網創漠蓄

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戦争の仕組みその5

2013-12-02 23:56:04 | なのは洋菓子店のいい仕事

~熱戦~

FLAG250を見て書き留めておきたくなったものを、別ジャンルの記事の
ネギま!を元にまとめた「その4」の続き扱いで書き出してみます。

副題?の「熱戦」は冷戦の対義語としての用語になります。


総力戦

国歌総力戦は現在において戦争自体を語るときに最もイメージされやすい形態と言えます。それは
ただ単に、この形態で行われた第二次世界大戦以降に日本の一般人が経験した戦争がないから、
ということでもあります。イラク戦争もイラクにとっては総力戦でしたが日米などにとっては違いますし。

これ自体は近代的な国家の概念が出来た後に生まれた言葉ですが、「国や勢力の使えるものを全て」
戦争のために使う、ということは太古から行われており、文明の発達により「国」が使えるリソースをより
多く戦いという目的のために使えた方が戦争においてはより有利になるため、国の領域内にある人材、
資源、技術、文化といったものの中から戦争に使われる割合は時代が進むとともに増えていっています。

その端的なものが絶対戦争とか殲滅戦争とかですが、文字通りにそれをやると国家の生存に必要な
リソースも消費してしまうことになるために大抵は消費に歯止めがかかります。それをできずに敗戦の
前に国家(体勢)崩壊にまで至る例もまた多かったりはするのですが。ただし現代においてはそれは
核戦争からの人類滅亡にまで直結しかねないこともあり、独裁国家など以外が起こすことは考えづらく
なってきているのは事実です。国民の生存本能が思想に勝っているうちは少なくとも。


限定戦

限定戦争の「限定」は通常、規模ではなく目的のことを指します。目的を殲滅ではなくより限定された
ものにすることにより使うリソースも限定されたものにする、という核時代の考え方に基づきます。
ただし殲滅戦争がナポレオン戦争以降、仕組みとしては国民軍の結成以降に生まれたものである
ことからも、国や指導者が主義主張に基づいて動くときには考えにくい形態の戦争ではあります。

もちろん実際に戦争に至るときには上記順番の逆、使う国のリソースを制限するために目的の方を
制限する、といった形になります。その目的をはっきりできない時にはずるずると戦線が拡大され
総力戦に至ってしまうようなこともあり得るため、限定戦争にとどめるためには目的を絞るような
企画力・指導力も指導者には求められます。集団指導体制ではその合意が得にくかったりしますが。

それは目的のうち切り捨てる部分というものの合意が得にくくなるためです。絶対王政など独裁体制
なら「不利になったからやめる」ということも可能ですがそうでない場合には利害勢力同士の対立が
あったり戦争の進展によりそれが変化してしまうため、「戦争は起こすより止める方が困難」になります。


不正規戦

不正規戦争こそは現代において最も多い戦争であり、ただし当事者の片方、もしくは両方が国家という
形態でないことが多いためもあり戦争として語られないことも多く、そのため反戦活動家が起こしてしまう
ようなことや、あるいは国家に立ち向かった側がのちに国家指導者になったりして、その後に国家同士の
戦争に発展してしまうこともあったりするため(特に独立運動の類)、本来上2つと同列に考えるべきです。

権力は銃口から生まれる」という考え方で建国された国もあるように元々歴史上のほとんどの国が成立
するときには武力が関わっています。そこまででなくとも権力とは「相手に望まない行動を強制する能力」
であるため自分達の目的を遂げる手段として武力は最も原始的な手段ではあります。

最も現代においては国家の持つ武力は、特に日本を含む先進国では極めて大きく、そこに一般市民が
国家に対し目的を遂げようとする場合にはデモなど限定闘争を選び相手の対応を限定的なものにするか
通常そこに至らずとも要求を国等に求める手続きが用意されています。それでもヤクザ同士の抗争など
国など関係しないところで戦争と呼ばれる抗争が起きたりもするものです。

つまりは戦争・紛争・闘争の違いは(慣例的なものを含む)呼び方だけの問題です。


続きます