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万月堂通信

知床半島、標津町にある民宿「万月堂」から日々の出来事やアウトドアー情報(登山、シーカヤック、釣り、狩猟等)を発信します。

夏山登山始動・・・羅臼岳、斜里岳

2010-07-10 | 登山、スキー
 夏らしい天気が続いたが、山の様子はどうなってるでしょうか?

羅臼岳(ウトロ側コース)

 残雪が多いと思われた今年、大沢の雪渓は最近の暑さのためか急速に減少したようです。かえって去年より少ないように感じた。雪面も柔らかくアイゼンを使用しないで登下降する人も少なからずいたようだ。
 ただ寒い日や時間によっては硬くなる場合がありアイゼンの準備は必要だろう。

 クマの出没も多いらしく、目撃情報が頻繁に寄せられている。650メーター岩峰付近には数箇所登山道上にクマの糞があった。羅臼平付近でも目撃されているそうだ。



 羅臼岳頂上の三角点。ほとんどの人が降り去った頂上は雲の中で展望は無かったが、風も無く寒くも無くのんびり休んだ。

 下りだしてしばらくすると男性が4人登ってきた。我々がどん尻だと思っていたので声を掛けると(ラウス側コース)から来たと言う。雪渓が長く、傾斜がきつく難儀したそうだ。ここまで7時間近く掛かっていると言うから、その苦労が伺われる。下りは予定を変更してウトロ側に降りることにしたみたいだ。

 650メーター岩峰付近まで降りてきて、登山道脇の木の中をふと覗き込むとクマがいた。すぐ目の前だったので少し後戻りしてクマスプレーの安全弁を抜いた。クマに声を掛けるとどうやら距離を開けたようだった。しばらくスプレー片手に声を出しながら下って行ったが後をついてくる様子もなかった。同行の女性陣はかなり驚いたようで、以後スピードが速かった。初めからこのスピードだったら標準タイムで登れたであろう。


斜里岳(旧道コース~新道)

 昨年は雪渓に悩まされた旧道だが、今年はもう雪渓は残っていなかった。
度重なる渡渉もテープ通りに行けばたいして深く潜ることなく渡れる。

 頂上付近の高山植物が丁度見頃に花を咲かせきれいだった。こちらも雲の中、展望はなかったが無風でのんびりした。

 我々の後に数人いたが新道の下りの途中で追い抜かれてどん尻になったようだった。



 熊見峠で見たのはクマの尻ではなく、植物を接写する女性の大きな尻だった。新道の嫌らしい急坂は山開き前に整備したらしく、土嚢が敷設されていた。しかしこれもあっという間に雨で壊れるだろう。

 この日気にしていた雷は車に着いて走り出した途端やって来た。いきなり土砂降りになりあっという間に道が川になってしまった。

 

山スキー  海別岳

2010-05-04 | 登山、スキー
 二日前に海別岳に行ったお客さんから、まだ尾根上雪が着いているとの情報を得た。これは行って来るしかない。

 林道の残雪を少し破って進むとすぐスキーが使えそうだった。春らしい陽気で天気も良い。しかし連休だと言うのに誰も来ていない様だ。たまに昨日か一昨日のものと思われるツボ足の足跡が残っていた。

 樹林帯をぬけ見晴らしが良くなり下を見ると2人登ってくるのが見える。3時間くらいで頂上に着いた。遅出したのに一番乗りだったみたい。結局雪は頂上までつながっていて最後までスキーが使えたので楽をした。



 斜里岳も良く見える。



 反対側はこの前行った遠音別岳、その向こうに羅臼岳はじめ連山が見える。

 寒くはなかったので30分くらい留まった。一向に登山者が来る様子もないので降りることにした。ニセピークでシールをはずすところでやっと2人ずれの登山者にあった。

 ザラメの大斜面は気持ちよく滑れて、たまにすれ違う登山者がいると寄って行って声を掛けた。私のほかに4組いた。

 その後ハプニング発生。1時間ちょっとで車に着いたのだが、ガッシュが来ない!
樹林帯で昼食をとっていたグループに着いて行ってしまったと予想する。そのグループの車もそこにあったので気長に待つことにした。

 2時間くらいしてそのグループが降りてきたが、ガッシュはいない。聞いてみるとしばらくいたがそのうちに見えなくなったそうだ。皆さん心配してくれて山に向かって大声で呼んでくれたりした。4時まで待って帰ってこなかったら放って帰ることにした。もう待って3時間近く経とうとしていた。

 最後のご夫婦が降りてきて、やはり姿は見なかったとのこと。ただ下り向きの足跡はあったそうだ。その時先ほどのグループの車が戻ってきて、「下の道路でうろうろしてた。」とわざわざ車に乗っけて連れて来てくれた。皆さんにお礼を言い、やっと帰路についた。

 

 

遠音別岳~知西別岳~天頂山縦走 その4

2010-04-24 | 登山、スキー
 知西別岳から羅臼湖に向かって標高を下げるとすっかり疲れてしまい時間はまだ早いが、泊まることにした。とてもすぐに雪洞を掘る元気なく、30分くらいザックに仰向けになり休んだ。昨日と同じくらいの雪洞を掘り、やっと落ち着く。当初は翌日羅臼岳に登る予定であったが、天頂山に登った後、下山することにして翌朝はゆっくり寝ていようと言う事になった。

 眠っている間に雪が降ったらしく、入り口の雪をどけると細かい雪が吹き込んできた。風は強そうだが天気は良いようだ。

 羅臼湖はまだ雪で一面覆われてただの雪原だ。



 さっきまで雲のかかっていた知西別岳も見えるようになった。

 荷物を置いてアイゼンを着けて天頂山を目指した。天頂山は知西別岳と羅臼岳の間にある目立たない山だが、いくつもの噴火口跡がありいかにも火山らしい。







 頂上は風が強く、断念した羅臼岳はもっと強い風が吹いているようだ。

 後はいっきに羅臼の町まで滑り降りるだけだが、下のほうは雪が腐り始め快適な滑降とはいえなかった。除雪された道を1回横断し、最後は1キロほど熊の湯温泉のゲートまで道を歩いた。

遠音別岳~知西別岳~天頂山縦走 その3

2010-04-23 | 登山、スキー
 スキーを引きずりながらいくつもギャップを乗り越えたり、急斜面を巻いたりしながら約3時間で知西別岳に着いた。あいかわらず風が強く頂上に長居は出来ない。振り返ると遠くに遠音別岳が見える。



 やっと羅臼岳が近づいてここからは、いつもならスキーで大滑降を楽しめるところだが、雪質は所々アイスバーンでかえって時間がかかりそう。そのまま歩いて下る。今回我々を悩ませたのが、歩きにくい雪面。



 7.8センチほどの氷の塊がびっしり雪面に敷き詰められて、アイゼンの爪の間に入り足は挫きそうになるし、爪が浮いてアイゼンが利かない。近くから見ると・・・



 稜線上の羅臼側にしかなく、ウトロ側には見られなかった。

遠音別岳~知西別岳~天頂山縦走 その2

2010-04-22 | 登山、スキー
 翌朝、雪洞の入り口を塞いだ雪のブロックの隙間から外を覗うと良い天気のようだ。

雪面は冷えてカチカチなので、アイゼンを着けて歩き始める。稜線まで急な雪壁をスキーを引きずりながら300メーターくらい直登する。朝一の荷揚げは結構堪えた。



 稜線に上がると風が強かった。ここからは頂上往復なので重荷からは解放されるが、距離はありそう。我々より先に登頂しようとしたのは足跡からどうもキツネらしい。頂上まで後少し、羅臼側は300メーターほどの壁となって、雪屁も張り出している。



 


 頂上は風はあるがたいした事無く、知床連山がきれいに見える。

 寒いのでそそくさと頂上を後にして先を急ぐ。



 痩せた稜線がしばらく続く。目指すは知西別岳。



遠音別岳~知西別岳~天頂山縦走 その1

2010-04-20 | 登山、スキー
 約1年ぶりで積雪期の泊りがけ登山に行った。2泊3日の予定だ。

 最初の目的は遠音別岳。うちからは真北に真正面に見える山で大規模な地滑りでできたと言う切れ落ちた壁を持ち格好の良い山だ。最近はウトロ側から日帰りないし一泊でポピュラーに登られるようだが、我々二人は羅臼側から入山する。羅臼側からはアプローチが長く、敬遠されるようだ。

 林道が長く続くが、それを嫌って尾根に上がる。7時間くらい歩いてやっと標高800メーターくらいに達する。荷は軽くしたつもりでも老体に応える。所々でクマの足跡が交錯する。

 遠音別岳の姿が 間近に見えるようになった。



 宿泊予定地は稜線付近にしていたが、疲れたので雪洞の掘れる様な場所を手近に探すことにした。

 雪洞に泊まるのは25年ぶりくらいか?1時間ほどで2人寝られるくらいの穴を掘る。雪を融かして水を作って簡素な晩御飯を食べて、7時過ぎには寝ることにする。



 蝋燭の灯りだけで明るいもんだ。


斜里岳+越川温泉

2010-04-09 | 登山、スキー
 この冬はほとんど登山らしい登山をしてなかった。2,3月と平日他の仕事があったし、土、日となると天気が悪かったりと。今年は積雪自体は少なかったものの3月が低温で天気も悪かった為、例年より残雪が多いように思える。

 昨日の久しぶりの快晴を見てたら山に行きたくなったので、斜里岳に行ってみた。

 朝早く起きると曇りながら視界はよい。今日は夏道コースのある北西稜を選んだ。(当然、積雪で道はないですけどね!) 峠を越えると風が強そうだ。林道は積雪状態で車で入れず、幹線道路の取り付けに駐車。

 スキーをつけて歩き出すとすぐ鹿除けネットがありゲートをよじ登って越える。林道を無視してコンパス頼りに進む。だんだん風が強くなる。4時間くらいで1200メーターくらいの樹林限界に達したが、強い風で立っていられない。ここから先は細くなるので頂上を諦め、そそくさと登山道入り口まで滑り降りてきた。



 北壁が真冬の様相で間近に見え、美しかった。

 上部の雪質もよく、久しぶりの粉雪スキーが楽しめた。

 あっという間に滑り降りたので時間もあり、予定外で帰り道にある「越川温泉」に立ち寄った。入るのは30年ぶりくらいだと思う。いつも通ってる道なんだけどなかなかよる機会がなかった。



 無人の温泉なので、貯金箱と張り紙のあるドラム缶に運営協力金として200円入れる。紙には「100円玉なら2枚、10円玉なら20枚、1円玉なら200枚」と丁寧に説明されていた。



 温度も丁度良く、透き通っている。男女も別れているし、休憩室まである。以前入った時とは建物も新しくなったようだ。

 入り口が目立たないので通り過ぎてしまいそうですが、国道脇の白いドラム缶が目印です。お勧めの温泉!

 温泉と言えば、人気のあった尾岱沼の「浜の湯」。去年の秋くらいに復活したようです。

大雪・・・雪崩れ

2010-03-07 | 登山、スキー


 久しぶりの大雪でした。朝はたいした降りではなかったので長男にスノーシューを持たせて3人一緒に帰ってくるようにだけ言っておきました。

 夕方までに30センチ近く降り、降りが弱くなるのを待って除雪にかかった。子供だけでは大変そうなので女将はスキーを履いてラッセル道付け部隊で出動。何とか帰ってきたけど1人は、のんきに遊び呆けていて後でお説教をくらった。


 大雪の後は雪崩が心配だ。そんな訳で今日は網走、根室地区の遭難対策協議会の遭難救助訓練があった。雪崩で2人埋没したと言う想定で救助に向かった。まずはビーコンを使って埋没場所を絞ったところでゾンデ棒を使って雪の下を探る。反応のあるところを掘り出し、ソリを使って搬送。





 訓練だから緊迫感はないけどやってるのとやってないのでは実際の現場で差が出るんじゃないかなと思う。

 30年位前、ニセコで実際に経験した。

 一報を受けてすぐに現場に駆けつけた。大規模な雪崩で二人のスキーヤーのうち1人が埋ってしまった。雪崩発生地点までのシュプールがはっきりと残っていた。その日は雪崩が大規模なのと時間切れで翌日朝から自衛隊も動員され捜索が行われた。かなり時間がかかって発見されたが真っ白に凍った状態で発見された。伸びたまま凍った片腕はソリからはみ出したまま山から降ろされた。

 この時北海道新聞のカメラマンにゾンデ棒を使って探している時の写真を撮られ後で送ってきた。このカメラマンはこの数ヵ月後、取材中の飛行機が墜落し亡くなってしまった。

 残り少ない雪山シーズン、事故がありませんように!

知床連山

2010-02-14 | 登山、スキー
 羅臼町は海岸に沿って集落が点在し、どこからでも海は常に目の前に見えるが、背後にいきなり山が迫りなかなか知床の山並みを見ることは出来ない。もちろん舟に乗って沖に出れば拝むことは出来るが。

 積雪期ならスキーなどを使って裏山に上がればその姿を一望できる。



 今年閉校になると言う飛仁帯(トビニタイ)小学校から裏山の急斜面をつぼ足で登り、
そこからはスキーを履いてなだらかな尾根上を少し行くと素晴らしいパノラマが広がる。

 若干、雲が広がっているが左手の羅臼岳から右手の知床岳方向まで連山が見れる。あいにくパノラマ撮影が出来ないデジカメなので知円別岳付近までしか撮影できませんでしたが!

 反対を振り向くと当然海が見え、彼方に国後島が望まれる。流氷は厚くなさそうだが白い帯となって海峡に入り込んでいるようだ。



 たくさんの漁船が漁をしているのが見えた。

 今回はサシルイ沼まで行ってきた。サシルイ川の中流付近にある。秋には何回も通ったサシルイ川だがこの沼まで足を伸ばしたことはない。たいして大きくないようだ。



 昼食を食べたら後はところどころでスキーを楽しんだ。先日、チューンアップしてもらったスキー板は良く滑った。

相泊沼(あいどまりぬま)

2010-01-25 | 登山、スキー
 羅臼町は相泊地区の山奥にある相泊沼まで仲間と行って来た。

 道の終点、相泊までは除雪されている。そこから海岸線をカモイユンベ川まで歩き、尾根に上がって稜線まで黙々と歩く。この日は風も弱く、気温も寒くない、が汗もかかない程度。

 稜線近くまで登ると遥かに知床岳が見えた。



 岬方向の海面には白い帯が見える。どうやら流氷が岬を回りこんで来ているようだ。

 バックに国後島を見ながらガチガチに凍った稜線をしばらく行くと眼下に相泊沼が姿を現した。そこだけ木がなく白い空き地になっている。



 日射で腐れて滑りにくくなった急斜面を転がり落ちるように下って、目的の沼にやっと到着。出発から4時間くらい、ちょっと遅れた昼食をとり一服。沼を囲む山が日陰を作り、じっとしてるとすぐ寒くなってきた。



 沼と言うより湖の冠を与えてもいいくらいの大きさだ(沼と湖の境目は知らないけど)。
氷の厚さはどのくらいあるか解らないけど、真ん中に立ち止まるとなんとなく落ち着かないもんだ。(二年位前、魚がいないかドリルで穴を開けてみこともあるけど結構氷の厚さがあったと記憶してる。) 
 なんと言っても以前、調査に同行しスキーで結氷した摩周湖の最深部上の湖面まで行った時のもぞもぞ感とは比べ物になりません!その時は、「今、大地震が起きたらこの氷が粉々になるんだろうな?」と妄想した。水深、200メーター以上の地点で数十センチの厚さの氷の上にいるんですからね!