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多様な埴輪(5)

2020-08-17 08:03:48 | 古代と中世

<続き>

引き続き古墳時代・後期の埴輪を紹介する。後期ともなると稚拙さは消え優れた具象性を示す埴輪も登場する、職人の手によるものと思われる。

牛形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 今城塚古代歴史館

時代は遡る。魏志倭人伝には『其地無牛馬虎豹羊鵲』とある。つまり弥生後期に牛馬は倭地には存在しなかったことになる。では牛はいつ持ち込まれたのか? 雲南南部からタイ北部にかけての少数民族は水牛を供犠する。倭の弥生人には牛供犠の習慣はなかったようだ。

犬・猪形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 今城塚古代歴史館

頭部・顔は随分具象性を増している。現代の我々でも、一目で何を表しているか理解できるほどである。

馬形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 松江・風土記の丘資料館

見返りの鹿埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 

松江・風土記の丘資料館

重要文化財・埴輪造りの専門職人に手になるものに相違ない。各国の風土記に鹿は豊作を呼ぶと記載されている。

力士形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 今城塚古代歴史館

巫女形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 今城塚古代歴史館

武人形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 天理参考館

盛装男子埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 天理参考館

シャーマンないしは首長かと思われる。角髪(みずら)が肩までと長い。

顔形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 

唐古・鍵考古学ミュージアム

顔形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 松江・風土記の丘資料館

上の2点の埴輪は何れも鯨面で刺青がなされている。ポピュラーな存在であったかと思われる。

<続く>

 


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