シニアー個人旅行のかわら版

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今年の3月に思う

2013-03-17 11:03:26 | Weblog
東京は早くも桜が開花・・・今年の3月は天候の変化が激しい月でした。
3日には北日本に今世紀最強クラスの寒波が来襲、猛吹雪で8人の方が亡くなりました。
凍死した父親が9才の娘を覆いかぶさるようして救っていたとのニュースに心打たれました。

 思い出したのが、鈴木牧之(1770-1842)の著書「北越雪譜」です。今から200年前の江戸時代に起きた同じような事故を「北越雪譜」の中で「雪吹(ふぶき)」と題して伝えています。

 初孫を妻の実家に見せに行った帰り、天候が急変、吹雪に巻き込まれて遭難した若い夫婦の話です。牧之が住む塩沢近くの美佐嶋(現南魚沼市)での出来事です。次の日は晴天、雪の中から聞こえる赤子の鳴き声に掘り出すと、母親の懐に抱かれ、着物の袖で頭を覆われた赤子を見つけました。
 夫婦の遺体が夫の家に運こばれた際の様子を牧之は次のように記しています。

かの両親(ふたおや)は夫婦嫁(よめ)の家に一宿(とまりし)とのみおもひをりしに、死骸(しがい)を見て一言(ひとこと)の詞(ことば)もなく、二人(ふたり)が死骸(しがい)にとりつき顔(かほ)にかほをおしあて大声(おおごえ)あげて哭(なき)けるは、見るも憐(あわれ)のありさま也。一人の男懐(ふところ)より児()をいだして姑(しうと)にわたしければ、悲(かなしみ)と喜(よろこび)と両行(りやうこう)の涙(なみだ)をおとしけるとぞ。」
                                               (岩波文庫・北越雪譜・雪吹)

冒頭の写真は、北日本に住む友が3月初めの自宅前の様子を送ってくれたものです。
今年の冬は経験の無い厳しさであったと手紙にありました。
○ 気温は最高でも氷点下・・・雪は融けることなく、1m、2mと積み上がるだけ
○ 屋根の雪が50センチを越えると、戸や障子が開閉できなくなる
○ 朝暗い内に起き、除雪に追われる毎日
○ 青空がのぞき、ほっとできる日が一日もない
○ 趣味のスキーに一度だけ出かけたが、吹雪に阻まれる
このような苦しい、辛い、キツイ雪との戦いに心も折れそうになる、生まれ替われるなら、雪のないところで生きたいと結んでありました。
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