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[宇宙] 英米豪研究チーム、第2の地球の可能性がある惑星を発見

2012-12-20 | Weblog

「第2の地球」発見? 12光年先、大気存在する可能性

英米豪などの研究チームが19日、地球から約12光年先に「第2の地球」の可能性がある惑星を発見したと発表した。太陽系外で生命が存在する可能性がある惑星としては、これまで発見された中で最も地球に近い。

 研究チームは、肉眼でも見える秋の星座「くじら座」のタウ星に、地球の重さの2~6倍の五つの惑星があることを発見。その一つが、生命の存在に欠かせない水が液体として存在できる「ハビタブルゾーン」という領域にあることを確認した。地球の5倍ほどの重さで大気が存在する可能性があるという。タウ星との距離は太陽と金星ほどで公転周期は約168日。

 研究チームは三つの異なる観測施設から得られた6千以上の観測データを合わせて結論づけた。英ハートフォードシャー大のジェームス・ジェンキンス客員研究員は「我々はそう遠くない将来、これらの惑星の大気を分析できるかもしれない」と説明している。

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 くじら座タウ星系のイメージ、手前にあるのが「第2の地球」の可能性がある惑星

An artist's impression of the Tau Ceti system. (Image by J. Pinfield

for the RoPACS network at the University of Hertfordshire, 2012)

 


[外交] 安倍政権の歴史観、独りよがりでは日本は孤立する

2012-12-20 | Weblog

安倍政権と歴史問題

日本の右傾化が内外で話題となる中、その空気を体現するように党内右派の安倍晋三氏率いる自民党が総選挙で圧勝した。安倍新首相の外交における重要なポイントは、前回と同様、歴史問題をどう管理するかだと思われる。

 ◇国際的公共益を念頭に外交を

 右こそ右を抑えられるといわれるように、首相時代(2006年9月〜07年9月)、安倍氏は信念の靖国神社参拝を自制し、小泉純一郎政権下で悪化した中韓との関係改善を果たした。今回、領土問題で再び中韓、特に中国との関係が最悪に陥る中で再登板するめぐり合わせとなった。

 前回のように巧みにさばいてほしいが、衆議院で公明党と合わせ3分の2を超える議席を獲得し、独自色を打ち出すチャンスと安倍氏が捉える可能性もある。ここで歴史問題全般に触れる余裕はないので、私が一つの懸念材料とみている従軍慰安婦問題を取り上げる。

 ◇河野談話見直し表明した安倍氏

 安倍氏は、この問題で「おわびと反省」を述べた河野(洋平)官房長官談話(1993年)を見直す考えを明らかにしている。「狭義の強制(いやがる女性を無理やり連行したこと)はなかった」とし、「これを正さないと将来の日本の人々に申し訳ない」という趣旨のことを述べた。

 私は以前、オランダで従軍慰安婦問題をかなり深く取材した。日本軍がオランダの植民地だったインドネシアを占領した際、オランダ人女性を慰安婦にした問題だ。

 安倍氏は従軍慰安婦に対して不特定多数を相手にした公娼(こうしょう)所にいた女性のイメージを抱いていて、貧しさなどから働くようになった人もいて「狭義の強制はなかった」と言いたいのだろう。

 しかし、女性たち全員が公娼所のようなところにいたわけではない。河野談話に基づいて95年に設立されたアジア女性基金は、韓国、台湾、フィリピン、オランダを対象に従軍慰安婦への償い事業を行った。オランダでは女性75人を従軍慰安婦と認定したが、中には日本人将校の愛人にされた人妻や、13歳の時に日本人将校に愛人にされ、子供を産んだ女性もいる。

 また当時、日本兵のホモセクシュアルの相手をさせられたオランダ人少年4人がいた。アジア女性基金はこの4人も従軍慰安婦のカテゴリーに認定し、女性と同様に福祉・医療費支援を行った。つまり従軍慰安婦といってもさまざまで、少女や少年もいた状況にあって、狭義か広義かの区分は意味をなさない。

「愛人にされた女性は本来の従軍慰安婦ではない」との反論もあろう。しかし今日、欧米は従軍慰安婦問題をすぐれて女性の人権にかかわる問題として捉えている。強制連行があったかどうかに関係なく、女性を嫌悪すべき状況に置いたこと自体を人権違反と捉えている。

 ◇独りよがりでは日本は孤立する

 すでに07年、米下院本会議で日本に対し、慰安婦問題で謝罪を要求する決議案が採択された。オランダ、カナダ、欧州連合(EU)も続き、同種の決議が議会で採択された。領土問題で国際社会の支持とりつけに走り回っている日本外交にとって、この二の舞いは大きな打撃である。

 最近の右傾化の空気で私が危惧するのは、国際社会の共通認識や価値観と乖離(かいり)したところで、独りよがりともいえる議論が時折、目につくことだ。これは個人的な心情や倫理観を位相の異なる政治の場で扱おうとする態度にもつながっている。

 米国のある識者は「右傾化によって、日本は短絡的な見方しか持てなくなっているように感じる」と指摘した。反中感情があおられ、長期的ビジョンを練る余裕がなくなっているというのだ。

 戦争の惨禍をアジアに及ぼした日本は二度と排他的利益を求めず、国際的な公共益に沿ったところで自国の国益を追求していくことを課せられていると思う。ドイツが機会あるごとに「ドイツの欧州にはしない。欧州のドイツになる」と言うのと同じ脈絡だ。

 政府開発援助(ODA)や国連平和維持活動(PKO)はまさに国際的な公共益に貢献しつつ、日本の国益を広げてきた格好の政策である。国際社会が日本に抱く好印象と高い期待も、国際的公共益を常に念頭においてやってきたことの結果といえるだろう。

 先の従軍慰安婦問題も女性の人権という公共益の中に位置付け、日本が主導権をとる形で解決できるはずだ。アジア女性基金というノウハウも持っている。国際的な公共益に背を向けるような「狭義の強制はない」といった主張は、日本を孤立させかねない。MAINICHI

 

参照:ブログ「日本政治の行く末(12)」

 ドイツと日本は第二次世界大戦で同盟国として戦い、無条件降伏した。だが、戦後の再出発は両国で大いに異なっている。ドイツはポツダム会議で米・英・仏・ソの4つの占領地区に分割され、独立国家としての存在が一時断絶した。日本は連合軍下におかれたが、幸運にも国家体制は存続することができた。

 ・ ところがドイツは、国の断絶という重い試練を課せられながら、かつての敵対国と融和をはかることに成功している。戦後67年の歳月が経ったが、いまなお、アジア隣国との間で過去の問題をかかえている日本とはあまりにも対照的だ。

 ・ドイツでも、過去を悔いて謝罪することには保守層が強く抵抗した。だが、ドイツ国民は「戦後のドイツ政権」と、対外侵略やユダヤ人撲滅をはかった「ナチス・ドイツ政権」との間を線引きして、自分達もナチスの被害者であると定義した。2005年の戦後60周年記念式典で、当時の首相シュレーダーが、「連合国による勝利はドイツに対する勝利ではなく、ドイツのための勝利であった」と演説したことからもうかがいしれる。そして被害者の歴史認識に立って、ホロコーストや侵略を否定せず、過去の罪をきちんと認めている。

 :大阪市長橋下徹は、尖閣諸島や竹島の問題に絡み「中国韓国が何を怒っているのか、しっかり過去の戦争を総括すべきだ。恨みを持たれてもしょうがないこともある」と述べたうえで、「日本人はアジアの歴史をあまりにも知らな過ぎる。今の日本の体たらくが、竹島、尖閣の問題に結び付いている」と強調し、問題解決には過去の歴史の再検証が不可欠との認識を示している。

続きを読む➝(クリック日本政治の行く末(12)


毒マンジュウ、橋下さんが(いっぱい)食わされた

2012-12-20 | Weblog

維新崩壊で求心力低下(FLASH)

「橋下さんは石原さんに毒まんじゅうを食わせたと思っていたが、じつは橋下さんが食わされていたんだーー」

橋下維新を当初からウォッチしてきた政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は言う。自民大勝の衆院選。最大の愚者ぶりを満天下にさらしたのは橋下・日本維新の会であったかもしれない。『第三極』ともてはやされ、みんなの党からのラブコールを袖にして、電撃的に石原慎太郎氏(80)率いる太陽の党と合流。両雄並び立って衆院選で大旋風を巻き起こすはずが、およそ期待外れの結果に終わった。

「橋下さんが主張していた脱原発やTPP参加などが、合流によって大きく後退。また、対中国問題などで強硬発言する石原節のせいもあって、大阪での日本維新の支持率はかげりを見せ、結局、全国的にもイメージは色あせてしまったんです」(政治記者)

維新の会のブレーンと言われた竹中平蔵氏(61)は、大阪4区で維新の会の候補者がいるのに自民党の中山泰秀氏を応援。竹中氏は旧たちあがれ日本の平沼赳夫氏とは犬猿の仲。呉越同舟とはいかずブレーンを失ったのだ。いっぽう石原氏には2名のベテラン議員がついており、合流以降は彼らが党運営の主導権を握った。

旧たちあがれ日本出身のベテラン政治家たちの視線は政権党に復帰した自民党に熱く注がれている。いっぽうで、安倍自民による切り崩し工作が行われるのは確実だ。

「実は自民党の安倍晋三総裁(58)は、総選挙後をにらんで、自民党から旧維新の会に移った大阪区議や市議の復党にいっさい条件をつけるなと指示を出している。雪崩をうって維新を離党する議員が出るだろう」(政治部記者)

求心力を失い、孤立無援となった橋下氏。そんな彼に手を差しのべる者があるとすれば、みんなの党の渡辺喜美氏(60)以外にはあるまい。もともと維新と、渡辺氏率いるみんなの党の関係は親密だった。解散前には維新とみんなの党は共通公約に合意、選挙協力の調整に入っていた。だが、そこに石原・太陽の党との電撃的合流……。

「渡辺さんは橋下さんに裏切られたんです。しかし、今回の選挙でみんなの党は維新の候補者の60人以上を推薦した。約束を反故にされても、渡辺さんは橋を架けつづけ、橋下さんに救いの手を差しのべているのかもしれません」(鈴木氏)

大阪知事で日本維新の会幹事長の松井一郎氏は「僕も橋下も言いすぎた。生意気だった。(みんなの党の)渡辺喜美代表ともう少し丁寧にお話しさせていただくべきだった」と反省の弁を漏らし、みんなの党との連携強化に前向きな考えを見せている。それに対し、みんなの党幹事長の江田憲司氏は、「旧太陽の党勢力との決別が条件」との意向を示している。

いま橋下氏は「君を総理にしたい」などという石原氏の甘言に乗せられた自分を激しく悔いているに違いない。


野合の誘いにのらず、男をあげたみんなの党・渡辺代表

2012-12-20 | Weblog

 

衆院選 回顧

「政治をあきらめないでください」渡辺喜美・みんなの党代表

政治をあきらめないでください。政治をあきらめて、みなさんが投票に行かないと、業界団体頼みの自民党が大勝利をしてしまう。私はついこの間まで自民党にいた人間ですから裏の裏まで全部わかっている。自民党候補の選挙事務所に行くと、業界団体の推薦状が所狭しとベタベタ貼ってある。陣中見舞いももらっている。自民党が政権を取れば、業界団体向けに、みなさんの税金をそういうところに重点的にばらまくようになる。消費税を増税して、みなさんにツケを回すんです。(東京都内での街頭演説で)

 


 

渡辺喜美・みんな代表が当選 栃木3区

「農協の人たちは、『渡辺を落とせ』と3区全域で運動をやっている。私は比例代表には出ない。信念をまっとうして、落選させられるのなら本望」

 衆院選の公示を目前にした十一月末。矢板市内で会合を開いたみんなの党の渡辺喜美代表は、満員の有権者を前に、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加の意義を力説しながら、選挙戦への並々ならぬ決意を語った。

 みんなを旗揚げして初めて挑んだ二〇〇九年衆院選から三年余り。民主、自民両党に対抗する勢力拡大のチャンスが巡ってきた。県内五選挙区すべてに候補者を立て、自民と全面対決になったが、状況は三年前とは違っていた。

 一〇年の大田原市長選で、みんな市議が現職(当時)の支援を求めたが、渡辺氏が応じず現職が落選。この亀裂を引きずる形で今年九月、市議六人が党を離れた。さらに十一月の県議補選小山市・野木町選挙区で、渡辺氏が進めた候補擁立に反発し、小山市議三人が離党。組織立て直しを迫られる中での衆院選突入となった。

 三年前は対抗馬擁立を見送った自民党も、今回は新人の簗和生氏を立て、死にもの狂いで挑戦してきた。

 「何とか役に立ってくれる男になったかと思ったら、那須とか栃木なんて話はしなくなる。『わが党、わが国』ばかり。跡取り息子も立派になりすぎた」

 簗氏の演説会で農協幹部は、地元に目を向ける姿勢が見られないとして渡辺氏を批判。簗氏も、TPP反対を訴えながら「テレビで評論家みたいなことをやっている暇があったら、地域の皆さんの顔を見て、どれだけ生活が苦しいのかを聞くべきだ」。安倍晋三、麻生太郎両元首相ら大物も3区入りした。

 それでも「渡辺王国」の壁は厚かった。渡辺氏は選挙期間中、全国遊説の合間に数回県内入りしただけだったが、底力を見せて勝利。残り四選挙区は自民党に議席を許したが、比例代表北関東ブロックは前回より十九万票以上も票を伸ばした。比例議席は前回より一増の二議席になった結果、栃木2区の柏倉祐司氏が比例復活で初当選を果たした。

 共同通信社の出口調査を見ると、渡辺氏には民主支持層の69・6%、未来支持層の59・1%、そして自民支持層さえ25・3%が投票。柏倉氏にも、公明支持層の24・5%が投票している。栃木では日本維新の会が擁立を見送ったこともあり、「今回は民主や自民に入れたくない」という批判票をほぼ一手に引き受ける形になったようだ。

 「私は既得権益とは全くつながりがない。政治に対してのクリーンさ、しがらみのなさを皆さんが求めている」。柏倉氏も、既成政党批判が追い風になったと振り返る。

 もっとも、今回、簗氏が比例北関東で復活当選した。渡辺氏が3区でライバルの比例復活を許したのは、自民党時代を通じて初めて。今後、国民の信頼を損ねれば、お膝元でも足元は簡単に揺らぐ。 TOKYO

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自身の当選が確実となり、拍手するみんなの党の渡辺代表=東京都千代田区で

 

略歴:

渡辺喜美(1952(昭和27年)生)、日本政治家みんなの党代表。早稲田大学(政治学士)卒業。

1996初当選以来、衆議院議員6期)、2006安倍内閣内閣府特命担当大臣(規制改革)、安倍改造内閣福田康夫内閣内閣府特命担当大臣金融)を務めた。父は衆議院議員外務大臣大蔵大臣通商産業大臣等を歴任した渡辺美智雄

 

 

200011月、加藤の乱をきっかけに江藤・亀井派を退会し、同党離党まで無派閥。

 

20081224民主党提出の麻生太郎首相に対する衆議院の解散総選挙を要求する決議案に与党議員でただ1人賛成し、自民党から戒告処分を受ける。その後も麻生内閣や党執行部への批判を繰り返し、自民党離党の意向を表明

 

2009113日、自民党に離党届を提出、211「国民運動体」を発足させ、51日に団体名を「国民運動体日本の夜明け」に改める。この組織を母体に、総選挙前の88みんなの党を結党。無所属江田憲司に加え、自民党離党組の山内康一広津素子、民主党を離党した浅尾慶一郎が参加し、所属国会議員5名を集めて政党要件を満たした。

 

45回衆議院議員総選挙には栃木35選。選挙結果は渡辺が142,482票・得票率95.3%で圧勝。渡辺の得票率は、小選挙区制導入後の最高記録である。

 

 

 

政策・主張

     安倍内閣・同改造内閣・福田内閣で約1年半にわたり行政改革、公務員制度改革に取り組み、みんなの党結党後も党是に行政改革、公務員制度改革の推進を掲げている。大臣在任中、補佐官は経済産業省から、改革派の原英史を起用した。天下り規制に対する官僚側の猛烈な抵抗を受けながらも、20086月に国家公務員制度改革基本法を成立にこぎつけている。

     小泉構造改革の推進派である。

永住外国人への地方選挙権付与には反対の立場を取り、民主党を中心に法案提出が検討された際は、東京都内で行われた反対派の集会に出席した[

 


韓国初の女性大統領誕生、進化しない日本の政治はいつ女性の壁を越えられるか

2012-12-20 | Weblog

韓国初の女性大統領誕生へ、朴槿恵氏が勝利宣言(CNN)

ソウル(CNN) 19日に投票が行われた韓国の大統領選は、与党セヌリ党の朴槿恵(パククネ)候補(60)が同日勝利を宣言した。韓国初の女性大統領が誕生する。

朴氏はソウル中心部の光化門広場に集まった支持者らを前に、「私は約束を守る大統領になる」「危機を乗り越え経済を復興させたいと願う国民の勝利だ。私を信じてくれた国民の意思は決して忘れない」「この国の幸福の時代をスタートさせる」と宣言した。李明博(イミョンバク)大統領も朴氏の勝利に祝意を表した。

一方、YTNテレビによると、野党・民主統合党の文在寅(ムンジェイン)候補(59)は敗北を認めた。

選挙管理委員会はまだ最終結果を発表していないが、開票率約94%の時点で朴氏の得票率は51.66%、文氏は47.91%となっている。韓国の大手放送局3社もすべて朴氏が当選確実と伝えた。

オバマ米大統領は19日、朴氏に祝辞を送り、「2国間および地域と世界の幅広い問題に関する協力関係のさらなる強化に向け、朴政権と緊密に連携していきたい」と表明。「米韓同盟はアジア太平洋の平和と安全の要であり、両国は経済、安全保障、人と人との深いつながりにおけるグローバルパートナーシップを共有する」と指摘した。

朴氏は1979年に暗殺された朴正熙(パクチョンヒ)元大統領の娘。2013年に大統領に就任し、所得格差是正、若者の雇用、北朝鮮への対応といった課題に取り組む。

 

【社説】女性大統領朴槿恵…華麗な記録、重い荷物(中央日報 )

与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)候補が第18代大統領に選出された。女性大統領は、韓国はもちろん世界的にも華麗な記録だ。これまで女性大統領は主にブラジル、アルゼンチン、チリなどの南米諸国だった。米国では一度もない。欧州では英国のサッチャー元首相、ドイツのメルケル首相など首相はいるが大統領当選は首相より大変だ。北東アジアは男性優越主義が残っている儒教文化圏だ。この地域で女性大統領が登場したことはさらに歴史的な意味がある。朴槿恵は地域の政治・社会の雰囲気に影響を及ぼすだろう。

朴槿恵は父娘大統領という記録も達成した。インドのガンジー元首相やパキスタンのブット元首相は父娘首相だった。アルゼンチンには夫婦大統領、米国には父子大統領がいる。

個人的に朴槿恵当選は人間ドラマだ。彼女は母と父をともに銃弾で失った後、1979年に青瓦台(チョンワデ、大統領府)の外の広野に出てきた。18年間の隠遁を破り1997年に政界入りし、さまざまな曲折を体験した。2006年にはとても危険なテロに遭い、2007年には大統領候補を選ぶ党内選挙戦で惜敗した。政界入門から15年、父親の殺害から33年であらゆる逆境を乗り越え彼女は大統領になった。

朴槿恵当選で韓国政治は女性という最後の壁を越えた。過去の金泳三(キム・ヨンサム)は文民交替、金大中(キム・デジュン)は与野党と地域間の権力交替を達成した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)は3金時代を終わらせ世代交代を成し遂げた。朴槿恵は性別という最後の交替をやり遂げた。

だが、記録は未来を保障しはしない。記録は過去にすぎず、未来にはまた別の成果を出さなければならない。朴槿恵は内外で新たな環境と挑戦を迎えている。変化は経たが準備は微弱だ。この波の中で船長朴槿恵は試験に入っている。

分断67年で北朝鮮は最も危険な状況だ。金正恩(キム・ジョンウン)3代世襲政権は1年に2度も長距離ミサイルを発射し西側を威嚇している。核とミサイルというヌンチャクを振り回し瀬戸際戦術を強化するものだ。北朝鮮で急変事態でも起きればこれは韓国の国民に最も大きな影響を及ぼす危機になるだろう。朴槿恵は理念に割れた共同体を率いて共存と統一に向けた道を切り開かなければならない。

 

韓国に初の女性大統領 課題は?

12月20日 21時25分 NHK

19日に投票が行われた韓国の大統領選挙は、与党セヌリ党のパク・クネ氏が接戦を制して当選を果たしました。
来年2月25日に就任し次の5年間を担う新しい大統領、パク・クネ氏の当選はどんな意味を持つのか。
また、新大統領が直面する課題、そして日本との関係はどうなるのか。
取材に当たったソウル支局の矢野尚平記者が解説します。

初めてづくしの大統領誕生へ

パク・クネ氏の当選は、韓国の政治史での“初めて”が3つ重なりました。
1つ目の初めては「女性」です。
韓国建国以来11人目の大統領となるパク・クネ氏は、初めての女性大統領です。
日本やアメリカでまだ誕生していない女性リーダーが、儒教文化が残るとされる韓国で誕生するのは、韓国社会の変化を象徴していると言えます。

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2つ目は「親子2代」です。
パク氏の父親は、1960年代から70年代にかけての経済成長「ハンガンの奇跡」を実現させたパク・チョンヒ元大統領です。
パク・クネ氏は「青瓦台」と呼ばれる大統領府で幼いころから父親が暗殺されるまでを過ごしており、来年、34年ぶりに青瓦台に戻ることになります。
そして、3つ目が「過半数」です。
韓国の大統領選挙は1987年から直接投票が行われていますが、過半数の票を獲得して当選した候補はいませんでした。
前回5年前、得票率で20ポイント以上の差をつけて対立候補をやぶった今のイ・ミョンバク大統領でも得票率は48.7%でした。
これに対して、今回のパク氏の得票率は51.6%で、初めて過半数の票を得て選ばれた大統領になります。

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勝因は

今回の選挙の投票率は75.8%と、過去2回を大きく上回りました。
当初、投票率が上がれば若者層や無党派層の支持が多い野党のムン・ジェイン氏に有利になるとされていました。
しかし、この予想は外れました。
では、パク氏がこれだけ多くの支持を得た理由は何だったのでしょうか。
一番の勝因は、豊富な政治経験を前面に打ち出し、安定を望む保守層や50代以上の有権者から圧倒的な支持を集めたことが挙げられます。

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パク氏は1998年から国会議員を15年務め、党の代表だったときには当時の小泉総理大臣と会談した経験もあります。
実績を強調し、国際的な経済危機を乗り切り、北朝鮮と向き合うためには「指導者として準備が整った大統領が必要だ」と訴え、安定を望む保守層の支持を固めました。
また、少子高齢化という韓国社会の変化もパク氏勝利の一因になったとみられています。
韓国では日本以上のスピードで少子高齢化が進んでいます。
前回5年前と今回の有権者を比較してみますと、20代と30代が42.3%から36.4%に減ったのに対し、50代以上は33.5%から40%に増加し、比率が逆転しました。
韓国のテレビ局3社が行った出口調査によりますと、50代の62.5%、60代以上の72.3%がパク氏に投票したということで、人口が増えた中高年から圧倒的な支持を得たことが分かります。

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また、格差拡大を招いたとして批判が高まっている今のイ・ミョンバク政権に対し、同じ与党にもかかわらず一定の距離を置いたことも功を奏したほか、格差の是正や富の分配といった比較的中道的な政策により、一部の革新層にも支持を広げました。

経済の公約は実現できるのか

多くの国民の期待を背負って当選を決めたパク・クネ氏。
来年2月25日に就任しますが、その前途は明るいものばかりとは言えなさそうです。
国内の問題では、最大の争点となった格差の是正や雇用対策、少子高齢化の問題でまず実績を出せるかが問われます。
パク氏は選挙期間中の演説で、これらの課題に対する公約を繰り返し強調してきました。
「5歳児までの保育の無償化」「大学授業料の50%削減」「非正規労働者に対する雇用保険支援」「所得に応じた医療費の上限制度の導入」「年金支給額の倍増」などなど。
ただ、こうした数多くの政策の実現には当然のことながら巨額の財源が必要になってきます。

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パク氏側は予算の無駄を削減することなどで財源は確保できるとしていますが、好調を維持してきた韓国の輸出もこのところ低迷気味。
来年には新規雇用の件数が減少するという見方も出ているなかで、高まっている国民の期待に応えるにはかなりの困難が予想されます。

対立続く北朝鮮との関係は

対外面でも課題は山積しています。
その1つが北朝鮮との関係です。
パク氏は南北関係の改善を目指すとしながらも、まずは北朝鮮の行動を検証し、信頼できるという判断ができて、初めて国民や国際社会の理解を得ながら次の段階に進むべきだと考えています。
こうしたパク氏に対して北朝鮮は強い非難を繰り返してきました。
自国に融和的な革新政権の誕生を期待していただけに「保守政権の継続」という結果に警戒感はぬぐえないことでしょう。
事実上のミサイル発射で自信を深め、3度目となる核実験の可能性まで取り沙汰される北朝鮮とどう向き合うのか、難しい対応を迫られると思います。

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日本との関係改善は

一方、日本との関係はどうなるのでしょうか。
パク氏は日本を「重要な友好国」と位置づけ、日本とのEPA=経済連携協定の締結に意欲を見せています。
イ・ミョンバク大統領の竹島上陸などにより、日本との関係がぎくしゃくしたことについては、よくなかったという認識を持っており、関係改善を目指すものとみられます。
ただ、竹島やいわゆる従軍慰安婦の問題などでは、厳しい姿勢を示しています。
パク氏は20日の会見でも「正しい歴史認識を土台に和解と協力が広がるよう努力する」と述べています。
この問題に関しては、韓国では保守・革新を問わず譲る部分はなく、日本側が態度を改め前向きな対応をとるべきだと考えています。

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今月26日にも新政権を発足させる自民党の安倍総裁の外交姿勢について、韓国は強い警戒感を持っています。
パク氏としては、日本の新政権の動きと韓国国内の世論を見極めながら日本との関係改善を模索するものとみられます。
パク氏は来週以降、引き継ぎ委員会を発足させ、さまざまな課題について、みずからのブレーンなどと協議を始めることになります。
韓国のメディアは「パク氏が置かれている内外の環境は決して平たんではない」と伝えています。
世界で指導者の交代が相次いだ2012年、その締めくくりとなった韓国の大統領選挙。
激動が予想される次の5年間をパク・クネ氏がどう導くのか、深く取材していこうと思います。