♦️1168『自然と人間の歴史・世界篇』アメリカの金融政策(その行方)

2021-10-27 10:07:57 | Weblog

1168『自然と人間の歴史・世界篇』アメリカの金融政策(その行方)

 新型コロナ禍でのアメリカの金融政策の主な展開としては、これまで歴史的低金利の継続と大規模量的緩和への傾斜であった。後者の政策では、2020年2月末に4兆1,586億ドルだったFRB(米連邦準備制度理事会)の資産規模は、2020年5月20日に7兆ドルを超え、2021年2月2日現在は7兆4,149億ドルに達した。
 それが、リーマンショック期のQEでは、FRBが資産を3兆ドル積み上げるのに5年を要した。今回は3ヶ月でその規模を達成、巨大な通貨供給が信用の安定と資産価格の上昇に寄与したと言えるだろう(ただし、物価の上昇がそれに見合う通貨の増大をもたらすという流れが基本であろう)。
 その後も、この資産の増加傾向は続いていて、2021年10月13日現在の「連邦準備バランス」(FRBサイト提供、2021.10.14)によると、約8兆4809億4200万ドルにも膨れ上がっている。

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 それが、2021年9月21~22日のFOMC(連邦公開市場委員会)において、次回11月の会合でのテーパリング(資産買い入れ縮小)開始に含みを持たせたのは、FRBのこの間の金融からの経済てこ入れが一つの転回点にさしかかってきたとの認識の表れだろう。
 その場において、ついては2022年半ば頃までにこの作業を終わらせるのが望ましい、そしてテーパリングと利上げ開始を分けて考える方針がパウエル議長から改めて示された形だ。

(続く)

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