るる子の最後を看取り、火葬とした。
その際、友人から教えてもらったペット斎場へ行った。そこは、うちから北へ30分ほどの、山の中にあった。
山の中にしか作れないだろう・・・そこは、鶯が鳴き、季節の花が咲いていた。
風体にあまり構わないような女性がつっけんどうに対応に現れた。黒い服は着ているものの、汚れているし、作業後の服装といった感じだった。
メインで作業をしていると思われる男性は、物腰もやわらかく、優しそうな感じがした。
ご夫婦だろうか・・・女性側の言葉の使い方で、ご夫婦だとわかった。
るるの足形をとってくれた。そして、いっしょに拝んでくれた。その言葉のひとつひとつに救われるようだった。私は、後から、後から涙がでる。
お骨になるまでの時間、私は外を散策していた。そこには、たくさんのペットの墓石がある。名前が書かれていて、立派なものだ。
端には、共同墓地があった。
女性が私に話しかけてきた。「この、墓石の人は、一回来たきり現れない」「この墓石の人は・・・・」と、なんと全部の墓石に関して、その後飼い主がどうしているかを、記憶しているようだ。
彼女は続ける。「火葬してあげたことが供養だからいいんです。でも、いつまでも一人で墓石の中に入っているのでは寂しいでしょう。共同墓地に入れてあげて、友達をいっぱい作った方が、犬は幸せですよ。」
共同墓地は5000円。墓石を建てると、安くても13万円はかかる。この人は、商売をしないのだろうか・・・高い墓石を買ってもらいたくはないのだろうか・・・。
改めて、周りを見回してみる。ごみひとつ落ちていない霊園。花がたくさん植えられている。さっきまで、つっけんどうに見えていた彼女が、とても心温かい人に見えてくる。
そうか・・・・私がつっけんどうな態度をとっていたのではないのか・・・。相手の態度とは、自分の態度の価値鏡だと、昔大学時代の友達が言っていた。
最後に彼女は、「今は、どんなお墓にするか考えなくていいんですよ。遺骨を持ち帰り、納得するまでそばに置き、ご家族と話し合ってください」そう言ってくれた。
るる子が亡くなったことは、悲しい。でも、彼女をもの扱いにして欲しくはなかったから・・・このペット斎場を選んでよかったと思った。悲しい心に、寄り添ってくださったご夫妻に感謝している。