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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

おんぶひも

2013年06月26日 | 香港

曇り、28度、80%

 香港にやって来た20年以上も前のこと、この街には赤ちゃん用のバギーが見当たりませんでした。私が探していたのではないのですが、赤ん坊は、おんぶされて運ばれていました。バギーがちらほら使われ始めたのが、15年程前。今では、地下鉄にだって乗せてくる人がいます。でも、主流はなんといっても抱っこひもです。前に抱えているので母親の目も行き届きます。子供と目を合わせる楽しみもあります。

 日本だって、私が小さい時は、赤ん坊はおんぶされていました。冬にもなれば、わた入り半纏、ねんねこ半纏を着せられ背中に縛り付けられているようでした。だって、当時の女の人の家事は、今とはわけが違います。掃除機、洗濯機などほとんどなかった時代です。それに野良仕事に出かけるには背中が一番、携帯に便利です。両手が使えますからね。

 以前の香港、赤ん坊をおぶっている人が、ほとんどみんな使っていたのが、写真のおんぶひもです。女の子は赤、男の子は青。真ん中に、ダブルハッピネスの字が刺繍されていました。この写真のものはプリントです。そして当時から今にいたるまで、おぶっているのはおばあさんかお手伝いさんです。当のお母さんではありません。女性も稼ぎ手です。赤ん坊を産んでも仕事にでます。今でも、赤ん坊が生まれてすぐから世話をする専門のお手伝いさん、チャウチャイという人がいます。もちろんチャウチャイを雇えるのは、それなりの収入がある人です。普通の家庭では、おばあさんが子守りをするわけです。

 暑い日です。子供を抱く背中は暑いでしょうね。それに寝入ると、ぐっと重たく感じます。頭の部分がレースになっています。 首が、後ろに反らないためかもしれません。以前はこんなシャレていませんでした。おばあさん、この後お菓子を売っている店に入りました。日本からの子供用のお菓子を多く扱っている店です。手に取ったのは、卵ホーロにフワフワせんべい。

 今では、香港島や九龍の市街地で、このおんぶひもを使っている人を見なくなりました。そのうちすっかり姿を消すかもしれません。この写真は、あと10分車でも走れば中国という、香港のはずれの街で撮りました。この背中の女の子、おばあさんの背中の匂いを忘れないでしょうね。