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韓国歴史ドラマで日本史学習

2015-02-10 09:40:33 | Weblog
いわゆる韓流ドラマにはまったく興味がありませんでした。
しかし、偶然、「広開土太王」にチャンネルを合わたことから、韓国歴史ドラマに魅せられました。
高校の日本史で「広開土王碑(好太王碑)」について習ったことを思い出したからです。
確か第20話からの視聴でしたが、たちまちドラマに引き込まれ、最終話(92話)まで一話も欠かすことなく楽しみました。

 後に広開土王となる高句麗の王子・談徳(タンドク)の半生を描いたドラマで、鮮卑族の後燕、契丹、靺鞨と戦い領土を広げ、朝鮮半島では隣国百済を度重なる死闘の末屈服させ、新羅に進出していた倭(日本)を破るという4世紀末から5世紀初めの東アジアでの高句麗を描いた歴史ドラマです。

 ドラマは毎回「広開土王碑」の映像から始まります。碑に記された史実に沿って展開し、中国の五胡十六国の時代で、北アジア、東アジアの国々や諸民族の動きがよく分かります。ドラマ中の解説には「日本書紀」からの引用もあり、大和朝廷は仁徳天皇の治世で朝鮮半島にも勢力を広げていたのです。

 広開土王が海を渡り倭を攻める場面があります。これは広開土王碑の中の「百殘新羅舊是屬民由來朝貢,而倭以辛卯年來渡[海]破百殘,□□ 新羅以為臣民」を韓国では「(高句麗)が海を渡って・・・」と解釈しているからです。しかし、富士山の映像が出てきたのには正直驚きました。詳しくは「好太王碑のサイト」を・・・

 日本の中学校・高校の歴史教科書のほとんどは「広開土王碑(好太王碑)」を取り上げています。1880年に中国吉林省集安で再発見された高さ6.3m、幅1.5mの角柱の碑の4面に総計1802文字が漢文で刻まれ、その解読で古代における我が国の朝鮮半島での活動が初めて明らかになったという第一級の金石歴史資料だからです。

「世界史年表・地図」を久しぶりに開き、「中国」「朝鮮」「日本」を時系列に比較しながら、ドラマを視聴しました。また、お茶の水女子大学・広開土王碑拓本の特設ページへもアクセスしました。


次のドラマも推奨します

 「朱蒙(チュモン)」
高句麗の建国物語。各地に分散していた小部族を糾合し、漢の植民地支配に立ち向かい、高句麗を立国、初代東明聖王(とうめいせいおう)となる朱蒙(チュモン)の物語。漢の強力な武力に対抗するために鋼の錬金術に力を注ぐ描写が印象的。

広開土王碑には「鄒牟(チュム)」として最初に名があげられている。紀元前1世紀前後の東アジアが舞台、我が国は弥生時代で年表・地図は空白。

 「大祚榮(テジョヨン)」
高句麗に仕える将軍の子として生まれる。668年、高句麗が唐との戦いに敗れ、首都平壌陥落・滅亡した後、高句麗遺民や百済遺民を率いて唐軍と戦いながら、満州に渤海国を建国する。700年の歴史を誇った高句麗が滅亡する様子を臨場感を持って描いている。

663年(天智2年)に百済が唐に滅ばされているが、百済を救援した倭軍が唐軍に大敗する白村江の戦いはドラマに出てこない。以降、日本の朝鮮半島への影響力はなくなる。
なお、渤海国は200年続くが、その間、34回の使節団を日本に派遣している。

大王の夢
唐と連合し、百済、高句麗を滅ぼす新羅の第29代・太宗武烈王を描く。前半は劇画風の描写で史劇としては疑問があるが、後半は大和朝廷も登場、白村江の戦いが詳細に描かれる。韓国側の視点からだが、古代の我が国が最も多く描かれている韓流時代ドラマ。

ホジュン 宮廷医官への道
李氏朝鮮時代に実在した医師・許浚(ホジュン)の生涯を描く。妾(めかけ)の子という不遇の生を受け、苦難と苦労、抑圧、差別を受けながら朝鮮で最高の名医になり、1613年に東医宝鑑を発行、朝鮮第一の医書として評価が高く、中国・日本を含めて広く流布した。2009年、ユネスコ世界記録遺産に登録。

世界一厳しいと言われる身分制度、科挙の風景、薬草採取、庶民の生活、村の医院の様子など李氏朝鮮が生き生きと描かれている。

ホジュンが宮廷医官になった時期に秀吉の朝鮮出兵があるが、その時の首都漢陽(今のソウル)の混乱ぶりもドラマに組み込み、旗指物を背負い火縄銃を手にする日本兵も登場。


輝いてスングム
 韓流歴史ドラマの範疇には入らないが、日本の植民地時代が終わり、朝鮮戦争直後から現代までの韓国が舞台。南北朝鮮分断直後の韓国の状況描写や日本統治時代が色濃く残る街の漢字の看板や紙幣が映し出され、時代背景描写が正確で説得力がある。くず拾いで生きる戦災孤児や米軍放出の学校給食を待つ子どもの姿には、我が国の戦後の状況を彷彿させられる
     スングムは朝鮮人参で名をなした女性がモデル。朝鮮人参を巡るストーリーの展開が巧みで、最後まで楽しめる。また、子ども時代を演じる子役たちと成人後を演じる俳優の演技力も見所。

「初めての韓国旅行記」>
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