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北タイ陶磁の源流考・#20<インドシナ各地の窯構造・#10>

2017-02-13 08:11:46 | 北タイ陶磁
<続き>

5.北タイの窯構造
今回はサンカンペーンとインターキン及びワンヌア古窯址を紹介する。尚、今回でもって北タイの窯構造の確認を終える。スコータイ、シーサッチャナーライは北タイ南部に属すが、タイ中部平野の北限に属しており、勝手ながら当該ブログでは中部タイとして扱うこととする。

<サンカンペーン諸窯>
5-10.ワット・チェンセーン窯

窯諸元と云っても詳細は記載されていないが、それはショウ氏の著作「Northern Thai Ceramics J・C・Shaw」より転載した。

(ピンボケしているので下に携帯で撮影した写真を添付しておく)
(写真出典:現地にて撮影)

●所在地
 チェンマイ県サンカンペーン郡オンタイ村
●平面プラン
 半地下式楕円形
●窯諸元
 全長:3.4m
 全幅:1.93m
●開窯時期
 14世紀前期ー14世紀中期
●出土陶磁
 青磁鉄絵、青磁
●轆轤回転方向
 左右混在

5-11.フェイラーン窯
(写真出典:現地撮影)
●所在地
 チェンマイ県サンカンペーン郡
●平面プラン
 半地下式楕円形
開窯時期や窯諸元については不詳。但し窯寸法は目視ながらワット・チェンセーン窯より一回り大きいか?

5-12.インターキン・ムアンケーン窯
窯諸元については、サーヤン氏の著作「CERAMICS IN LANNA Sayan Praichanjit」より転載した。
(写真出典:現地撮影)
●所在地
 チェンマイ県メーテン郡サンパトン村
●平面プラン
 地下式楕円形
●窯諸元
 全長:3.75m
  燃焼室長:1.15m
  焼成室長:1.85m
  煙道径:0.75m
 全幅:2.20m
 昇焔壁高:0.65m
 傾斜角:6.5-7度
●開窯時期
 15世紀中頃
●出土陶磁
 青磁、褐釉陶  刻花文、印花文

5-13.ワンヌア窯
チェンマイ国博の前庭に移転復元された窯を確認する。尚、窯諸元についてはショウ氏の著作「Northern Thai Ceramics J・C・Shaw」より転載した。

(写真出典:現地撮影)

●所在地
 ランパーン県ワンヌア郡
●平面プラン
 半地下式楕円形
●窯諸元
 全長:4.8m
  燃焼室長:2.0m
  焼成室長:2.3m
  煙道径:0.5m
 全幅:2.4m
 昇焔壁高:0.5m
●開窯時期
 14世紀
●出土陶磁
 青磁
●轆轤回転方向
 左回転
●特記事項
 ・独自の輪花縁を特徴とする

次回より中部タイの窯構造を確認したい。

                                          

                                <続く>

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