あだちの再生工房 日記2

機械類の修理を楽しんでいます。その日々の活動記録の積りでしたが、最近は修理とは関係のない記事が多くなっています

SE/30 ロジックボードのシマシマック 解決

2022年12月23日 17時47分32秒 | OLD Macintosh
シマシマックとなったボードを2年越しにリペアしてきて、
やっと解決したので、経緯をレポートします。
(途中半年ほどはPC-9801で遊んでいたので、正確には1年半掛かりました)

紆余曲折があったものの、シマシマックの原因は下記の2つでした。
 ① CPUの故障
 ② SIMMの接触不良
CPUの故障などあり得ないと思っていたので、全部のICやPLCCの導通チェックとともに
ソケット化して個体の良否をチェックしました。
しかし、解決しないので最後にCPUを交換したことが解決の糸口になりました。

経緯を簡単に説明します。

このボードはeBayで 1999年9月に仕入れたものです。
当時のeBayにはSE/30のロジックボードも多く出品されており、
$67.6+送料$15=$82.6で1ドル106円だったので¥8750でした。
郵便局からMoneyOrderで支払う時代でした。
入手時は正常に起動していました。

オリジナル状態のボードです。


2019年7月に久しぶりに起動すると、初回はWelcomまで表示して、先に進まず。
2回目に起動すると、下図のようにシマシマックとなってしまいました。


2020年9月から修理を開始しました。

1) 電解コンデンサの交換 ==>効果なし。
2) SCSI(UI12, 53C80) をソケット化し 53C80の良否判定
 以前別のボードでこのICが故障してシマシマックになったことがあったのでチェック。==>効果なし
3) 起動音も鳴らないので、UE10もソケット化、ICの良否判定 ==>効果なし

主要なICやPLCCの導通はAppleの回路図から接続先を調べ、Excelで接続表を作成してチェックをしていました。

高知の丸真商店さんが 「SE/30 シマシマック解決支援セット」を販売されていたので、2022年1月にこれを仕入れました。
http://www.marushin-web.com/index.html

CPUやSIMM、ROM、各ICの接続表が網羅されており、同封の鮮明な回路図も役立ちました。特にPDSのバスチェッカーはDATAとAddressの接続チェックには大いに助かりました。
 
4) シマシマックに関係する3兄弟(UJ11,UK11,UK12)をソケット化、ICの良否も判定 ==>効果なし 

5) UA8-UG8_UI2-UJ4_IC新品交換
 ほぼ全部のICの導通をチェックしましたが、問題なしなので、ダメもとで新品に交換 ==>効果なし




6) 万策尽きた感じなので、意を決して全部のICをソケット化し、良否を判定しました。
その過程で、UI8(GLUE Chip)の33pinのラインが穴ぼこで断線していることが判明。
低溶融ハンダで外しただけなのでこのような穴ぼこができるはずはないので、前所有者がやったのではと思います。(しかし、この#33pinはNUBUSのラインで、シマシマックには関係ないようです)。 
線を修復しても効果はありませんでした。






FPU以外はソケット化したボードです。右のPDSに刺さっているのがPDSのバスチェッカーです。


7) FPUをソケット化 ==>効果なし
 これまででCPU,FPUを除くすべてのICは正常品であることが判明しており、断線もないことから、CPUとFPUを疑いました。

8) CPUの交換
 まさかと思い、CPUを交換したところアルペジオ音の後にシマシマックと、大きな変化が起こりました。
もとのCPUを正常なボードに差し替えると、シマシマックとなったのでどうやらCPUが
怪しいということになりました。
(この段階ではまだCPUがNGとは信じていません)

9) CPUのソケットがOKか疑いました。
オリジナルのソケットですが、なぜかピンの位置が均等ではなく、奥まっている列があります。(後で分かったことですが、このソケットは構造上このようになるので正常でした)



10) 丸ピンタイプのCPUソケットに交換 ==>効果なし
正常なCPUを差し込むと、やはりアルペジオ音の後シマシマック。
元のCPUを差し込むと、音なしのシマシマック。


11) SIMMの差し替え ==>大成功、正常に起動しました。
CPUを含めすべてのICも良品にもかかわらず、シマシマックで本当に万策尽きました。
最後に、もう一度SIMMのチェックをしました。8枚のSIMMは正常なボードで問題のなかったものですが、念のため、別のSIMMに入れ替えたところ、正常に起動。
元のSIMMをほかの正常なボードに入れると、問題なく起動するのでこのSIMMも良品です。したがって、どうやらSIMMソケットの接触不良だったようです。

今から思うとCPUを変えてアルペジオ音となったのは、かなり正常に近いことを示していたようで、
これはハードの異常、特にROMやSIMMが異常という情報発信だったようです。


今回のボードの最終の状態です。



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