飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「花と蛇」(主演:杉本彩)

2009-05-06 | Weblog
■公開:2004年
■配給:東映
■原作:団鬼六
■監督・脚本:石井隆
■主演:杉本彩、野村宏伸、石橋蓮司、遠藤憲一、他

杉本彩がセクシー女優として他を圧倒するほどの存在感とイメージを構築した作品です。それが公開されたときは衝撃的でした。ただ裸体を披露するだけではない、さらに過激性が想像させ得るSMのジャンルであったから。ただ、衝撃的とボクはいいながらも劇場に足を運ぶことはなかったのですが。(週刊誌のグラビアでそれを見たのみ)

さて、映画の冒頭の夢のシーン、タンゴを踊っていた杉本のパートナーは豹変し、裸体となった彼女に蛇が纏わりつく。その半開きになった口に蛇の頭が出入りする象徴的にナニを連想をさせるところから始まりました。それは、とてもセクシャルな印象的を放つイメージでありました。蛇自身が力ずくで動く行為が男のリピドーそのものなのであります。その場面によって観客は、一気に欲望の視線と化し杉本彩の眩暈を起こすような体を粘着質な眼で追いかけることになるわけです。以後、彼女は映画に登場する男や、映像を観ている男らにとって快楽の装置となるという具合です。

世界的タンゴダンサーで社長夫人というセレブな役柄を演じる杉本彩は、夫に裏切られ男たちに責め苦の数々を受ける身となっていく・・・。所謂、SM映画の常道のパターンの展開ですね。やがて女は恍惚の中、快楽に心と体を開いてゆくわけです。杉本彩はここまでやるか、の体当たり演技でした。これはもうポルノ映画の領域。映像はアーティスティックに細部までこだわっている、そしてカメラは杉本の体を引き立てるように綺麗に撮っている。ハードな演技を披露する彼女に一体何が起こったのだろう?そんなことを考えてしまう。それほどに脱ぎっぷりがいいのです。

ただ、設定が、KKKのような頭巾を被った秘密倶楽部の客とか道化回しにでてくるコスプレの男など非常に陳腐な印象を持ってしまいます。そこで行われる杉本に対する調教も、彼女の脱ぎっぷりにはよくやったなとは思うものの、そのチープさが相俟って、いまいちピンとくるものがありませんでした。それに夫を演じた野村宏伸の演技がどうもいただけない。最後の石橋蓮司演じる特殊メイクを施した90歳を過ぎた政界のフィクサーが、杉本の体に夢中になる場面があるが、強いて言えば、観音菩薩を見ているかのような石橋の狂おしい演技によって“性”という深遠なものを感じさせてくれたか・・・。

映画としては、前半のタンゴのシーン辺りまでの杉本彩の美しさがボクとしては好きかなと思いました。


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