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安倍の大うそ 公表資料に消費税の記述なし(本当の提言はアベノミクスの全否定だった) 

2016-03-24 | Weblog

管理人:安倍の一声で決まった国際金融経済分析会合。建前は5月の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)に向け、世界の経済・金融情勢を内外の有識者と意見交換するためだという。まず16日の初会合にはノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ氏、また17日の第2回会合には米ハーバード大学教授のデール・ジョルゲンソンと日本経済研究センター理事長で元日銀副総裁の岩田一政の両氏、そして22日の第3回会合はノーベル経済学賞受賞者で米ニューヨーク市立大学教授のポール・クルーグマン氏、それぞれが講師に招かれている。だが会合は非公開であるために実際の発言内容を直接的に知ることはできないが、公表資料を見る限りでは、消費税の増税の可否や当否に焦点を当てた専門家からの説明は行われていない。スティグリッツ教授の説明資料には、緊縮財政(歳出削減と増税)をやめるべきこと、サプライサイドに対して取られてきた措置は失敗であり、金融分野の規制緩和、法人税率の引下げ、行き過ぎた民営化等はやめるべきあること、TPPは悪い貿易協定(bad trade agreement)であり米国議会においても批准はされないであろうこと、サプライサイドへの措置は失業を増やし、成長には寄与しないといったことが記載されている。つまり、安倍政権の主要政策への警鐘、否定である。

政府公表資料はウソ 安倍官邸が隠した米教授“本当の提言”

2016/3/24

22日に第3回が開かれた「国際金融経済分析会合」。米ニューヨーク市立大・クルーグマン教授も来年4月の消費増税反対を提言したが、増税延期の風向きが強くなったのは、先週16日に行われた第1回の米コロンビア大・スティグリッツ教授の提言がきっかけだった。

だが、ちょっと待って欲しい。会合から2日後の18日に政府が公表したスティグリッツ教授提出の資料を見ると、消費増税についての記述はどこにもない。むしろ教授が提言したのは、TPPの欺瞞や量的緩和政策の失敗、格差の是正、つまりアベノミクスの全否定だった。

提言のレジュメとみられる資料は48ページにわたり、例えばTPPについて次のように手厳しい。

〈米国にとってTPPの効果はほぼゼロと推計される〉〈TPPは悪い貿易協定であるというコンセンサスが広がりつつあり、米国議会で批准されないであろう〉〈特に投資条項が好ましくない――新しい差別をもたらし、より強い成長や環境保護等のための経済規制手段を制限する〉

ただ、これは官邸の事務局による和訳で、本来の英文と比較すると、これでも「意図的に差し障りのない表現にしている」と言うのは、シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏だ。

「〈特に投資条項が好ましくない=Investment provisions especially objectionable〉ですが、強い不快感を表す単語【objectionable】を使っています。正確には、〈投資条項が、とりわけ、いかがわしい〉と訳すべきでしょう」

他にも【inequality】を和訳で、アベノミクスに好都合な場合は「格差」とし、不都合な場合は「不平等」とする“都合のいい”使い分けが散見されると指摘する。

「『大不況に関する誤った診断』と題するスライドでは、旧『第1の矢』の金融緩和には期待された効果がないとし、『企業が投資に積極的にならないのは、需要が足りないからだ』と断言しています。世界で最も権威のある経済学者が日本国民のために全力で提言した結果が、アベノミクスの全否定でした。スティグリッツ教授は安倍首相に、アベノミクスを停止し、経済政策を百八十度転換することによって、7月のG7サミットで主導権を取ることを提言しているのです」(田代秀敏氏)

それにしても、スティグリッツ教授の資料はどうして会合当日に公表されず、2日も遅れたのか。内閣官房の担当者は「和訳の適切性について疑義が出たりしまして……」と弁解していた。

政府にとって“好ましくない”ことを隠し、消費増税への教授の意見を必要以上に“強調”したのだとすれば、大問題だ。(日刊ゲンダイ)

補足:米国コロンビア大学教授ジェセフ・スティグリッツ氏は情報の非対称性の理論への貢献によりノーベル経済学賞を受賞。同氏の関心は情報の非対称性や不完全情報の経済学。日本では『世界の99%を貧困にする経済』や『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』の著作で知られている。またグローバリズムの批判者でありウォール街占拠運動を支持し実際に運動に参加している。