あだちの再生工房 日記2

機械類の修理を楽しんでいます。その日々の活動記録の積りでしたが、最近は修理とは関係のない記事が多くなっています

SE/30 BOLLEのロジックボード基板への移植 その3 (失敗事例)

2022年12月07日 18時09分25秒 | OLD Macintosh
副題:PLCCのソケットの半田付けは難しい。

BOLLEのボードにPLCCのソケットなどすべてのパーツを半田付けした状態です。


PLCCのソケットは底板のブリッジがあるため狭く、半田付けは難しいです。
確実な方法を習得しないまま、半田付けを進め、半田付けができているかどうかは、実体顕微鏡をみながら、ピンセットなどで脚が動かないかどうかをチェックしました。


これは予備1のボードのソケット化したものですが、PLCCを抜いた時にソケットごと外れてしまいました。 脚をよく見ると半田付けができている面積が極端に小さい脚があることが分かります。


基板の方も同じパターンで、まったく半田付けできていません。
(基板のパッドの剥離はなかったのが幸いです。)


これまでのPLCCの半田付けの仕方がまずかったようです。
2通りの方法でやっていました。
一つは、
底板があると非常に半田付けしにくいので、やり易くするため、基板のパッドの全数に半田を少量盛っておき、ソケットの脚を半田付けする。
2つ目はソケットの脚に半田を付けた後、基板に半田付けする。

この2つの方法はいづれもダメで、事前に盛った半田が邪魔をし、パッドと脚が密着しないため、浮いた状態で半田付けをしていることになり、先の点接触のような半田付けになったようです。

色々トライした結果、基板のパッドもソケットの脚もなんの処理もせず、半田鏝に少量の半田をのせ、対角の2つの脚を先ず半田付けし、
残る脚は0.3mmの糸半田を供給しながら、実体顕微鏡で脚とパッドに半田が浸透するのを確認しながら半田付けするのがPLCCのベストな半田付けと分かりました。
クリームハンダ(ペーストハンダ)を使う手もあると思い、トライしたことがあるのですがうまく行かなかったので、やめました。


BOLLEのボードで半田付けが終わったPLCCは怪しいので、すべてのPLCCをやり直すことにしました。
ソケットの半田付けを外すのは厄介です。
方法としてはまず、半田鏝で底板(ブリッジ)を溶かし切ります。


そのあと、低溶融半田でソケットを外します。


44ピンより少ないPLCCの場合は、底板(ブリッジ)がなくとも変形が少ないと考え、底板は押し割って、半田付けしやすいようにして、全数やり直しました。

一方、84ピンのUI8などのピン数の多いソケットはブリッジを取ってしまうと、撓みが結構大きく接触が大丈夫か少々不安です。この写真は底板(ブリッジ)を全部取り去ってPLCCを挿入した状態です。


ソケットの脚の構造です。 そこそこ撓んでも接触は確保できそうですが、やはり不安です。


そこでこの写真のように中央のブリッジは残して、底板を溶かし切って使うことにしました。




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SE/30 BOLLEのロジックボード基板への移植 その2 (失敗事例)

2022年12月05日 17時09分25秒 | OLD Macintosh
教訓:焦りは禁物

DIP形式のICの取り外しは HAKKO FR-301 半田吸取り機を使っているのですが、
十分に吸い取らずに、無理に外そうとして失敗した例です。

その1
UC6,UC7と順調にはずしてきたので、次にUE6を外すときに完全に半田を吸い取っていなかったようで、ちょっと力を加えて剥がそうとしたとき、ICが割れました。
(それほど大きな力は加えていなかったのですが... こんなに割れやすいとは...)


割れたおかげでICの構造がよく分かりました。



その2
ROM SIMMのソケットを外すときに、やはり十分に吸い取っていなかったので、ピンが抜けてしまいました。
おかげで、ROMやSIMMのソケットの構造が分かりました。
(後方のコンデンサC12のいも半田付けは前の所有者の作業です)



これら2つの失敗例からの教訓

1) 吸取り機で吸取った後、実体顕微鏡などで見ながら脚(pin)を動かしてみて、スルーホールの穴の中で自由に動くことを確認することが大切。
これさえできていれば、すっと抜けるはず。 少しでも力を加えないと抜けないのなら、まだ脚がスルーホールに半田付けされていることになる。

2) 完全に吸い取りが困難な時は、低温半田で半田付けし直し、再度吸取れば多くの場合、完全に吸い取れる。(水ポンプの呼び水みたいな感じ)。

その3
抵抗列のRP2,3,10を外す際、ピンが外れてしまいました。
同じSE/30にもこのような構造ではないDIPのICも使われていますが、予備4のICは脚が本体に半田付けされた構造のものでした。
吸取り時の熱でこの半田も溶けてしまい、ばらけてしまいました。
修復は簡単なので問題はないのですが、構造を知ったうえで扱うべきでした。


本体の抵抗を測って分かったのですが、上側が本線で下側のランドは脚の支え用です。

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SE/30 BOLLEのロジックボード基板への移植 その1

2022年12月03日 17時25分49秒 | OLD Macintosh
同好の士とともにオーダーしたBOLLE氏設計のロジックボードに手持ちのSE/30の全バーツを移植し、起動させることができました。

その移植の過程を何回かに分けて、報告したいと思います。
(成功例はあまり参考にならないので、失敗例を教訓として記録しておきたいと思います。)

先ず、初回はSE/30のどのようなボードから部品取りして、移植したかの概要を報告します。

入手したBOLLEのブランクの基板です。


起動するボード(予備1)
正常に起動するこのボードから部品取りしました。
 基本的には、この正常なボードのパーツをBOLLEに移植しました。
 せっかくの正常なボードを壊したくないので、主要なパーツをsocket化し、
 次の2枚のジャンクボードから部品取りし、この予備1ボードに移して生かすことにしました。


ジャンクボード(予備4)
部品取りしたジャンクなボード(予備4)です。
 UB12とUC12が外されていたジャンク品を以前に入手していました。


ジャンクボード(#6と呼びます)
バッテリーが液漏れし、部分的に腐食したジャンクボードです。

これら2枚のボードから使える部品を予備1ボードに使いました。

完成したBOLLEボード
移植が完了したBOLLE ボードです。
 (一発で起動できた訳ではなく、最初はシマシマックとなり、解決に難航しました)


起動状況です。
原因はsocketの半田付け不良でした。 これを解決した結果、正常に起動できました。
(BlueSCSIからの起動です)


生かされた予備1ボード
予備1のボードです。 予備4と#6ボードからの部品を使って、正常に起動することを確認しました。 
大事な正常ボードを潰さずに済みました。



部品取りが終わった予備4ボードです。
Apple特製のUE6のICを外すのを失敗しました。


次回からは、以上の過程で失敗した事例を教訓として報告していきます。
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