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[NY TIMES報道] 東京都知事の軽率な批判発言 オリンピック誘致に影響か(IOCルール違反)

2013-04-29 | Weblog

JOC会長:IOCにメールで声明 不適切表現認める

4月30日 MAINICHI

3月に行われたIOC評価委員会現地視察の際に、初日の日程を終え記者会見する猪瀬直樹東京都知事(左)と竹田恒和招致委員会理事長=東京都内のホテルで2013年3月4日、矢頭智剛撮影猪瀬直樹東京都知事(左)と竹田恒和招致委員会理事長=2013年3月4日撮影

 2020年夏季五輪の開催を目指す東京都の猪瀬直樹知事が、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで立候補都市のイスタンブール(トルコ)を批判したとされる問題で、東京招致委員会の竹田恒和理事長(日本オリンピック委員会=JOC=会長)は30日、国際オリンピック委員会(IOC)に対し、メールで声明を送信した。「一部IOCルールに抵触する可能性のある不適切な表現があった」と認め、「他立候補都市に敬意を表して招致活動を行う姿勢に変わりはありません」と今後の姿勢を訴えた。

 IOCは立候補都市の行動規範の第14条で、「他都市のイメージを傷つける行為や、不利となる発言、記述を慎まなければならない。他都市との比較も禁じる」と規定している。今回の問題を受け、29日に「すべての立候補都市に規定に留意するよう求める」との方針を通達。東京招致委にも、竹田理事長のコメントを求めるメールが届いていた。

 また、菅義偉官房長官は30日の記者会見で、猪瀬知事の発言について「他の都市を批判する意図はないと表明しており、招致活動に支障をきたすことはない」と述べた。

 猪瀬知事は、今回の発言について明らかになった29日には「私の真意が正しく伝わっていない。他の都市を批判する意図は全くなく非常に残念」とコメントを発表。しかし30日には一転、「やっぱり不適切な発言であると思い、それは訂正したい。おわびしなければいけない」と認めた。さらに「(発言は)細部にも気をつけていかなければいけないと教訓になった。他都市に敬意を払って招致活動を継続したい」と、意識を正す姿勢を強調した。


 

猪瀬知事「イスラム諸国はけんかばかり」

4月29日 NHK
猪瀬知事「イスラム諸国はけんかばかり」
 
 

アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズは、2020年夏のオリンピック招致を巡る東京都の猪瀬知事のインタビュー記事を掲載し、猪瀬知事がほかの立候補都市を引き合いに「イスラム諸国はけんかばかりしている」などと発言したと伝えました。

IOC=国際オリンピック委員会の行動規範は、ほかの立候補都市との比較を禁じており、「すべての候補都市にルールを守るよう強調したい」とする声明を発表しました。

ニューヨーク・タイムズによる猪瀬知事のインタビューは、今月、招致活動のため訪れていたニューヨークで行われ、26日に掲載されました。

この中で、猪瀬知事は「アスリートにとって、いちばんよい開催地はどこか。インフラや洗練された競技施設が完成していない、2つの国と比べてください」とほかの立候補都市に言及しています。そのうえで、「イスラム諸国で人々が共有しているのは唯一、アラーだけで、互いにけんかばかりしている」という内容の発言をしたということです。

IOCはオリンピックの招致活動についての行動規範で、各都市は互いに敬意を払うべきだとして、ほかの都市との比較を固く禁じています。

ニューヨーク・タイムズは「発言で立候補都市の資格を失うことは考えにくいが、IOC側の信頼は揺らぎかねない」と指摘しています。
トルコのクルチ青年スポーツ相は、記事が掲載された翌日、ツイッターでコメントを発表し「発言は公正ではなく、悲しいことだ。オリンピック精神に反している。イスタンブールはほかの立候補都市に対して否定的な声明を出したことはないし、これからも出さない」としています。そのうえで、「われわれは日本の人々を愛しているし、日本人の信仰心や文化を尊重している。そして若者も、高齢者も同じように尊重する」としています。

IOC=国際オリンピック委員会は声明を発表し「記事に掲載された発言の翻訳を見ただけでは知事が本当は何を言おうとしていたのかは定かではない」として、今後、東京都に対して真意を問いただす考えを示唆しました。そのうえで、「IOCとしてはすべての候補都市に対して招致活動に関連したルールを改めて強調したい」として、招致活動に伴う行動規範を順守するよう各都市に対して改めて求めています。

猪瀬知事の発言について、JOC=日本オリンピック委員会の会長で東京の招致委員会の竹田恒和理事長は「猪瀬知事がどういう思いでどのようなことを話したのかまだ確認できていないので、何も申し上げることはできない。招致委員会としては、ほかの立候補都市と比較はしないというIOCのルールをよく理解して今後も招致活動を進めたい」と話しています。

記事の内容は

ニューヨーク・タイムズに26日、掲載された記事によりますと、猪瀬知事へのインタビューは訪米中、ニューヨークで行われました。

インタビュー記事によりますと、猪瀬知事は開催都市について「アスリートにとって、いちばんよい開催地はどこか。インフラや洗練された競技施設が完成していない2つの国と比べてみてください。ときには例えばブラジルのように、初めて開催するのもよいでしょう。しかしイスラム諸国では人々が共有しているのは唯一、アラーだけで、互いにけんかばかりしていて、階級もある」という内容の発言をしたということです。

また、若者の人口の割合が大きいイスタンブールが有利なのではないかという指摘に対して、猪瀬知事は高齢者が健康を維持できるよう、運動できることが日本社会のよさだと説明したうえで、「トルコの人々も長生きしたいでしょう。長生きしたければ、日本のような文化をつくるべきだ。若い人は多いかもしれないが、早く死ぬようではあまり意味がない」という内容の発言をしたと伝えられています。

インタビューは日本語で行われ、同席したニューヨーク・タイムズの日本人記者は「記者による翻訳の偏見を避けるため、通訳の翻訳のことばを採用した」と、個人のツイッターで説明したうえで、「誤訳があったとは認識していない」としています。


[主権回復式典] 安倍の「想風」 沖縄県民の屈辱心には届かず

2013-04-29 | Weblog

「想風(おもいかぜ)」、国語の辞書をひいても載っていない日本語だ。

大修館書店は、毎年、全国の小中高大学生に呼びかけて、「国語辞典に載せたい言葉」を募集している。そんな中で、2009年の募集においては、全国528校から合計7万5千940もの「国語辞典に載せたい言葉」が寄せられた。そして最優秀作品賞を受賞したのがこの言葉だ。長崎在住の高校1年の女子学生が創った。

「自分のこの想いが風にのって大切な人に届けばいいのに」という気持ちをあらわしているという。なんとも、ロマンチックで感性豊かな言葉である。

ところが、28日に政府が強行した「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」において、無神経な安倍の想風は一方的で、日本国民の真髄には届かなかった。すくなくとも差別された沖縄県民には。

以下に引用。

主権回復式典:天皇陛下のお言葉なく

2013/4/28 MAINICHI

Gov't marks Japan's 1952 recovery of sovereignty

 政府は28日、1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約発効から61年を迎え、「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を東京都千代田区の憲政記念館で開いた。安倍晋三首相は式辞で「本日を一つの大切な節目とし、私たちがたどった足跡に思いを致しながら、未来へ向かって希望と決意を新たにする日にしたい」と表明。天皇、皇后両陛下も出席したが、お言葉はなかった。

 式典には、衆参両院議長や最高裁判所長官、都道府県知事(代理を含む)ら約390人が出席。沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事は式典開催に反発する県民感情に配慮し出席を見送り、高良倉吉(たから・くらよし)副知事が代理出席した。生活、共産、社民、みどりの風の4党は政府による式典開催について「天皇の政治利用」などと批判し、欠席した。

 首相は式典で「61年前の本日は、日本が自分たちの力によって再び歩みを始めた日だ」と主権回復の意義を強調。その上で「日本を強くたくましくし、世界の人々に頼ってもらえる国にしなくてはならない。私たちの世代は、日本をもっと良い、美しい国にしていく責任を負っている」と述べた。

政府式典で予定外の「陛下万歳」唱和 公明代表が苦言

2013/4/29 NIKKEI

 政府の主権回復式典が終了して天皇、皇后両陛下が退席される際、出席者が「天皇陛下万歳」と発声し、国会議員や政府関係者が予定外の唱和をする場面があった。

公明党の山口那津男代表は式典後、党本部で記者団に「憲法に国民主権がはっきりと規定されている中で日本の独立が認められた日だ。その意義を十分に踏まえた行動だったか問われる」と疑問を呈した。

Gov't marks Japan's 1952 recovery of sovereignty

 

主権回復式典 抗議集会

2013/4/29 MAINICHI

Gov't marks Japan's 1952 recovery of sovereignty

・沖縄1万人「屈辱だ」 

 沖縄県議会の野党・中立会派を中心に構成する実行委員会は28日、政府の記念式典に対する抗議集会を沖縄県宜野湾市の海浜公園屋外劇場で開いた。

 主催者発表で約1万人が参加し、「沖縄が切り捨てられた『屈辱の日』に『主権回復の日』としての政府式典を開催することは、沖縄県民の心を踏みにじり、沖縄切り捨てを行うものだ」と決議した。

 抗議集会名は「4・28政府式典に抗議する『屈辱の日』沖縄大会」で、政府式典と同時刻の午前11時に始まった。共同代表を務めた県議会の喜納(きな)昌春議長は「安倍政権の式典強行によって沖縄の差別的歴史が改めて浮き彫りになった。沖縄の基地問題が解決されない限り、主権国家はありえない」と厳しく批判した。

 集会では、沖縄に強行配備された米海兵隊垂直離着陸機オスプレイの即時撤去や、普天間飛行場の県内移設断念を求めるスローガンも採択された。

・東京、名古屋、大阪、京都でも

 東京都心の日比谷公園では、式典と同時刻に「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」が集会を開き、約400人(主催者発表)が参加。

同公園を出発してデモ行進し、「政府は沖縄の声を聞け」などと訴えた。伝統舞踊「エイサー」を習って沖縄の歴史に触れるようになったという東京都中野区の女性会社員(28)は「基地やオスプレイなど、今も昔も負担を押しつけてきたことを考えれば、政府の式典はあまりに無神経だと思う」と話した。

 名古屋でも、28日、政府の主権回復式典を批判する抗議集会が開かれ、愛知県在住の沖縄出身者ら約200人が参加した。

在沖縄米軍基地に反対する市民団体「あいち沖縄会議」が主催した。集会では「沖縄はサンフランシスコ講和条約で日本から切り離され、苦しめられてきた。政府の式典を糾弾する」などの内容の抗議声明を採択した。

参加者は中区栄の繁華街をデモ行進。「普天間飛行場を撤去できないで主権回復なんて認めない」「辺野古移設を断念させられないで主権回復なんて認めない」などとシュプレヒコールを繰り返した。

 また、大阪市大正区の大正沖縄会館でも、沖縄が米国統治下に置かれた「4・28」を見つめ直す集会があり、沖縄出身者ら約150人が集まった。沖縄文化を発信する民間団体「関西沖縄文庫」が主催した。哲学者の高橋哲哉・東大教授が講演して「米軍基地を押しつけ、沖縄を差別しているのは日本国民ではないか」と問題提起した。

 京都市中京区でも抗議集会が開かれ、約150人(主催者発表)が「沖縄の『屈辱の日』を祝う政府式典には断固反対する」とのアピールを採択した。市民団体「反戦・反貧困・反差別共同行動(きょうと)」(代表世話人・仲尾宏京都造形芸術大客員教授)が呼びかけた。参加者らは「沖縄差別を許すな」とシュプレヒコールを上げてデモ行進した。

 

参考:

 小渕内閣で官房長官を務めた野中広務元自民党幹事長(87)が24日、京都市内で琉球新報など県内2紙のインタビューに答え、政府が28日に開く「主権回復の日」式典について語った。野中氏は「沖縄にとっては間違いなく『屈辱の日』。それを祝うというのは私には耐えられない。(閣内に)一人でもこれが主権回復かと問う良識がなかったのか」と安倍政権を批判した。開催に関して「日本の在り方を変え、憲法改正の扉を開けていく局面になると心配する」と述べ、改憲に強く反対した。

 野中氏は「4月28日は沖縄を米軍の施政権下に入れた日。その日をなぜ式典にしないといけないか憤りを感じる。県民が怒るのは当然だ。神経を逆なでされ、砂をかけられたような状態だ」と述べた。

 さらに「普天間移転や米軍の問題で沖縄は長い歳月苦労している。それを修復するんだという気持ちがなかったら主権回復にならない。記念すべきだと無理に閣議決定し、天皇陛下を利用すべきでない」とした。

 安倍晋三首相が国会発議要件を緩和する96条改正から着手しようとしていることに関し「憲法9条は日本人が大きな犠牲を払って獲得した宝物だ。要件から変えようとするのが姑息(こそく)だ。憲法の中身を論議するのはいいが、9条と表現の自由を定めた21条は絶対変えてはならない」と特に9条改正などに明確に反対した。国会議員の靖国参拝や尖閣問題でも安倍政権の姿勢に疑問を呈した。

 

参考:


 



 
 

 


中学校 高等学校 高専ほか 大学
304校 222校 1校 1校 528校
35143作品 39424作品 1370作品 3作品 75940作品

【評】
想風:とても優雅な言葉だ。「大切な人に届いてほしい」というのもいい。「片想い」という言葉もあるし、もっと古くは「片恋(かたこい)」という言葉もあった。しかし、これらの言葉には風に乗って届いてほしいという意味はない。「風の便り」はこちらに吹いてくる風だが、「想い風」はこちらから大切な人の方に吹いていく風。「届けてこの思い風よ星よ」という歌がヒットしているようだが、通じるところがある

 


[核兵器不拡散条約] 安倍政権下の日本、「核の不使用」共同声明に唯一署名せず

2013-04-26 | Weblog

日本 NPTの核不使用声明に署名せず

4月25日
NHK報道日本 NPTの核不使用声明に署名せず

スイスのジュネーブで開かれているNPT=核拡散防止条約の会議で、核兵器は非人道的なものだとして、いかなる状況でも使用すべきではないなどとする共同声明が提出されましたが、唯一の被爆国の日本はこの声明に署名せず、NGOなどから批判の声が上がりました。

この共同声明は、ジュネーブで行われているNPTの再検討会議に向けた準備会合で24日、南アフリカの代表団が提出しました。

声明では「核兵器の使用によって、直接に人が死ぬだけでなく、社会や経済の発展は停止し、環境は破壊され、将来の世代は健康や食糧や水を失うことになる」として、核兵器の非人道性を強調しています。

そのうえで、「いかなる状況でも核兵器を二度と使わないことこそが人類生存の利益につながる」として、核兵器の不使用を訴えています。

共同声明には74か国が名前を連ねましたが、唯一の被爆国である日本は署名しませんでした。

これについて、軍縮会議日本政府代表部の天野万利大使は、記者団に対し、「核兵器が使用された場合の影響が非人道的なものだという点では賛同している」としたうえで、「いかなる状況でも使用しないとしている点が、日本の安全保障政策と相いれない」と述べました。

日本がアメリカのいわゆる「核の傘」で守られていることを、署名をしない理由の1つにしたものですが、会議に参加しているNGOなどからは批判の声が上がり、ジュネーブの軍縮会議日本政府代表部の建物の前で、およそ50人が抗議活動を行いました。

JNN NEWS報道

 開幕前、日本に対し、スイスが賛同を求めましたが、日本は回答を留保。一方で、「いかなる状況下でも」の文言を削るよう求めたということです。

 「今回この部分が日本の安全保障の状況を考えたときにふさわしい表現かどうか、慎重に検討した結果、賛同することを見送った」(菅義偉官房長官)

 菅官房長官は、核兵器の使用が将来にわたり耐えがたい損害をもたらすという声明の基本的な考え方を支持しつつも、賛同しなかった理由として「我が国を取り巻く厳しい安全保障の状況」を強調しました。アメリカのいわゆる「核の傘」への影響や、北朝鮮の核開発問題などを懸念したものと見られます。

 一方、日本が声明に賛同しなかったことについて、広島の松井市長は、「核兵器は『絶対悪』であると訴え続けてきた広島とすれば、到底納得できるものではない」とのコメントを出しました。また、長崎の被爆者団体は、次のように述べています。

 「(声明に)書いてある内容は至極もっともなことだけなんです。ちょっと理解できない、政府の対応というのは。本当に腹が立ちました」(長崎被災協 山田拓民事務局長)

 山田氏はこのように述べた上で、日本政府の今後の動きについても懸念を示しました。

参考

外務省NPTの概要

(1) 条約の成立及び締約国

(イ) 核兵器の不拡散に関する条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons:NPT)は、1968年7月1日に署名開放され、70年3月5日に発効(我が国は1970年2月署名、1976年6月批准。)。
(ロ) 締約国は190か国(2010年6月現在)。非締約国はインド、パキスタン、イスラエル。
(2) 条約の目的と内容
(イ) 核不拡散:
 米、露、英、仏、中の5か国を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止
(参考)第9条3「この条約の適用上、「核兵器国」とは、1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国をいう。」
(ロ) 核軍縮:
 各締約国による誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定(第6条)。
(ハ) 原子力の平和的利用:
 締約国の「奪い得ない権利」と規定するととも(第4条1)、原子力の平和的利用の軍事技術への転用を防止するため、非核兵器国が国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受諾する義務を規定(第3条)。

 参考

NHK「“核”を求めた日本」で報道された内容に関する外務省調査報告書

スペシャル番組「“核”を求めた日本」によれば,1969 年2月,日本と西独が箱根で「日本と西独との間の秘密会議(第1 回日独政策企画協議)」を開催した際,日本側出席者(団長 鈴木孝外務省国際資料部長、故人)が以下のような発言をしたとされる。

 「日本と西独は,米国からもっと自立する道を探るべきだ」

  「両国が連携することが超大国になるために重要だ」

 「10 年から15 年のうちに,(日本として)核保有を検討せざるを得ない『非常事態』が起こると考えている。中国が核を持つことをアメリ カが認めたり,インドが核保有国となるような事態だ」

 「日本は憲法9 条があることで平和利用の名の下に,誰にも止められることなく原子力の技術を手にした」

 「日本は核弾頭を作るための核物質を抽出することができる」

これに対し、外務省は2010年11月29日付調査報告書のなかで、NHK報道に部分的に符合する箇所もあったことを認めたうえで、調査結論を次のように結んでいる。

(引用)

以上に照らせば,同協議の期間中,日本側出席者から報道されたような内容に関連する発言が何らかの形でなされていた可能性を完全に排除することはできない。

この点に関し,我が国の核兵器保有論をめぐる当時の議論や時代背景等を明らかにする可能性の高い文書の探索・分析も行った。その結果,当時の時代状況として指摘し得る点は以下のとおりである。

第一に,1964 年に中国による核実験が行われていたこと。

第二に,当時はまだ米国による我が国への「核の傘」の提供が対外的に公表されていないという状況にあったこと。

第三に,中ソ両国の能力に照らし,核抑止力をわが国独自で保有することは不可能であるとの認識が存在していたこと。

第四に,これらを踏まえ,当時署名が開放されていたNPTへの加入を決定するに当たり,我が国の安全保障の観点から様々な選択肢に関する議論が行われていたこと。

なお,外務省が他国との間で実施する政策企画協議とは,実務者レベルで共通の関心事項につき自由に意見交換することで,中長期的な外交政策の企画立案に役立てることを目的とした協議であり,特定の政策をめぐる交渉や調整のために実施するものではない。こうした同協議の性格についても,十分に留意する必要がある。

かかる性格の協議である日独政策企画協議の後,政治レベルも含めて行われた外交政策全般に関する議論を経て,日本政府はNPT加入に際し,日米安全保障体制に基づく我が国の安全保障,我が国の国際的地位,原子力の平和的利用に関する国際協力の確保等の観点を踏まえ,総合的な判断を行い,非核兵器国としてNPTに加入する決断をした。

(引用おわり)

 

参考

NHKスペシャル番組「“核”を求めた日本」、

唯一の被爆国・日本で、かつて密かに核兵器の保有が模索されていた-。ことし3月に亡くなった元外交官が生前明かしたのは、40年前、日本が核保有を求めて西ドイツと極秘協議を行っていたという事実だった。

さらに政府中枢の情報機関、内閣調査室は、核兵器をつくる具体的な方法まで調査していた。非核三原則を宣言した、佐藤栄作政権時代に行われていた核保有の模索。首相の主席秘書官が残した大量の秘密資料には、佐藤首相が自らは核をもたない代わりに、アメリカの核の力に頼る、「核の傘」に入った過程が記されていた。

核廃絶を掲げながら、核の力を求め続けていた日本。この矛盾と、私たちはどう向き合ってきたのか。独自に入手した極秘文書と、当事者たちの証言から検証し、核廃絶に向けて日本の果たすべき役割を問う。

http://www.nhk.or.jp/asupro/country/country_19.html

 


対北朝鮮、日本抜きでの米中韓連携交渉 米国いわく「安倍外交にはてこずる」

2013-04-25 | Weblog

23日には、ワシントンでグリン・デービース米政府特別代表(北朝鮮担当)らが中国の武大偉・朝鮮半島事務特別代表と北朝鮮情勢の沈静化目指して協議した。

また中国の王毅外相は24日、訪中した韓国の尹炳世外交相と北京で会談し、北朝鮮情勢を含む両国間の重要問題を協議するため外相間のホットライン開設で合意した。

その一方で韓国は25日、操業が中断されている「開城工業団地」を巡り、北朝鮮に対し操業再開などを話し合うために南北当局者の実務会談開催を提案し、対話の糸口を模索している。

このように米国・中国・韓国の三国は対北朝鮮に対して、水面下で連携を深めている。一人ぼっちは日本だ。それもそのはずで、いくら米国が日本に話し合いのテーブルをもちなさいと呼びかけても、この戦犯の孫・安倍が歪んだ歴史観をかざす以上、相手にされない。そもそも、安倍は普天間にしろ、TPPにしても、自国民とすら会話ができない男だ。ますます中韓との溝は深まるばかりだ。米国にとっても、日本の安倍外交には手こずっておりまったくの不可解だ。

本日25日、拉致被害者救出求める署名の累計が目標の1000万人分を超えたと報道されている。家族会と支援組織「救う会」は27日にも安倍政府に署名を提出するという。どうする安倍。解決はおれに任せろと断言したはずだ。だが救出には、韓国や中国の政府の協力が必死だ。中韓と対立していては無理な話だ。それとも”猫かぶり”の本心をあらわにして、手っ取り早く、拉致被害者を見捨てるつもりか。最悪の男が日本の首相にかいりざいたものである。

 

記事:尖閣に公務員駐在も…首相、対抗措置を示唆

 安倍首相は23日の参院予算委員会で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域で中国公船による領海侵犯が続いていることを受け、「尖閣諸島と海域を安定的に維持管理するための具体的な方策として、(島への)公務員の駐在や船だまり(の建設)などの様々な選択肢は常に頭の中にある」と述べた。 

 中国側による領海侵犯が今後も続く場合には、政府として新たな対抗措置を取る可能性があることを示したものだ。

 ただ、首相は「中国が挑発行動を取って問題があるからといって、全ての関係を閉じるのは間違いだ」とも強調し、今後も冷静に対応していく考えを示した。

 政府内には、日本と台湾が今月10日に日台漁業協定に調印した後、中国公船の侵犯の頻度が上がっていることから、「尖閣をめぐる日台関係が劇的に好転したことに中国は焦りを強めている」(政府筋)との見方も出ている。 


記事:「日本の発言は好戦的」 尖閣巡り、元米大統領補佐官

 尖閣諸島を巡る日中の対立について、米国のブレジンスキー元大統領補佐官は24日、ワシントンで講演し、「最近の日本の発言、特に中国人が島に上陸しようとしたら何が起きるか、どういった軍事的な行動を取りうるかに関する発言は好戦的だ。(問題解決の)助けにならない」と語った。

 具体的に日本のどの発言に対するものかは不明だが、安倍晋三首相は23日に国会で「上陸となれば強制排除は当然だ」などと語っており、こうした発言を念頭に置いたものである可能性がある。

 ブレジンスキー氏はカーター政権で国家安全保障担当の大統領補佐官を務め、2008年の大統領選挙ではオバマ氏陣営の外交政策顧問を務めた。現在もオバマ政権の外交政策に影響力を持つと言われている。

 ブレジンスキー氏はまた、日中両国の政府高官との意見交換の際、「一方の船や飛行機が領海内にいないことを互いに確認してから領海に入る『カブキ・ダンス』をすれば、国民向けのアピールと同時に、リスクを最小化できる」と提案したとも述べた。 

 


参考

拉致被害者救出求める署名 1000万超

4月25日 NHK
拉致被害者救出求める署名 1000万超
 
北朝鮮に拉致された被害者の家族が、救出を求めて16年前から集めてきた署名が、25日、目標としていた1000万を超えました。家族は、27日に安倍総理大臣に署名の目録を手渡し、被害者の早期帰国に向けた一層の取り組みを求めることにしています。

拉致被害者の家族は、16年前の平成9年に家族会を結成して以来、被害者の早期救出などを求めて、各地で署名活動を始めました。

北朝鮮が拉致を認めて10年の節目となった去年からは、政府の取り組みを促そうと、全国の自治体にも協力を求めて、1000万を目標に署名活動を続けてきました。

25日は埼玉県庁で、家族会代表で田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さんが、埼玉県がことし2月から各市町村などを通じて集めてきた35万余りの署名の目録を、上田清司知事から受け取りました。

これで署名の数は、24日までに集まった992万と合わせて、目標の1000万を超えました。
家族は、27日に東京で開かれる集会で、安倍総理大臣に署名の目録を手渡し、被害者の早期帰国に向けた一層の取り組みを求めることにしています。

飯塚繁雄さんは「1000万の署名は、拉致問題を早く解決すべきだという国民の強い意思の表れだと思う。政府はこの声を受け止め、救出に向け休むことなく取り組んでほしい」と話しました。


戦犯の孫 安倍・麻生の見解、「A級戦犯 国内法で犯罪人ではない」 

2013-04-25 | Weblog

記事:韓国各紙、安倍首相発言に一斉反発 「侵略までも否認」

24日付の韓国各紙は、安倍晋三首相が日本の植民地支配や侵略を巡り、「侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっていない。国と国の関係でどちらから見るかで違う」と23日に国会で述べたことを1面で一斉に取りあげ、「侵略までも否認」(朝鮮日報)などと強く反発した。

 各紙は、国会議員らによる靖国神社参拝の写真も1面に掲載した。ハンギョレは「安倍内閣と自民党の歴史認識が露骨になってきた」と指摘。東亜日報は社説で「韓中日3国が議論できる雰囲気づくりのためにも、日本はこれ以上、周辺国の忍耐を試そうとするな」と訴えた。

 韓国外交省の金奎顕(キムギュヒョン)・第1次官は24日、国会で「安倍内閣の歴史認識を疑わせる発言で、深い遺憾の意を表す。時代錯誤の発言をすることが残念でならない」と述べた。

参考:2006/2/15 産経記事

級戦犯 「国内法で犯罪人ではない」 民主「口頭試問」 安倍・麻生氏見解 

 

先の戦争は自衛戦争だったのか、戦争責任は誰にあるのか-。そんな議論が十四日の衆院予算委員会で、岡田克也・民主党前代表と、安倍晋三官房長官と麻生太郎外相のポスト小泉候補二人との間で交わされた。質問に立った岡田氏は、「A級戦犯」を「戦争犯罪人」とした極東国際軍事裁判(東京裁判)の有効性を主張したが、安倍、麻生両氏はそろって、「国内法では、A級戦犯は犯罪人ではない」との見解を示した。

岡田氏はまず、先の大戦について「自存自衛のための戦争でやむを得なかったとの見方があるが」と麻生氏にただした。麻生氏は平成七年の村山談話や昨年四月の小泉純一郎首相のスピーチに触れながら「自衛の戦争だと申し上げたことはない」と否定した。

しかし、質問が東京裁判の有効性とそこで断罪されたA級戦犯に及ぶと議論は白熱。「A級戦犯は国内法で裁かれたわけではない」と答弁する両氏に対し、岡田氏は「東京裁判は国内法を超越する超法規的というか、それに上位する概念だ」と反論。東京裁判の国際法上の有効性に疑念をにじませる二人との基本的な認識の違いが浮き彫りになった。

A級戦犯についても麻生氏が戦後、勲一等を受章した重光葵元外相もA級戦犯だったと指摘。安倍氏も国会決議を経て「国民の圧倒的な支持のもとに」連合国との折衝の結果、A級戦犯らが釈放されたことを説明したが、岡田氏は納得しなかった。

さらに、岡田氏が「日本国として、東京裁判を受諾している以上、そのことに拘束されるのは当然だ」と主張すると、安倍氏は、ため息をついて「岡田先生は何かまるでGHQ(連合国軍総司令部)側に立っておっしゃっているように聞こえる」と答弁していた。

 

【衆院予算委 答弁要旨】

 

十四日の衆院予算委での麻生太郎外相と安倍晋三官房長官の答弁要旨は次の通り。

 

先の戦争は自衛戦争だったのか

麻生氏

後からこの戦争は自衛のためだったとか言っても、なかなか証明しにくいところもあるし、侵略戦争の部分があったということは否めない事実。(後の)歴史が判断するところだ。

安倍氏

歴史というものは連続の中に存在する。先の大戦のどこをどう取り上げていくかということもある。政府が歴史の裁判官としてこうだと言うべきではない。

 

東京裁判について

麻生氏

被告人が平和に対する罪で有罪判決を受けた。サンフランシスコ講和条約の一一条でこの裁判を受諾した。それだけだ。

安倍氏

ナチスは人道に対する罪でも有罪だったが、東京裁判では(同罪では)有罪になっていない。この裁判に(政府として)異議を述べる立場にはないが、それ以上のものでもそれ以下のものでもない。

 

A級戦犯は戦争犯罪人か

麻生氏

戦争犯罪人という定義は国際軍事法廷における見解で、少なくとも日本の国内法に基づいて、犯罪人の対象にはなっていない。

安倍氏

連合国によって東京裁判が開かれた。そこで七人が死刑になった。わが国が主体的にこの人たちを裁いたわけではない。日本において彼らが犯罪人かといえば、そうではない。


[靖国参拝] 戦犯の孫 安倍と麻生、あとに従う議員ら168名(米国政府は怒り心頭)

2013-04-24 | Weblog

 21日、副総理・麻生は拉致問題相・古屋を伴って、東京・九段北の靖国神社に参拝した。総務相・新藤も前日に参拝しており、第2次安倍内閣の3閣僚の参拝が明らかになった。

 靖国神社は21日から春季例大祭で、首相安倍は参拝こそひかえたものの、神前に捧げる供え物の真榊を奉納したという。安倍は靖国参拝について「閣僚の自由意思に基づいて行うことだ」として、閣僚の判断に任せたかたちだ。

 公明党代表山口は、さいたま市での記者会見で靖国参拝について「外交的な影響が出ることは避けられない。(中国、韓国両国との)関係改善を損なわないよう配慮が必要だ」と不快感を示している。

 また、米国は『対話』を呼びかけながらも穏やかではない。北朝鮮問題で緊張が続くなかで、米国は日本の安全保障のために日中韓三国の連携に奔走しており、戦犯の孫安倍や麻生が率先しておこなった靖国参拝の無神経な行動で、自分たちの顔に泥を塗られた思いで怒り心頭だ。

  

米 「日韓の対話で友好的解決を」

4/23 NHK
米 「日韓の対話で友好的解決を」
 
 
安倍内閣の閣僚3人が靖国神社に参拝したことなどを巡り、韓国政府が、ユン・ビョンセ外相の日本訪問を取りやめたことについて、アメリカ政府は、両国に対話による友好的な解決を求めました。

韓国政府は、安倍総理大臣が靖国神社に供え物を奉納し閣僚3人が靖国神社を参拝したことに抗議するとともに、北朝鮮への対応を協議するため今月末ごろをめどに検討していたユン外相の日本訪問を取りやめることを明らかにしました。

これについて、アメリカ国務省のベントレル報道部長は22日、記者会見で「両国が意見の違いを対話によって友好的に解決することを望んでいる」と述べて、日韓両国に対話を呼びかけました。

そのうえで「強く建設的な関係が平和と安定を促進し、アメリカやそれぞれの利益にもなると信じている」と述べて、地域の安定のためにも早期に関係の正常化を図るべきだという考えを示しました。アメリカ政府は、核兵器とミサイルの開発を推し進める北朝鮮が挑発的な言動を続けていることに警戒を強めており、中国の北朝鮮への働きかけとともに、日米韓の3か国の連携が重要だとみています。このため、日韓関係が再び悪化することを懸念しており、引き続き両国に対して対話による早期の解決を求めていくものとみられます。

 

靖国反発首相見誤る 韓国外相訪日見送り 対北連携にひび

 今月中に予定されていた韓国外相の訪日について、韓国政府は二十二日、安倍晋三首相の靖国神社への供物奉納や一部閣僚による参拝を理由に見送ったが、緊迫する北朝鮮情勢をめぐる日韓の協力体制に影響が出そうだ。韓国政府は安倍政権の歴史問題への対応について警戒を強めており、関係冷え込みは長期化する可能性もある。 (編集委員・五味洋治)

 菅義偉官房長官は同日の記者会見で、日韓外相会談について「調整していたことは間違いないが、まだ(日程が)決まっていなかった」と説明し、中止ではないとの認識を強調した。

 日中韓の三カ国は、外相会談を行い、来月下旬には定例となっている三カ国の首脳会談を予定していた。

 しかし、沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張し対日強硬姿勢を強める中国が会談に応じないため、日韓外相会談を先行させ、中国を牽制(けんせい)する狙いだったが、つまずいた形だ。

 安倍政権は韓国について「価値観を共有する国」として、関係重視の姿勢を積極的に打ち出している。

 ただ首相は、春季例大祭には「真榊(まさかき)」と呼ばれる供物を奉納している。「昔からやっているんだから、今年やめるとおかしい」(首相周辺)として、例年通り実施。麻生太郎副総理らの一部閣僚の「私人」としての参拝も認めた。

 「中国や韓国に譲歩した」との印象を避ける一方、首相自身は参拝をせず歴史問題を重視する韓国の朴槿恵(パククネ)政権にも一定の配慮をしたはずだったが、反発は予想以上だった。

 日中友好議員連盟の訪中も中止に追い込まれてしまうなど、安倍政権に対する中韓両国の厳しい姿勢をあらためて浮き彫りにした。

 

麻生氏、中韓批判に反論「いまさら言われる話でない」

4/23 JIJI

 麻生太郎副総理ら3閣僚の靖国神社参拝を中韓両国が批判していることについて、23日の閣議後の記者会見で閣僚から発言が相次いだ。麻生氏は「毎年2、3回伺っている。いまさら言われるような話ではない」と反論。「海外で反応が出ていると言うが、それは向こうの反応であって、外交に影響が出ることはあまりない」と述べ、影響は限定的なものにとどまるとの認識を示した。

 古屋圭司国家公安委員長は「公人か私人か以前に、私は日本人として参拝した」と説明。尹炳世韓国外相の訪日取りやめに関し「こういった問題はよく起きる。深刻な影響があるとは一切考えていない」と述べた。同様に参拝した新藤義孝総務相も「個人の私的行為が近隣諸国に影響を及ぼすとは考えていない」と語った。

 一方、岸田文雄外相は「今回のことで両国との関係に影響が出ないようしっかり対応したい」と強調。韓国外相の訪日について「現在も調整中だ。対話のドアは常にオープンにしている」と述べ、引き続き招請を続ける意向を示した。

 

超党派168人が靖国参拝 

4/23 JIJI

 超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・尾久自民党参院議員)のメンバー168人が23日午前、東京・九段北の靖国神社を集団参拝した。春季例大祭に合わせたもので、集団参拝の参加者数は記録がある1989年以降で最多だった。

 麻郎副総理兼財務相ら安倍内閣の閣僚も既に参拝しており、中国や韓国のさらなる反発を呼ぶ可能性もある。

 昨年の春季例大祭の際の参拝者数は81人で、倍増した。同日の集団参拝に閣僚は参加しなかったが、超党派の会によると自民党からは高苗政調会長や山一財務副大臣ら132人、民主党から前志元国土交通相ら5人、日本維新の会の平夫代表代行ら23人が参加した。 

 参拝後に記者会見した尾辻氏は、参加者が増えたことについて「大変ありがたい。新しい議員が参拝してくれたんだと思う」と語った。

 また、高市氏は記者団に対し、閣僚の参拝を中韓が批判していることに関し「尊い命をささげた方々をどう慰霊するかは、日本人が決める日本国内の問題。外交問題になる方がおかしい」と指摘した。  

 

 

 

 

 

 

 

写真:靖国神社参拝に訪れた「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバー。平沼赳夫氏、高市早苗氏、尾辻秀久氏ら。 

 


追加記事

 4/24 JIJI

安倍首相「脅かしに屈しない」=閣僚の靖国参拝―参院予算委

 安倍晋三首相は24日午後の参院予算委員会で、中国や韓国が麻生太郎副総理ら閣僚の靖国参拝に反発していることに関し、「国のために尊い命を落とした英霊に対し、尊崇の念を表するのは当たり前だ」と強調した上で、「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない。その自由は確保している」と述べた。今後も閣僚の靖国参拝を容認する考えを示唆した発言で、中韓両国が一段と反発する可能性がある。

  民主党の徳永エリ氏への答弁。首相は「国益を守り、歴史や伝統の上に立ち、誇りを守るのが私の仕事だ」とも指摘し、「それを削れば(中韓両国との)関係がうまくいくという考え方は間違いだ」と語った。


[ユニクロ多国籍事業] まずグローバル人材確保、そのための新制度の導入(世界同一賃金)

2013-04-24 | Weblog

記事:「年収100万円も仕方ない」ユニクロ柳井会長に聞く

4/23 ASAHI

 「世界同一賃金」は、社員のやる気を生むものなのか、はたまた「現場の疲弊」をさらに強めるものにならないのか。導入の狙いや、社員を酷使する「ブラック企業」との批判に対する見解を、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長に聞いた。

写真・図版

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長

 

ユニクロ、「世界同一賃金」導入へ世界規模のふるい、成長か死か:

 ――「世界同一賃金」を導入する狙いは何ですか。

 「社員は、どこの国で働こうが同じ収益を上げていれば同じ賃金でというのが基本的な考え方だ。海外に出店するようになって以来、ずっと考えていた。新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない」

 ――中国などに比べて賃金が高い日本は下方圧力がかかって、逆に低い国は賃金が上がるわけですか。

 「日本の店長やパートより欧米の店長のほうがよほど高い。日本で賃下げをするのは考えていない。一方で途上国の賃金をいきなり欧米並みにはできない。それをどう平準化し、実質的に同じにするか、具体的な仕組みを検討している」

 ――いまの離職率が高いのはどう考えていますか。

 「それはグローバル化の問題だ。10年前から社員にもいってきた。将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく。仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」

 ――付加価値をつけられなかった人が退職する、場合によってはうつになったりすると。

 「そういうことだと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」

 「僕が心配しているのは、途上国から海外に出稼ぎにでている人がいる、それも下働きの仕事で。グローバル競争のもとで、他国の人ができない付加価値を作り出せなかったら、日本人もそうやって働くしかなくなる。グローバル経済というのは『Grow or Die(グロウ・オア・ダイ)』(成長か、さもなければ死か)。非常にエキサイティングな時代だ。変わらなければ死ぬ、と社員にもいっている」

■「ブラック企業の批判は誤解」

 ――「グローバル企業」として成功していますが、社員を酷使する「ブラック企業」だとの批判もでています。

 「我々が安く人をこき使って、サービス残業ばかりやらせているイメージがあるが、それは誤解だ」

 「大半が途中で辞めた人などの一部の意見だ。作業量は多いが、サービス残業をしないよう、労働時間を短くするように社員には言っている。ただ問題がなかったわけではなかった。グローバル化に急いで対応しようとして、要求水準が高くなったことは確か。店長を育てるにしても急ぎすぎた反省はある」

 ――売り上げは増やせ、その一方で残業はするな、では生身の人間は壊れませんか。

 「生産性はもっと上げられる。押しつぶされたという人もいると思うが、将来、結婚して家庭をもつ、人より良い生活がしたいのなら、賃金が上がらないとできない。技能や仕事がいまのままでいいということにはならない。頑張らないと」

 ――ユニクロ的なビジネスモデルの成功が、賃金が低く抑えられている元凶という批判もありますが。

 「それは原因と結果を逆にしての批判だ。安い労働力を活用し、製品価格を下げて売っているのは欧米のカジュアル衣料のH&MやGAP、中国の企業も同じだ」

 ――結局、日本の働き手も途上国や新興国が作る製品やサービスと同じものしか生み出せないなら、同じ賃金でやるしかないと。

 「先進国は同じ問題に直面している。戦略やマーケティングとか、もうかる付加価値の高い部門を日本におくことだ。世界中の企業が最適地企画、最適地生産、最適地販売に移っている」

 「日本の電機の一番の失敗は日本に工場を作ったことだ。安くて若い圧倒的な労働力が中国などにある。関税も参入障壁になるほどの高率ではないから、世界中にもっていける。本当は(安い労働力を使って世界中の企業から受託生産する)鴻海(ホンハイ)精密工業のような会社を日本企業が作らないといけなかった。個人も国内で仕事をしたいなら、付加価値をつけないといけない。単純労働で時間給の仕事でいいのか、それだと下がる可能性もあるのだから」

     ◇

 〈ファーストリテイリング〉 1949年「メンズショップ小郡商事」として創業。カジュアル衣料の「ユニクロ」ブランドを中心に、世界で衣料の生産・販売を手がける企業グループ。「セオリー」などの高級ブランドを買収するなど積極的な事業展開で知られる。13カ国・地域に出店し、2012年8月期のグループ売上高は9286億円。正社員やアルバイトも含めた従業員は、13年2月末で4万2431人に上る。柳井会長兼社長は、米TIME誌の13年版「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。

 

記事:ユニクロ、「世界同一賃金」導入へ 優秀な人材確保狙う

4/23 ASAHI

写真・図版

ファーストリテイリングの「世界同一賃金」

 

 「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する「世界同一賃金」を導入する考えを明らかにした。海外で採用した社員も国内と同じ基準で評価し、成果が同じなら賃金も同水準にする。

 すでに役員や上級部長らは実施し、今後、一部の店長まで広げる。企業のグローバル展開が加速するなかで、賃金体系の統一にまで踏み込む企業が出てきた。

 日本の働き手たちは、新興国や欧米の社員と共通の土俵で働きぶりが評価され、世界規模の競争を強いられることになる。新制度が根づけば、給与水準が全世界で均一化していき、比較的高い日本の給与が下がる「賃金のフラット化」につながる可能性もある。

 新制度では、欧米や中国など13カ国・地域で店長候補として採用した社員すべてと役員を「グローバル総合職」とし、職務内容で19段階に分けた「グレード」ごとに賃金を決めた。

 このうち上位7段階に入る執行役員や上級部長は、どの国でも同じ評価なら報酬や給与を同額にした。対象は約50人(海外採用は10人)で、年収は最低でも平均約2千万円になる。各グレードの賃金は、日本より高い欧米の水準に合わせて統一した。最上位は柳井会長で4億円。将来は対象を2段階下の約60人いる部長級にも広げる計画という。

 そのほかの「グローバル総合職」のうち、上位8~14段階にあたるスター店長ら約1千人(海外採用は約300人)についても「実質同一賃金」にする。店長以上なので、残業代は出ない。国によって名目の額は違うが、それぞれの国の物価水準などを考慮し、実質的にはどの国でも同じ生活ができる水準にする。少なくとも各国の同業の上位企業の賃金水準までは引き上げる。調整が複雑なため、具体的な制度づくりには時間がかかる見通しという。

 役員らと同じように賃金を名目で同一額にしないのは、対象人数が多いからだ。各国間の賃金の差は大きく、先進国の水準に合わせると新興国の賃金が大幅に上がり、収益を圧迫する。逆に新興国の水準に合わせれば、先進国で優秀な人材を集められなくなる。

 ただ、当面は「実質同一賃金」にしない社員も含め、「グローバル総合職」の約4900人(同約2200人)はすべて、評価基準を一本化した。国境を越えた人事異動をやりやすくするためで、職歴や将来目標など社員のデータも一括管理し、同じ基準で競わせる。

 新制度を導入する狙いは、「世界各国で優秀な人材を確保する」(柳井会長)ことにある。2020年までに店舗数をいまの4倍の約4千店に増やし、そのうち約3千店を海外店にすることを計画している。短期間で海外店舗網を急拡大するには、高水準の給与を払い、これからは新興国でも優秀な人材をひきつける必要があるとしている。

 グローバル化のもとで、生産や消費の中心になり始めた新興国では賃金が上がり、先進国では逆に下がったり伸び悩んだりすることがいわれてきたが、ファーストリテイリングの新制度は、「賃金のフラット化」を企業の賃金体系のなかで具体化させることになる。

 ただ現段階では、例えば中国で採用された店長は、米国や日本の店長になれば賃金を上げるが、逆の場合は「誰も行きたがらなくなる懸念もある」と賃下げはしない考え。日本の賃金水準自体も「賃下げは考えていない」(山口徹人事部長)という。

 だが、競争激化や中国などアジアの賃金の上昇で、全体の収益が圧迫される可能性もあり、これまでのような高収益が確保できなくなった時は、新興国に比べて割高な賃金水準が下がる可能性について「今は考えていないが、理屈上はありうる」(山口徹人事部長)という。

 「世界同一賃金」の対象は社員全体約2万人の4分の1にあたる。

 新制度について、柳井会長は朝日新聞のインタビューで「世界どこでも、やる仕事が同じだったら同じ賃金にするというのが基本的な考え方。海外にも優秀な人材がいる。グローバルに事業を展開するのに、あまりに賃金が違いすぎるのでは機能しない」と話す。

     ◇

 〈企業の賃金体系〉 従業員の給与を決める基準やルールのことで、昇格や昇級の仕組み、評価制度なども含まれる。海外で手広く事業をするグローバル企業は通常、各国に現地法人を設け、それぞれの国の事情に合わせた賃金体系をもつ。新興国で賃金の安い社員を雇えば、人件費を抑えてもうけを増やすことができるからだ。だが、ユニクロの新制度は逆に、どの国で雇っても同じ賃金体系にして、新興国でも日本でも同じ評価なら実質同額の賃金を払う。大手企業では極めて異例の制度といえる。


[参院選国民連合] 買ったぜぇ 太郎、その心意気 (国民は安倍に騙されない 原発反対 !)

2013-04-24 | Weblog

参院選は国民連合で 山本太郎氏「根絶やしにされる、ひとつになるしかない」  

昨年末の衆院選で石原伸晃氏(自民)に肉迫した山本太郎氏。「メディアは偏っているから、国民に方向を示すような大きな受け皿がいる」。=22日、豊島区民センター 写真:山田旬=

 

 参院選挙まであと3ヵ月に迫った。大方の予想では自民党の圧勝だ。野党が候補者調整をせずに足を引っ張り合い、自民党を利する結果となった昨年末の衆院選挙が思い起こされる。

 “惨劇”を2度と繰り返さないために来る参院選挙をどう戦えばよいのか。3月11日に脱原発基本法案を提出した「生活の党」「社民党」「未来の党」「みどりの風」の4党と「今はひとり」「緑の党」が22日、都内でシンポジウムを開いた。(主催:Moving Japan)

 緑の党をのぞく5党は「脱原発候補」を掲げて衆院選挙を戦ったが、大惨敗だった。巨大与党を相手にするからにはオール野党で共闘しない限り参院選挙も厳しくなるが、明確な戦術は描けていない。

 みんなの党がTPP推進であったり、共産党が独自路線を取ったりするため共闘が難しくなっている、ということもある。

 生活の党の はたともこ 参院議員は「安倍内閣になって消費税、TPP、原発推進、さらには憲法96条の改正までしようとしている。(私たちは)大変な危機感を持っている。国民連合で阻止してゆきたい」と厳しい表情で語った。

 もっとも危機感を露わに示したのが「今はひとり」の山本太郎氏だった。「このままだと根絶やしにされる。勝てる要素は単独でやると何ひとつない」。

 山本氏はその一方で「(放射能から)健康を守ろう、安全を守ろうとしている人たちを信じたい。(中略)…素人が政治を語るなと言うが、プロに任せたらどうなったんですか?大きな受け皿が必要です。ひとつになるしかない」と国民連合の結成に一縷(いちる)の望みを託した。

 山本氏は巨大与党に勝って原発を止めるには国民連合しかないと言うのである。

村山富市元首相直系の吉田ただとも参院議員(左から2番目)は「連けいして行かなければ大変なことになる」と危機感を表した。だが、この4党でさえ候補者調整できるのか定かでない。=写真:山田旬=

 

国民連合について、みどりの風の谷岡郁子参院議員が次のように明かす。「日本未来の党がうまくいかなかったのは、(脱原発を唱える各党が結集する)統一名簿を作るはずだったのが、嘉田さんのところと小沢さんの党が一緒になったため」。脱原発勢力が四分五裂となったのは、選挙結果が示している。

 失敗に学んだ未来の党の阿部知子衆院議員が勝つための戦術を披露した。「(脱原発を掲げる)みどり連合という政治団体を登録する。そこで選挙を戦い、選挙が終われば本籍(自分が所属する党)に帰る」。

 参院の比例選挙は個人名で戦う。衆院選の比例区のように党で戦うのではないから当選した政治家が自分の党に戻ることは可能だ。

 国民連合は民主党と共産党が参加しないことには絵に描いた餅となる。だが労働組合など支持母体の思惑もあり、実現までの道のりは険しい。

 とはいえ、国民連合が実現せずに自民党と維新を勝たせてしまったら、TPPに加盟し、消費税はあがる。原発は再稼働し、憲法は改正される。庶民の生活はガタガタになるだろう。徴兵制さえ敷かれる恐れがある。

 国民連合は「救国戦線」でもある。実際、昨年末の衆院選挙で東京8区は、脱原発、反TPP、反消費税で候補を一本化していたら石原伸晃氏(自民)に勝てたのだ。こうした選挙区は他にいくつかあった。それでも同調しない民主、共産がある以上、選挙区(改選73)は絶望的な状況である。

参考

俳優・山本太郎が4月20日、出演映画「秘愛」の初日舞台あいさつに出席。「今はほとんど俳優のオファーが来ないんですよ」「テレビはダメなんで、あとは映画か舞台。ありがたいことに僕に声をかけてくれる人はいるんですが……」と現状を明かした。

がんばれ、タロウ、もっと走れ、突っ走れ、みんなが応援してるょ!


春爛漫、黒田節に酔い 安倍と官僚との親密な宴

2013-04-22 | Weblog

安倍官邸を仕切る官房長官・菅義偉は「現代の梶山静六」になれるのか。

BUNSHUU 4/10/2013

安倍内閣が発足して約3か月がたった3月23日。首相・安倍晋三は神奈川県茅ヶ崎市内の名門ゴルフ場、スリーハンドレッドクラブでプレーを楽しんだ。桜は満開、同行したのは経済産業省から安倍の下に駆けつけた政務秘書官・今井尚哉ら官庁出身の秘書官たち。日銀総裁人事は国会承認され、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加表明も片付いた。7月参院選までの大きな2つの課題をこなした安倍は「花がきれいで、気持ちよくやれた」とご満悦だった。

 ハネムーン期間の3か月を終えても、内閣支持率は高止まりし、景気も上向き。安倍に、今のところ死角は見当たらない。

 そんな春爛漫の中での安倍のゴルフは、政権が好調な3つの要因をくっきりと反映している。

 まず第一は「復活した」と胸を張る日米同盟関係。ゴルフを首相在任中もプレーするきっかけとなったのは米大統領、バラク・オバマなのだ。

 話は昨年末にさかのぼる。初めてオバマとの電話会談に臨もうとした安倍は、先方の都合でかなりの待ち時間ができた。手持ち無沙汰の間、ワシントン勤務の経験がある外交官たちは、オバマがいかにゴルフが好きか、いかに毎週のように首都ワシントン郊外のアンドリュース空軍基地内のゴルフ場でプレーしているかを安倍に伝えた。「へえ、そうなのか。じゃあ、俺もやろうかな」。乗り気になった安倍は年が明けると、ゴルフを再開した。「ゴルフ」は2月の首脳会談の隠し味にもなり、オバマが「今度一緒にラウンドしよう。ただし、ゴルフが上手なこの人は抜きで」と副大統領、ジョー・バイデンを指して大笑いになった記憶も新しい。

 そもそも、安倍が3月に満開の桜のもとプレーしたスリーハンドレッドクラブは祖父、元首相・岸信介が元大統領、ドワイト・アイゼンハワーとプレーしたバーニング・ツリー・ゴルフクラブにならったゴルフ場でもある。「強い日米同盟」は、ゴルフと強くリンクしているのだ。

 2つ目は、安倍が気のおけないプレー仲間として選んだのが今井たち官僚出身の秘書官であるということだ。

「オバマのゴルフ好き」を伝えた外務審議官・斎木昭隆、政務秘書官の今井、同じく安倍とラウンドした秘書官・柳瀬唯夫ら経産省組が、安倍に近い筆頭格の官僚たちだ。外務省と経産省はTPPの事前交渉でも連携し、秘密を外部に漏らさなかった。そこに政治家代表として加わる官房副長官・加藤勝信も旧大蔵省OB、官僚出身だ。「根回しはお前たちがしろ」と無理難題をふっかけた民主党政権とは異なり、役人の生態を熟知する加藤は自ら携帯電話とメールを駆使し、要所に根回しする。「昔のやり方、普通に戻った」と霞が関の官僚たちが安堵する所以だ。

 TPP問題も、政権に就いてからの斎木たちの粘り強い進言がモノをいった。「オバマと1月に会談できないと分かったときは残念だったけど、今にして思えば準備する時間がとれてよかった」と安倍は周辺に語り、外務省への感謝を隠さない。

 第1次内閣当時の安倍は、前任者の元首相・小泉純一郎の存在に引きずられ、「政治主導」と気負いすぎていた。だが、今度の比較対象は民主党政権。「普通」にやっているだけで、世間の評価は「よくやっている」となる。

理想像は梶山静六

 良好さを演出する日米関係と、円滑に動く官僚機構をベースに、内閣では2人の大物政治家が安倍を助ける。官房長官・菅義偉と副総理兼財務相・麻生太郎だ。

「夏の参院選に勝って初めて、政権交代が完成する」が口癖の菅は、政治の師と仰ぐ元官房長官・梶山静六を、理想像にあげる。梶山は大向うを唸らせる政治的な大技と、緻密な日程づくり、大胆な政策で名をはせた。いまや一般的な用語となった政治日程を示す「工程表」とは、もともとは梶山が国会カレンダーをつくる時に好んで使った表現である。梶山は決断が必要な部分以外は官僚に任せ、一喝すべき時は一喝した。

 菅は官僚たちの駆け込み寺にもなり、調整が必要な案件なら「俺に任せろ」と引き受ける。安倍が首相官邸に登用した民間人たちの「ご意見拝聴」係もつとめる。慶応大教授・竹中平蔵は、放っておけば政権批判に回りかねないとみて産業競争力会議のメンバーに取り込んだ。菅と竹中は小泉内閣の総務副大臣、総務相以来の仲である。「総理の指導力をアピールするために、内閣にもめ事をつくり、総理決断の舞台を設定した方がいい」と物騒なアドバイスをする竹中を、菅は「内閣支持率が高いから、そんな必要はない」と軽くいなす。ここでも、政治主導・官邸主導を印象づけた小泉の“呪縛”から解放された政権の姿がある。

 菅は野党の頃から付き合いのある日本維新の会国会議員団幹事長・松野頼久とのパイプもつなぎ、民主党政調会長・桜井充ら馴染みの薄かった野党幹部とも精力的に会談する。縦横無尽に与野党議員に人脈を持った梶山譲りの動きだ。

 官僚ラインが練り上げた政策を土台に国会の折衝は政治家が担う方針は、鳴り物入りで起用されたはずの内閣官房参与の使い方でも分かる。元外務事務次官・谷内正太郎はTPP交渉の実務には立ち入っておらず、元財務事務次官・丹呉泰健は日銀総裁人事に関与していない。小泉の元秘書官・飯島勲も、官邸の入館カード整理にいそしむ。「小泉内閣の人材を活用する」のは、潜在的な批判勢力を抑え込むカモフラージュでもあった。

 梶山が遺言として残した著書『破壊と創造』を、菅は官房長官執務室に持ち込んで拳々服膺(けんけんふくよう)する。副長官の加藤と官僚チームの上に乗る菅は日々、安倍に接して直言する役回りも演じる。これも梶山が元首相・橋本龍太郎に仕えた当時、自らに言い聞かせた日課であった。

「まるで太子党だ」

 そして安倍の守護神となった麻生がいる。スリーハンドレッドクラブでのプレー前日の3月22日、麻生は東京・富ヶ谷の安倍の私邸を夜遅く訪ね、1時間半以上も2人で密談に及んだ。下手をすれば命とりになりかねなかった日銀総裁人事も、麻生の「組織運営の経験がない人が日銀を動かすのは難しい」との助言に配慮し、大蔵省OBの元財務官・黒田東彦に落ち着き、無事に国会も通過した。節目節目で、麻生は安倍の精神安定剤の役割を果たしている。

 麻生が「ポスト安倍」に野心満々なのは安倍も十分に承知している。それでも蜜月な2人の関係を、ある経済人は「まるで中国の太子党だ」と評する。国家主席・習近平を支える太子党グループとは、共産党高級幹部の子女たちを指す。岸と元首相・吉田茂を祖父に持つ2人の毛並みの良さからくる同胞意識には、余人にうかがいしれない強さがある。

 もう1つ忘れてはならない要素がある。外側から安倍政権を支えているのは、野党第1党、民主党の致命的なまでの弱さだ。首相が2度も3度もゴルフすれば、第1次安倍内閣の頃なら「危機管理上、問題だ」との批判が野党から出て、一定の支持を得たに違いない。ところが、今回はそんな声すらあげられない。

 3月27日。民主党最大の支持団体、連合の古賀伸明会長は敵地だったはずの自民党本部に足を運んで幹事長・石破茂に「政労トップ会談実現を」と懇願した。夏の参院選で自民党が「31ある1人区で全勝」との調査結果まで出ている。民主党の敗北は織り込み済み。古賀は「選挙の後、誰を担ぐかっちゅう問題が出てくるやろ」と、早くも代表・海江田万里の退任論にまで言及している。

 自民党が圧倒的に有利との声に、参院選挙区の候補が決まらない地区も多い。元代表・前原誠司らが必死になって前回衆院選で落選した前議員を口説くが、落選を嫌がってなかなか前向きの返事が得られない。「民主党が1人区で勝てるのは元代表・岡田克也の地元三重と、あと1つくらい」だからだ。

 代表辞任どころか、参院選後の遠くない時期に民主党は分裂、消滅するだろうというのが、いまや永田町の常識なのだ。

新進党と重なる民主党

 局面打開には野党が共闘するしかない。だが、連合を媒介とした野党協力には日本維新の会、みんなの党は乗ってこない。民主党の最終兵器と目された幹事長・細野豪志は、いったんは「脱連合依存」を提唱しながら日教組のドン、参院議員会長・輿石東に「その方針はまずいぞ」と叱られるや、たちまち「連合との連携は極めて重要だ」と軌道修正した。連合と輿石を重視するなら、維新・みんなとの連携は諦めざるを得ない。

 一方で、生活の党代表・小沢一郎と協力すれば、民主党は選挙前に空中分解してしまう。どちらにも進めないジレンマが細野にはある。

 だからこそ小沢は「このまんまじゃ民主党は参院選で10議席しかとれない。どうして簡単な足し算ができないんだ」「細野は何をやってんだ。政党間の協力は幹事長の仕事だ」といら立ちを隠せない。このままでは自分も民主党も沈んでしまうことは、過去の経験が教える。1994年、小沢が中心となって非自民勢力を結集した新進党は内紛を抱え、第3勢力だった民主党の追撃もあってあえなく解党した。

 いまの政治状況に置き換えれば新進党が民主党で、当時の民主党は維新になる。維新は着々と「第2極」への布石を打つ。

 3月26日夜、東京・羽田空港ターミナル内にある中華料理店「赤坂璃宮」で維新幹事長・松井一郎はみんなの党幹事長・江田憲司と向かい合った。大阪府知事としての公務もあり、大阪へとんぼ返りしなければならない松井が指定した場所に江田が出向き、参院複数区での選挙協力を詰めたのだ。

 みんなの側には江田と代表・渡辺喜美の対立があり、渡辺は江田を「選挙協力の権限を持っていない」と当て擦る。維新の側にも前東京都知事・石原慎太郎を筆頭とする旧太陽の党と松井、共同代表の大阪市長・橋下徹との間に温度差がある。いずれにせよ、橋下ら大阪勢は維新を中心とした野党再編に、前原や岡田、前首相・野田佳彦ら民主党からの非労組脱藩組を巻き込む戦略を描く。

 折しも3月25、26の両日、昨年の衆院選での「1票の格差」に関する訴訟で広島高裁、同岡山支部が相次いで「違憲、選挙は無効」の判決を出した。国会周辺では「今夏の衆参ダブル選」さえ囁かれる。待ったなしとなった選挙制度の抜本改革が進めば、必ずや政界再編を伴うのは、20年前の小選挙区制導入とその後の推移をみれば歴史の必然でさえある。永田町の関心は、与野党とも既に7月の参院選後に向いている。

「参院選で親の敵を討つ」

 安倍内閣の剣が峰は、むしろ「選挙後」にある。

 内閣の大番頭、菅が言う「参院選に勝って政権交代が完成する」は、裏返せば参院選で与党が過半数を制して「ねじれ国会」が解消すれば、自民党の低姿勢も終わることを意味する。安倍が憲法改正や集団的自衛権の行使など自らのカラーが強い政策の実行に踏み出せば、いまは鳴りを潜めている公明党も動き出す。自民党では内閣改造・党役員人事をにらんだ猟官運動が激しくなり、これまで我慢してきた予算や政策への口出しも始まるのは避けられず、官僚との関係はまた大きく変わる。「過半数に1、2議席届かない結果ぐらいの方が、謙虚さが持続して良い方向に転がるんだが……」。あるベテラン官僚の言葉が、霞が関の不安を物語る。

 袖の下の鎧は見え始めている。3月25日夜、東京・平河町の赤坂四川飯店に「郵政選挙」での初当選組約30人を集めた会食の席で、安倍は「参院選は親の敵を討つものだ。これに勝たなければ、死んでも死に切れない」と一席ぶった。「親の敵」は、このところ安倍が好んで使う表現だ。「勝つ自信があるからだろうが、大丈夫かな……」と出席者の1人は独りごちた。

 驕りが出れば政界、一寸先は闇だ。仮に苦言を呈してくれる菅をも遠ざけるようになれば危険信号だ。菅が師と仰ぐ梶山の言葉に耳を傾けなくなった橋本が政権の座から滑り落ちたのは梶山の官房長官退任から、1年もたっていなかった。

 スリーハンドレッドクラブでのプレーと、前後数日間の出来事は、安倍内閣を取り巻く事情を象徴している。

 潮目が変わるのは7月21日、参院選当日である。

 

 

桜を見る会:安倍首相、上機嫌…アイドルグループ「ももいろクローバーZ」とポーズ決める 新宿御苑にて

2013年04月20日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


[NHK] 米国学園都市ボストン爆破テロ事件、容疑者拘束(4/22追加)

2013-04-20 | Weblog

追加記事

ボストン爆破「狂っている」、容疑者が事件翌日に同級生と会話

2013年 04月 22日 REUTER
 
 
4月21日、ジョハル・ツァルナエフ容疑者がボストン・マラソン連続爆破事件の翌日、大学のジムで知人と事件について「狂っている」などと話していたことが分かった。写真はロシアのSNSに掲載された同容疑者の写真。19日撮影(2013年 ロイター/Alexander Demianchuk)
 
 
 
 
 
 
 
 
米マサチューセッツ大学ダートマス校のジムで汗を流していた学生2人は、ボストン・マラソンで起きた連続爆破事件について会話を交わし、「狂っている」などと評していた。2日後、その学生の1人が事件の容疑者として写真が公開された。

警察との銃撃戦の末に拘束されたジョハル・ツァルナエフ容疑者(19)は事件翌日の16日午後8時─10時、音楽を聴きながらジムでトレーニングをしていた。その際、同級生のザック・ベッテンコートさん(20)との雑談で事件の話題が持ち上がった。

「こんなことが今起きているなんて狂っている」。ベッテンコートさんは、ツァルナエフ容疑者が発した言葉を振り返った。同容疑者は「これ(爆弾)は簡単にできる。このような悲劇はアフガニスタンやイラクでいつも起こっている」とも語ったという。

事件発生から3日後の18日、米連邦捜査局(FBI)は容疑者2人の写真を公開し、情報提供を呼び掛けた。この時点ではまだ身元は明らかになっていなかった。

ツァルナエフ容疑者が滞在していた学生寮では、テレビに映し出された写真を見た学生らに衝撃が走った。ベッテンコートさんは「みんなが彼に似てると思った」とした上で、ツァルナエフ容疑者の部屋をノックすべきか悩んだと、当時の状況を説明した。

キャンパス内では親しみやすくサッカー好きとして知られていた同容疑者だが、イスラム教学生連合への勧誘は拒否したという。会長のアフマド・ナスリさんは「グループに入れようとしたが、彼は望まなかった。イスラム教徒だとしていたが、信仰は厚くないと話していた」と述べた。

ツァルナエフ容疑者は19日、米マサチューセッツ州ウォータータウンの住宅でボートに隠れていたところ発見され、警察との銃撃戦の末に拘束された。同じく捜査当局が行方を追っていた同容疑者の兄タメルラン容疑者(26)は18日に警察に射殺された。

 


 

爆破テロ事件 19歳容疑者を銃撃戦で拘束

4月20日 11時56分

アメリカ東部のボストンで今月15日に起きた爆破テロ事件で、地元の警察は日本時間の20日午前、2人の容疑者のうち逃走を続けていた19歳の男をボストン郊外の住宅街で見つけ拘束しました。

アメリカ東部、ボストンで今月15日に起きた爆破テロ事件では、容疑者の兄弟2人のうち、1人は警察との銃撃戦で死亡し、弟のジョハール・ツァルナエフ容疑者(19歳)が逃走を続けていました。
警察が行方を捜査した結果、日本時間の20日朝、ボストン郊外のウォータータウンの住宅付近にツァルナエフ容疑者が隠れているのを見つけ、午前10時前、拘束しました。

容疑者の拘束を受けて地元の警察は記者会見を開き、「正義がもたらされて非常にうれしく思っている。協力してくれたすべての人に感謝を述べたい。今夜、勝利がもたされた」と述べました。

警察によりますとツァルナエフ容疑者が住宅の裏庭に置かれたボートの中に隠れていると住民から通報があり、現場に駆けつけた捜査員との銃撃戦のすえ拘束されたということです。

容疑者は大けがをしていて、現在、病院に搬送され治療を受けているということで、警察などは今後、ツァルナエフ容疑者の容体を見ながら、事情を聞いて事件の全容解明を急ぐことにしています。

発見の端緒は血痕

逃走していた2人目の容疑者の男が拘束されたことを受けて地元の警察が記者会見を行い、「正義がもたらされて非常にうれしく思っている。協力してくれたすべての人に感謝を述べたい。今夜勝利がもたされた」と述べました。

ボストン市の警察によりますと容疑者発見の端緒となったのは、住宅の裏庭に止めてあった船の近くで血痕を見つけ、船の中に隠れていたツァルナエフ容疑者を発見した住民の男性からの通報だったということです。

そのうえで熱探知機を備えたヘリコプターが上空から船の中に隠れている容疑者の体温や動きを確認し、捜査員が現場に駆けつけました。

捜査員が投降を呼びかけたもののツァルナエフ容疑者と捜査員との間で銃撃戦となり、その後、拘束されました。警察は容疑者が爆発物を身につけている可能性があると警戒していましたが、爆発物は所持していなかったということです。

容疑者は発見された際、すでにけがをしていたとみられ、重傷を負っているということで、現在、病院に運ばれて治療を受けています。
また、捜査の指揮を取ったFBI=アメリカ連邦捜査局の担当者は、「地元の人たちの支援のおかげで様々な情報がもたらされた」と述べ、市民からの情報提供に感謝の意を示しました。

 

ボストン 警察が住宅取り囲む:

4月19日 22時2分
 
アメリカの地元テレビ局は、日本時間の午後9時半すぎから、ボストン郊外のウォータータウン地区の住宅街で、警察が白い住宅を包囲している様子を伝えています。

住宅の周辺を警察の装甲車が取り囲み、武装した警察官が住宅の隣の建物の屋根に登って銃を構えている様子もうかがえます。
CNNテレビによりますと、辺りは煙の臭いが立ちこめているということです。

また、上空では警察のものとみられるヘリコプターが旋回し、緊迫した状況が続いています。
さらに地元紙によりますと、警察の特殊部隊が住宅を取り囲み、住宅に向けて拡声機を使って呼びかけているということです。

 

ボストン爆破テロ容疑者 1人死亡1人逃走:

4月19日 18時16分
 
アメリカ東部のボストンで今月15日に起きた爆破テロ事件で、ボストンの警察は19日、ボストンマラソンの会場で起きた爆破テロ事件の容疑者の男2人の居場所を特定し、ボストン郊外のウォータータウン地区で19日未明(日本時間19日午後)、銃撃戦の末、1人を拘束し、1人が逃走したことを明らかにしました。拘束された1人は、間もなく病院で死亡したということです。

警察によりますと、2人の容疑者は、前日の夜遅く、マサチューセッツ工科大学があるボストン郊外のケンブリッジ地区で、警察官1人を殺したあと乗用車を強奪し逃走を試みたものとみられ、西に6キロほど離れたウォータータウン地区で追跡する警察との間で激しい銃撃戦となったということです。

容疑者はロシア南部出身の兄弟か

容疑者はロシア南部出身の兄弟か
 

アメリカの主要メディアは、ボストンの爆破テロ事件でFBI=アメリカ連邦捜査局が映像を公開した容疑者の男2人について、ロシア南部の北カフカス地方の出身の兄弟だと伝えています。このうち、今も逃走中の男#2はジョハール・ツァルナエフ容疑者で年齢は19歳。

また、警察との銃撃戦の末に死亡したのはジョハール容疑者の兄で、26歳のタメルラン・ツァルナエフ容疑者とされています。
2人は、少なくとも過去数年間、アメリカ国内に住んでいたということです。

 

参考:

ボストン・グローブ地元紙

 


 

容疑者拘束の報道

 

Captured alive

 

Captured
Tamerlan Tsarnaev (left), 26, dubbed Suspect No. 1 in the Boston Marathon bombings by law enforcement, and his brother, Dzhokhar A. Tsarnaev, 19, Suspect No. 2.

容疑者は10年ほど前に米国に移住し市民権を取得したロシア(チェチェン)出身のツァルナエフ兄弟。写真左の兄は射殺され、重症を負いながら逃走していた19歳の弟は住宅敷地に保管されたボートの中に隠れていたところを、警察が包囲の末、拘束された。なお、弟はマサチューセッツ州立大学ダートマスキャンパスに在籍する学生である。

 


要所を封鎖して配置につくスワット特殊武装チームと不安げにその様子をみまもる住民たち

(ケンブリッジ市ウォータータウン地区)

Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
SWAT teams moved into position at the intersection in Watertown while searching for suspect #2.
Aram Boghosian for The Boston Globe
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
A police officer took position during a search for the Boston Marathon bombing suspect in Watertown. Brian Synder/Reuters
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
SWAT teams entered a Watertown neighborhood to search an apartment for the remaining suspect. Jessica Rinaldi / Reuters Photo
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
Police searched for one remaining suspect at an apartment building where a resident reported finding drops of blood. Mario Tama/Getty Images
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
Residents of an apartment building watched as law enforcement agencies surveyed the home of suspect #2. Jared Wickerham/Getty Images
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
A man looked out of his door as a SWAT team member knocked on his neighbor's door. Jessica Rinaldi/ Reuters Photo
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
Governor Patrick addressed members of the media during a press conference at the Watertown Mall. Essdras m Suarez/ Globe Staff
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
SWAT teams moved into position on a street in Watertown while searching for the suspect. Aram Boghosian for The Boston Globe
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
A woman reacted while being questioned by the Cambridge Police near the home of suspect #2. Jared Wickerham/Getty Images
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
Boston Police directed a woman out of the area on Mount Auburn Street . Bill Greene/Globe staff
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
Commissioner Ed Davis, Mass. State Police Timothy P. Alben, and Watertown Police Chief Edward P. Deveau briefed the media. Essdras m Suarez/ Globe staff
Pictures: Hectic scene in Watertown, Cambridge
Police officers aimed their weapons during a tense night of police activity that left an MIT officer dead. Matt Rourke/AP photo

東京都教育委員会、高校教科書の選定をねじ曲げる(その一行の側注を理由に)

2013-04-19 | Weblog

 国旗掲揚と国歌斉唱について「一部の自治体で強制の動きがある」と記した実教出版の教科書「高校日本史A」に、東京都教育委員会が難色を示し、都立高校が使用しない事態が生じている。

都教委の意向を圧力と感じ高校側が使用を断念した、との証言もある。この教科書は今年は一年生が対象だが、来年度は二年生も使用の対象になるため、さらに「締め出し」の影響が大きくなる可能性がある。

 「『絶対変えろ』と言われたわけではないが」。今春退職した元都立高校日本史教諭の男性(60)は、語尾に悔しさをにじませた。「実質的には決定をねじ曲げられた」

 教科書は使用する前年にそれぞれの高校が選び、その報告をもとに教委が採択する。男性の高校で一年生に教える近現代史が中心の「日本史A」の教科書選定では当初、「レイアウトが優れている」などの理由で、四社のうちから実教出版の教科書を選ぼうとした。

だが校内の正式な選定を控えた昨年七月上旬、都教委から校長に「実教版は都教委の方針と合わない面がある」などと二回、電話があったという。

 都教委は、都立高二百三十校のうち、一年生に日本史Aを教える十七校全校を対象に電話したことを認めている。実教版が国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と側注で記していることについて「都教委の考え方とは相いれない」と指摘していた。

 男性の高校はこの二度の電話の後も、実教版を選ぶ方針を変えなかったが、さらに七月下旬、二度電話があり、校長が別の教科書への変更を決めたという。

 最終的に、男性の高校を含む十七校のうち実教版を選んだのはゼロ。しかし、全国シェアは14%に達しており「不自然な採択結果」(高校教員)との指摘が出ている。

 都教委高校教育指導課の江本敏男課長は「あくまで情報提供をしているだけで、『これを使うな』とは言っていない」と説明する。来春は二年生で教える高校も新指導要領対応の教科書を使うため、実教版をどうするかの選択を迫られる学校は、十七校から数十校に拡大する。

 元千葉大学教育学部教授で、千葉市教育委員の明石要一さんは「教科書の取り扱いについては、情報提供というあいまいな形ではなく、教育委員たちによる公開の定例会で議論すべきだ」とやり方に疑問を示す。実教出版は「コメントする立場にない」としている。


大阪府教育委員会、「来賓→校長→教育長」の通報ホットライン(口パク教員の監視強化)

2013-04-19 | Weblog

君が代不斉唱と来賓通報、大阪 入学式司会の教諭

4月16日

 大阪府教育委員会は4月16日、入学式の司会をしていた府立高の教諭が、君が代斉唱時に歌っていなかったと発表した。気付いた来賓が校長に通報、教諭は事実関係を認めたため、校長が同日口頭で厳重注意した。

 中原徹教育長は記者団に対し「職務命令を守る気がなかったと言われても社会通念上、仕方がない。府民をばかにした態度だ」と述べ、9月までに起立と斉唱を確認する客観基準の作成を目指す考えを示した。

 府教委によると、教諭は8日の入学式で司会進行を担当。君が代斉唱時に起立していたが、近くにいた来賓が教諭の口元を見て、歌っていないことに気付いた。(Kyodo)

 

参考:

大阪府教育長に中原氏起用へ 君が代チェックで物議醸す:2/19 ASAHI

写真:中原徹氏

中原徹氏

 

 松井一郎大阪府知事は、弁護士出身の中原徹・府立和泉高校長(42)を新たな府教育長に起用する方針を固めた。3月末で府教育委員を退く中西正人教育長の後任として、21日開会の定例府議会に教育委員の任命案を提出。可決されれば、教育委員会議で教育長に任命される見通し。

 中原氏は前知事の橋下徹大阪市長と同じ早稲田大出身で、在学時からの友人。日本、米国での弁護士活動を経て府立高校長の公募に応じ、2010年に当時全国最年少の民間人校長に登用された。

 国際社会で通用する人材の育成を掲げ、英語力の強化に力を注いだ。昨年3月の卒業式では、府条例で起立斉唱を義務付けられた君が代を教職員が実際に歌っているか、教頭らにチェックするよう指示して物議を醸した。

 知事が教育方針を定める条例が昨年施行された大阪府では、「国際社会で自立して生きる人づくり」などを掲げた教育振興基本計画が今年4月からスタートする。中原氏は、橋下氏らが進める「教育改革」路線に賛意を示しており、松井氏はその経験と手腕を重視し、今後の教育政策の旗振り役として期待を寄せているとみられる。


[法案成立] ネット選挙、イザ解禁にあたふた まずは「自分撮り」で投稿(日本のお偉い先生方)

2013-04-19 | Weblog

ネット選挙解禁 改正法が成立

4月19日
 

インターネットを利用した選挙運動を夏の参議院選挙から解禁する改正公職選挙法は、19日の参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。この改正法は、夏の参議院選挙以降に行われる衆議院選挙と地方選挙にも適用されます。

ネット選挙運動解禁 改正あす成立へ

4月18日 NHK
ネット選挙運動解禁 改正あす成立へ
 
インターネットを利用した選挙運動を夏の参議院選挙から解禁する公職選挙法の改正案は、18日の参議院の特別委員会で全会一致で可決され、19日の参議院本会議で可決・成立する見通しとなりました。

この改正案は、自民党・日本維新の会・公明党が提出したもので、夏の参議院選挙から、ホームページのほか、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスなどによる選挙運動を全面的に解禁し、電子メールによる選挙運動については、政党や候補者だけに認めることを柱としています。

そして、電子メールの利用についても、一般の有権者を含め全面的に解禁すべきだとする民主党と、みんなの党の主張に配慮し、「次々回の国政選挙での解禁について、適切な措置を講じる」と、付則に盛り込むなどの修正が加えられています。

改正案は、18日の参議院の特別委員会で、趣旨説明と質疑のあと、直ちに採決が行われ、全会一致で可決されました。

また、特別委員会では、セキュリティー対策などで問題が明らかになった場合には、法改正を含めて適切な措置を講じることや、政府に対し、改正案の内容の周知を求めることなどを盛りこんだ付帯決議も可決されました。

改正案は、19日の参議院本会議で可決・成立する見通しです。

参考:
 
「何していいやら」センセイおおわらわ“自分撮り”週1投稿も:SANKEI

 ネット選挙解禁を控え、今夏改選組の参院議員や事務所スタッフらは対応に頭を悩ませている。「ネットで何をしたらいいのか」という陣営がある一方、ネットの特性を生かして「24時間ぶっ続け」での運動を計画する陣営もあり、取り組みへの温度差は大きい。いずれの陣営にとっても、未知の選挙戦となりそうだ。

 5選を目指す自民党参院議員、尾辻秀久氏(72)は先月15日、公式ホームページ(HP)を約2年ぶりに更新。HP自体は以前からあったが、参院副議長に就任したころから、アクセスしても「工事中」と表示されるだけの放置状態が続いていた。

 「もうすぐ選挙なので、さすがに見栄えが悪いかと。ネット選挙というけれど、本人もメールがちょっとできるだけなので、何をしていいのやら」と事務所スタッフは頭を悩ます。

 同い年の民主党、ツルネン・マルテイ氏(72)も今月12日にHPをリニューアルした。「以前は手作り感満載だったので、海外企業を参考にプロっぽくしてみました」と公設秘書。ネット選挙解禁については「マイクを使っての街頭演説は午後8時までだが、ネットに時間制限はない。深夜帯にネット討論会を開くなど、最終日には24時間態勢で頑張りたい」という。

 すでにネットを政治活動に取り入れている議員は多い。自民党の西田昌司氏(54)は週1回、携帯電話で“自分撮り”した動画を投稿サイト「youtube」を使って配信する。「自分専用の放送局だね。しかも無料。これを使わない手はない」と西田氏。昨年1月には何者かにサイトを乗っ取られ、わいせつ動画を掲載される被害を受けたが、ネット選挙には前向きだ。動画は1万人以上が閲覧するほど人気だが、選挙区内の住民が見ている割合は5%程度。「スタッフ1人をネット専従に置くくらいなら、街頭でビラを配った方が効果的ではないか」と秘書は悩む。

 民主党の鈴木寛氏(49)は今月20日から、東京・新宿の百貨店前にトレーラーハウスに機材を乗せた特設スタジオをオープン。ゲストを招くなどしたトーク番組を撮り、ネットで生中継する計画だ。7月末まで週5回ほど。「これなら選挙区の人にも、全国のネットユーザーにも同時に情報発信できる」と鈴木氏。費用もかかるが、「全部持ち出しでやる」と意気込んでいる。

 

 関連:

ネット選挙ガイドラインの素案提示 自公維が野党に: 

4月16日

 与野党は16日、インターネットを使った選挙運動のガイドライン(指針)に関する初の実務者協議を開き、自民、公明、日本維新の会の3党がつくった素案を基に成文化することを確認した。一般の有権者が候補者から送られてきたメールの転送を禁止することなど、いくつかの具体策を盛り込む方針でも一致した。

 指針は、ネット選挙を解禁する公選法改正案の今国会成立が確実になったのを受け、各党が策定に動きだした。ネットを使って選挙運動をした場合、混乱が予想されるため、素案はどこからが違法になるのか、といった基準を具体例を挙げながら一問一答形式で説明している。

 有権者らによる電子メールの転送は、素案に「できない」と明記してあり、各党が了承。政党と候補者に送信が限られた電子メールは、第三者の「なりすまし」を防ぐため、各候補者がそれぞれ民間の本人認証サービスを使い、メールアドレスにその証明を表示することにした。

 有権者らは、短文投稿サイト「ツイッター」や交流サイト「フェイスブック」などの「メッセージ機能」を利用することは可能だが、同機能を通じてメッセージを他人の電子メールアドレスに送ることはできないことも確認した。

 与野党は週内に素案を修正した上で、論点としてまとめる方向。決定した指針は総務省のホームページなどに掲載される予定だ。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

[自然の神秘] 木の生命の叫び声、仏科学者チームが解明

2013-04-18 | Weblog

木の“悲鳴”、聞き分けに成功:


干ばつで傷んだ木は、固有の音を出すという。その悲鳴を聞き取り、助けるための手掛かりが見つかった。

木の“悲鳴”、聞き分けに成功
 

 

(ビデオ)北カリフォルニア沿岸部のセコイヤ公園。38階ビルに相当する120m級の世界一ノッポノの原生林。

樹齢は3000年以上。樹皮に耳を当てると「ゴーゴー」と水を吸い上げる生命の音が伝わってくる。

 


TPP参加を急ぐ安倍君、”学校教育の終わり”だって、聞こえた!

2013-04-16 | Weblog

管理人からの一読おすすめブログ。

学校教育の終わり:

大津市でのいじめ自殺、大阪市立桜宮高校でバスケットボール部のキャプテンの体罰自殺など、一連の事件は日本の学校教育システムそのものがいま制度疲労の限界に達していることを示している。

機械が壊れるときは、金属部品もプラスチックもICもすべてが同時に劣化する。それに似ている。学校教育にかかわるすべてが一斉に機能不全に陥っている。

これを特定のパーツを取り替えれば済むと考えている人は「どこが悪いのか?」という「患部」を特定する問いを立てようとする。だが、それは無駄なことだ。日本の学校制度はもう局所的な手直しで片付くレベルにはない。

「日本の学校制度のどこが悪いのでしょうか」と訊かれるならば、「全部悪い」と答えるほかない。

けれども、学校教育は「全部悪い」からといって、「全部取り替える」ことができない。自動車なら、新車が納車されるまで、バスで通う、電車で通うという代替手段があるが、学校にはない。新しい学校システムができるまで子どもたちを収容する代替機関が存在しない。

学校を全部変えるということは「無学校状態」に子どもたちを放置するリスクを負うことであり、私たちはそんなソリューションを採択することができない。つまり、学校教育システムを全部変えなければいけないのだが、部品は今あるものをそのまま「使い回し」てゆかなければならない。

いわば、自動車を走らせながら修理するようなことを私たちは求められているのである。
これが学校教育についての私の基本的な立場である。「走りながら修理する」ために、何をすればいいのか? 何ができるのか?

日本の近代学校教育システムは「国民形成」という国家的プロジェクトの要請に応えるかたちで制度設計された。つまり、学校の社会的責務は「国家須要の人材を育成すること」、「国民国家を担うことのできる成熟した市民を作り出すこと」ことに存したのである。

サラリーマンになるにしても兵士になるにしても学者や政治家であっても、教育の目的はあくまで「国家須要の人士」の育成である。成否は措いて、この目的そのものは揺るぎないものだった。

1945年の敗戦でも、学校教育の目的が国民国家の未来の担い手を育てることであるという目的そのものに疑いは挟まれなかった。戦後生まれの私たちの世代は「民主的で平和な日本の担い手」たるべく教育された。

明治維新以来、学校教育は「国民国家を維持存続させるため」のものであり、教育の受益者がいるとすれば(そういう言葉は使われていなかったが)、端的に共同体それ自身だったのである。

この合意が崩れたのは一九七〇年代以降のことである。

歴史的理由については贅言を要すまい。歴史上例外的な平和と繁栄である。私たちは「平和と繁栄のコスト」をいろいろなかたちで支払うことになったが、学校教育の目的変更もそのひとつである。

このとき、学校教育の目的は「国家須要の人材を育成すること」から、「自分の付加価値を高め、労働市場で高値で売り込み、権力・財貨・文化資本の有利な分配に与ること」に切り替えられた。教育の受益者が「共同体」から「個人」に移ったのである。

もちろん、明治に近代学制が整備されたときから、人々は自己利益のために教育を受けた。ほとんどの場合はそれが「本音」だった。

だが、「おのれひとりの立身出世のために教育を受ける」という生々しい本音を口に出すことは自制された。あくまで学校教育の目的は「世のため人のため」という公共的なレベルに維持されていたのである。

七〇年代以降、それが変わった。人々はついに平然と学校教育を「自己の付加価値を高め、自己利益を増大するための機会」だと公言するようになった。教育の受益者が「共同体」から「個人」にはっきりと切り替わったのである。

だが、その根本的な変化が学校教育をどのように変容させることになるのか、どのように「破壊する」ことになるのか、そのときの日本人は想像していなかった。

その後、教育はつねに「教育を通じてどうやって個人の利益を増大させるか?」という問いをめぐって論じられた。教育改革も教育批判もその点では同じだった。その前提そのものが設定の間違いではないかという反問をなす人はいなかった。 

もちろん文科省の発令する文書には依然として「愛国心」や「滅私奉公」的な言辞がちりばめられていた。だが、そこで言われる「愛国心」は実際には単に「上位者の命令に従うこと」しか求めていなかった。「滅私奉公」してまで何をするかというと、「グローバルな経済競争に勝ち残ること」つまり「金儲け」なのである。

このとき、国民国家はほぼまるごと「営利企業モデル」に縮減されたのである。上司の言うことを黙って聞いて、血尿が出るまで働いて、売り上げノルマを達成すること、それが学校教育の事実上の目標に掲げられる時代になったのである。

「公教育」という理念を考え出したのは啓蒙主義の時代のフランス人だが、行政制度として実現してみせたのはアメリカ人の方が早かった。だが、そのときも公教育の導入には強い抵抗があった。というのは、アメリカ社会は伝統的に「自己教育・自己陶冶」を重んじる国だったからである。


学校教育に税金を投入すると聞かされたアメリカの裕福な市民たちはこう言って抗議した。
「もし教育を受けたものが、そこで得た知識や技術のおかげで出世し、高い地位を求めるのであれば、それは自己負担でやるべきことではないのか。なぜ、私が刻苦勉励して納めた税金を他人の子どもの教育に投じて、自分自身の子どもたちの競争相手を作り出さなければならないのか?」この反対論は強固なものだった。

公教育論者たちはこれを説得するために苦肉の理屈に訴えた。

あなたがたが税金を投じて学校教育を整備してくれれば、文字が読め、四則計算ができ、基礎的な社会的訓練ができた子どもたちを作り出すことができる。それは長期的にはビジネスマンのみなさんにとっても「よいこと」であるはずだ。彼らは優秀な労働力となり、活発な消費活動を行う消費者になるだろう、と。

市民たちはこの言い分を受け入れた。とりあえずアメリカの高額納税者たちは「労働者の質向上と市場の成熟」という長期的な利益を「今期の税額の多寡」という短期的な利益に優先させるくらいの計算能力を備えていたのである。

日本の教育改革論はどれも公教育への税金投入に反対したこのときのアメリカの納税者のロジックを下敷きにしている。すなわち、「教育の受益者は本人だ。そうであるならば、教育のコストは自己負担すべきだ」というものである。

貴重なる公金を支出するなら、学校は目に見えるかたちで、今すぐにその「見返り」を示さねばならぬ。それはとりあえず能力が高いが、安い賃金と長時間労働を受け入、上司の命令に従順な労働者を量産して、納税者の金儲けを支援させよというものである。

ここには「次世代の共同体を担う成熟した公民を育成する」という長期的な国益への配慮はもう見られない。企業の収益が今すぐに増大するような教育的アウトカムばかりが求められている。そして、「短期の損得を先にして、共同体が瓦解するリスクを冒すな」とそれを抑制する対抗的なロジックを語る人はもはやメディアにはほとんど登場しないのである。

近代の学校教育が「国民国家内部的」な制度である以上、学校教育の衰退が国民国家の衰退と歩調を揃えるのは当然のことである。

経済のグローバル化に伴って、いま世界中で国民国家はその解体過程にある。領土があり、官僚組織と常備軍を整え、その土地と文化につよい帰属意識をもつ「国民」を成員とするこの統治システムそのものが終わりつつある。

グローバル資本主義は人、資本、商品、情報が超高速でクロスボーダーに移動することを要求する。この要求は不可逆的に亢進し続ける。クロスボーダーな運動にとって最大の障害は国境、ローカルな国語、ローカルな法律、ローカルな商習慣である。これらすべてをすみやかに排除することをグローバル資本主義は求める。

経済のグローバル化を強力に牽引しているのはアメリカという国家だが、アメリカの国家戦略を実質的にコントロールしているのはすでに政治家ではなく、グローバル企業である。

国民国家はグローバル資本主義にとって、クロスボーダーな経済活動を妨害するローカルな障壁だが、利用価値がある限りは利用される。国家資源は、政治家も官僚組織も軍隊もメディアも、もちろん学校教育も総動員される。

だから、グローバル化の進行過程で「国民国家の次世代の成員を育成する」といった迂遠な目的を掲げる公教育機関が存続できるはずがない。

グローバル資本主義は国民国家とも、学校教育とも「食い合わせが悪い」のである。

だから、「グローバル化に最適化した学校教育」はもう学校教育の体をなさない。教育にかかわるすべてのプレイヤーが「自己利益の最大化」のために他のプレイヤーを利用したり、出し抜いたり、騙したりすることを当然とするようなれば、そこで行われるのはもう教育ではないし、その場所は「学校」と呼ぶこともできない。

現に、学校のグローバリスト的再編を求めている当のグローバリスト自身、日本の学校がもう学校としては機能していないことをよく理解している。だから、彼らは平気で自分の子どもには「スイスの寄宿学校で国際性を身につけろ」とか「ハーバード大学で学位をとってこい」というようなことを命じる。日本の学校が「もうダメ」なら、外国の学校で教育を受ければいい。そう言い切れるのは、「学校教育の受益者は本人である」という信憑が彼らのうちに深く身体化しているからである。優秀な人間はどんどん海外に雄飛すればいい。日本なんかどうせ「泥舟」なんだから、沈むに任せればいいというのはひとつの見識である。

だが、そういう人は学校教育については発言して欲しくない。繰り返し言うが、学校教育は国民国家内部的な「再生産装置」であり、ほんらい自己利益の増大のために利用するものではないからである。

残念ながら今の日本の支配層の過半はすでにグローバリストであり、彼らは「次世代の日本を担う成熟した市民を育てる」という目的をもう持っていない。

ご本人たち自身が子弟を外国の学校に通わせており、国内での雇用創出にも地域経済の振興にも興味がなく、所得税も法人税もできれば納めずに済ませたく、彼らがその収益を最優先に配慮する企業の株主も社員もすでに過半が外国人なら、それも当然である。

だが、不思議なことだが、「正直なところ、日本なんかどうなってもいい」と思っている人間しか社会的上昇が遂げられないように今の社会の仕組みそのものが再編されつつあるのである。

だから、まことに絶望的なことを申し上げなければならないのだが、今の日本では学校教育を再生させるために打つ手はないのである。

教育改革をうるさく言い立てる政治家やメディア知識人はいまだに「勉強すれば報償を与え、しなければ処罰する」という「人参と鞭」戦術で子どもたちの学びを動機づけられると信じているようだが、それがもう破綻していることにいい加減に気づいたらどうかと思う。

利益誘導は、高い学歴や社会的地位や高い年収といった「人参」に魅力を感じない子どもたち、「欲望を持たない子どもたち」には何の効果も持たない。「そんなもの、欲しくないね。僕は家に引きこもって、ゲームをしている方がいいよ」と言う子どもに利益誘導はまったく無効である。

同じように、あまりにスマートであるために、学校に通って付加価値を高めるというような遠回りを「かったるい」と思う子どもたちにも利益誘導は無効である。彼らは学校に通う時間があったら、起業したり、ネットで株を売買したりして、若くして巨富を積む生き方を選ぶだろう。

学校に通う目的が最終的に「金をたくさん手に入れるため」であるなら、自分の才覚で今すぐ金が手にできる子どもがどうして学校に通うだろう。  

「人参と鞭」で子どもたちを学校に誘導しようとする戦略はこうして破綻する。「欲望のない子ども」たちと「あまりにスマートな子どもたち」が学校から立ち去ることをそれはむしろ推進することになる。

引きこもりや不登校の子どもたちは別に「反社会的」なわけではない。むしろ「過剰に社会的」なのである。現在の教育イデオロギーをあまりに素直に内面化したために、学校教育の無意味さに耐えられなくなっているのである。

だから、ひどい言い方をすれば、今学校に通っている子どもたちは「なぜ学校に通うのか?」という問いを突き詰めたことのない子どもたちなのである。「みんなが行くから、私も行く」という程度の動機の子どもたちだけがぼんやり学校に通っているのである。

欧米の学校教育は、まだ日本の学校ほど激しく劣化していない。「何のために学校教育を受けるのか」について、とりあえずエリートたちには自分たちには「公共的な使命」が託されているという「ノブレス・オブリージュ」の感覚がまだ生きているからである。

パブリックスクールからオックスフォードやケンブリッジに進学するエリートの少なくとも一部は、大英帝国を担うという公的義務の負荷を自分の肩に感じている。そういうエリートを育成するために学校が存在している。

だが、日本の場合、東大や京大の卒業者の中に「ノブレス・オブリージュ」を自覚している者はほとんどいない。

彼らは子どもの頃から、自分の学習努力の成果はすべて独占すべきであると教えられてきた人たちである。公益より私利を優先し、国富を私財に転移することに熱心で、私事のために公務員を利用しようとするものの方が出世するように制度設計されている社会で公共心の高いエリートが育つはずがない。
 
結論を述べる。
日本の学校教育制度は末期的な段階に達しており、小手先の「改革」でどうにかなるようなものではない。そこまで壊れている。

唯一の救いは、同じ傾向は世界中で見られるということである。

学校教育が国民国家内部的な装置である以上、グローバル化の進行にともなって、遠からず欧米でもアジアでも、教育崩壊が始まる(もう始まっている)。だから、日本の学校教育の相対的な劣位がそれほど目立たなくはなるだろう。

もう一つだけ救いがある。それは崩壊しているのが「公教育」だということである。国民国家が解体する過程で、公教育は解体する。だが、「私塾」はそうではない。

もともと私塾は公教育以前から、つまり国民国家以前から存在した。懐徳堂や適塾や松下村塾が近代日本で最も成功した教育機関であることに異議を唱える人はいないだろうが、これらはいずれも篤志家が「身銭を切って」創建した教育機関である。

このような私塾はそれぞれ固有の教育目的を掲げていた。「国家須要の人材」というような生硬な言葉ではなく、もっと漠然と「世のため人のために生きる」ことのできる公共性の高い人士を育てようとしていた。

それがまた蘇るだろうと私は思っている。隣人の顔が見え、体温が感じられるようなささやかな規模の共同体は経済のグローバル化が進行しようと、国民国家が解体しようと、簡単には消え失せない。

そのような「小さな共同体」に軸足を置き、根を下ろし、その共同体成員の再生産に目的を限定するような教育機関には生き延びるチャンスがある。私はそう考えている。そして、おそらく、私と思いを同じくしている人の数は想像されているよりずっと多い。

(文)神戸女学院大学文学部総合文化学科教授 内田樹(1950年生)