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TPT「黒蜥蜴」
■日時:2006年12月2日
■場所:ベニサン・ピット
■原作:江戸川乱歩
■戯曲:三島由紀夫
■演出:デヴィッド・ルヴォー・門井均
■出演:麻美れい、千葉哲也、清水綋治、浅利香津代、他
記念すべき201回目の江戸川乱歩についての投稿記事は舞台の話題です。
麻美れいが主演する舞台「黒蜥蜴」(原作:江戸川乱歩、戯曲:三島由紀夫)を観てきました。場所はベニサン・ピット。こじんまりとした劇場です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/24/fa804884c83f874f75581f956eb52e3e.jpg)
芝居の物語は一種大人のメルヘンともいうべきもの。エキセントリックな麻美れいがプライド高き女賊・黒蜥蜴を見惚れるほど見事に演じきっていました。スラッと長身で凛々しいのですが背中を見せ体のラインも強調しセクシーであります。相手役の明智小五郎は千葉哲也、まるでハードボイルド小説に出てくるような渋め探偵を演じています。しかし、二人並ぶと麻美れいの方がタッパが高く千葉の演技もよかった分だけ絵的には少し残念でした。しょうがないですね、こればっかりは。
そして、俳優らが語る台詞は、それこそ黒蜥蜴がターゲットとした宝石のように詩的で美しいのです。三島由紀夫のすばらしい言語力と美学を感じないではいられません。すべての場面は洗練され余分なものがない、観客はじっくりその詩的な台詞と俳優の演技を楽しむ訳です。こうなると俳優の力量がないと滑稽で陳腐なものになってしまいます。その意味では実力を試される素材ではないでしょうか。舞台を観ながらそんなことを考えました。
乱歩&三島の「黒蜥蜴」は三輪明宏が演じることで、有名ですがボクは観たことがありません。しかし、話自体は、このブログで乱歩をテーマとしてそれこそ小説や映画、漫画を観て読んできたので定番化したものとなっています。なので気に入った台詞や場面の時には内心ドキドキしワクワクしてそれを待ち構えてもいました。全く期待を裏切らず、「黒蜥蜴」の持つ華美でロマンティックな部分を魅せてくれた舞台でもありました。入場料も高かったのですがそれに見合う中身を見せてくれよかったのであります。
今回初めて「黒蜥蜴」の舞台を観てあらゆるシークエンスが名場面となりえる江戸川乱歩の想像力と三島由紀夫の美学の凄さには、もう脱帽の思いです。今、インパクトを受けて興味を持っている寺山修司の舞台は、問題を提示する、枠からはみ出していく演劇ですが、この「黒蜥蜴」はそれとは逆の型を作っていくというか型にはまっていくそんな演劇であるとの印象を受けました。(それは制服を作る、制服を着るというのに似ているような)
ところで黒蜥蜴のような女性は現実にはいません。何人もの部下を抱え、手柄によっては地位と報酬を与える。その様子はまるで中小企業の社長です。それが一般の企業と違うのは犯罪集団であるということです。観劇後の帰途、電車の乗り継ぎで経由する土曜の夜の渋谷は人でごったがえしていました。以上ともいえる人の渦、マナーもへったくれもなく享楽的にボクも含めて生きている人々、犯罪そのものは許されない行為だが、美意識を持っていた黒蜥蜴、その背筋を伸ばしている姿勢は共感ができ、なぜか姿勢を正す気分になりました。
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美しき大人の女性・麻美れいさん![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart.gif)
※過去の「黒蜥蜴」についての関連投稿記事です
乱歩NO.10・・・<黒蜥蜴/1968年>
乱歩NO.11・・・<黒蜥蜴/1964年>
乱歩NO.12・・・<悪魔のような美女~黒蜥蜴/1979年>
乱歩NO.13・・・<美しき悪女の伝説 黒蜥蜴/1993年>
乱歩NO.55・・・<乱歩R・黒蜥蜴/2004年>
江戸川乱歩の研究?11⇒「黒蜥蜴」から
江戸川乱歩の研究?12⇒「黒蜥蜴」から
江戸川乱歩の研究?13⇒「黒蜥蜴」から
江戸川乱歩の研究?14⇒「黒蜥蜴」から
江戸川乱歩の研究?15⇒「黒蜥蜴」から
漫画no乱歩#1⇒「黒とかげ」by高階良子
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■漫画
■小説
■DVD
■日時:2006年12月2日
■場所:ベニサン・ピット
■原作:江戸川乱歩
■戯曲:三島由紀夫
■演出:デヴィッド・ルヴォー・門井均
■出演:麻美れい、千葉哲也、清水綋治、浅利香津代、他
記念すべき201回目の江戸川乱歩についての投稿記事は舞台の話題です。
麻美れいが主演する舞台「黒蜥蜴」(原作:江戸川乱歩、戯曲:三島由紀夫)を観てきました。場所はベニサン・ピット。こじんまりとした劇場です。
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芝居の物語は一種大人のメルヘンともいうべきもの。エキセントリックな麻美れいがプライド高き女賊・黒蜥蜴を見惚れるほど見事に演じきっていました。スラッと長身で凛々しいのですが背中を見せ体のラインも強調しセクシーであります。相手役の明智小五郎は千葉哲也、まるでハードボイルド小説に出てくるような渋め探偵を演じています。しかし、二人並ぶと麻美れいの方がタッパが高く千葉の演技もよかった分だけ絵的には少し残念でした。しょうがないですね、こればっかりは。
そして、俳優らが語る台詞は、それこそ黒蜥蜴がターゲットとした宝石のように詩的で美しいのです。三島由紀夫のすばらしい言語力と美学を感じないではいられません。すべての場面は洗練され余分なものがない、観客はじっくりその詩的な台詞と俳優の演技を楽しむ訳です。こうなると俳優の力量がないと滑稽で陳腐なものになってしまいます。その意味では実力を試される素材ではないでしょうか。舞台を観ながらそんなことを考えました。
乱歩&三島の「黒蜥蜴」は三輪明宏が演じることで、有名ですがボクは観たことがありません。しかし、話自体は、このブログで乱歩をテーマとしてそれこそ小説や映画、漫画を観て読んできたので定番化したものとなっています。なので気に入った台詞や場面の時には内心ドキドキしワクワクしてそれを待ち構えてもいました。全く期待を裏切らず、「黒蜥蜴」の持つ華美でロマンティックな部分を魅せてくれた舞台でもありました。入場料も高かったのですがそれに見合う中身を見せてくれよかったのであります。
今回初めて「黒蜥蜴」の舞台を観てあらゆるシークエンスが名場面となりえる江戸川乱歩の想像力と三島由紀夫の美学の凄さには、もう脱帽の思いです。今、インパクトを受けて興味を持っている寺山修司の舞台は、問題を提示する、枠からはみ出していく演劇ですが、この「黒蜥蜴」はそれとは逆の型を作っていくというか型にはまっていくそんな演劇であるとの印象を受けました。(それは制服を作る、制服を着るというのに似ているような)
ところで黒蜥蜴のような女性は現実にはいません。何人もの部下を抱え、手柄によっては地位と報酬を与える。その様子はまるで中小企業の社長です。それが一般の企業と違うのは犯罪集団であるということです。観劇後の帰途、電車の乗り継ぎで経由する土曜の夜の渋谷は人でごったがえしていました。以上ともいえる人の渦、マナーもへったくれもなく享楽的にボクも含めて生きている人々、犯罪そのものは許されない行為だが、美意識を持っていた黒蜥蜴、その背筋を伸ばしている姿勢は共感ができ、なぜか姿勢を正す気分になりました。
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※過去の「黒蜥蜴」についての関連投稿記事です
乱歩NO.10・・・<黒蜥蜴/1968年>
乱歩NO.11・・・<黒蜥蜴/1964年>
乱歩NO.12・・・<悪魔のような美女~黒蜥蜴/1979年>
乱歩NO.13・・・<美しき悪女の伝説 黒蜥蜴/1993年>
乱歩NO.55・・・<乱歩R・黒蜥蜴/2004年>
江戸川乱歩の研究?11⇒「黒蜥蜴」から
江戸川乱歩の研究?12⇒「黒蜥蜴」から
江戸川乱歩の研究?13⇒「黒蜥蜴」から
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江戸川乱歩の研究?15⇒「黒蜥蜴」から
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乱歩作品の映像化は沢山ありますが、舞台を観る感激は、またひとしおですね。
黒蜥蜴様が、自分の前を優雅にお通りになるなんて!
麻実黒蜥蜴、これからも何度も上演して欲しいです。
麻美れいさんの黒蜥蜴、またの機会に拝見したいです。
妖しく華麗なことでしょう。
三島美学を体現した麻実さんの黒蜥蜴、
再演があったらまた是非みたいです。