人でなしの恋
配給:松竹1995年
監督:松浦雅子
主演:羽田美智子、阿部寛
江戸川乱歩の短編「人でなしの恋」を小説の行間を因数分解し埋めるかの如く丹念に描いていった作品。監督が女性からか、描かれている風景がとてもきれいだ。丁度、この作品を観た時が桜が見ごろという時期もあって、特に私の注意が注がれたのか画面の草木の花々が印象に残る。また、四季の風景共に連動するかのように、ヒロイン羽田美智子の着ている着物が鮮やかで美しい。
現在の即物的消費文化が極度に進行した渦の中で感じることは、かつて日本人はこんなにも自然を意匠の中に取り入れ、愛でていたのかとあらためて思ったのだった。そして、初恋の人を射止めた羽田美智子は、何時も「旦那様、旦那様」と呼び続け、ひたすら尽くす女である。極端にデフォルメされている感もするが、現代にはお目にかかれない女性像なので、ちょっと新鮮に映った。
しかし、そんな彼女の想いを裏切るかのように夫は、母の面影を追いかつ“人形愛”の虜になっている、静かに狂気が進行している男だった。最後まで我が嗜好を貫いた夫に裏切られた妻は、そのまま同様に狂気の世界へと歩むしかなかったのか?
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■小説(人でなしの恋所収)
■ビデオ
配給:松竹1995年
監督:松浦雅子
主演:羽田美智子、阿部寛
江戸川乱歩の短編「人でなしの恋」を小説の行間を因数分解し埋めるかの如く丹念に描いていった作品。監督が女性からか、描かれている風景がとてもきれいだ。丁度、この作品を観た時が桜が見ごろという時期もあって、特に私の注意が注がれたのか画面の草木の花々が印象に残る。また、四季の風景共に連動するかのように、ヒロイン羽田美智子の着ている着物が鮮やかで美しい。
現在の即物的消費文化が極度に進行した渦の中で感じることは、かつて日本人はこんなにも自然を意匠の中に取り入れ、愛でていたのかとあらためて思ったのだった。そして、初恋の人を射止めた羽田美智子は、何時も「旦那様、旦那様」と呼び続け、ひたすら尽くす女である。極端にデフォルメされている感もするが、現代にはお目にかかれない女性像なので、ちょっと新鮮に映った。
しかし、そんな彼女の想いを裏切るかのように夫は、母の面影を追いかつ“人形愛”の虜になっている、静かに狂気が進行している男だった。最後まで我が嗜好を貫いた夫に裏切られた妻は、そのまま同様に狂気の世界へと歩むしかなかったのか?
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