goo blog サービス終了のお知らせ 

万月堂通信

知床半島、標津町にある民宿「万月堂」から日々の出来事やアウトドアー情報(登山、シーカヤック、釣り、狩猟等)を発信します。

春山

2016-03-09 | 登山、スキー
 山の積雪は、ハイ松の頭が見えてるところから例年より少なくて、春山のシーズンも短いかもしれません。

 先日4月に予定されている、遭難者救助訓練の下調べ、予行練習にみんなで「東岳」の麓に行って来ました。



 いい天気でしたが、稜線付近は雲が被って強風が吹き荒れている感じです。

 例年なら流氷で真っ白なはずの海峡も今年はさっぱりです。

 この日は知床岬方面に流氷の白い帯が見えたくらいです。



 標高500メーター以上は強風域でした。


 もう春と言うにふさわしい雪質で下りのスキーは楽しめましたが、日当りのいい所は雪が腐って、入り込むと急ブレーキがかかり危険でした。

 自分は二回頭からつんのめった。

 遭難者の搬送訓練や、「ビーコン」の操作訓練などをして夕方家に戻ると、家の前の雪がグサグサに解けていて大変なことになっていました。

 急遽機械で除雪。

 今はすっかりきれいになりました。


 今時期、家の前の雪割りができてるなんて珍しいことです。

春山・・・東岳(知床連山)

2015-04-29 | 登山、スキー
 知床連山の北の端にある「東岳」に行って来ました。

 仲間を誘ったのですが、皆他に用事があるとのこと、女将と二人で。

 実は「東岳」を目指すのは、今シーズン3回目なんです!過去2回はいずれも天候不良で途中敗退!


 出発地の旧知円別小中学校には先行の2パーティの車あり。


 前回到達地点付近に、古いクマの足跡。その少し上部には昨夜から今朝に歩いたと思われる大きな足跡。


 今朝は、子供も休みで出発が遅かったので、あまり長く休まず快調に飛ばした。おかげで女将はペースが遅れだす。

 稜線近くで先行のパーティとすれ違い、この前「斜里岳」に一緒に行った仲間でした。もう1パーティも知ってる連中で「硫黄山」に向かったそうだ。

 ここで遅れてる女将を待つが、一向に来ないので迎えに行くと、ハイマツの影で昼食を食っていた。
 「もう、これ以上登れない!!」と言うので一人で頂上へ向かう。

 主稜線付近は、ハイマツがかなり露出していた。
 羅臼岳方向

 手前「知円別岳」付近に硫黄山に行ったパーティが戻ってくるのが見える。

 その「硫黄山」は一番右端に少し頭が見えた。


 岬方向は

 「知床岳」もかなりハイマツが出ているみたい。


 
 女将最終到達地点で・・・ここから頂上まで30分もかからなかったのに。
この赤いヤッケ、札幌の「秀岳荘」製。今このヤッケを着ているのは、森林管理署の職員くらいです。自分が学生の時は、皆こぞって着てたんですけどね!


 「東岳」頂上までスキーは使えましたが、時間の問題でハイマツの海になるでしょう。


 
 今回は雪の状態が良くて、学校まで快調に滑ることができました。

 女将も大満足!!

春山・・・南斜里岳~斜里岳

2015-04-28 | 登山、スキー
 ここのところの好天で雪解けが進んでいますが、家の周りの積雪状態は、主観的に見て70パーセントくらい雪で白いと言う感じです。

 車も遠出する予定はないので夏タイヤに交換しました。


 日曜日、周辺の仲間と斜里岳に行ってきました。

 コースは国道の根北峠に車を止めて、東尾根から大沢を横切り、南斜里岳を経由して斜里岳、大沢をスキーで滑り降りて根北峠に戻る。

 帰りの写真ですが、東尾根からの真ん中が大沢、対岸南斜里岳から右手東斜里岳(斜里本峰は隠れて見えず)


 南斜里岳への尾根・・・上部はハイマツが露出



 南斜里岳から先のやせ尾根上の岩場。ここの様子が判らずロープも持参したが、岩場の途中から雪をつないでトラバースした。



 斜里岳本峰からの正面が南斜里岳・・・岩場を巻いた後、大沢源頭部まで稜線を行かないで延々のトラバース。途中大沢を眺めるとたくさんの登山者が歩いているのが見えた。




 頂上は登る途中の強風もなく絶好の休息所だった。


 大沢にいた登山者が上がって来るのと入れ替わるようにして下山。

 疲れた足をいたわるように大沢をスキーで滑り降り、根北峠まで。

 よく歩きました。 
 

山スキー初日

2015-02-19 | 登山、スキー
 事故が相次いですっかり「バックカントリースキー」と言う名前が定着してますが、自分の年齢は、やっぱり山スキーと言ってしまいます。

 先日の猛吹雪後いろいろ遊びに誘われてましたが、除雪にかかって暇がなかった。

 今日は初めての場所でした。

 雪は豊富です。輪の小さいストックを持っていったので付いてみると、握りの部分までズブズブ埋まっていきます。

 スキーは思ったよりぬからず、すねの下くらい。


 約一年ぶりの山スキー、いきなりの登りは息が切れました!

 目的の小ピークからは生憎の天気で遠望利かず。


 かなりの急斜面で雪崩が心配でしたが、安定してました。

 帰りは登り返さず、下の林道歩き。

 いい運動になりました。

 今年は気温が高めです。雪は多いけど解けるのも早いかもしれません。

春の山旅③終わり

2014-04-15 | 登山、スキー
3日目 雪

 停滞・・・昨日のうちに今日の停滞は決定していた。昨日あまりにも疲れたのと、この日の悪天が判っていたから。

 朝ゆっくり起きたが、身体じゅう筋肉痛。狭いテント内ではストレッチもできない。

 ほとんど寝て過ごす。たまにラジオを聴いたり、本を読んだり。酒の量は限られているので夕方まで我慢する。


4日目 暴風雪

 停滞・・・天気は思ったより悪い。だんだん風が強くなり、凄まじい風の音が谷中を駆け回る。

 雪はほとんど吹き飛ばされ、積もらない。

 ほとんど寝て過ごす。たまにラジオを聴いたり、本を読んだり。酒の量は限られているので夕方まで我慢する。


5日目 暴風

 撤退・・・ずーっと暴風が吹き続けた。朝ラジオで「暴風警報」が出ていることを知る。

 10時頃まで待機したが、風が収まる気配がないので撤退を決断。

 暴風の中テントを撤収して下山する。


 下の方は、風は強いものの明るかった。


 

 出発地点まで女将に迎えに来てもらう。家の周りも吹き溜まりで出るのに苦労したみたいだ。


 無事家に着いたが、休むことなく家の周りの除雪に取り組む。


 夕方からまた暴風雪になり、翌朝また除雪してお客さんを無事送り出す。



春の山旅②

2014-04-14 | 登山、スキー
 子供たちのそれぞれの入学式、始業式は山行中に恙なく終わっていました。

2日目 晴れ

 昨日までの強風も夜のうちに止んでいい天気です。夜も寒くなく眠れました。

 樹林帯に設営したテント場から稜線に上がると

 南方方向に

 明日から向かう「ラサウヌプリ」が


 稜線上を少し北進すると

 今日の目的地「オンネベツ」

 「ムチャッ遠っ!!」

 歩くしかありません!小ピークを東側の沢の源頭部付近の急斜面をいくつもトラバースして行く。

 靴擦れの痛みはないが、同じ方向のトラバースの連続で足が痛い。

 朝の6時に出発して約5時間、ようやく「オンネベツ」の麓に辿り着く。


 スキーをここにデポして

 正面の雪渓が春に「見返りキツネ」と呼ばれる雪形を現す雪渓になる。

 正面の横に長い部分が将来の尾の部分。主稜線はこの尾の真ん中辺りを横断している。

 ここからも長かったです。



 午後1時少し前にやっと頂上に着きました。

 先には知床連山


 振り返れば今来た道程の先に明日から向かう「ウナベツ」が


 根室海峡には流氷


 この先には我家が



 なんとなく曇ってきました。急いで戻ります。

 出発から11時間でテント場に戻ってきました。2リットル持参した水はケチりながら全て飲みましたが、脱水気味です。

 
 

春の山旅①

2014-04-14 | 登山、スキー
 今日は久しぶりに朝からいい天気で、周りの山がきれいに見えています。

 昨日まで冬に戻ったような悪天がしばらく続きました。

 その悪天を狙ったかのように山に行ってました。

 
 今時期の恒例行事となりつつある山の旅です。今回は知床半島の基部付近「遠音別岳」(オンネベツダケ)から「海別岳」(ウナベツダケ)の間の稜線です。

 今年は山に全然行けてないので、ぶっつけ本番の6日間の山行です。


一日目 晴れ

 この日は十数キロの道程で、ほとんど林道歩き。

 今回はスキー行動が主なので兼用靴を履いてきたのが大失敗!重荷を背負っての平坦な林道歩きは膝、腿にきます。おまけに今期初めて足を入れたせいか?この靴で初めての靴擦れ。

 足の痛みに耐えながらそれでも何とか稜線直下の尾根上にテントを設営、両足の靴擦れ部にテーピングし明日からに備える。



残暑お見舞い申し上げます。

2013-08-07 | 登山、スキー
 暦の上では「立秋」らしいですが、あいかわらず厳しい暑さのようですね!(こっちでは想像できませんが・・・)



 お客さんと斜里岳に登ってきました。天気予報は今一つですが、いつもより少し早めに家を出ることに。霧雨模様です。

 こういう時は、山向こうはいい天気のはずです。

 山頂付近に雲がかかっているものの雨具を着なくても歩けるのは助かります。

 山頂は雲の中
 
 強い風が吹いているが、たまに日差しが強くなったりして風さへ当たらなければ、途中の稜線上より暖かかった。

 5分に1秒くらいは、下界の斜里の畑がパッチワーク模様に広がっているのが一瞬見える。写真を撮ろうにもデジカメのタイミングの悪さに一向にうまく写らなかった。


 さぁーっと登り終え、最後の一服時「靴底がはがれてる~!!」とお客さん。

 実はこの方、去年やらかしてたんです。→こちら

 去年この羅臼岳の後利尻岳に行くべく道中の旭川で買い求めたのが、今回の靴らしいです。コ○ン○ア社製です。このメーカー人の財布には優しいのですが、品質は・・・?

 以前羅臼岳登山中、山頂間近で雨模様になってきたのでカッパを出して着たところ、一人カッパの色塩梅が変なのでよく見たら・・・なんとフードだけ生地が裏表反対に縫い付けられてました。 「セール」で売られてたそうですが、これもこのメーカーでした。

 いくら安かったとは言え新品の靴が二つの山で終わりは、あまりでしょ~!


 山から下りるとかんかん照りでひどい暑さです。

 清里町の道の駅「パパスランド」で温泉に入りました。380円で広くてきれいで、シャンプーもあって気持ち良く汗を流しました。お湯は自分には少し熱くて露天風呂が丁度良い温度でした。

 ひなびた感はありませんが、お勧めです。

 ここで売っていた地元産のジャガイモ焼酎をお客さんに勧めたのですが、「味が判らないので・・・」とのことで近くのジャガイモ焼酎工場に行ってみることに。


 はたして試飲できるか判りませんでしたが、りっぱな建物の中に入って職員の方に伺うと試飲室に案内されました。

 机の上に作られている焼酎全種類のボトルが二本ずつ、試飲用の小グラスが並べられてました。しかも人も付かないので・・・飲み放題みたいです!

 お客さんは試飲してみておいしくて買う気充分だったんですが、ここで問題発生です!

 工場直売が一番安いはずが、さっきの道の駅の売店の方が、200円近くも安く売っていたんです!まさか戻る訳にもいかないので、この先にある農協ストアに行ってみることに・・・

 農協ストアでは直売所より70円安く売ってました。結局ジャガイモ焼酎を買うことなく帰路に着いたとさ・・・清里町さんコレ何とかした方がいいと思います!


 道の駅「パパスランド」から見る斜里岳、やはり頂上付近だけずーっと雲がかかってました。

 秋まき小麦の収穫真っ最中です。北見、網走地方は渇水気味で平年の一、二割の降水量らしいです。



 帰り峠を越えた途端、霧雨模様で気温も低くなり、直前までのビールのお楽しみテンションが、急下降!

知床岳(1254m)

2013-04-22 | 登山、スキー
 地元の仲間たちと知床岳に向かいました。

 天気予報は下り模様ですが、いい天気です。


 尾根の取りつきまでは、10日前より雪がなくなり、ツボ足で歩けました。

 暑いくらいで、自分は最初から薄着だったんですが、しっかりまかなった人は、どんどん脱いでいきます。


 この冬尾根は、二度ほど沢を越えて行かないとだめなのですが、今時は沢が開いているのでスノーブリッジの残っている所を捜さなければなりません。

 たいがい例年渡る所は、同じ場所です。このブリッジももう限界みたいです。


 今回は11人の大所帯です。初対面の方も結構いました。テレマークスキーあり、スノーボードありで賑やかです。しかも皆さん上手で、下手っぴな自分は少し気後れします。

 大人数だと徐々に足並みが乱れてきます。今回も足の達者な若者達が先を行きます。

 自分も少し離れて後を行きます。ここで後続は大きな沢型をつめて登るべく離れました。我々は、いつもの冬尾根を行きます。


 いつも凍っていやらしい急な壁も今日は雪が腐って膝くらいまで埋まりました。

 元気な若者たちは、どんどん先を登って行きます。


 やっと稜線の広い尾根に出ました。自分は手前のハイマツ帯で少々時間を食ったので
沢型から上がってくるチームの様子を伺うようにその上部に向かいました。

 視界は良くて知床連山が、遠くまで見えます。

 ただ雲が下から上がってくるようになりました。どうやら天気の変わり目みたいです。自分は先に見えている若者たちの後を追うのをやめて、沢から上がってくる後続部隊を待つことに。


 ほどなく他のメンバーとも合流し、知床岳に向かいます。

 風もほどほどあり、寒くなってきて一枚着ました。手も冷たくなってきてオーバー手袋を履きます。


 広い尾根を進むと広い雪原の向こうに知床岳が見えてきました。先に行った若者たちも見えていて、頂上の少し手前にいるようです。

 さて我々もと数歩進んだ瞬間いきなりガスに覆われてきました。

 あっという間にホワイトアウトです。

 メンバーの中には知床岳の姿が見えなかったと言う人もいました。


 退散です!!これから写真をいっぱい撮ろうとしていたので結局今回写真はこれだけです。


 ゆっくり先頭の人を見失わない様に滑り降ります。

 沢の上部の急斜面は下に人がいないと斜度が判らず一気に降りれません。雪質は幸い滑りやすいザラメ状です。


 だいぶ下まで降りて、斜度が緩くなってきた辺りからやっとガスが取れてきました。

 皆迷子にならず一安心です。


 ガスがかかっていなかったら、最高の斜面だったはずです!

 樹林帯でこの日唯一登頂した若者二人も無事合流。どうやら頂上に着いた時にはすでにガスにまかれたようです。

 途中から雨が降り出して、車に着いた時にはすっかり濡れてしまいました。

 帰りの車に乗っている頃には、雪交じりになってきて、家に着く頃は、一面真っ白の積雪状態でした。

 今朝は重い雪が10センチくらい積もって、久しぶりに除雪しました。

早春の「地の涯」へ、徒歩の旅 ⑤

2013-04-20 | 登山、スキー
 四日目

 順調なら今日中に相泊に戻れる予定で出発です。

 いきなりのゴロタ石と巨岩帯が交互に出てくるつらい海岸歩きが始まります。

 食料はもう半分以上消費しているし、水も常に川から取れるので最小限の水しか入れてないので、相当荷も軽くなったはずですが、肩にこたえます。



 岩陰を回り込んでビックリ!

 小舟が数十艘磯にかたまっていました。ウニ漁の小舟の群れでした。遠くから声が聞こえて来ます、久しぶりの他人の声です。


 今日最初の難所、「ペキンの鼻」の高巻きです。アイゼンを履いて登り出します。

 無事乗り越えるとアイゼンも泥だらけで、収納する前に川水で洗浄。


 「ペキンの鼻」から、歩いて来た方向を眺める。手前にはウニ漁の小舟が何艘か・・・



 干潮を利用して岩礁帯を回り込んでモイレウシの静かな湾で大休止。

 二日前に通過したポロモイ岳頂上



 ここからはしばらく巨岩帯の迷路が、始まる。デブリが被って踏み抜きの危険もあるが、クマの足跡を辿るのが正解なのか?迷い辿り着くとたいていクマの足跡に当たる。

 大岩を這い上がる所は、クマも苦労したのか滑っている爪痕が・・・

 前回はスキーを担いでいたのでかなりここで消耗した記憶がある。履いていたズボンもビリビリになってしまった。


 干潮が丁度昼間なので快調に岩礁帯を進めた。





 そろそろ岩礁帯も終わるだろうと思われた時、思いもよらぬ難所にあたりました。

 距離こそたいしたことないのに、足場が悪く被り気味で簡単に通過できそうにない感じです。

 二人ともこんな所があったなんて記憶にありません。結論として「流氷か時化で足場の岩がなくなり、こんなふうになったんだ!」ということにして、空荷で渡ってからロープで荷物を海上運搬しました。


 「また新たな難所の出現だね!」なんて言いながら歩き始めて苦笑です。

 すぐ岩の付け根には大きな穴が開いていて、ここが正解の近道でした。



 干潮時間を使って無事岩礁帯を越えられました。もう一日泊まってもいいのですが、なんとか明るいうちに帰れそうなので頑張ることにします。



 最後の難所「観音岩」。ここもクマが先行しています。上部に雪が残っていて、ロープを使って懸垂下降することに。

 前回はここでロープ回収に失敗し、あとで長男と一緒に回収に来てエライ目

 今回はちゃんとチェックして・・・

 降りるとそこにはシカの毛が散乱!クマがこの地形を利用してシカを捕まえ食卓にしていたと想像です。



 もう難所はありませんが、ここからの数時間が忍耐の浜歩き、ある意味一番の難関です。何も考えずにただ足を前に出しているだけです。

 たまに休んで水を飲んで、タバコ吸ってまた歩き出す。

 番屋が見えてくると雪道です。〆はカンジキを履いて


 18時なんとか明るいうちに相泊に到着。無事旅を終えることができました。