、近郊線の他、バルセロナ夜行列車や国際列車などの駅・チャマルチィン駅がある。
同じアトーチャ駅だが、切符売り場も、改札ももちろんプラットホームも全く別で、次のような感じ。 
  
ローカル線とはいえ、車両はきれいだった。   上記アトーチャ駅構内図の右端【写真駅舎】とある部分
  
 
特急路線は、改札の時セキュリティ検査[空港と同じシステム]があり、有人の改札口で入念な切符の改札を受ける。
一方、ローカル路線はすべて自動改札であり、しかも料金がほとんどメトロ並み、アルカラ・デ・エナーレスまでは2.65ユーロであった。
エナーレス行きはエナーレスを終点とする線とより遠くまで行く二本あるが、自動販売機で切符を無事買うことが出来た。
そして、日本の笛のような発車の合図音と次の駅名の車内アナウンスもあった。
10:30にアトーチャ駅を発ち、アルカラ・デ・エナーレスに着いたのは、7、8駅で35分後であった。
アルカラ・デ・エナーレス駅の出札は無く自由であったが、
帰りのアトーチャ駅では出る時は、日本と同じように自動改札口に切符を入れる必要があったので切符は捨てない方が良い。
                                  
 
エナレスの駅(駅前モニュメントの後方)
 
『地球の歩き方』の地図は、小さすぎてまるで役に立たない。
通りの案内を頼りに、町の中心地・セルバンテス広場のインフォを目指した。
インフォはとても小さくわかりにくかった。広場に面して警察署があったので、訪ねると教えてくれた。
インフォの女性は、トレドのインフォ職員と同様とてもてきぱきとわかりやすい説明だった。  セルバンテス広場 セルバンテスの像
  
セルバンテス広場前、インフォ前のサンタ・マリア塔
 
コーラル・コメディアス
 
セルバンティス生家[中に入れるのわからず、後に再訪した]       これが入り口で、工事中の道路の左路地を入った右にあるのです。
  
                                     この隣は彼の父親が勤めていたアンテサナ病院
  
この入り口を恐る恐る入り、「セルバンテスの家ですか?」と聞くと、そうだと言って、無料チケットをくれ、
大きいジェスチャーで、「写真はここだけ、後はだめ」と言うことであった。2階もある。

公園の木陰のベンチでゆっくりお弁当を食べ、ベンチで少し昼寝をし、カテドラルに向かった。
するとカテドラルはシエスタのため中には入れなかった。カテドラルの鐘楼にコウノトリの巣が。
 
続いて、サン・イルテフォンソ学院[大学]に向かったが、ここはスペイン語ガイド付きでないと入れない。
やはりシエスタ中で次の案内は夕方4時からだというので、入れなかった。
インフォの人がシエスタについては言ってくれ、また彼女がくれた栞にも書いてあったのだが、よく読めなかった。
サン・イルテフォンソ学院[アルカラ大学]             入り口にある街の模型。
 
この後、のんびりあちこち散策した。
この町はコウノトリの街とも言えそうで、見上げるとあちこちにコウノトリが巣を作っていた。
町の人には珍しくない風景なのだろう、見上げるのは数少ない観光客のようであった。
スペインの他の町では、上ばかり見て歩いていると、犬の糞を踏んでしまうかもしれない。
だが、エナーレスの町はとても綺麗で、犬の糞も紙くずも落ちていないので安心して上を向いて歩けます。
ほとんどのスペインの愛犬家が犬の糞を放置していくし、パトロールしている騎馬警官も馬糞は放置です。
昔のヨーロッパでは、家の中にトイレは無く、ゴミや糞尿は通りに捨てた。
この不衛生が、中世の暗い側面=ペストやコレラの大流行の原因となったとも言われている。
また、ヨーロッパ人はかなり愛煙家も多く、しかも路上で吸い、通りに捨てていく。
日本なら、「マナー・道徳」とうるさいが、ヨーロッパでは気にしない様だ。
それは、通りはゴミ捨て場であったという中世の慣習もあるが、個人と社会に関わる問題が潜んでいると私は思っているのだが、
だが、こうした事態は、人々に雇用の機会[街の清掃人]を生み出している、とも言えるのではないだろうか。
清掃人を多く雇用するのは税金の無駄遣いなのか、それとも雇用の創出なのか、見解は分かれるかもしれないが、
町中に清掃人が多いのはよく目に付くことである。
だが、ゴミ収集車の数が少ないのか、ゴミを収集仕切れず、集積場所の回りはゴミが氾濫し、きれいではない。
古代ローマ人は水洗トイレを持ち、極東の江戸では糞尿は回収して肥料とした。
とまれ、エナーレスはさしずめ「コウノトリの町」と言えそうである。
 
 
 
 
 
 
                         マドリッド門
 
この回廊も味わい深い
 
                                セルバンテス広場に面する警察署
 
サンタ・マリア・イグレシア大学
 
ドンキホーテ風モニュメント                    Cisneriano博物館
 

エナーレスは大都会・マドリッドから25kmほど、電車で30分足らずである。
そんな町に、コウノトリが巣を持ち子育てができる自然環境のある都市がある。
日本の"トキ"のように特別な対策をしているとは思えない。
人々にとって、コウノトリは大事だけど、特別のことではなく、当たり前のように共存していることが私には驚きであった。
私は、市外には行かなかったが、鳥たちが生活できる自然が豊富にあるのだと思った。
そんな鳥と人々がありふれて生活する"風景"は、貴重だ。 そこで [Google] を調べたら、

この町は人々の歩き方も少しゆっくりで、静かで、通りもゴミが落ちていなくてきれいだった。
それは学園都市と言うこともあるかのかもしれないが、観光の街ではないことも関係しているのかもしれない。
BARに入って、辞書片手にカフェオレ[熱いミルクとコーヒー]を注文したのだが、お店の人もゆっくり聞いてくれた。
さて、BARについてだが、日本にいた時、新聞でラーメン店で客がナプキンをカウンターに放置したのはマナー違反だと老人が怒り、
その女性に注意したと言う投書が載り、"賛否"の論争していたが、
スペインのBARなどでは、ナプキンを足下に捨てて行くのは何の問題でもないらしい。
それどころか、店にとっては、店が繁盛していると言う一つの証にもなるので、良いことらしい。
  
ソウルの大衆食堂でも同じ様で、トイレットペーパーロールがテーブルの下に吊してあり、ナプキンとして使用され、床に捨てていた。
日本のラーメン店でナプキンを捨てた女性は、ヨーロッパ人か韓国人だったのかもしれない。
ホテルのレセプションに父親がこの町に住んでいる職員がいた。彼にエナーレスに行って来たと言うととても嬉しそうに感想を聞いてきた。
静かでゴミの落ちていないとてもきれいな良い町でした、ホントのことを言った。
昨日は、別の職員が私の部屋の番号209について、ニ・ゼロと日本語で言いその後の9は何というのか、と聞いたきたので、
しばらく彼と日本のことを話した。
彼の名はニコラスと言うので、その名のカタカナ表記を教えてあげた。
10日も連泊すると、レセプションの職員とはすっかり顔見知りになって、部屋番号を言わなくてもキィーを出してくれた。

午後4時頃にはホテルに戻り、ビールを飲んで洗濯を少しした。
〔エナーレスのマップは、スペイン語なので上記写真の説明には間違いがあるかもしれない。〕
夕食


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。