晴、13度、86%
桜の花が満開の頃でした。県下のある高校の80数本ある桜並木の桜を今年中に63本伐採すると、ローカルニュースが伝えていました。 昭和32年、1957年に植樹されて今年で「68年」、桜の老朽化が進み倒木の危険があるからだそうです。今年がこの見事な景色は見納めです。桜の木を伐ると聞いただけで胸が痛みました。しかも私が生まれた年に植えられた桜です。
毎朝、家から2キロほど離れた「クリーニング店」の前を走ります。先月の強風の後、破れた店の幌を直す気配もありません。 早朝から火が灯っていた仕事場は真っ暗なままです。数日前、この店に張り紙があるのに気づきました。3月8日に「68年」続けてきた店を閉めることになったと書かれています。昭和32年、1957年開店の「クリーニング店」です。家から近くないのでこの店に洗濯物を出したことはありません。どんな方がお店をやっていたのかも知りません。おそらく90歳近い方でしょう。日に日にこの店が寂しく見えてきました。
私は昭和32年、1957年生まれの68歳です。「68年」とい言葉を身近に感じます。植樹「68年」の桜の伐採、開店から「68年」の店の閉店。「68年」が喜びではなく、一つの終止符です。身につまされます。我が身に感じます。昨年の夏頃から急に体力の衰えを身に感じました。病気ではありません。私より走るのが遅かった人たちが私を追い抜いて行くようになりました。皆さん私よりお若いから当然です。でもその現実を受け入れるのに時間がかかりました。68歳を過ぎてやっと自分のこととして迎えることができました。70歳を前に身体的にも精神的にも一つの山を越えました。
「68年」桜さん、ありがとう。「68年」クリーニング屋さん、ご苦労様でした。身に沁みる「68年」、真奈さん心身ともに穏やかに「70年」に向います。